2017年09月20日
【快眠】『脳が若返る快眠の技術』三橋美穂
脳が若返る快眠の技術
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、昨日の記事の編集後記で触れた、「ニコカド祭りフライングセール」からの1冊。当ブログでも人気のジャンルである「睡眠本」が「70%OFF」ということで、さっそく読んでみた次第です。
アマゾンの内容紹介から。
1万人の悩みを解決した快眠セラピスト・三橋美穂さんが「ぐっすり眠って脳を若返らせる」ための、悩み別快眠術を紹介。ひとり暮らし、夫婦に向けた「理想の寝室」の例も初公開。すぐに始められることばかりです。
なお、中古が1000円以上しますから、このKindle版が900円ちょっとお得な計算です!
Pillow / Mistermuckle
【ポイント】
■1.睡眠は認知症にも関係する先ほど、アルツハイマー型認知症は、健康な脳なら排出される脳のゴミ(アミロイドβなどの老廃物)が排出されず、たまってしまうことによって起こるとお話ししました。まず、この脳のゴミ出しに関する一連の研究結果をみてみましょう。「脳は眠っている間だけアルツハイマー型認知症の原因と考えられる老廃物を脳から排除することがわかった。脳には栄養や酸素を運ぶ独自の循環系があるが、眠っている間には脳細胞が収縮するため脳内にスペースが空き、老廃物を運ぶ脳脊髄液が流れやすくなる。これにより、老廃物を回収する『ゴミ収集車』を通すために道を空けている状態になる」(米国・ロチェスター大学医学センター)
■2.睡眠不足はがんの原因になる
睡眠とがんとの関係については、「深夜勤務の女性は乳がんや大腸がん、男性は前立腺がんの発症率が高い」という研究データが報告されています。
原因として考えられるのは、睡眠とホルモン分泌の関係です。
睡眠を促すホルモンである「メラトニン」は性ホルモンの分泌を抑制する作用があるため、メラトニンの分泌が減ると性ホルモンの分泌が増加して、乳がん、子宮頸がん、前立腺がんの発症を促してしまうのです。
これに対して、深い眠りに入ったときに分泌が高まる「成長ホルモン」には傷ついた細胞を修復する働きや免疫力を上げる働きがあり、また、「メラトニン」には抗腫瘍作用があるため、しっかり眠ることでがん細胞を攻撃してくれます。
がんにならないためには、十分な睡眠が必要なのです。
■3.豆電球をつけたままで寝ると、約2倍太りやすくなる
これは奈良県立医科大学が高齢者を対象に行った研究です。
理由は、豆電球の明るさが、眠りを誘うホルモンである「メラトニン」の分泌に影響を与えてしまうからです。
豆電球の光は、まぶたを閉じた状態でも脳に届くため、睡眠の質を高めるメラトニンの分泌が少なくなります。その結果、眠りが浅くなり、食欲を増進させるホルモン「グレリン」が増えて、太りやすくなると考えられます。
ダイエット中の人、メタボを予防したい人は、ぜひ豆電球を消して寝てください。
■4.寝る前に布団の中で行う「筋弛緩法」
「筋弛緩法」は体のいろいろな部分にギューッと力を入れて意識的に緊張させ、その後に一気に力を抜くことで、全身の緊張をとるリラックス法です。ポイントは3つだけ布団にあお向けになり、目を閉じて行いましょう。
1 8割程度の力を入れる(10秒)。
2 パッと力を抜く(20秒)。
3 力を入れた状態(緊張)と、力が抜けた状態(弛緩)を感じる。
横たわった状態で効果を実感しにくい場合は、寝る前にいすに座って行い、眠気が強くなってきたタイミングで布団に入りましょう。
■5.夏のエアコン設定
汗ばむけれど目覚めない程度の、ぎりぎり高めの設定温度を見つけましょう。涼しい敷きパッドを使えば、28〜29℃でも快適に眠れます。
ただし、就寝時に28℃だと汗が蒸発しにくいので、就寝1時間前から25〜26℃で寝室を冷やしておきましょう。そして、就寝時に温度を上げれば、1時間くらいかけて室温が上昇していきます。体温が下がったころに室温が上がってくるので、体に負担がかかりません。
タイマーを使う場合は、その日の気温によって1〜3時間に。熱帯夜は高めの温度で、一晩中つけておくのがおすすめです。
【感想】
◆当ブログでは、今までも結構「睡眠本」をご紹介しておりまして。本書の著者の三橋美穂さんの作品としても、こちらをレビュー済みです。
驚くほど眠りの質がよくなる 睡眠メソッド100
参考記事:【快眠!】『驚くほど眠りの質がよくなる 睡眠メソッド100』三橋美穂(2015年06月12日)
……こちらも何かのセールなのか、「50%OFF」だったりしますが(謎)。
ただし本書は、普通の睡眠テクニックの本ではありません。
◆典型的なのが、上記ポイントの1番目の睡眠と認知症との関係。
下記目次にもあるように、本書はこのテーマで、第1章を丸々割いています。
実際、睡眠不足と寿命の関係についてなら過去読んだことがありましたが、いざこうして「認知症」を突き付けられてしまうと、母が認知症気味の私にとっては他人事ではありませぬ。
ポイントの1番目ではロチェスター大学のコメントしか載せていませんが、「一連の研究結果」とあるように、本書では他にもエビデンスを大量に収録していますので、気になる方はご確認を。
とりあえず上記にもある「アミロイドβ」なる脳の老廃物は、「6時間以下の睡眠」、特に40代からの睡眠不足によって急激にたまり始めるのだそうです。
……ってちょうど私が、このブログのために毎日3時間費やし始めた頃と一致するんですが(涙目)。
ただし、割愛しましたが、その後の部分で「昼寝の習慣はアルツハイマー型認知症のリスクを1/5に下げる」とのエビデンスもあったので、ひょっとしたら大丈夫……カモ?
◆一方、第2章以降は、一般的な睡眠本で求められるような手堅いコンテンツが。
もっとも、上記ポイントの3番目の「豆電球をつけたままで寝ると太る」というのは初耳でした。
一応この本によると、「豆電球をつけたままで寝ると近視になる」そうなのですが。
SLEEP 最高の脳と身体をつくる睡眠の技術
参考記事:【睡眠HACKS!】『SLEEP 最高の脳と身体をつくる睡眠の技術』ショーン・スティーブンソン(2017年03月03日)
また、我が家では関係ないものの、ペットと寝ると寝返りが打ちにくくなるため、「快眠」という視点からすると問題があるのだとか。
……となると、「夫婦一緒に寝るのも?」と思ったらやはり同様で、セミダブル以下のサイズで一緒に寝るのは良くないらしいです(この話は第6章にて)。
◆また、イラスト解説がメインだったため、割愛せざるを得なかったのが、第5章の「手のひらセルフケア」。
こちらでは、指を反らせたり、手のひらをもむだけで効果のある『龍村式指ヨガ』なるものが紹介されています。
実際私も基本となる「指回し」をやったところ、「首ひねり」(左右を振り返ってどこまで見えるか)で、その効果が実感できました。
そこでイラストに付されたテキスト部分だけでも、と思って手打ちを始めたんですが、やはりイラストがないと分かりにくいので断念。
他にも「肩こり」「冷え・むくみ」「イライラ」といった症状別に、イラストで解説がされていますので、こちらもぜひ本書にてご確認ください。
◆ただ、もっとストレートに役立ちそうなのは、第4章の「悩みを解消する快眠メソッド」でしょうか?
上記ポイントの4番目の「筋弛緩法」は「ストレスで眠れない」方向け、上記ポイントの5番目の「夏のエアコン設定」は、もちろん「夏の暑さで眠れない」方向けになります。
ポイントの5番目では、ボリュームの関係でサラッとしか書いていませんが、本書では寝具の選び方から、ドライモード、扇風機の使い方まで指南。
……って、今は夏なので、そういう話を取り上げましたが、当然「寒くて眠れない」方向けの話もありますので、半年後はそちらをご覧いただければ、と(長いなーw)。
この内容なら「買い」の1冊です!
脳が若返る快眠の技術
第1章 睡眠不足が認知症を招く
第2章 眠りの常識 ウソ? ホント?
第3章 眠る力を高める5つの法則
第4章 悩みを解消する快眠メソッド
第5章 1分で効く! 快眠のための手のひらセルフケア
第6章 理想の寝室のつくり方
【関連記事】
【快眠!】『驚くほど眠りの質がよくなる 睡眠メソッド100』三橋美穂(2015年06月12日)【睡眠HACKS!】『SLEEP 最高の脳と身体をつくる睡眠の技術』ショーン・スティーブンソン(2017年03月03日)
【快眠!】『"睡眠満足度"があなたの年収を変える! 眠りの技法』山本恵一(2014年07月13日)
【睡眠】『誰でもできる! 「睡眠の法則」超活用法』菅原洋平(2013年09月13日)
【編集後記】
◆本日の「Kindle日替わりセール」から。娘になった妻、のぶ代へ 大山のぶ代「認知症」介護日記
たまたま認知症の話題が出たのでこちらも。
中古がほぼ底値とはいえ、「72%OFF」の399円でのご提供となっています。
ご声援ありがとうございました!
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