2017年06月11日
【近未来の現実!?】『3年後に結果を出すための最速成長』赤羽雄二
3年後に結果を出すための最速成長 (ベスト新書)
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事にて取り上げた、赤羽雄二さんの最新作。今後10年内に起こりうるであろう劇的な変化と、それに対応するためのスキルについて言及されています。
アマゾンの内容紹介から。
マッキンゼーで14年活躍。最先端を走るビジネスコンサルタントが描く衝撃の10年後。時代に乗り遅れないための成長戦略。
なお、中古にプレミアが付いていますから、Kindle版がオススメかと。
2013_11_060021d - (t2) / Gwydion M. Williams
【ポイント】
■1.AI(人工知能)の与える影響を考えるまた、AIの与える影響を考える際には、次の点がポイントです。・AIによって、どういう事務作業からなくなっていきそうなのか?どれも、AIという抽象概念にとらわれることなく、冷静に見極めることが大切です。過剰に反応したり、逆にたかをくくったりすると、適切な対応ができなくなってしまいます。
・その事務作業をなくすとき、どういう連鎖反応が起きそうか?
・AIによって、複雑過ぎて人間にはできなかった、何ができるようになるのか?
・AIによって、速すぎて人間では考えられなかった、何ができるようになるのか?
・AIは他にどのような分野に入っていくべきか?
■2.ブロックチェーンとスマートコントラクトが変える仕事の仕方(抜粋)
1.会社の業績、月次、週次の進捗状況などはすべてスマートコントラクトから簡単に入手できるようになる。
2.分析力・洞察力がより問われるようになる。
3.仕事のスピードが従来より数段速くなる。
4.ついていけない部下も増えるので、部下活用力、コーチング力が一層問われるようになる。
5.これまで以上にグローバルなリーダーシップが求められる。
6.劇的な環境変化が続くので、自分で成長し続ける力がこれまでになく要求される。
(詳細は本書を)
■3.「目標設定・達成シート」を作成する
「人生設計力」に関しては次のようなステップで考え、「3年後・5年後・10年後目標設定・達成シート」を作成してはいかがでしょうか。(1)10年後、どうなっていたいのか、何を達成していたいのかをできるだけ具体的に書く。
(2)それを達成するため、3年後、5年後、10年後の3つのステップに関して置かれた環境、アクション、注意点をできるだけ具体的に書く。
(3)3ステップの間の整合性、ホップ・ステップ・ジャンプと3段階で達成するようになっているかという流れと難易度の確認をして修正する。
(4)机の前、トイレのドアなど、嫌でも目に入るところに貼るとともに、クリアフォルダに入れてアタッシュケース、バッグなどに忍ばせる。
(5)毎年年末に、達成状況を◎△×で評価し、反省事項を記入する。
(6)毎年元旦に新たに書き直す。
■4.キーワードをグーグルアラートに登録しておく
ちなみに私は、日本語・英語合わせて150個近く登録しています。例えば、「ブロックチェーン」「Blockchain」、「スマートコントラクト」「Smart Contract」というようにです。ちなみに、ブロックチェーン関係はこれ以外に「Ethereum」「Factom」「IoT Blockchain」「Hyperledger」「Estonia」など、数十あります。
将来を知るための情報収集として、日本語記事だけだと、世界中で流れている情報の5パーセント程度ではないかといつも感じています。
AI、ロボット、ブロックチェーンなどの会議が世界中で開催されていますが、その講演動画などは、ほぼ翻訳されていません。一番ホットな最新状況、今後の動向がわかるものなので、英語での情報収集がどうしても欠かせません。
これからは中国語だとか、ロシア語だとか言われる方がたまにいらっしゃいますが、情報量では圧倒的に英語です。文句なしにまずは英語をお勧めします。
■5.仕事をスピードアップするための工夫をする(抜粋)
(1)仮説思考に早く慣れる。
(2)スピーディに資料・書類作成をする。
(3)メールは即座に返信する
(4)単語登録、ショートカットキー、ブラインドタッチ(キーボードを見ずに両手を使って入力すること)、再利用フォルダを活用する。
(5)会議はごく短時間で。
(詳細は本書を)
【感想】
◆上記のポイントを見ても、本書がどのような本なのか、今ひとつ分かりにくいと思います。……と書いた本人が言うくらいなら、何とかしろよ、と思われるかもしれませんが、これがなかなか難しくて。
まず今後について、AIやら何やら技術的な革新により、世の中が変わっていくだろうな、ということは誰しも漠然と思っているかと。
本書ではそれを、それぞれの技術ごとに論点に言及した上で、「チャンス」と「リスク」を列挙。
さらに具体的なアクションとして、「A4メモ」でまとめる際のタイトル例まで提案してくれているという。
◆ここで「A4メモ」をご存知ない方のためにご紹介しておくと、赤羽さんの出世作であるこの本で、大々的にとりあげられているテクニックなのですが。
ゼロ秒思考 頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング
参考記事:【思考術】『ゼロ秒思考 頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング』赤羽雄二(2013年12月27日)
赤羽さんの著作では、おそらくどれでも紹介されているでしょうし、本書でも一応書き方や具体例まで収録されていますから、ご存知ない方でも大丈夫ではないか、と。
ただ、赤羽さんの著作はそのほとんどが「スキルアップ系」ですから、AI等の個々の技術についてはある程度流してるかな、と思いきや、意外にもこれがかなり掘り下げられているのにもビックリしました。
もっとも赤羽さんは、本業がマッキンゼー上がりのコンサルタントですし、その辺はちゃっちゃっと調べているのだろうと考えていたのですが、本書の中にところどころ「当事者」的な発言も!?
なんでも
2017年1月に「ブロックチェーンビジネス研究会」の立ち上げに参加し、5月には「ブロックチェーンEXE」というエンジニアコミュニティの立ち上げを支援しています。とのことで、なるほどかなりお詳しいのも当然のことでした。
◆つまり、マクロの話として、まずこうした「技術革新」の話があって、それにともなって、私たちの「社会」や「生活」がどう変わるか、という論点が続いて。
同時に「会社」やそこにおける「働き方」がどう変わるか、というお話もあるわけです。
そしてそれぞれについて論点を述べた上で、上記のように「チャンス」と「リスク」、さらには「A4メモ」用の「タイトル」まで列挙されていたら、同じレイヤーでポイントを抜き出すのは、正直無理ゲーでした。
なお、「技術革新」の中でも「ブロックチェーン」は下記目次にもあるように、1つの章を丸ごと費やして第3章にて解説。
ブロックチェーン - Wikipedia
言葉だけは聞いたことがあるものの、イマイチよく分かっていなかったのが、本書のおかげで「ある程度」理解できました。
それに対して、上記ポイントの2番目で「ブロックチェーン」と一緒に出てくる「スマートコントラクト」は多分初耳。
日本語のWikipediaには、まだページがないくらいですから、言葉としてそれほど広まってはいないと思うのですが、本書によると、たとえば現在エアビーアンドビーが行っている「貸主」と「借主」のマッチングも、「スマートコントラクト」によって当事者同志で直接行うことができるのだそう。
つまりエアビーアンドビーにとっても「スマートコントラクト」は「大きな脅威」らしいです。
◆一方、本書の後半では、こうした「変化」に対して、どうしておくべきかを指南。
たとえば本書の第6章のタイトルは「仕事がなくなる時代がくる前に身につけておきたいこと」ですからね〜w
ただ、こうした「将来に備えてスキルアップすべし」というテーマでしたら、当ブログでも何冊かご紹介していました。
10年後、君に仕事はあるのか?―――未来を生きるための「雇われる力」
参考記事:【働き方】『10年後、君に仕事はあるのか?―――未来を生きるための「雇われる力」』藤原和博(2017年02月20日)
日本3.0 2020年の人生戦略
参考記事:【大変革?】『日本3.0 2020年の人生戦略』佐々木紀彦(2017年02月14日)
これらの作品との、本書の一番の違いは、やはり上記でも触れたように「技術革新」の部分がかなり具体的なこと。
漠然と「仕事がなくなる」と言うのではなく、かなり踏み込んでいる分、説得力がありました。
変革後の世界でも働き続けたいなら読むべし!
3年後に結果を出すための最速成長 (ベスト新書)
はじめに―私たちは、どんな時代を生きているのか?
第1章 これからの10年、仕事が大きく変わる
第2章 これからの10年、劇的に進化するテクノロジー
第3章 これからの10年、ブロックチェーンが変化をもたらす
第4章 これからの10年、世界が変わる
第5章 これからの10年、会社が大きく変わる
第6章 仕事がなくなる時代がくる前に身につけておきたいこと
第7章 これだけ変わる「考え方」「生き方」のポイント
おわりに―自分の人生を自分で決める~人生90年時代の生き方
【関連記事】
【思考術】『ゼロ秒思考 頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング』赤羽雄二(2013年12月27日)【働き方】『10年後、君に仕事はあるのか?―――未来を生きるための「雇われる力」』藤原和博(2017年02月20日)
【大変革?】『日本3.0 2020年の人生戦略』佐々木紀彦(2017年02月14日)
【必読!】『10年後に食える仕事、食えない仕事』渡邉正裕(2012年02月04日)
【編集後記】
◆今日のご本に関連して、先日からスタートした「科学・テクノロジー本フェア」の対象作品の中から「ブロックチェーン」というフレーズで該当したところ、この3冊がヒットしました。〈インターネット〉の次に来るもの 未来を決める12の法則
FinTechの衝撃―金融機関は何をすべきか
決定版 FinTech―金融革命の全貌
3冊目は中古が底値に近いですが、上2冊はKindle版がお買い得なので、ぜひご検討ください!
ご声援ありがとうございました!
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