2017年08月08日
【読書術】『世界のエリートは10冊しか本を読まない』鳩山玲人

世界のエリートは10冊しか本を読まない
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、現在開催中の「SBクリエイティブキャンペーン」でも大人気の1冊。また、まだ出たばかりということで、「未読本・気になる本」の記事でも取り上げたところ、さらに多くの方にお求めいただいております。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
世界最高峰のハーバードで学んだ、桁外れな結果を出す読書術!
もう、「速読」も「多読」もいらない!
サンリオ、LINE、DeNA、ピジョンで活躍する著者が初めて明かす、ハーバード式「10冊読書術」とは?
ちょっと煽りが入っている(?)タイトルを気にしなければ、当ブログの読者さんにはお楽しみいただける1冊だと思います!
なお、10日までなら「50%ポイント還元」により、このKindle版が700円以上お買い得という……。

Reading / ZapTheDingbat
【ポイント】
■1.読後に書くべきは「次のステップ」日本とアメリカの読書感想文の違いは、同じように、日本人とアメリカ人のメモの取り方にもあらわれています。日本人の多くは、読んだ内容を忘れないようにするために読書ノートをつけています。ですから、「本の要約」や「印象に残ったフレーズ」「大切だと思った一文」を書き留めておこうとします。ビジネスパーソンの中でも、読書の備忘録として、読書ノートをつける人が一定数いるのではないでしょうか。
一方で、アメリカ人は、何が書いてあったのかという本の内容を重視していません。要約をまとめることも、大切な一文を抜き出すこともありません。
その代わりに書き残しているのが、「ネクストステップ」です。
本を読んだあと、「この本に書かれてある理論を今の自分のシチュエーションに当てはめたらどうなるのか」と、自らの次のステップを考え、自分なりの結論を書き留めています。
■2.本を読む目的は「問題解決」
もちろん「何を読むか」も大事ですが、それよりも本で学んだ知識を実際に使ってみる(実践する)ことのほうがよほど大切です。なぜなら、本を速く読む速読や、本をたくさん読む多読をマスターしても、問題が解決していないとしたら、その読書はまったく意味のないものになってしまうからです。
もし本を読んでも、結果に結びつけることができないと悩んでいるのであれば、まずはマインドを変えることからです。(中略)
ビジネス読書において、もっとも大切なことは、本の内容を実践することです。そのために私は、本を読む時間と同じくらい考察する時間をつくっています。
「今の自分に当てはめると、本の内容はどのように受け取ることができるか」
「自分の課題に対処するために、何が役に立つか」
という視点で活用するのです。
■3.手元に10冊の本を置く
私は、手元に置く本はいつも「10冊」に絞っています。
その上で、デスクの上など普段から目に付きやすい場所に置きます。
そして優先度や興味の度合いに応じて、10冊の中から、今日読む本を決めています。私は、手元に置く本はいつも「10冊」に絞っています。 その上で、デスクの上など普段から目に付きやすい場所に置きます。 そして優先度や興味の度合いに応じて、10冊の中から、今日読む本を決めています。(中略)
今の自分に必要な10冊はどのようなものかというと、次のような本です。・直面する課題を解決するために読む必要がある本
・テーマに興味があって、「実践してみたい」と思っている本
・将来の自分にとって有益だと思える本
■4.自分に合った本の選び方
(1)「はじめに」と「おわりに」を味見する
(2)「教授」で選ぶ
(3)「注目している人」が読んでいる本を選ぶ
(4)「社会人向けの公開講座」の推薦図書を選ぶ
(5)「図」や「絵」が豊富な本を選ぶ
(6)「書店ランキング」を活用する
(詳細は本書を)
■5.必ずしも最後まで読む必要はない
読書の目的は、最初から最後まで完読することではありません。本に書かれてある内容を実践して、課題を解決することです。
仮に200ページの本の最初の1ページに、行動を変えるヒントが掲載されていたなら、そこで本を閉じて、すぐに行動に移したほうが得策です。残り199ページを読む時間を実践の時間に使ったほうが、問題を早く解決することができるからです。
極論を言えば、完読してもしなくても、買って読んでも立ち読みでも、どちらでもかまわないと思います。とにかく、課題を解決してくれる答えにできるだけ早くたどりついて、実践すること。本を読む意識を変える必要があるのです。
【感想】
◆すでにアマゾンレビューでも指摘されているように、本書はタイトルが少々「釣り」気味です。「10冊しか読まない」というのは、少々言い過ぎで、上記ポイントの3番目にあるように、「手元に10冊の本を置く」がいいところでしょう。
ただし、そうしているのは、あくまで著者の鳩山さんだけのよう。
鳩山さんが留学されたハーバード・ビジネススクールでは「皆、本をほとんど読んでいなかった」という表現はあるものの、具体的な冊数までは見当たりませんでした。
結果、「世界のエリートはほとんど本を読まない」プラス、「自分は10冊だけ手元に置く」で、「世界のエリートは10冊しか本を読まない」というタイトルなのかな、と。
ちなみに本書の「おわりに」では、鳩山さんご自身が「言い方を変えるとするなら」という前提で、「10冊の本を選んで、自分の身になるよう経験に変えましょう」というタイトル案を挙げていますから、現在のタイトルは、おそらく版元さんが売らんがために(ry
◆一方、「ほとんど本を読まない」ハーバードの学生たちが本を読むのは、上記ポイントの2番目にあるように、あくまで「問題解決」のため。
そしてそのためには、上記ポイントの1番目にあるように、「ネクストステップ」を読後に書き留めているそうです。
とにかく、本の内容を「自分のケース」にあてはめるのが大事。
つまり、そうすることによって、本を「ケース・メソッド」のように実践的に使っているワケです。
たとえば鳩山さんは、「ハローキティのブランドを構築するにはどうすればいいか」を考えながら、この本を読んだとのこと。

ビジネスで一番、大切なこと 消費者のこころを学ぶ授業
キティとスワロフスキーのコラボも、この本があったからこそのようです。
◆また、その「手元に置く10冊」を選ぶためには、当たり前ですけど、ある程度の量、本をチェックしなくてはなりません。
その基準を挙げているのが、上記ポイントの4番目。
ここでは項目だけ列挙していますが、本書では個々の内容について解説されていますから、気になる方はそちらでご確認を。
このうち、類書と変わっているのが(2)の「教授で選ぶ」で、「大学教授(特に人気教授)が書いた本」を優先していることが分かります。
鳩山さんいわく、人気教授の著作は問題解決に役立つ可能性が高い、とのこと。
逆に「目次」を重視されていないのは、どうも鳩山さんが「リアル書店でじっくり吟味する」からのようです。
◆なお、本書の第4章では「私ならこう読む! ビジネス名著の読み方〈実践編〉」と題して、具体的な作品と、その読み方について指南。
ここではMBAで読まれている古典的名著や、英語のマスター本、新人の仕事術本等々が登場しています。
さらに巻末には、「本書内で紹介した最強の本リスト」ということで、ビジネス書が17冊登場(10冊ではありませんw)。
一応、先日ご紹介したこの本が含まれていたので、私もかろうじて面目を保てましたw

「自分の殻」を打ち破る ハーバードのリーダーシップ講義
参考記事:【リーダーシップ?】『「自分の殻」を打ち破る ハーバードのリーダーシップ講義』ロバート・スティーヴン・ カプラン(2017年07月31日)
◆ちなみに、上記ポイントの5番目で「本を必ずしも最後まで読む必要はない」とありましたが、これは私も同意。
特にビジネス書の場合、実践できる(したい)部分があれば、続きを読むより、すぐ取りかかるのが正解です。
……実際、この「必ずしも最後まで読む必要はない」というのが、分かってはいたものの、本書における一番の学びで、ここまで読んで、すぐ次の本にとりかかりたくなったという。
ただし、私自身にとっての読書は、あくまで「当ブログでレビューすること」がメインなので、今後も最後まで目は通しますから、その点はご安心ください。
読書を「ただ本を読むだけ」で終わらせないために!

世界のエリートは10冊しか本を読まない
第1章 あなたの読書はなぜ結果に直結しないのか?
第2章 「最強の10冊」をいかに選び、使うのか
第3章 桁外れの結果を出す! 非常識な本の使い方
第4章 私ならこう読む! ビジネス名著の読み方〈実践編〉
巻末特典 ブックガイド 本書内で紹介した最強の本リスト
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【読書術】『戦略読書』三谷宏治(2015年12月25日)
【読書術】『外資系コンサルが教える 読書を仕事につなげる技術』山口 周(2015年10月18日)
【編集後記】
◆昨日の「SBクリエイティブキャンペーン」の追加分で人気だったのは、この辺の作品でした(順不同)。
不安な未来を生き抜く知恵は、歴史名言が教えてくれる 「明日を変える力」を磨く55の言葉 (SB新書)

自分を変える読書術 学歴は学〈習〉歴で超えられる (SB新書)

悔いのない人生 死に方から生き方を学ぶ「死生学」 (SB新書)
いずれも「50%OFF」&「50%ポイント還元」という激安設定ですから、お買い得感は高いですね!

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