2017年08月18日
【バイブル?】『決定版 セミナー講師の教科書』立石 剛

決定版 セミナー講師の教科書
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、今月の月替わりセールの中でも、気になっていた作品。人前で話をするだけでなく、自分のブランディングから、集客や収益を上げる仕組み作りまで、色々と学びの多い1冊でした。
アマゾンの内容紹介から。
一生稼ぎ続けるセミナーをつくる7つの技術。士業、コーチ、コンサルタント、カウンセラー、営業、FP、医療関係、主婦など。どんな人でも応用できる、一生使えるセミナーのつくり方。
中古がまだそれほど値崩れしておらず、送料加味した中古よりは600円以上お買い得です!

Seminar room / jetalone
【ポイント】
■1.自分に合ったマーケットで勝負する多くの人は、「自分のレベルでは上級者向けの内容は話せない、だからセミナーはできない」と考えてしまいます。もちろん、中級者が上級者向けのセミナーをすることはできませんし、やったところで勝ち目はありません。ならば視点を変えて、自分のレベルに合ったマーケットをつくってしまえばいいのです。
たとえば、「起業」をテーマとしたセミナーを考えてみてください。かたや年商100億円レベルのベンチャー企業の社長が講師、かたや起業1年で年収1000万円を達成した元主婦が講師。あなたが起業してみたいと考えている普通の主婦だったら、どちらのセミナーを受けたいですか? 多くの人は後者を選ぶのではないでしょうか。
自分のポジションをしっかりと確認し、自分に合ったマーケットで勝負すれば、セミナーは十分成立しますし、勝つこともできるのです。
■2.「4つの視点」をかけ合せてテーマを決める
(1)誰に聞かせたいかを具体的にイメージするまずは、「誰?」について、考えてみましょう。つまり、あなたのセミナーを受ける受講生像を明確にするということです。(2)その人の悩んでいることはなんですか?具体的な受講生像を思い浮かべることができたら、次に、その人が悩んでいるであろうことを具体的に書き出してみてください。(3)何を教える?「誰に聞いてほしいのか?」「どんな悩みなのか?」の2つが明確になると、教えることもおのずと決まってきます。ここでノウハウの登場です。ノウハウとは、悩みに対する具体的な問題解決方法、または、解決するための考え方です。(4)どう変われる?受講生像とその人が抱えている悩み、それに対してあなたが教えられることが明確になったら、次はその人があなたのセミナーを受けることで、「どう変われるか?」を書き出してみましょう。(詳細は本書を)
■3.セミナー講師として覚えておきたい3つの「間」
まず、「強調の間」から。何か強調したいことがあるときに、その直前に2〜3拍ほど間を空けるのです。
たとえば、「人脈」という言葉を強調したいのであれば、「成功するために最も大切なことは……、人脈です」と、人脈という言葉の前に「間」をとります。こうすることで「人脈」という言葉がより印象深く残るのです。(中略)
2つ目は「質問の間」です。質問の間とは、受講者に問いかけの言葉を発したあとに、しばらく間を空ける方法です。
たとえば、「こんなこといわれたら、みなさんどう感じますか……」というように、次の言葉をいう前に、しばらく間を空けて、受講生に考えてもらう時間をとるのです。(中略)
3つ目は「余韻の間」です。これは大事なことをいった直後に、しばらく間を空けて余韻を残すテクニックです。
■4.魅力的なイベントを開催し、リストを集める
たとえば、自分の過去の人脈や信用だけではいいリストができない場合、人気講師のセミナーを開催して人を集めるという方法があります。あなたが今後、対象としたい人たちが誰なのかを思い浮かべ、その人たちを集めてくれそうな人気講師が誰かと考えましょう。
実際、セミナー講師経験がまったくないのに、この方法で300人以上の人を集め、そのリストをもとに1年目からセミナー講師として結果を出し続けている人もいます。(中略)
気軽に参加できる小規模なイベントでも、回数を重ねれば、新たなリストを集めることができます。毎月10名集まるイベントを1年続ければ、120名になります。その方々といい関係をつくっておけば、セミナーの集客に役立つはずです。
■5.10年稼ぎ続けるセミナー講師の8つのビジネスモデル
(1)コンサルタントモデル
(2)講師エージェントモデル
(3)顧客プロデュースモデル
(4)ジョイントベンチャーモデル
(5)コミュニティーモデル
(6)オーディオ教材モデル
(7)ロイヤリティーモデル
(8)勉強会主催者モデル
(詳細は本書を)
【感想】
◆なるほど著者の立石さんは、12年前に「パーソナルブランドのつくり方」をテーマに講師デビューを果たす一方、プロセミナー講師を目指す人のための「セミナー講師養成コース」や、セミナー講師の甲子園「セミナーコンテスト」を行われているだけあって、本書はノウハウが満載でした。特に「セミナー講師」というと、喋りが立つ人をイメージしがちですけど、そもそも集まった人たちの前で喋る以前に、ヒトサマに申し込んでもらえるようなセミナー内容を考えなくてはなりません。
本書の第2章では「あなたにふさわしいセミナーテーマの見つけ方」と題して、自分らしいテーマを模索。
上記では割愛しましたが、「体験」「強み」「情熱」という3つの視点から考える方法を指南しています(詳細は本書を)。
その際、他の人とは違う「オンリーワン」のテーマを目指すことが大事なのですが、そうもなかなか見つかるものでもないでしょう。
そこでちょっと切り口を変えたアプローチが、上記ポイントの2番目にある「4つの視点」です。
上記では詳細は割愛していますが、たとえば「誰に」について捕捉するなら、「過去の自分と同じ悩みを持つ人」を対象にすると良いのだそう。
◆続く第3章は、具体的なセミナーの構成について。
引用部分がやたら箇条書きだらけなのもイヤなのでカットしましたが、立石さん流のセミナーは、次の5つのパートから構成されています。
1.自己紹介実はそれぞれのパートにおいても、TIPSが収録されており、たとえば最初の「自己紹介」で言うなら、「『現在→過去』の順で伝える」!
2.ゴール
3.問題提起
4.ノウハウ
5.まとめ
これ、普通に考えたら逆なんですが、相手に興味を持ってもらうためには、「相手の関心の高いこと」から話した方が、受け入れやすいからなのだとか。
さらに3番目の「問題提起」に関しても、型が4つあるんですが、これまた詳しくは本書にてご確認ください。
◆そしてここまであまり触れていませんでしたが、やっと第4章で「話し方」についてのTIPSが登場。
上記ポイントの3番目は、この第4章からになります。
確かに、セミナー講師とは違うんですが、私が通っていた資格試験の専門学校でも、人気の先生は、この「間」を上手く使っていたような気が。
どの「間」も、受講生が色々と考えをめぐらすという意味では同じです。
講師側が「話しっぱなし」で終わらせないよう、このテクニックもぜひ実践したいところ。
◆一方第6章では、実際にセミナーを自主開催する手順やノウハウについて解説がされています。
ちなみに「自主開催」以外のセミナーは「他者開催」なのですが、これはある程度実績を積まないと講師としては呼ばれませんから、まずは考えなくて良い模様。
ここでは「告知ページに記載すべき内容」から、告知方法まで幅広くカバーしています。
その1つがメルマガであり、そのメルマガを送るためには、リスト(メールアドレス)を集めなくてはなりません。
本書ではその手段がいくつか挙げられているのですが、目からウロコだったのが、上記ポイントの4番目の方法です。
確かに、「自分のテーマに集まりそうな人が行くセミナーとは?」と考えたら、そういう人を呼んでセミナーを開くのは、リストを集めるいい方法ではないか、と。
◆なお、最終章となる第7章では、単発でセミナーを開いて収益を上げるだけではなく、「セミナー講師」という立場や、セミナー自体を活用して、安定した収益を上げ続けていくためのビジネスモデルが登場。
具体的には上記ポイントの5番目の「8つのビジネスモデル」がそれに該当します。
たとえば私のように士業の人間であれば、「コンサルタントモデル」を実践している人が多い印象が。
また、人前で話をすることが得意であれば、エージェントに登録して、「講師エージェントモデル」で年間150〜200回のセミナーを行うことも可能です。
さらに「ロイヤリティーモデル」になると、もはやこの本にある「新・家元制度」のようなもの。

一気に業界No.1になる!「新・家元制度」顧客獲得の仕組み
参考記事:【習い事】『「新・家元制度」顧客獲得の仕組み』前田 出(2008年07月15日)
……と思ったら、やはり立石さんは上記の本の著者である前田さんの講座で学ばれたのだそう。
奥深い「セミナー講師」の世界を垣間見る1冊!

決定版 セミナー講師の教科書
第1章 1年目から結果を出し、10年稼ぎ続けるセミナー講師の考え方
第2章 あなたにふさわしいセミナーテーマの見つけ方
第3章 受講生を成功へと導くシナリオのつくり方
第4章 一流講師が必ずやっている人を動かす話し方
第5章 セミナー講師のためのパーソナルブランド構築法
第6章 セミナーを自主開催する
第7章 10年稼ぎ続けるセミナー講師の8つのビジネスモデル
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【習い事】『「新・家元制度」顧客獲得の仕組み』前田 出(2008年07月15日)
【スゴ本!】『コンサルタントのための“キラーコンテンツ"で稼ぐ法』五藤万晶(2013年09月05日)
【編集後記】
◆今月の月替わりセールには、似たようなテーマのこんな作品もあります。
じつは稼げる[プロ講師]という働き方
著者の濱田さんは、講師を雇うエージェント側の経験もおありのようなので、内容的には真っ当な感じ。
ただし、ちょっと前の作品なので、中古自体がKindle価格とほぼ同じであり、送料分だけKindle版がお得な計算です。

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