2017年06月30日
【100%の努力】『ハードワーク 勝つためのマインド・セッティング』エディー・ジョーンズ
ハードワーク 勝つためのマインド・セッティング (講談社+α文庫)
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、昨日告知した「翻訳書&ビジネス書 大感謝祭」でも意外な人気を集めていた自己啓発書。実際、事例はラグビーがほとんどなのですが、ビジネスシーンを意識した作りとなっています。
アマゾンの内容紹介から。
成功したいなら、「日本人らしさ」を活かしなさい。ラグビー元日本代表ヘッドコーチ、エディー・ジョーンズによる、ビジネスで即使える「成功するための心構え」が必ず身につく一冊。
中古が1000円近くしますから、セール期間内である7月6日までなら、Kindle版が400円弱お買い得です!
Rugby / Tobias4242
【ポイント】
■1.不可能なほど大きな目標を立てる人の中に眠っている力は、計り知れないものがあります。ほとんどの人がそれに気付いていません。
自分の中に眠っている力を呼び覚ました人だけが、大きな成功を招き寄せることができるのだと思います。
一般的に目標は、手の届きやすいところに置くのがいいとされています。しかし私は、そうは思いません。
目標は、「そんなことができる訳がない」と思えるほど、大きなものを掲げるべきです。
手の届きやすい目標は、すでにある自分の力から、予想したものでしょう。それでは「眠った力」を呼び覚ますことは、できません。今までに感じたことのない熱意を覚えたり、100パーセントの努力を傾けたりすることはないでしょう。
■2.向上心のない努力は無意味
物事に懸命に取り組むことを、「ハードワーク」と言います。
「ハードワーク」は、日本語で言う「頑張る」とは、少し意味合いが違います。
100パーセントの努力を傾けることと、それに加えて「今よりよくなろう」という意識が必要です。
その意識がなければ、頑張りは無駄になります。
いくら頑張っても結果が出ない人は、間違いなく、「今よりよくなろう」という意識が欠けているからです。
「私なんか、どうせダメだ」と思っていたり、妙な自己満足だけで頑張ったりしているからではないでしょうか。
努力は身体的なものと精神的なものが共存して、初めて実りあるものになります。
身体的、物理的な努力だけでは、意味がありません。精神的な努力が伴って、はじめて有意義になるのです。
■3.欠点は条件の1つに過ぎない
欠点は、誰にでもあります。
しかし、それをネガティブにとらえると、そこで負けは確定してしまいます。要は欠点とは、1つの条件にすぎないということです。
欠点を欠点ととらえるか、ただの条件と考えるかが、勝利や成功への大きな分かれ目になるのです。
原さんも佐々木さんも、日本人の体格が小さいことは、言い訳にしかならないことを知っています。
体格が小さいことは、コントロールできない要素です。
コントロールできないことは、考えるだけ無駄ですので、あれこれ考えても仕方がありません。放っておくのが一番です。(中略)
あらゆる問題に、解決策は必ずあります。
コントロールできない要素を言い訳にすることは、解決への道を自ら閉ざしてしまうことだと思います。
■4.努力は100%でないと意味がない
努力という言葉はよく用いられますが、私は大きな誤解があるように思います。努力は、100パーセントのものでないと、意味がありません。80パーセントや、50パーセントのものなど、そもそも努力ではないのです。
しかし、多くの人は、努力には程度があると思っています。80パーセントや、50パーセントのものも、努力だと考えるのです。 (中略)
ここからは、日本の皆さんにとって、とても厳しいことを申し上げなければなりません。
私はいろんな国の選手を指導してきましたが、努力が一番不足していると感じたのは、日本人です。
私がコーチした日本人選手で、初めからきちんと100パーセントの努力をしている選手は、ほとんどいませんでした。
■5.自ら自身を変える機会を与えてあげる
他人の欠点が見え、それを直してやりたいと思った時、人はどうしても高みから指摘し、命令口調で直すように言ってしまうものではないでしょうか。しかし、それではあまり効果がないと、私は思います。
周りの人間を変えたいと思ったら、正面から指摘をするべきではありません。それでは、鬱陶しいおせっかいになることも少なくありません。
まず、その人に、自分を客観的に見つめる機会を与えるべきです。多くの場合、人は他人に言われなくても、自分の欠点をわかっています。それを自ら、口に出させるようにすればいいのです。
自ら口にすれば、それがきっかけになり、その人は変わっていきます。
上司やコーチの仕事は、決して口うるさく指摘したり、命令したりすることではないと私は思います。
大事なのは、部下や選手が、自ら自身を変える機会を与えてあげることではないでしょうか。
【感想】
◆今でこそ、ラグビー日本代表は「そこそこ勝てる」と思われている方も多いと思いますが、2015年に南アフリカから金星を挙げるまで、ワールドカップでは20年以上勝ったことがありませんでした。ワールドカップでの通算成績は1勝21敗2分。
一方の南アフリカは25勝4敗ですから、どれだけ大番狂わせだったかが分かります。
注:動画削除されました💦
しかし、ジョーンズ氏は就任当初、代表選手たちに「世界のトップ10に入ること」「3年後のワールドカップで必ず勝つこと」を目標に掲げました。
……その時点においては、まさに上記ポイントの1番目の「不可能なほど大きな目標」ですよね。
◆ただし、そのために彼が選手たちに要求したのが、本書のタイトルでもある「ハードワーク」。
それは上記ポイントの2番目にあるように、懸命に取り組むだけではなく、向上心をも持つ必要がありました。
さらには上記ポイントの4番目で指摘されているように、「努力は100%でないと意味がない」とのこと。
まさか日本人が「努力が一番不足している」とは思いませんでした。
その原因をジョーンズ氏は、「日本の教育と社会のシステム」にあると指摘していますが、そこだけ読むとラグビー界独特の部分もありそうな気が……(詳細は本書を)?
ただ、プロリーグがある野球やサッカーにおいても、必ずしも「100%の努力」をしているとは限らないので、私たち日本人全体の意識の問題かもしれません。
◆また、その「100%の努力」を求めるがゆえ、ジョーンズ氏は、「トレーニングに100パーセントの力を出さずに取り組んでいる」と判断したら、即刻止めさせたのだとか。
さらには、選手たちの様子を見て、「今日は弛んでいるな」と思うと、トレーニングそのものをキャンセルしたりもしたのだそう。
選手たちは、「ジョーンズ氏の虫の居所が悪い」と思ったらしいのですが、確かにそんな報道を目にした記憶がありました。
加えて「よく怒っている」という印象も受けていたものの、これも本書によると「演技」らしく、「怒らなければいけない時には、本気で怒らず演技せよ」との記載が。
逆にとある試合では不甲斐ない出来で、ハーフタイムにアシスタントコーチが怒りまくっていたところ、ジョーンズ氏は逆に優しく励ましたのだそうです。
これもジョーンズ氏によると「部下や選手の感情を敏感に感じ取り、的確な判断のもと、演技的な振る舞いをしてメッセージを送った」とのこと。
なるほど、人の上に立つポジションの方なら、参考にしていただきたいTIPSです。
◆なお、本書を通じて感じたのは、ジョーンズ氏は選手たちの国籍、年齢を問わず、分け隔てなく接していたということ。
さらにはスター意識を好まず、努力を怠らないことを強いていたということ。
実は上記ポイントの5番目の事例として、五郎丸歩選手に、自分自身の改善点を挙げさせたことが触れられていたのですが、逆にワールドカップ後、海外で思うように活躍できなかったのは、「努力を怠ったから」とバッサリです。
私自身、人よりは努力をしてきた方だと考えていたものの、まだまだ甘かったと思った次第。
久しぶりに、辛口の本を読んで身が引き締まりました。
成功するために読むべし!
ハードワーク 勝つためのマインド・セッティング (講談社+α文庫)
はじめに――マイナス思考を捨てれば、誰でも成功できる
第1章 日本人独自のやり方で勝つ
第2章 どう戦略を立てるか
第3章 何が勝敗を分けるか
第4章 成功は準備がすべて
あとがき――部下がリーダーを超える時
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【名著復活】『元祖プロ・コーチが教える 育てる技術』ジョン・ウッデン,スティーブ・ジェイミソン(2014年02月03日)
【編集後記】
◆当ブログではご紹介していませんでしたが、本日6月30日までのセールとして、こんなものもありました。Amazon.co.jp: 【最大69%OFF】四季報 2017年3集夏号&投資・マネー本特集(6/30まで): Kindleストア
この辺の作品は、当ブログでもご紹介してましたね。
知らないと損する 経済とおかねの超基本1年生
はじめての確定拠出年金投資
ホントは教えたくない資産運用のカラクリ 投資と税金篇 2016
よろしかったら、ぜひご確認ください!
ご声援ありがとうございました!
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