2017年12月01日
【話し方】『たった一言で人を動かす 最高の話し方』矢野 香
たった一言で人を動かす 最高の話し方
【本の概要】
◆今日ご紹介するのも、昨日に続いて先日の「未読本・気になる本」の記事の中でも人気だった1冊。土井英司さんがメルマガで絶賛されていたので、ご存知の方も多いと思います。
アマゾンの内容紹介から。
仕事も人間関係も「話し方」次第で劇的に変わる。雑談、プレゼン、挨拶、営業トーク、結婚式のスピーチ、初デート。最短、最速で最高の結果を出す究極のコミュニケーション術!NHKキャスターとして17年活躍、31,000人の話し方を激変させた秘伝のメソッド。
なお、中古に送料を足すと定価とほぼ同じになりますから、Kindle版が若干お買い得となります!
Facebook Developer Garage Paris - Mark Zuckerberg / Ludovic Toinel
【ポイント】
■1.積極的に自分から「間」をつくる剣持(武彦)氏が指摘するように、「間」はとるものではなく、意図的につくるものです。
聞き手の反応を見ながら「間」をとるのではなく、「聞き手に反応してもらいたい場面」で、積極的に自分から「間」をつくるのだ、と考えてください。
領いてもらいたい場面で「間」をつくる。
考えてもらいたい場面で「間」をつくる。
これだけでいいのです。
「間」はいわば、話し方のターボエンジンです。手漕ぎでボートを漕ぐのは大変なものです。力を使ってへトへトになるし、時間もかかります。これが、「間」のない話し方です。
しかし、ボートにターボエンジンをつけたらどうでしょう。あっという間に向こう岸にたどり着けます。
最短、最速で、最高の結果を出せるのが「間」を使った話し方なのです。
■2.マーク・ザッカーバーグのスピーチにおける7つの「間」
(1)始まりと締めくくりの「間」
(2)話の転換の「間」
(3)強調の「間」
(4)考えさせる「間」
(5)人を感動させる「間」
(6)聞き手を味方にする「間」
(7)余韻の「間」
(詳細は本書を)
■3.「間」をつくるための「一文一息(いちぶんいっそく)」
「一文一息」とは、一文=ワンセンテンスを一息で、息継ぎせずに話すことです。
この「一文一息」は、「間」をつくるために最適な話し方と言えます。
一文の文字数が長いと文の途中で息継ぎをしてしまいます。それでは、意見や主張の内容が伝わりにくくなり、メッセージも弱くなってしまいます。聞き手にわかりやすく、力強く伝えるには、一文をなるべく短くして一息で話すスキルが必須です。
一文を短くして一息で話し、言い終わったところで息を吸います。この息継ぎが「間」になります。
多くの有能な経営者や政治家などカリスマ的なリーダーたちは、この話し方をしています。
■4.つなぎ言葉で人を引きつける
つなぎ言葉の後に「間」をとることで、聞き手はその後の話のつづきを待ちます。さらに種類によって、話し手が次に何をしたいのか、心の準備ができます。「〜と一般的には書われています」このように逆接のつなぎ言葉を使うと、聞き手は、一般的に言われていることは違うんだと続きの話を期待します。
「しかし」
(「間」)
「今回わかったことは」
「ところで(「間」)」を使えば別の話題にいくんだなと気持ちをきりかえることができます。
「つまり(「間」)」では、ここまでの内容をまとめてくれることを期待します。ここからあわてて真剣に聞く人もいるかもしれません。
■5.会話は「間」で制する
会話の乱打戦では、他の人が話し終えるのを待っていたら、いつまでも自分の出番は回ってきません。話がどんどん進んで、会話に入るタイミングがなかなかつかめないこともあります。
そこでターゲットを絞ります。商談や会議の場では、大体一番よく話す人は決まっています。その人がターゲットです。たとえば、「具体的にはどのような対策をお考えですか?」と、ターゲットに質問を投げかけます。
相手が答えている最中は話すリズムに合わせて相槌を打ちながら聴きます。一通り回答が得られたなら、「とてもよくわかりました。ありがとうございます」と相手が他の話を始める前に止めます。そして、「間」をおかずに「当社がご提案する法人向けのサービスを加えていただくと、今うかがった案をさらに短期間ですすめることができます」と、自分の話したい本題に移すのです。
【感想】
◆プレゼンやスピーチで「間」をつくる、というTIPS自体は、前々から知っていました。しかし、その「間」だけを、ここまで深く掘り下げた本は、今までなかったかと。
しかも、この「間」は、類書で言われているテクニックと併用することが、もちろん可能です。
「結論から話す」「大事なポイントは3つにまとめる」「質問する」等々の話し方をしていても、あまり効果がなかったという方は、ぜひこの「間」を入れて試してみるべき。
本書の第2章では、具体的にどう「間」を入れたらいいかを指南してくれているので、気になる方はそちらでご確認ください。
◆そして、その「間」の種類について解説しているのが上記ポイントの2番目。
これは、マーク・ザッカーバーグが2017年5月25日に、母校であるハーバード大学の卒業式で行ったスピーチを分析したものです。
上記は字幕付きですが、以前、日本語訳のエントリーがはてブホッテントリー入り(ブクマ2500超!)していたので、そちらも。
ザッカーバーグのハーバード卒業式スピーチが感動的だったので日本語訳した。
上記ポイントではタイトルだけ列挙していますが、本書ではそれぞれの「間」について、このスピーチのどこで行われ、それらがどう効果を挙げているのかを指摘しています。
……これが全部計算された「間」だとしたら、「ザッカーバーグ恐るべし」と言うしかなく。
◆一方、その「間」をつくるのに都合がいいのが、上記ポイントの3番目の「一文一息」です。
なるほど、一息で話せるくらいのワンセンテンスが、伝えるためには効果的である、と。
さて、この「一文一息」には、著者の矢野さんによると「7つの効果」があるのだとか。
その中でも特に興味深かったのが、「あー」「えー」(「フィラー」と言うのだそう)がなくなるというものです。
何でも、つい「あー」「えー」と言ってしまうのは、そのとき口が開いているから。
それを防ぐためには、「一文一息」で一文を話し終えたら、いったん口を閉じるだけで良いのだそうです。
◆ところで、この「間」は自分が話すときだけのポイントではありません。
自分が聞き手役にまわっている時にも意識しておきたいところ。
上記ポイントの5番目では、複数人との会話で主導権を握るためのTIPSが挙げられています。
要はいくら話し続ける人がいたとしても、結局どこかで「息を吸う」必要がありますから、その「間」を逃さないこと。
逆に相手の話をうまく聴くためには、相手の話が消えかかる「間」(「〜だなぁ」「〜だよねぇ」等)に合わせて合いの手(「はぁ」「ふぅん」「へぇ」等)を入れるのだそうです(詳細は本書を)。
ちなみに、これがうまくハマると、心地よいコミュニケーションになるとのこと。
……これはビジネスシーンだけでなく、デートでも使えるヨカンw
「間」を制する人は、コミュニケーションを制します!
たった一言で人を動かす 最高の話し方
1章 なぜ、あなたの話し方は相手に伝わらないのか?
2章 「間」をとれば「最高の話し方」になる
3章 世界の一流に学ぶ「最高の話し方」
4章 人を動かせる「間」のコントロール法
5章 「間」をつくりだす最高の伝え方、「一文一息」
6章 「間」を使った最高の聴き方
7章 「最高の話し方」のためのメンタル
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【編集後記】
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