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2017年11月25日

【思考術?】『天才の閃きを科学的に起こす 超、思考法――コロンビア大学ビジネススクール最重要講義』ウィリアム・ダガン


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天才の閃きを科学的に起こす 超、思考法――コロンビア大学ビジネススクール最重要講義


【本の概要】

◆今日ご紹介するのも、昨日に続いて11月初旬の「未読本・気になる本」の記事にて人気だった思考術本。

著者のウィリアム・ダガンは、『戦略は直観に従う』で知られるコロンビア大学ビジネススクールの上級講師です。

アマゾンの内容紹介から。
世界のトップスクールで学生が殺到する超、人気授業!2時間で「考え方」が一生変わる衝撃メソッド!最新の脳科学が解明!世界一速く、究極に深くひらめく方法。

なお、版元は滅多にセールを行わないダイヤモンド社さんだけに、1割引きでもKindle版がオススメです!





#ToInfinityAndBeyond / .• Daniel Pham .•


【ポイント】

■1.「第6感」と「第7感」の違い
 第6感は、「直感」と呼ばれることが多い。
 これは、以前に同じような状況を経験しているために(たとえその状況をはっきりとは思い出せなくても)、目の前の状況に対して素早い判断をしたり、繊細な感覚を得たりできることを指す。(中略)
 しかし、新しい状況で求められるのは同じアイデアではない。それまでとは違う何かがなければならない。
 そこで必要になるのが、第7感だ。
 第7感は、新たなアイデアを生みだす脳のメカニズムだ。それは、これまで誰も思いつかなかったような突然のひらめきや、「そうか、わかった!」という感覚を生む。新しく、かつ便利なアイデアを生みだすのは第7感だ。実際、社会は第7感がもたらすアイデアによって進化してきた。


■2.第7感を構成する4つの要素
 プロイセン王国の軍事学者カール・フォン・クラウゼヴィッツは、近代戦略研究の開祖とされている。その著書『戦争論』は、戦略をテーマにしたものとしては西洋でもっとも有名な書物として知られ、1832年の刊行から約2世紀が経過した現在でも、世界各地の書店で売られ、各国の大学や軍事学校で研究されている。
 当然ながら、クラウゼヴィッツは神経科学については何も知らなかった。だが、戦略的思考は4つの要素で形成されると考えた。これはまさに、本書が第7感を構成すると考える、以下の4つの要素と同じものだ。
・歴史の先例
・オープンマインド
・突然のひらめき
・決意


■3.「失敗例」を考える必要はない
 基本的に、失敗例が有用なのは、きわめてよく似たケースに直面しているときだ。第6感(直感)にとって、失敗は重要だ。第6感を磨くためには、成功だけでなく失敗も経験しなければならない。
 たとえば音楽の先生は、ある曲を演奏する際にもっともありがちな失敗を生徒に教える。起こり得るすべてのミスについて学ぼうとするのは効率的ではないが、よくある失敗について学ぶことは、あらゆる分野で第6感を磨くために有効な方法だといえる。
 一方の第7感では、失敗例はあまり役に立たない。シュルツはコーヒーバーがミラノで繁盛していたからこそ、大きな衝撃を受けた。第7感が結びつける歴史の先例は、失敗例ではなく成功例だ。


■4.「脳のプラグ」を抜いて差し直す
 昔ながらの電話交換機を思い浮かべてほしい。当時は、へッドフォンをつけたオペレーターが、大きなボードにある大量の穴に電話線のプラグを抜き差ししていた。
 これを脳として考えたとき、オープンマインドとは、いったんこのボードのすべてのプラグを抜くことだ。そして、まったく新しい組み合わせで電話線を差し込んでみることで、新しいアイデアを得るのだ。
 オープンマインドは、第6感(直感)と第7感のどちらにも欠かせない。だが第6感では、オープンマインドは一瞬必要になるだけだ。ある瞬間、現在の思考を停止し、経験の引き出しのなかから慣れ親しんだアイデアを瞬時に取り出すのだ。(中略)
 一方、第7感では、オープンマインドを長時間持続させなくてはならない。「ひらめきの材料となる先例を取り入れるとき」「材料を組み合わせてひらめきを起こすとき」「アイデアを軌道修正していくとき」の3つのステップで、何度もオープンマインドが必要になる。


■5.思考を解放する「フリー・ユア・マインド」
「フリー・ユア・マインド」は、「ストレスを戦略に変える」テクニックだ。前述したように、ストレスから生じるプレッシャーは良いものだが、ストレスから生じるネガティブな感情は悪いものである。
 そこで重要になるのが、プレッシャーに対してネガティブな感情ではなく、オープンマインドで反応することだ。オープンマインドで反応することで、ストレスへの対処法についての良いアイデアが浮かびやすくなる。この意味において、「フリー・ユア・マインド」は第7感を向上させるためのもっとも重要なツールだ。
「フリー・ユア・マインド」は次の4つのステップから成る。
・問題
・過去/未来
・カルマ/ダルマ
・行動
(詳細は本書を)


【感想】

◆そもそもアマゾンで、本書の詳細な内容紹介にある
最新の脳科学が解明した、脳の恐るべきパワー「第7感」を駆使したまったく新しいメソッド!
という一文を読んだときには、正直「ぁゃιぃ」と感じたワタクシ。

ただ、それも実際に本書を読み、「第6感」との比較をすることで、ストンと腑に落ちました。

特に本書で言う(一般的に言われているのか?)「第6感」とは、マルコム・グラッドウェルの『第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい』と同じである、とのこと。

第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい
第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい

参考記事:『第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい』 マルコム・グラッドウェル (著)(2006年03月01日)

いわゆる「デジャヴ」と言われるものですね。


◆一方の「第7感」とは、上記ポイントの1番目にあるように、過去の状況や経験とはまったく異なる「新しい状況」から生まれるもの。

そしてこの「第7感」は、上記ポイントの2番目にあるように、4つのステップから構成されています。

最初の「歴史の先例」とは、ひらめきの材料になるものであり、自身の経験や知識等。

なお、その際、「失敗例」は基本的に不要であることは、上記ポイントの3番目にあるとおりです。

また、2番目の「オープンマインド」とは、上記ポイントの4番目に詳しいところ。

こうしたステップを踏むことによって、3番目の「突然のひらめき」が起こるワケです。

……とここでは簡単にまとめてしまいましたが、本書ではそれぞれのステップについて、第3章から第6章までを費やして詳しく解説されていますから、ご安心を。


◆続く第7章からは、具体的に「第7感」を磨く方法をレクチャー。

まず第7章では、その中の1つである「フリー・ユア・マインド」について述べられています……ってあのまとめ方では分かりにくいですよね(困惑)。

もうちょっと細かく言うと、まず「すべての『問題』を書き出す」ところから始めます。

次にその問題を「過去」のものか「未来」のものかに分類。

その次の「カルマ」と「ダルマ」とは仏教用語で、前者が自分でコントロールできないもので、後者がコントロールできるものを意味しています。

つまり、それぞれの問題のコントロールの可否について考えるということ。

そして、それぞれの「カルマ」と「ダルマ」に対して、とるべき行動を決定する次第。

これって「第7感」のみならず、もっと広い用途に使えそうな気が……。


◆本書では他にも「人生戦略マップ」と「アイデア・ネットワーキング」という2つのツールについて、それぞれ第8章と第9章にて解説がされています。

本当はこれらについても上記ポイントで触れたかったのですが、ボリューム的に難しかったので泣く泣く割愛。

一応、巻末の「付録1」で、「フリー・ユア・マインド」を含めたこれら3つのツールについて、簡潔にまとめられていますから、詳しくはこちらをご覧ください。

なお、このうち「人生戦略マップ」については、巻末の「付録2」として、著者がコロンビア大学で学生たちにレポートとして提出させたものが4人分収録されていますから、こちらもご参考のこと。

本人たちによる説明も各4ページほどあり、併せて読めば、書き方の理解が深まると思います。


コロンビア大学の超人気授業のエッセンスをご覧アレ!

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天才の閃きを科学的に起こす 超、思考法――コロンビア大学ビジネススクール最重要講義
CHAPTER 1 もっとも「深い答え」を生みだす――究極の能力「第7感」で考える方法
CHAPTER 2 それは「忘れた」ころにやってくる――「ただ考える」を超える
CHAPTER 3 「思考の燃料」を蓄積する――使える「先例」を頭の中に収集する
CHAPTER 4 「脳のプラグ」をすべて抜く――脳が本当の力を出せる状況をつくる
CHAPTER 5 脳が一瞬で「スパーク」する――こうして爆発的な「発想」をつかむ
CHAPTER 6 「考えるだけ」で終わらせない――「決意」で思考が深化する
CHAPTER 7 すべての「ムダな思考」をやめる――「考えるべきこと」だけを考える技術
CHAPTER 8 全部を「マップ」にする――霧のような思考を「見えるもの」に
CHAPTER 9 「良い質問」がすべてを変える――「問う」ことの驚くべき効果
CHAPTER 10 「1パーセント」の時間を使う――「第7感」を習慣化する


【関連記事】

【戦略】『戦略は直観に従う』ウィリアム・ダガン(2010年10月10日)

『第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい』 マルコム・グラッドウェル (著)(2006年03月01日)

【天才の思考法】『超ロジカル思考 ―「ひらめき力」を引き出す発想トレーニング』高野研一(2015年08月25日)

はじめて『アイデア・ハンター』を使う人が知っておきたい6つのルール(2012年08月31日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

1日5分 「よい習慣」を無理なく身につける できたことノート
1日5分 「よい習慣」を無理なく身につける できたことノート

当ブログでもご紹介済みの自己啓発書が、再びワンコイン弱にて登場!

中古も同じくらいのお値段ですから、送料分弱、Kindle版がお買い得となっています。

参考記事:【内省?】『1日5分 「よい習慣」を無理なく身につける できたことノート』永谷研一(2016年10月10日)


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