2017年09月13日
【仕事術】『神速仕事術40 たった1つの行動で「3つの成果」を上げる』伊庭正康
神速仕事術40 たった1つの行動で「3つの成果」を上げる
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、昨日ではなくその前の未読本記事にて取り上げていた仕事術本。当ブログ好みの「生産性の高さ」を追求した1冊です。
アマゾンの内容紹介から。
1万人に1人の天才になるのは難しい。でも、100人に1人に入るレベルは目指せば誰でも必ずなれます。「一石三鳥」思考で究極の仕事効率化さえ図れれば!常識破りの仕事の極意!!
なお、中古に送料を加えるとほぼ定価となりますから、Kindle版がオススメです!
Productivity / mrsdkrebs
【ポイント】
■1.「資料」を作らず「最高のマスター」を作るたとえば企画書を作成するとします。その1社に向けた企画書に渾身のエネルギーをそそいでいるなら、そこは改善できるポイントです。
ここで一石三鳥で考える人は、「せっかくなら、他社にも提出できる企画書を作成しよう」と考えます。汎用性の高い「最高のマスター」を1つ作って転用する。営業なら、その企画書で、最低でも3社にアポイントを取って商談できる「マスター」を作ろう、と考えるのです。
そのため、企画書はじめ、あらゆる資料の文章も固有名詞ではなく、可能な限り一般名詞にするなど、汎用性の高い言葉を選んで作成します。
仮に固有名詞を入れたとしても、「一発変換(CtrI+H)」のショートカットで文字を一瞬で入れ替えられるよう、単語を統一しておくなどを考えます。
■2.毎月1つは「聖域」を壊す
たとえば、会議での「配付資料」。配付されないと会議なんてできないと思っていましたが、投影をすれば済みますし、全員がタブレットを持っていれば、投影すらいりません。。
メールの返信作業。文章を打たずに「件名」だけで済ませることでも、まったく問題がありませんでした。
新規開拓は営業力向上のための勉強会をしないといけないと思っていましたが、受注効率の低いリストを徹底的に削除するほうが成果アップにつながることを知りました。
営業は絶対にスーツだと思っていましたが、ポロシャツで営業をしても成果は変わりませんでした。夏の営業生産性が上がりました。(中略)
聞くと当たり前のことですが、渦中にいると、そんな当たり前のことにも気づけないものです
■3.お客様ともフェイスブックでつながる
フェイスブックで得られる一石三鳥があります。
関係性の構築によるものですが、(1)相談が増え、ということです。
(2)紹介が増え、
(3)会いたいときに会ってもらいやすくなる、
フェイスブックで「ザイオンス効果(接触数を増やすことで親密になる効果)」を獲得できるのです。つまり、心理的距離を縮めるというわけです。
2年会っていなくてもご無沙汰な感じがしませんし、何かあったら気軽に相談できる関係になります。オフィシャルではアポイントが取りにくい人にもアプローチがしやすくなります。実際、紹介をいただくことが多いのですが、半数はフェイスブックです。
ビジネス目的だけに使うのは、いやなヤツになってしまいますが、「つながり」を大事にするスタンスであれば、仕事にも使える副産物があるのです。
■4.メール返信は早くする
私は、パスを回してもなかなか返してこない人には、あまり期待しないようにしています。それがお互いのためだと思っています。
「この人はできるな」と思う人のスピードは90分以内。実際、経営者にメールを送ったときのレスは90分以内であることが多いです。
経営者ですから、暇だから早いわけではありません。彼らはレスのパス回しがとにかく神速で、1、2行でもすぐ返信が来ます。
答えが出てなくても、「届きました」「見ときます」「いついつまでに返事をしますのでしばらくお待ちいただけますか」「検討させていただきます」など、とりあえず返事をすればいいのです。ノーレスがダメですよ、ということです。「Aさんはレスが遅い(ない)ので、レスの早いBさんに相談をしよう」となるからです。
■5.報告書は「チェック式」のフォーマットにする
社内レポートや報告書などをゼロから書くのは、かなり時間がかかります。できるだけ、文書を記入しないように努力してみましょう。
たとえばチェック式にすればいいのです。社内提出用の報告書の類はルーティーンなものが多いため、チェック式に置き換えられるのであれば変えてしまいましょう。
「チェック式のフォーマット作成+あらかじめチェックまで入れておく+どこでも作業ができるようクラウドに入れておく」
これで面倒な報告書が神速で記入できるようになります。
【感想】
◆タイトルに「神速」とあるように、本書は基本的に「仕事スピード」を追求しています。ただし、単なるスピード系仕事術と違うのが、サブタイトルにもある「1つの行動で『3つの成果』を上げる」というクダリ。
著者の伊庭さんいわく、仕事に着手する前に「法則」を見つけ出し、それを素早く実験するのだそうです。
その際、「会社のルールだから」とか「やったことない」という理由で躊躇するのはNG。
リスクのない範囲で新しい方法を試し、その方法が有利とわかったら、徐々に範囲を広げていきます。
結果、それまで「実験」だった方法が「定番」に変わっていく次第。
◆それを具体的に列挙しているのが、上記ポイントの2番目です。
それまで「当たり前」と思っていた仕事のやり方も、実際に違う方法で実験してみたら、新たな方法の方が、より効果があったワケで。
その際、たいてい反対するのが、今までのやり方に慣れ切っていて、何の疑問も持たないベテランたちです。
そこで伊庭さんが推奨しているのが、まず「大義名分」として「生産性アップ」を挙げること。
そして、「ちょっと実験してみませんか」と、範囲や期間を限定して「試して」みるのだそうです。
たとえば伊庭さんは営業マン時代に、朝、直接客先に行きたかったものの、「朝礼を聖域とする人」から激しく抵抗されました。
しかし、上司に「アポが1日2件増えるので、年間売上がこれぐらい上がると思う」と言って、週3回ほど直行直帰を試させてもらったとのこと。
すると労働時間を増やさず、売上が増えたため、それ以降伊庭さんだけでなく、職場のルール自体が変わったのだとか。
◆また、伊庭さんが推奨しているのが、上記ポイントの3番目にある「フェイスブックの活用」です。
同じSNSでもインスタグラムは、食べ物や家族、旅行等の話が多いので、ビジネスには向いていませんし、ツイッターは短すぎてコメントできません。
一方、フェイスブックは伊庭さんによると「ビジネスのいい匙加減ができる適正な距離感がある」のだそう。
ちなみに私の場合、「仕事とプライベートは別」と考えて、仕事ではいっさいフェイスブックを活用していませんが、これも伊庭さんによると「取り残されていると考えた方がいい」とのこと。
たとえば「共通の知人」がいることで、ビジネス上、なかなか近づけなかった相手との距離が一気に縮まったりするケースもありえる模様。
なるほど、営業活動等が必要な方なら、フェイスブックも活用し甲斐がありそうです。
◆本書のTIPSは、その多くが「なるほど、そうだよね」と後出しでなら言えるでしょう。
ただし、それをまず思いつき、実際にアクションに落とし込める人は、そうはいないハズ。
特に、従来のやり方を「聖域」として抵抗する勢力を後略するため、まず「実験」をして納得してもらう等のノウハウは、あまり類書では目にしたことがありませんでした。
もちろん上記ポイントの4番目のように、「個人」としてのTIPSも収録されていますが、やはり本書のキモは、「仕組み」自体を変えることで、自分のみならず、組織全体の生産性向上が望めることではないか、と。
そう考えると、自分が読む以上に、部下や後輩に読ませてみるのも良さそうな気が(←他力本願乙w)。
「一石三鳥」を目指すために読むべし!
神速仕事術40 たった1つの行動で「3つの成果」を上げる
1章 一石三鳥思考で究極の仕事効率化を図る
2章 神速で「しくみ」を作る
3章 神速で「成果」を出す
4章 神速で「整理」する
5章 神速で人を「動かす」
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【編集後記】
◆本日の「Kindle日替わりセール」から。すべての疲労は脳が原因 (集英社新書)
著者の梶本さんは、ここのところ立て続けに本を出されているのですが、まずはヒット作となるこちらから。
中古が値崩れしているため、ギリギリで中古の方がお得なのですが、300円しませんからKindle版も捨てがたいかな、と。
ご声援ありがとうございました!
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