2017年08月23日
【マネジメント】『結果を出し続けるチームリーダーの仕事術 アクセンチュア社員が実践する超一流のマネジメント』坂本啓介
結果を出し続けるチームリーダーの仕事術 アクセンチュア社員が実践する超一流のマネジメント
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、現在開催中の「学研セレクト 人気のベストセラータイトル200」の中でも人気の1冊。私は知らなかったのですが、アクセンチュアでは他企業に比べて、入社年度の早い段階からプロジェクトリーダーになるケースが多いそうで、その分ノウハウとして確立している印象です。
アマゾンの内容紹介から。
稼ぐリーダーは、この方法でチームを強くする!世界38万人以上の社員数を誇る総合コンサルティングファーム・アクセンチュアの「戦略的チーム術」を初公開!「初めてリーダーになった人」でも劇的に成果が上がる基本的・現実的なメソッド!
中古が900円以上しますから、送料を加味するとこのKindle版が500円強お買い得です!
Accenture / greentechmedia
【ポイント】
■1.重大な決定を素早く下す「早い決断こそが、もっとも最良の決断である」
これが私たちのチームの決断のポリシーです。
そもそもチームリーダーとは、「ここぞ」という場面で極めて多くの選択や決断に迫られる仕事です。
特に、重要かつ重大な決断ほど、スピードが要求されます。なぜなら、決断が遅れることにより、ビジネス機会を逸してしまったり、ビジネスが止まってしまうことにもなりかねないからです。
「決断を急いでしまえば、ミスも起こりやすくなるのでは?」
そんな声も聞こえてきそうですが、そんなことはありません。
そもそも、決断は早いほど正確にできるという側面もあります。
少しでも早く決断しようとすると、私たちには「直感力」が働きます。そもそも直感とは、過去の膨大な経験(データ)の蓄積から無意識に湧き出るもの、という考え方もできます。つまり、過去の豊富な経験をベースにしつつ、直感を頼りに行われた決断は、たいていの場合において最良の選択であると言えるのです。
■2.良質なトライアンドエラーを繰り返す
では、「良質なトライアンドエラー」とは、どのようなものでしょうか。・同じ失敗を繰り返さないこの3つにポイントが集約されます。
・取り返しのつかない失敗をしない
・やり方を変えて、挑戦を継続できる仕組みをつくる
これらは非常にシンプルなことですが、優秀なリーダー、優秀なチームが課題の解決を繰り返しながら、必ず実践していることです。
読者の皆さんの中には、「トライアンドエラーをしない最適の方法を考えればいいのではないか」と疑問を感じる方もいらっしゃるかもしれません。けれども「トライアンドエラーをしない」ということは、「失敗しない」ということではなく、そもそも「挑戦していない」ということだと認識してください。
■3.徹底した自己分析をしておく
リーダーはチームを機能させるためにどんな能力やスキルが必要かを俯瞰し、理解できている必要があり、かつ、リーダー自身がそのうちのどこまでをカバーできるのか、ということを分かっていなければなりません。
とはいえ、誰しも「自分はできる」と過信してしまうのが世の常であり、自分のできないこと、苦手なことをきちんと理解するということは、意外と難しいのです。
よって、リーダーはまず、徹底した自己分析をしておく必要があります。上司や周囲からのフィードバック、およびエニアグラムなどの自己分析ツールを利用して、自分のできること、できないことを客観的に把握しておくのです。
■4.常に余裕を持っておく
チームをマネジメントしていく上で、リーダーが必ず最初にやらなければならないことがあります。それは、リーダー自身が、時間的、精神的に余裕を持つことです。簡単に言うと、ある程度はヒマな状態でいるということです。私の感覚だと、常に20〜30%の余力を持っておくといいでしょう。(中略)
仮にリーダーが日常業務や会議に追われてしまっていると、3章で触れた「何か問題が起こった時に、緊急対応できる人」がいたとしても、緊急時の判断や対応方針の策定、関係各所からの問い合わせ、部下からの方針確認・相談など、組織の中でリーダーが中心になって行う社内外の調整や交渉、これらが後回しになってしまうわけです。
これは、リーダーがボトルネックとなってビジネスを止めていると言っても過言ではありません。また、リーダーに余裕がないことにより、メンバーの話を聞く時間が取れない、聞いていたとしても聞き方がぞんざいになってしまう、などとメンバーに不満が溜まり、メンバーとの信頼関係も失いかねません。
■5.迅速にフィードバックする
鉄は熱いうちに打てと言われますが、チームメンバーの育成にもまさにそれが当てはまると思います。
会社によっては、1年に1回、あるいは4半期に1回、上司から部下にフィードバックが行われる場が設定されているかと思います。
しかし、3か月分のフィードバックをまとめて行った場合、メンバーからすると、3か月間そんな風に思っていたのか、あるいはもっと早く言ってよ、と不満は高まります。
そうならないためにも、リーダーはメンバーに対して、何かフィードバックしたいことが出てきた時には、先延ばしにせずにその場で言うことが大切です。フィードバックしたいことが複数あり、メンバーの意見をしっかり聞きたい場合には、その都度きちんと時間を設けてディスカッションの場をつくればよいのです。
リーダーとしても、メンバーに対する不満をずっと溜めておくより、その場でフィードバックし、その結果メンバーが変わったほうが、精神衛生上よいはずです。
【感想】
◆今までそれほどマネジメント本を読んでこなかったこともあるのですが、個人的には得るところの多い1冊でした。まず上記ポイントの1番目は、第1章にある「結果を出すチームリーダーに求められる『6つのちから』」からのもの。
確かに「決断力」関係の本でも、決定に時間をかけないことが推奨されていたと思うのですが、本書も同様の考えのよう。
また、このパートでは他にも、「不確実性を受容し対応する力」や「ソフトスキルを磨き続ける力」といった能力が「6つの力」として挙げられていました。
もちろん、これらはリーダーに限ったお話ではないのですが、特に「重大な決定を下す」のはリーダーであるケースが多いでしょうから、このポイントの1番目のTIPSは意識しておきたいところです。
◆それに関連するのが、上記ポイントの2番目にある「トライアンドエラー」のお話。
これは、第2章の「チームの成果を最大化し、結果を出し続ける7つのアクション」からのもので、チームとして問題解決に取り組み、うまくいかない場合、リーダーには2つの選択肢があります。
1つは「うまくいく確率を高めること」であり、もう1つが「うまくいかないことを是として試行錯誤する」。
ここでリーダーが取るべきなのは、うまくいかないことを是として、トライアンドエラーを繰り返すというアプローチです。
なお、ここで気を付けたいのが、あくまで「良質な」トライアンドエラーであること。
たとえば1発やらかして、取り返しがつかなくなってしまっては、元も子もありませんから、これはまぁ当然でしょう。
◆また、上記ポイントの3番目にある「自己分析」のお話は、「目からウロコ」でした。
リーダーなんですから、メンバーのことだけ分かっていればいいと思っていたのですが、それでは足りないようです。
なぜなら「リーダーはチームづくりの目的を『成果を出すために自分一人ではできないことを補っていくため』と、強く認識することが必要」であり、「リーダー自身がそのうちのどこまでをカバーできるのか」ということを分かっていないといけないから。
確かに、勝手に自分の能力を過信して、メンバーにもっと得意な人がいるのに、自分が頑張ってしまっては非効率でしょう。
さらにこのお話は「スキル」のみならず、「物量」についても言えることで、一人で抱え込んでしまっては、結局ボトルネックになってしまいます。
◆そこで言えるのが、上記ポイントの4番目にある「常に余裕を持っておく」ということ。
私が新入社員だった頃は、自分の上司の課長さんが、いつも残業していたのに比べて、隣の部の某課長さんは、いつも遊んでいるように見えたので、ちょっと憤慨していた部分もあったのですが、本来リーダーとは、そのくらいの「余裕」がないといけなかったんですね。
もっとも、私の課は皆いっぱいいっぱいだったので、たとえば私に仕事を振られても、今度は私がボトルネックになっていたとは思うのですが。
一方、上記ポイントの5番目のフィードバックは、設定された機会以外で行うのは、結構大変かと。
フィードバックするということは、時には叱責しないといけないワケで、場合によってはメンバーが気分を害するだけに終わってしまいかねません。
そこで必要になってくるのが、日頃のコミュニケーションや、リーダー自身の「面白さ」や「かっこよさ」なのですが、ここでは書ききれないので詳細は本書にてご確認を(すいません)。
信頼され、結果を出すリーダーになるために読むべし!
結果を出し続けるチームリーダーの仕事術 アクセンチュア社員が実践する超一流のマネジメント
第1章 アクセンチュア流チームリーダー・7つの原則
第2章 チームの成果を最大化し、結果を出し続ける7つのアクション
第3章 チームをつくる
第4章 チームをマネジメントする
第5章 チームに実行力&マインドを吹き込む
【関連記事】
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【成長】『BCGの特訓 ―成長し続ける人材を生む徒弟制』木村亮示,木山 聡(2015年11月26日)
【グローバル】『「世界標準」の仕事術』に学ぶリーダーシップのルール7選(2011年09月29日)
【編集後記】
◆本日の「Kindle日替わりセール」から。最強チームにまとめる技術
偶然にも、今日ご紹介した本とも関連するようなテーマの1冊。
表記上は元の定価(?)と比較して「74%OFF」となっていますが、オンデマンドがむしろ安値で出ており、「62%OFF」というのが実際のところです。
【編集後記2】
◆「今日の本との関連」で言うなら、上記関連記事にレビューがあるこの本も、今回の学研のKindleセールの対象でした。ハーバードのエリートは、なぜプレッシャーに強いのか?
したがって「50%ポイント還元」ではあるものの、中古が値崩れしているので、ギリギリで中古の方がお得なのですが…。
ご声援ありがとうございました!
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