2018年02月15日
【人柄?】『運は人柄 誰もが気付いている人生好転のコツ』鍋島雅治

運は人柄 誰もが気付いている人生好転のコツ (角川新書)
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、一昨日の「未読本・気になる本」の記事の時点で、もっともお買い求めのあった作品。意外な結果(?)に、どんな作品なのかと私も読んでみた次第です。
アマゾンの内容紹介から。
人生において必要なもの、それは才能:努力:運=1:2:7くらい。7割を占める「運」、実のところ運とは人柄なのだ。運と言われる事のほとんどは、実は人間関係によるもの。ヒット漫画原作者が明かす成功の条件。
なお、上記未読本記事を書いた時点では、新書版と同額だったKindle版が、現在、若干ですがお安くなっています!

Smiling Audrey / bryangeek
【ポイント】
■1.「可愛げのある愛嬌」を持つ「人柄」とは、一般的に人の人品、つまり、品性や人格を意味するもの。わたしの「運は人柄」という考えをもとにすると、そこでは「愛嬌」が多くを占めているのではないかと思います。
「愛嬌」とは、にこやかで可愛らしい様のことを指します。ですが、わたしはもう少し踏み込んでこの「愛嬌」というものを解釈しています。男性から見ても女性から見ても、あるいは年上から見ても年下から見ても、「可愛げ」があることではないかととらえているのです。そんな「可愛げのある愛嬌」を持つ人は、人に好かれたり、愛されたりしやすい。どんな人からも愛されやすい人は、当然のことながら運が高まる傾向にあるのではないでしょうか。
■2.人に受けた恩を下の世代に流す
一見これは、「情けは人の為ならず」と同じく、人にかけた情けは巡り巡って自分に返ってくる、という心がけに感じられるかもしれません。しかし、それはちょっと認識がちがいます。わたしはフリーランスの身だから後輩たちに助けられる局面がありますので、結果的にはそうなっていることもあるでしょう。ちがうのは、結果的にそうなっているだけで、恩を下の世代に流してもその見返りは考えないという点です。
見返りを考えてかけた恩というものは、受けた身からしたら少し複雑な気持ちになりますよね。ありがたいことはありがたいのだけど、どこか利用されているようでもあってなんだかいい気はしない。そんなことでは、「愛嬌」や「可愛げ」にはつながりにくいのです。となれば、やっぱり見返りは求めないほうがいい。
■3.いつも機嫌よくいる
才能があり仕事が"でき過ぎる"人は、自分が優秀な分、周囲のできなさが目につきイライラしがちで、結果として機嫌が悪く見えます。一方、「人に頼める」人は、そういったイライラとは無縁ですから、なんとなくいつも機嫌がよさそうで、周囲の人間も話しかけやすい。それが、ひいては人柄の善し悪しにもつながっていく。
わたしが思うに、年をとった人間の義務は、いつも機嫌よくいることではないでしょうか。
部下など若い人にしてみたら、ただでさえ気を遣うベテランなのに、そのうえ機嫌も悪そうな人だったら、当人にその気がなくても気づけば相手に緊張を強いてしまう。そんなことでは、「愛嬌」も「可愛げ」もあったもんじゃない。
年輩者が人柄をよくし、運を高めるには「機嫌よくいること」はかなり重要なことなのです。
■4.挨拶にひと言付け加える
挨拶の基本は「おはよう」「こんにちは」「こんばんは」です。もちろん、にこやかな笑顔ですることは言うまでもありません。ただ、できればそこにもう一言付け加えてほしい。「おはよう。どう? 最近、ご機嫌いかが?」どれもこれも何気ない一言ですが、それらを加えることで相手はあなたが自分を気にかけてくれていると思い、好印象を抱いてくれます。無視をされたり、自分が誰にも気にかけてもらえていないと感じたりするのは誰だって応えますからね。
「こんにちは。今日の服はとても似合っていますね!」
「こんばんは。寒いから風邪には気をつけてね」
■5.「散歩」と「昼寝」をよくする
とある知り合いの女性漫画家は、30代から不眠症と不妊に悩んでいたのに、それを知って散歩と昼寝をはじめたところみるみる健康になって、40代に入ってから無事に妊娠、出産しました。
わたしの近所にお住まいだった『ゲゲゲの鬼太郎』の生みの親、故・水木しげる先生は享年93歳。長寿をまっとうされましたが、水木先生もよく近所を散歩されていましたし、昼寝もされていたと聞きます。また、ベテランの楳図かずお先生(代表作に『まことちゃん』『14歳』など)も散歩が趣味です。
他にも散歩が趣味で昼寝が好きという漫画家は、長生きで活躍されている方が多いという傾向があります。科学的な根拠こそわかりませんが、この状況をみるに散歩と昼寝はストレス発散に大きな効果があり、またなんの副作用もなく心身を健康にしてくれるにちがいありません。というわけで、わたしも実践しています。
【感想】
◆本書の著者である鍋島さんは、漫画原作者として多くの作品に関わってらっしゃる方。中でも代表作は、下記の『築地魚河岸三代目』です。

築地魚河岸三代目(2) (ビッグコミックス)
この第2巻から第21巻の途中まで原作を、第22巻から第42巻までは、原案を担当。
ちなみに、原作を担当することとなった時点で、鍋島さんに魚や魚河岸に関しては、素人同然の知識しかありませんでした。
そこで現地に赴き「知りたいです。教えてください」という謙虚な姿勢で取材を敢行。
実際、この漫画においても、元銀行員だった主人公が、妻の実家である仲卸の三代目となり、慣れない築地で奮闘する、という設定でした。
そして、主人公の成長には、周りの人の手助けが必要であり、それが得られたのも、主人公の「明るくて一途」なことに加えて、「愛嬌」や「可愛げ」があったから。
まさに、舞台裏を含めて、本書のタイトルである『運は人柄』を、地で行くようなお話だったワケです。
◆また、こうした「運は人柄」の例は、鍋島さんだけにとどまらず、特に漫画界ではよくある模様。
具体的に実名を挙げて紹介されているのが、本書の第4章です。
ここでは高井健一郎先生、さいとう・たかを先生、藤田和日郎先生、高橋留美子先生等々の重鎮が登場。
藤田先生は、この本でどんな方なのかある程度存じていましたが、他の先生方の知られざる一面が明かされています。

読者ハ読ムナ(笑) 〜いかにして藤田和日郎の新人アシスタントが漫画家になったか〜
参考記事:【濃厚!】『読者ハ読ムナ(笑): いかにして藤田和日郎の新人アシスタントは漫画家になったか』藤田和日郎,飯田一史(2016年10月22日)
なお、若手ではカメントツ先生が顔を出しているのですが、私はネタっぽい記事(?)しか見たことがなくて、この本がカメントツ先生作だとは知りませんでした(本書とは関係ないですがw)。

こぐまのケーキ屋さん (ゲッサン少年サンデーコミックス)
◆なお、順番が逆になりましたが、上記ポイントの前半部分は、本書の第1章から抜き出したもの。
プレゼンさながらに(?)、本の冒頭で、ほとんど結論に近いお話が集中しています。
本当は他にもハイライトした部分があったのですが、さすがにそこまで1つの章から引用するのもどうかと思って自重したという。
せっかくなので、1つ、小見出しだけご紹介しておくと、「運を遠ざける『のに』というネガティブワード」。
詳しくは本書でご確認いただきたいのですが、「なるほど確かに」と思わせられました。
◆さらに本書の第3章は、「人柄を『上げる』メソッド」と題して、具体的なTIPSがいくつか登場。
上記ポイントの4番目を初めとして、具体的に実践できるものが収録されていますから、こちらはお見逃しなく。
また、最後の第5章では、人柄にこだわらず、上記ポイントの5番目のように、漫画業界で得られた人生訓のようなものが展開されていますから、自己啓発書好きにはツボかもしれません。
……と各章を見てきましたが、スルーしてしまったのが、第2章。
ここでは、「『運は人柄』と気づくまで」と題して、鍋島さんの生い立ちから、小池一夫先生のスタジオシップに入社し、原作者として売れだすまでが描かれているのですが、前半の生い立ち関係は、あまりいらなかった気が(すいません)。
いずれにせよ、出てくる人、紹介されている人皆が「いい人」なのは、鍋島さんの「人柄」ゆえかもしれませんね。
人柄を高めたい方に!

運は人柄 誰もが気付いている人生好転のコツ (角川新書)
第1章 運は呼び込むもの
第2章 「運は人柄」と気づくまで
第3章 人柄を「上げる」メソッド
第4章 運のよい漫画家たち
第5章 漫画のコツは生きるコツ
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【編集後記】
◆本日終了するKindleセールにはこんなものもあります。Amazon.co.jp: サイエンス・アイ新書_『勉強本』フェア(2/15まで) : Kindleストア
以前の当ブログでしたら、真っ先にご紹介するようなテーマですが、冊数的に微妙だったので、スルーしてしまいました。
興味のある方は今日中にご確認ください!

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