2017年09月22日
【メール術】『仕事が速い人はどんなメールを書いているのか』平野友朗
仕事が速い人はどんなメールを書いているのか
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、久々に今月の「Kindle月替わりセール」からの1冊。そろそろ月末ということで、月初から気になっていたこの本をいよいよ読んでみた次第です!
アマゾンの内容紹介から一部引用。
仕事が速い人とそうではない人、その違いは一体どこにあるのか――? これまでに1万通を超えるビジネスメールを添削してきた著者が、仕事が速い人が書くメールの共通点を徹底分析。「目的」「ビジュアル」「返信しやすさ」「言葉」「処理時間の削減」の5つの観点から、仕事をスピーディーに進めるためのメール術をわかりやすく解説。本書のテクニックを応用すれば、定時退社も夢じゃない?
なお、中古が未だ1000円以上しますから、送料を加味するとKindle版が500円弱お買い得となります!
Email / Bruno Girin
【ポイント】
■1.ブロック化・1行空きで本文を美しく整える文章を読みやすくするコツは、20〜30文字程度で改行すること。そして、文章のまとまりごとに「ブロック(文章の塊)」をつくることです。
この場合のブロックは、段落のようなものだと考えてください。
ブロックは5行以内でまとめられると理想的。もし5行に収まらなければ、できるだけ短くしてみてください。
ブロックとブロックの間には、1行分の空きを入れましょう。
ここで注意したいのは、一文ごとに空きを入れないこと。
よく、ブログなどで一文ごとに空きが入っているケースがありますが、メールとブログは違います。一文ごとに空いていると、文単体では読みやすい反面、文と文の関連がつかみにくく、間延びした印象を与えます。
■2.「7つの要素」を意識してメールを書く
レイアウトを整えるには、メールの構成要素を頭の中で組み立てることが大切です。
メールの構成要素は全部で7つ。
宛名、あいさつ、名乗り、要旨、詳細、結び、署名です。
この7つのうち、要旨、詳細は、メールの内容に応じてそのつど変化しますが、残りの5つは定型をアレンジするだけで用が足ります。いわば「型」のようなものですから、書き方さえマスターすれば、それをなぞるだけ。考える必要はありません。
仕事が速い人は、メールを書くときに、このように時間をかける箇所を決めています。メール全体に集中するのではなく、考えずに反射的に書けるような部分をつくっておくと、文章の作成は非常に楽になります。
考えるべき部分と考えなくてもいい部分を、きちんと分ける。
これが、仕事を速く回していくコツなのです。
■3.「なぜ、このメールを送ったのか」を先に書く
まず「要旨」ですが、ここには「なぜ、このメールを送ったのか」という説明が入ります。いわば、メールを送った「目的」です。
ここで、前章の内容を思い出してください。
前章では、メールを送るときには「目的」を意識することが大事だと書きました。
目的とは、そのメールの本題であり、一番伝えたいことです。
ですから、「要旨」には、目的を明記します。
具体的には、こんな感じでしょうか。「○○の件でご相談があり、メールをお送りいたしました」そもそも目的を先に伝えるのは、なぜでしょうか。
「××の進め方について、お尋ねしたいことがございます」
それは「今から○○について話します」と宣言して、相手とメールの主題を共有し、内容を把握してから読んでもらえば、理解が速くなるからです。
理解が速くなる分、返事も速くもらえます。
■4.ネガティブフレーズをポジティブフレーズに変換する
では、仕事が速い人は、印象よく伝えるためにどんなことをしているのでしょうか?
私の印象では、仕事が速い人は、あまりネガティブな言葉を使いません。
ネガティブな内容を、できるだけポジティブな表現に変換しているのです。
例えば、「集合時間に遅れずに来てください」と伝えたかったら、「集合時間に間に合うように、余裕を持ってお越しください」と言い換える。また「勝手にデータの修正を行わないでください」なら、「データの修正が必要なときは、担当者にご連絡をお願いいたします」こうすれば、相手を怒らせることなく、こちらの望むアクションをとってもらえるのではないでしょうか。
■5.処理できないときはメールのチェックをしない
実際、仕事を速く回す人は、返信できるタイミングにチェックして、腰を据えて一気に返信しています。言い換えれば、返信できないときには、メールチェックをしないのです。
私の場合、出社したら、届いているメールをすべてチェックします。
なかには、長文のため読むのに時間がかかるなど「即レス」できないものもありますが、そうしたものは、いったん保留。
すぐに返信できるメールだけを重点的に処理していきます。これで、処理すべき対象物は着実に減ります。その後、仕事の合間を縫って、保留にしたメールや新たに届いたメールの対応をするのです。
例えば、来客まで5分の空き時間があったとしましょう。5分あれば、2〜3通のメールは処理できます。
このようなスキマ時間を見つけたら、能動的にメールボックスをチェックするのです。そうすれば会社を出るときには未処理メールはゼロ。これで次の日を気持ちよく迎えられます。
【感想】
◆当初、本書のタイトルを見たときには、「仕事の速い人のメール=極力短いメール」なのだと思っていました。その「極力短いメール」を「極力早く出す」ことができれば、結果「仕事が速い」ことになるのかな、と。
ところがどっこい「そんな処理だけの話ではない」ということは、本書の第1章の冒頭にて平野さんが断言されているとおりです。
メールを出すには、「文章力」や「語彙力」に加えて、「読解力」「要約力」さらには「気遣い」や「配慮」必要である、と。
要はビジネスのさまざまな場面で求められているスキルばかりなワケです。
……ちなみに平野さんは、新入社員の選考にあたって、学力テストや小論文よりもメールを何通か書かせた方が適正がわかる、と言われているのですが、確かにそうかも。
◆そして平野さんいわく、メールを処理する際には、次の5つのポイントを特に意識する必要があるのだそう。
「目的」実はこの5つは、下記目次にあるように、本書の第2章から第6章までで、それぞれ掘り下げられています。
「ビジュアル」
「返信しやすさ」
「言葉」
「処理時間の削減」
どの章が大事、ということはなくて、すべて大事なのですが、個人的な嗜好から上記ポイントでは第3章の「ビジュアル」からばかり拾ってしまいました(すいません)。
実際、いわゆる「メール術」としてまとめやすく、読んでも分かりやすいのは、こうした形式的な話なんですよね。
ただ、上記ポイントの3番目の「要旨を先に書く」というTIPSは、私自身、あまり意識したことがありませんでした。
これっていわゆる「結論から先に言う」ってことなんですが、それがメールだと徹底しきれておらず。
いや、そうする必要がないくらい、メールを短くしようと心掛けているのですけど、本書の例を見ると、かなりコンパクトな文面でも「要旨」が先にあったという……。
◆また、上記ポイントの4番目の「ネガ⇒ポジ変換」は、よく文章術の本やコミュニケーションの本で見かけるもの。
ただし、これを行うと普通、文章は長くなってしまいます。
もちろん、単純に「メール処理速度」を優先するなら、文章は短い方が良いのでしょうが、上記の「5つのポイント」にもあるように、メールには必ず「目的」があるハズ。
「相手にこちらの望むアクションをとらせる」ためには、こうした「心配り」も必要なようです。
……といいつつも、そのすぐ後に「ムダな前置きはカットする」とか「『させていただきます』を排除する」というような、ダラダラしたメールをいさめる教えもありますから、この辺のバランス感覚は本書にてご確認を。
◆一方、上記ポイントの5番目の考え方も、個人的にはうなずけるところ。
まず平野さんの場合、メールを読んだら「即レス」を心掛けています。
問われたことに回答ができない場合でも、受領の連絡をし、改めて返信する次第。
なお、内容がよくわからないメールが届いたら、「〇〇ということでよろしいでしょうか?」と相手の意図を要約して内容の確認をするのだそう。
なるほどこれなら、自分のところでメールが止まらず、かつ、誤解があったら解くことができますね。
◆もちろん、「テンプレの活用」や「辞書登録」の話もありましたが、その辺は類書や仕事術にもあるので割愛。
CCの使い方等も、当ブログの読者さんなら大丈夫だと思います。
ちなみに今回、下記で関連記事を当ブログ内で検索かけたら、平野さんのメール術本を1冊も読んでいないことに気づきました。
何といっても「1万通を超えるビジネスメールを添削」された方ですから、この平野さんのスタイルをスタンダードとして、自分なりに改良していくのが、良いと思います。
ビジネスメールを基礎からブラッシュアップするために!
仕事が速い人はどんなメールを書いているのか
1.仕事が速い人のメール発想
2.目的を意識しながら書く
3.ビジュアルを工夫して読ませる
4.確実に返信を受け取る
5.相手の心に刺さる言葉を使う
6.メールの処理時間を削減する
【関連記事】
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【編集後記】
◆本日の「Kindle日替わりセール」から。仕掛学―人を動かすアイデアのつくり方
この本、版元が東洋経済さんなので、めったにセールには出ないと思われ。
中古は値崩れ気味ですが、送料加味した中古より400円ほどお買い得です!
ご声援ありがとうございました!
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