2017年11月10日
【時短術】『仕事を高速化する「時間割」の作り方』平野友朗
仕事を高速化する「時間割」の作り方
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事でも人気だった「時間術本」。著者の平野友朗さんは、「メール本」に特化された方なのだと思ってましたが、なかなかどうして、本書の時短効果は優れたものだと思います。
アマゾンの内容紹介から。
なぜ子どもは時間を守れるのに、大人は守れないのか?手帳、ノート、付箋、優先順位づけ、過剰品質―、全部要りません!
中古が相変わらず定価以上のお値段ですから、若干とはいえKindle版がお買い得です!
my-google-calendar / mahalie
【ポイント】
■1.繰り返し使う付箋はクリアファイルに固定ただ、ポンと書類だけが置いてあると、ちょっと乱暴な依頼ですし、失礼に感じる人もいます。
そのため、請求書に付箋を貼って「発送をお願いします。平野(印鑑)」と書いていました。スタッフは請求書を送り、付箋は破棄します。
請求書の発送依頼は月に30件くらい。一度にまとめて依頼することもありますが、毎月20回くらいこのようなメモを書いていました。正直なところ面倒な作業です。
今ではクリアファイルに「請求書の発送をよろしくお願いいたします。完了後はファイルをご返却ください。平野友朗」と書いた紙を貼り、その中に請求書を入れてスタッフのデスクの上に置いています。
スタッフはクリアファイルから請求書を抜いて発送し、空のクリアファイルを私に返却する。これによって年間240回くらいの付箋に書く作業を減らせました。
このようなクリアファイルを複数用意して、その都度使い分けています。
■2.ノートを使わず、A4のコピー用紙を使う
私はノートを使わないだけでメモは取ります。お客さまとの打ち合わせでメモを取るときは、A4のコピー用紙を使っています。A4サイズのクリップボードにコピー用紙を10枚くらい挟んだものを持ち歩いています。(中略)
A4のコピー用紙は毎回、新しいものを使います。裏紙は使いません。印刷されているものが裏に透けて見えると気になります。これがノイズとなって思考が飛びます。ほんの数秒であっても思考が飛べば集中は切れてしまいます。集中が切れるような要素は全て排除します。
それに、A4のコピー用紙に図を描いて説明すると、お客さまから「その用紙をいただけませんか」と言われることがあります。差し上げるのは問題ないのですが、裏紙を渡すのは格好が悪いし、社外秘の情報が書いてあったら渡せません。そのため都度、コピーをとって渡していたこともありました。出先であればコンビニまで行ってコピーをとることも。新しい用紙を使っていれば、そうした手間はかかりません。
■3.優先順位は考えない
私は、ものごとに優先順位をつけるのではなく、「やるべきことは全て期限内にやればいい」と考えています。優先順位をつけるという行為が脳に負荷をかけています。
AとBだったら、どちらの優先順位が高いだろう。では、BとCだったら。このように、それぞれを比較することで脳が疲労します。
何度もお話ししている通り、効率よく仕事をするには考えないことが重要です。2つや3つのタスクを比較するなら簡単ですが、実際に今やるべきタスクは100を超えるのではないでしょうか。
目の前にある100のタスクに優先順位をつけて、厳密に並び替えることはできるでしょう。しかし、大まかな優先順位をつけるならまだしも、正確につけようとしたら一日かかるかもしれません。その間にいくつのタスクがこなせたでしょう。
■4.予定はすべてGoogleカレンダーで一括管理
自分がやるべきことをカレンダーに書き込み、後はそれをただ粛々とこなすだけ。
30分から数時間の枠を取り、その時間内で決められたタスクをこなす。予定にないことは基本的にはやらない。これを徹底しただけで、スケジュール管理が一気に楽になりました。(中略)
研修などの予定が決まったらすぐにGoogleカレンダーに入力します。その前後には「移動」「撤収」などの時間も入力します。
飛行機もその場で予約してフライトの時間をカレンダーに入力。飛行機の便などの情報や、会社から空港までの移動時間も入力します。経路も具体的に。(中略)
準備から当日の行動まで全ての予定をカレンダーに入力。予定の時間になったら会社を出て空港に向かう。カレンダーに入れている通りに行動するだけです。
■5.実施したログもカレンダーに残す
通常、行動予定だけを残すことが多いですが、実施したログも残すべき。私は、Googleカレンダーを利用してその都度、予定を書き換えているので自動的にログが残ります。
時間がかかると思っていたものが30分で終わったらカレンダーも30分に変更する。過去のカレンダーは仕事のログなので、どんなタスクが何分で終わったのかを確認できます。次に同じような業務が発生するときは、過去のログを見て時間を予測することもできます。
業務にかかる時間は正確に測定しておかないと感覚で考えてしまいます。
自分が好きな業務は早く終わっていると思いがちですが、実際、計測すると倍以上の時間がかかっていることもあります。
「PDCAサイクルで回しましょう」とよく言いますが、そのサイクルに乗っていないことが実は多い。ほとんどが計画して実施、そこで終わり。予測と結果が合っていたのかまで把握しなければ改善できません。
【感想】
◆当ブログの執筆スタイルの関係上、「大ネタ」と「小ネタ」が混在してしまい恐縮です。基本的に、本の中で出てきた順に付箋(ハイライト)した部分から抜き出しているのですが、上記ポイントの1番目と2番目は、いわゆる「小ネタ」。
残りの3つは「小ネタ」というには忍びないくらいの「大きなテーマ」だと思います。
特に上記ポイントの4番目こそ、本書のタイトルでもある「時間割」に通じるもの。
要は「Googleカレンダーによる一括管理」こそが、著者の平野さんのお考えになる「時間割」になります。
◆その際、普通だったらToDoリストに書くようなタスクでも、Googleカレンダーに記入(なぜなら、ToDoリストは時間の概念がないから)。
あくまでToDoリストは、短期的な備忘録(数分で終わるタスク等)を管理するのに用います。
さらに平野さんがスゴイのは、毎月行うルーティンの作業の詳細まで、Googleカレンダーのメモに記入していること。
たとえば平野さんの会社には銀行IDが4つあるのですが、下2ケタと名称等をメモに載せており、これがGoogleカレンダーの繰り返し設定で、毎月確認できる仕様になっています。
確かにGoogleカレンダーに載っていれば「それだけ見ればよい」ワケですから、迷う必要がありませんよね。
◆また、上記ポイントの5番目にあるように、実施したログもカレンダーに記入。
この場合は、通常なら「予定」として記入されていたことでしょうから、それがどうなったかを記すことになります。
これはたとえば、次回同じタスクが発生したときに、作業時間の見積もりを出すのにすこぶる便利でしょう。
過去何度か、この話題が出たときに、「以前私もExcelに打ち込んで管理していました」と画像を貼ったものですが、やらなくなって久しいので今回から自重(大汗)。
ちょうど昨今、「PDCA本」が当ブログでも人気となりましたし、「PDCAサイクル」の完成度を高めるためにも、「Googleカレンダーにログを記録する」のは、オススメです。
◆一方で、飛ばしてしまいましたが、上記ポイントの1番目のクリアファイルの活用法は「目からウロコ」でした。
ただ、これは同じ職場に人がいて、ルーティンで依頼する作業がある人向けのお話なので、私個人としては実践できないのですが。
逆に、毎月それぞれ同じ内容のメモを書いて、郵送している相手が数か所あるのですが、わざわざクリアファイルを返送してもらうわけにもいかずw
こういう場合、コストとの兼ね合いですが、オリジナルの付箋や、オリジナルのスタンプを作って使う、という手があるものの、私はとりあえず手書きで頑張ります。
いずれにせよ、「繰り返す作業」や「同じことをやる作業」があったら、「まとめてできないか」を考えるべきでしょう。
◆なお、同じような「小ネタ」として、割愛した中には「同じ靴下を12足買う」なんてのもありましたが、セミナーでこの話をすると、女性に非常にウケが悪いのだそうw
……一応平野さんは、仕事で着る服は、プロにすべて選んでもらっているそうなので、オシャレじゃないわけではありません。
ただ、実は選択肢をなくすことは、「ウィルパワーの無駄遣いを減らす」意味で大変効果があることですし、ジョブズの黒タートルも同じ理由だったハズです。
そういえば、上記ポイントでも「粛々とこなす」とありましたし、この辺の一種「機械的にタスクをこなす」のが、平野さんの「時短術」の秘訣なのかもしれません。
個人的にはオススメの1冊!
仕事を高速化する「時間割」の作り方
プロローグ 「時間」と「お金」――どちらが大切ですか?
Chapter1 付箋を使うな
Chapter2 ノートを使うな
Chapter3 優先順位はつけるな
Chapter4 手帳を使うな
Chapter5 メールに時間をかけるな
エピローグ 0.1%の成長
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【編集後記】
◆本日の「Kindle日替わりセール」から。ニュースの“なぜ?”は世界史に学べ 日本人が知らない100の疑問 (SB新書)
やや時間が経過しているのが残念ですが、逆に新書で中古が底値になっていないのがスゴイ気が。
結果、送料を考えると、Kindle版の方がお買い得となります!
ご声援ありがとうございました!
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