2017年11月14日
【ジャーナリング?】『「手で書くこと」が知性を引き出す 心を整え、思考を解き放つ新習慣「ジャーナリング」入門』吉田典生
「手で書くこと」が知性を引き出す 心を整え、思考を解き放つ新習慣「ジャーナリング」入門
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事でも意外な人気を集めた自己啓発書。タイトルにもある「ジャーナリング」は、上記記事でも触れたように、私は『OPTION B(オプションB) 逆境、レジリエンス、そして喜び』を読んでその存在を知ったのですが、一般的にはマインドフルネスの一環として広く行われているようです。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
本当にやりたいことはなにか、自分が喜んだり怒ったりする真の理由、人生において大事にしていきたいこと…思いつくままに手を動かしていくことで普段は見えない「あなた自身」が姿を現します。さらに、心を鎮めて書き続けることで、集中力、想像力、レジリエンス(回復力)が高まり、仕事、健康、メンタルなどに好影響を与えていきます。
なお、中古にプレミアが付いていますから、若干とはいえお得なKindle版がオススメです!
2017-05-09a What do I want from monthly reviews #journaling / sachac
【ポイント】
■1.ジャーナリングは「心のトレーニング活動」Google本社で開発されたマインドフルネスを基盤とするリーダーシッププログラム『Search Inside Yourself』には、あるテーマについて決まった時間ずっと書き続ける「ジャーナリング」というワークが組み込まれています。瞑想と書くことになんの関係があるの? と思うかもしれませんが、これは"書く瞑想"と言える実践なのです。瞑想について、科学的な観点からとらえた定義として『実践者を特別な種類の心のプロセスに馴染ませるようにデザインされた、一群の心のトレーニング活動』(ブレフツィンスキー・ルイス ウェストバージニア大学准教授)というものがありますが、書く瞑想であるジャーナリングも注意深さやそこから現れてくる気づきといった「心のプロセス」に向けた「一群の心のトレーニング活動」として位置づけることができるのです。
■2.手書きはアルファ波が出やすい
さらに、日頃からマインドフルネス瞑想を実践している被験者は、手書きによるジャーナリングではアルファ波が高まり、キーボードによるジャーナリングでは、手書きのときと比べてベータ波が高まりました。脳波にはリラックスしているときにはアルファ波、イライラしているときにはベータ波、強い不安を感じているときにはガンマ波が出やすいといった基本的な傾向があります。
中でもアルファ波が高まるのはストレスが和らぎ、覚醒しながらもリラックスしている状態≒マインドフルネスの状態のときだと言われています。将棋の名人が最高のパフォーマンスを発揮しているときにも、アルファ波が出ているそうです。つまりアルファ波が高まっている状態=創造性が発揮される状態と言っていいでしょう。
■3.考えずに書く
本書が推奨するジャーナリングはテーマを決め、一定時間ひたすら書き続ける、というシンプルなワークです。
ただ、一定時間にわたって手を動かし続けることは、案外難しいようです。普通私たちは、何を書くかをある程度は考えてから書き始め、どう表現すればいいかわからなくなったら、また考えて整理がついてから書くことに慣れているからです。
上手に書こう、間違わないようにしよう、うまく文章として成立させようという意識が強く働くと、顕在意識にあることしか出てきません。(中略)
「考えてから書こう」という呪縛を振りきり、"先に手を動かす"方式でジャーナリングをしていると、新たな体験が訪れます。それは
「私がこんなことを書いた」
ではなく
「こんなこと"が"書いた」
という経験です。
■4.実施時間によるジャーナリングの使い分け
臨床現場でのジャーナリングは実施時間が概ね15〜20分に設定されていることが多いようですが、私たちがワークショップで実践するジャーナリングは、通常5分程度の短い時間で行います。(中略)
ただし単発では個人差があり、継続することで効果を実感できる人が増えてくるのは、マインドフルネス瞑想と共通する点です。
そこで私が提案したいのは、・重要な課題に向き合う耐久レース型のジャーナリング(20分間)を使い分けることです。
・日常の内省を深めるための中長距離走型のジャーナリング(10〜15分間)
・短時間で心身のコンディショニングを行うための短距離走型のジャーナリング(5分間)
(詳細は本書を)
■5.ジャーナリングを始めるときの8つの心得
(1)一定時間、書き続ける(できるだけ手を止めずに)
(2)脚色せず事実をあるがままに書く
(3)(他人の目を気にする必要はないので)気持ちをあるがままに書く
(4)文法や文章、文字の誤りなどは気にせず自由に書く
(5)リラックスでき、かつ集中して取り組める空間を整える(移動中の短時間のジャーナリングは例外)
(6)始める前のマインドフルネス瞑想などのウォーミングアップ、書いた後の内省と気づきの記録までを含めてジャーナリングの1セッションとする(短時間のジャーナリングでは必須ではない)
(7)力を入れずに文字を書ける芯が柔らかめの鉛筆を使う
(8)紙は線が入っていない白紙かシンプルな罫線のみの物を使う(コピー用紙やレポート用紙でもよいが、愛着が湧くようなノートを用意するのもよい)
【感想】
◆アマゾンの内容紹介にも簡単に触れられてはいたのですが、このジャーナリングは、いわゆる「マインドフルネス」のワークの一環なのだそう。実際、上記ポイントの1番目にあるように、Google社内で行われている『Search Inside Yourself』にも、ジャーナリングは組み込まれているらしく。
……そういえば、今月の「Kindle月替わりセール」の対象に、この本が含まれていましたっけ。
サーチ・インサイド・ユアセルフ ― 仕事と人生を飛躍させるグーグルのマインドフルネス実践法
私も絶賛積読中なので、今月中にこそ何とかしなくては。
◆また、冒頭でも触れたように、私が「ジャーナリング」という言葉を知ったのは、この本ででした。
OPTION B(オプションB) 逆境、レジリエンス、そして喜び
参考記事:【レジリエンス】『OPTION B(オプションB) 逆境、レジリエンス、そして喜び』シェリル・サンドバーグ,アダム・グラント(2017年10月22日)
一方、本書の第1章においても、この本の紹介並びに、シェリル・サンドバーグが行ったジャーナリングについての言及アリ。
ただし、彼女は「ご主人を失った悲しみを癒す」という目的でジャーナリングを行っており、これは結構イレギュラーなケースになります。
◆では、通常はどんなテーマでジャーナリングをするべきか、というと、実は本書では、テーマごとにお題を80個あまり収録。
一部アマゾンの内容紹介にもありますが、突拍子もないモノから、日常生活に密着したモノまでさまざまです。
一応そのお題をまとめたカテゴリーらしきものがあって、列挙すると
・ありえない想定で遊ぶといったところ。
・ほんとうに大事にしたいことを思い出す
・見たくない自分にふれる
・グレートな自分を探す
・どうしても「やる気」が起きないとき
・ここ一番、本領発揮したいとき
・自信がぐらついてしまうとき
・チームの「やる気」に働きかけたいとき
それぞれに該当するテーマが10個程度ある仕様ですから、毎日違うお題でやっても、当分困らないでしょう。
◆なお、上記ポイントの3番目に「考えずに書く」とありましたが、まさにそれこそが一番のネックとなりそうな私。
今こうしてタイピングをしている時も、当たり前ですが、何かしら考えてから指を動かしています。
というか、ある程度考えがまとまるまで、指も動かないんですけど、手書きだと違うんでしょうか……?
もしくは、「時間を決めて大量に書く」というスタイルである、この本のやり方とはどう違うのか?
ゼロ秒思考
参考記事:【思考術】『ゼロ秒思考 頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング』赤羽雄二(2013年12月27日)
本書では、用いるべき文房具から、BGM(?)等々、こまかく指南してくれていますから、あれこれ悩まずに、まずはやってみると良いかもしれません。
本書を活用すれば、潜在意識が活用できるヨカン!?
「手で書くこと」が知性を引き出す 心を整え、思考を解き放つ新習慣「ジャーナリング」入門
序章 マインドフルネスとは自分の現在地を知る注意深さ
第1章 心を探索するジャーナリングの力
第2章 ジャーナリングの効果を最大限に高める方法
第3章 自分を深く知るためのジャーナリング
第4章 やる気を自己管理するジャーナリング
第5章:ジャーナリングの筋力を鍛えるマインドフルネスワーク
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すぐに使える『自分を操る超集中力』テクニック5選(2016年05月31日)
【思考術】『ゼロ秒思考 頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング』赤羽雄二(2013年12月27日)
【編集後記1】
◆今回上記の赤羽さんのご本の記事を読んでいて、その中で紹介されているこの本を、久々にアマゾンで見たのですが。書きながら考えるとうまくいく!―プライベート・ライティングの奇跡
現時点で中古の最低価格が、「62000円弱」という状態にビックリの巻!?
……事務所のダンボールのどこかにこの本入ってますから、半値でもいいから買ってもらえんかなw
ご声援ありがとうございました!
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