2017年05月17日
【雑談スキル?】『会話の達人の話し方を真似したら人見知りの僕でも楽しく雑談できました』松橋良紀
会話の達人の話し方を真似したら人見知りの僕でも楽しく雑談できました
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、「Kindleビジネス書・自己啓発書フェア」の追記記事にてご紹介した「雑談本」。ただし「雑談」と言っても「ただ世間話をすればいい」レベルのお話ではなく、かなりテクニカルなお話が展開されている1冊です。
アマゾンの内容紹介から。
「雑談にはルールがある!」23歳のコミュ障なサラリーマンを変えたのは突如現れた謎の人物の一言だった―会話がとぎれない!テクニック満載。
ここだけ読むと、何やら「物語形式」のようですが、単に各章の導入部分に会話形式があるだけなのでご安心を。
なお、セール告知時より中古が値上がりしているようで、送料を加味するとKindle版が600円弱お得な計算です!
Kitchen talk / milkisprotein
【ポイント】
■1.意識の矢印を相手に向ける雑談がうまい人は、意識の矢印を向ける方向が、「自分」ではなく「他人」です。
意識の矢印を「他人」に向けると、「自分がどう見られるか」ということを気にしている暇がなくなります。
「相手は今、どんな心情なんだろう?」
「どうして、それが気になるんだろう?」
「どうしたら、自分がお役に立てるかな」
このように相手に意識が向かうのは、相手がどう思っているのかを観察して、相手に喜んでもらうためです。
すると、自分がどう思われるかなど、気にしていられなくなるのです。
自分が話していたら、相手を理解できなくなります。
だから、自分が話すことを控えて、「聞き役」に徹することができます。
よく話を聞いているから、適切なアドバイスもできます。
■2.「単語一語+助詞」でオウム返しする
単語だけリピートしていくペーシングができるようになったら、次は「助詞」をつけてみましょう。
助詞とは、よく言われる「て・に・を・は」などのことをいいます。
また、格助詞というものがあります。
「が・の・を・も・に・へ・と」などです。
たった一文字のひらがなを、拾う単語の後につけるだけ。
これだけで、驚くほど相手が話してくれるように変わるのです。「箱根が好きなんですよ」このように、相手の言葉を拾って一文字だけ加える。
「箱根が?」(中略)
あとは「……」と、数秒間、黙るだけです。
■3.目線のペーシングは「相手と同じ方向を見る」
相手が沈黙したとき、考え込んだとき、どこを見ているのか注意しましょう。
何かを考えるように宙を見たなら、自分も相手の見ている部分を見る。
相手が下を向いて、何かを考え込んでいるようなら、自分も下を見る。
そしてその間、相手が話し出すまで、黙って待つことです。
話し手が思いにふけっているときには、聞き手から目を逸して沈黙します。
そのときに、相手と同じ方向を見ながら話を聞くと、相手もリラックスして話しやすい雰囲気が生まれます。
■4.雑談のネタは質問のきっかけに使う
実は、雑談のネタを実践する場合、取り扱いには注意が必要です。
雑談のネタをせっかく覚えたら、誰かに話したくなります。
観察力がある人は問題ないのですが、相手の状態を観察せずに、べらべらと一人でしゃべりまくってしまうと、相手の関係をよくするどころか悪くしてしまいます。
では、どうしたらいいのでしょう?
それは、雑談のネタをすべて質問形式にすることです。「今日は暑いですけど、何か、暑さ対策ってされていますか?」このように、雑談のネタは質問のきっかけに使うのです。
「天気がいいですけど、明日から雨だそうですよ。お休みの日は何をされていますか?」(中略)
■5.電話口で相手の息遣いに呼吸を合わせる
相手が話しているときは、息を吐いています。そのタイミングで、自分も息を吐く。
相手が息継ぎをするタイミングに合わせて、自分も息を吸う。
そのように呼吸を合わせていくと、波長がピッタリ合っていくのです。
呼吸合わせをすると、実は大きな副産物が生まれます。
相手が話し終わってから、同時に息を吸うということで、すぐにしゃべり出せなくなります。ワンテンポ遅れて反応することになります。
その分、沈黙が生まれます。
すると、お客様が沈黙を埋めるために、どんどんしゃべり出します。
呼吸が合って、沈黙が生まれることもあり、お客様がどんどん心を開いてくれるのが感じられました。
つまり、自分がいかにしゃべりすぎていたか、お客様の深い部分を聞き取れていなかったのかに気づいたのです。
【感想】
◆相変わらず、「雑談」とは名ばかり(?)の濃厚なコミュニケーション本でした。これで松橋良紀さんの作品は、当ブログでは3冊目ですが、どれもテクニカルなお話が満載で、付箋貼りまくり(ハイライトしまくり)。
ただ、本書は冒頭の内容紹介以外にも、アマゾンに「マンガとイラストでダントツにわかりやすい」とか「青年と達人の会話を通して、スラスラ読める」ですとかあり、さすがに覚悟したものの、まったくの杞憂でした。
まず冒頭に5ページほどのマンガがあって、ここで「話ベタ」だった10年前の松橋さんが、「会話の達人」と呼ばれている上司と遭遇します。
ただし、マンガ(イラスト)はこの部分のみ。
以降、各章の冒頭で、松橋さんと達人が見開き2ページほどの「会話形式」で、その章導入をで行いますが、それ以外は通常のビジネス書と変わりません。
……この装丁やアマゾンの内容紹介で、本書をパスしちゃった方も結構いらっしゃると思うのですが。
◆そして内容も、かなり実践的なものが多々。
上記ポイントの1番目は、意識というか「心構え」のお話なのでいいとしても、2番目からは実際に会話の場面で意識したものばかりです。
たとえば上記ポイントの2番目の「『単語一語+助詞』オウム返し」も、まずは「単語一語だけ」というパターンがあり、それができるようになったら行うもの。
長い文節をそのままオウム返しすると、相手が不快に思ったり、バカにされていると感じるのに対して、こちらは効果抜群とのことです。
なお、最後に「数秒間、黙る」とありますが、実はこれが大きなポイントらしく……(詳細は本書を)。
◆また、「話を聞くときにどこを見るか」という問題は、類書でもよく見かけるものの、「目と目の間を見る」ですとか「顔全体をぼんやり見る」等々、諸説ありました。
これに関して本書では、基本的には「相手の目を見て話す」ことを推奨。
ただし、上記ポイントの3番目にあるように、「相手と同じ方向を見る」という「視線のペーシング」を意識するのが良いそうです。
これは類書でも見たことがありませんし、ちょっと意外なTIPSなので、機会があったら試してみようかと。
そしてやはり、ここでも「沈黙」を保つことがキモという。
◆ちなみに、松橋さんはかつて電話営業も経験されたことがあるそうで、しかも商材は「120万〜260万円という、高額な能力開発教材」。
電話ですから、ボディランゲージや顔の表情、上記の「視線のペーシング」のような「視覚」に頼るものは使えません。
そこで実践したのが、上記ポイントの5番目の「相手の息遣いに呼吸を合わせる」。
すると、次々と高額商品の契約が決まり、なんと前月の4倍も売れて、自己最高記録を打ち立てたのだとか(スゲー!!)。
……うん、これ、電話口で口説くときにも使えそうな(モテネタ的に)。
◆もちろん上記ポイント以外にも、お伝えしたいTIPSが色々あるのですが、詳しくは本書にてご確認を。
たとえば「相手の口が滑らかになる4つのあいづち」ですとか、「即効性抜群の『3SK』コミュニケーション」辺りは、当ブログ的にもウケそうでした。
なお、ネタかぶりとしては、松橋さんオリジナルという「あごのペーシング」が、本書にも登場するものの、これは以前読んだ作品によると「著作全部で登場させている」そうなので、一種のお約束でしょう。
発売当時、この装丁ゆえリアル書店でスルーしたのが後悔されるところ……と言いつつ、今般セールで「50%OFF」でゲットできたのですから、結果オーライですかw
雑談のみならず、コミュニケーション全般に役立つ1冊!
会話の達人の話し方を真似したら人見知りの僕でも楽しく雑談できました
第1章 あなたの雑談のイメージはまちがっている
第2章 誰でもできる 会話が途切れない「聞き方」
第3章 見知らぬ人とも1分でうちとける波長合わせの技術
第4章 沈黙も怖くない! 相手がどんどんしゃべりだす話題探しのコツ
第5章 もうドギマギしない 心を開く「リアクション」のコツ
第6章 悪用厳禁! 人の心にすんなりとけこむ裏ワザ
第7章 どうしても雑談を楽しめない人へ 会話の達人の手紙
【関連記事】
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【これは使える!】『雑談力が上がる大事典---会話に困ったとき最初のひとことがスッと出てくる!』齋藤 孝(2014年04月25日)
【編集後記】
◆実は同じ松橋さんのこの本も「50%OFF」になっておりまして。話がいまいち盛り上がらないと悩んでいる人が知っておきたい 雑談の心理術
ただし、今回のセールページで検索してもヒットしないので、別の形での値引きの模様。
中古が結構安く、送料加味してギリギリKindle版がお得な状態ですが、上記関連記事にレビューがございますので、ぜひご検討ください!
ご声援ありがとうございました!
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