スポンサーリンク

       

2017年05月07日

【メンタル】『堂々と逃げる技術』中島 輝


堂々と逃げる技術
堂々と逃げる技術



【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、昨日の「GWに読みたいビジネス書セール」の対象となっていた自己啓発書。

タイトルを見たときは、単純に「現実逃避せよ」というハナシかと思ったのですが、実は結構、奥が深い内容でした。

アマゾンの内容紹介から。
35歳まで10年間のひきこもりを自ら克服し、予約がとれないカリスマ人気カウンセラーとなった著者が、その壮絶な体験と1万人を超えるカウンセリング実績を踏まえて築き上げた「追い込まれた自分を助ける心の使い方」を一挙公開!

なお、上記のKindle版は、送料加味した中古よりも700円以上お買い得ですから、お求めはセール期間である11日までにぜひ!





escape / mukarra


【ポイント】

■1.負の価値観から「逃げる」
 子どもの頃に、両親が、家にお金がないということで喧嘩をしていたとします。そうすると、お金に対する嫌悪感が出てきて、お金を持つことが全てのトラブルの元だという価値観や信念ができあがります。
 すると、大人になってから、両親と同じようにお金に苦労をすることになります。お金を有効に使うという考え方ではなくて、お金を憎むようになって無駄遣いをしたりするからです。
 しかし、そうした価値観や信念から「逃げる」ことができれば、問題を解消することができるのです。


■2.スイッチ1つで感情を変える
 たとえば、こんな経験はありませんか? 恋人と待ち合わせている時に、たまたま親からかかってきた電話で喧嘩をしてしまった。喧嘩がピークになっている時に、恋人が現れてしまった。「ちょっと待って」と親に言い、恋人には全く怒っている様子を見せず、うまく対応することができた。
 このように感情は、その気になれば変えることができるのです。
 ただし、感情を変える時のきっかけは必要だと思います。
 そこで、次のように変えてみるというのは、いかがでしょうか?
 たとえば、「電気のスイッチを切ったら、嫌なことは考えない。嫌なことはスイッチをつけた時に考えよう」と電気のスイッチを消す。スイッチを消したという行為がきっかけになって、脳のスイッチも切り替わります。 (中略)
 逃げられない時は、とかく自分の感情に固執しがちです。嫌な感情も、良い感情も選びとるのは自分次第なのです。そうやって考えれば、目の前の厳しい状況からいつでも逃げ出すことができます。


■3.ある状況に対して、どのような感情を抱いているのかを知る
 たとえば、「会社を辞めて独立する」という状況を考えたときに、「自分はうまくいくかどうか不安を感じている」と自分で知ることができれば、自分の感情と距離がとれていることになります。感情と距離がとれていれば、メンタルモデルからは逃れることができるのです。
 これを私は「自己距離化」と表現しています。
 メンタルモデルと真逆の行動をする時には、必ず前述した「不安」「恐れ」「自信のなさ」の3つの感情が働きます。
「自分は失敗してしまうのではないか?」
「お金がなくなって生活できなくなったらどうしよう」
「自分はもうダメだ」
 という感情が湧き上がってくるのです。
 この時に自分の心を客観的に見つめることで、何が自分の心のブレーキになっているのかを知ることができます。
 自分の心がどのように動いているのかが分かれば、問題の9割方は、解決することができるのです。


■4.直感に従うことで、自信を取り戻す
 人間には、さまざまな欲求がありますが、偏ったメンタルモデルを持っている人は、なかなかその感情から抜け出すことができず、自分の欲求に従うことができない傾向があります。
 そこで、どんなに小さなことでもいいので、自分の欲求に従ってみるということを行っていきます。
「自分の欲求に自分で従っている」ということ、つまり、「自分を自分が認める」ということ、そのこと自体が自分を信頼する第一歩になります。(中略)
 たとえば、「今日のお昼はステーキ」と決めたら、ステーキを食べる。「今日は飲みに行く」と決めたら、どんなに忙しくても、一杯でもいいから必ず飲みに行くのです。
 自分自身を信じ抜いてあげる。これが重要なのです。きちんと自分自身を意識しながら実践しましょう。


■5.すぐに行動する
 どんな不安や恐れにも、対処するための方法があります。
 それは、「すぐに行動する」ことです。
 苦手な相手に電話をしなければならない場合、「不安」や「恐れ」の感情を一旦置いておいて、電話をかけてしまう。そうすると、数分後電話を切ったときには、「不安」や「恐れ」「自信のなさ」は過去のものとなり、それらを感じていたことも忘れているはずです。
 もし、電話をかけることがとてもハードルが高いのであれば、買い物に出かけるでも、何でも構いません。「どうしよう」と留まらずに、まずは動くこと。
 行動しないで、自分の頭のなかであれこれ考えていると不安や恐れが拡大して、どんどん行動ができなくなってしまいます。
 悩んだら、とにかく留まっていないで、行動することで解消しましょう。


【感想】

◆「逃げる」という言葉に対して、とりあえず「ネガティブなイメージ」しか持っていなかった私には、「目からウロコ」の内容でした。

まず本書の第1章で著者の中島さんいわく、「逃げられない人」というのは「周囲に合わせて生きているから」とのこと。

そして、そうした「価値観」は、どうも子ども時代に作られるのだそうです。

上記ポイントの1番目のお話がまさにそうで、実は中島さん自身、子どもの時里親に預けられていましたが、5歳頃にその里親が夜逃げしたのだとか。

その結果、中島さんの中に「捨てられた自分は、誰からも必要とされていない存在だ」という価値観や信念が出来上がり、「人は信用できない」と長年思っていたとのこと。

その後ずいぶん経ってから、「人それぞれなんだから、どうでもいい」と考えるようになって、そうした「負の価値観」から「逃げる」ことができ、ひきこもっていたのが、外に出られるようになったのだそうです。


◆ちなみに続く第2章では、初っ端に「自分の価値観を知るための診断テスト」なるものが!?

私自身も25問のテストに答えてみたところ、このようなチャートになりました。



うーん、なんとなくわかっていましたが、4番目の「完全完璧」の傾向が強いような。

どうもこういう人は「つらい立場に追い込まれても、その状況を耐え抜こうと考える」らしく、考えてみたら会社員時代は結構「残業漬け」だったので、確かにそうかもしれません。


◆一方、「逃げない」という選択肢を選んでしまう人に、必ずと言っていいほどあるのが「メンタルモデル」と言われる「自動思考」です。

中島さんの実体験と臨床例から考えられるメンタルモデルは、大きく分けて次の3つの感情から発動するとのこと。
「不安」
「恐れ」
「自信のなさ」
そこで、そこから逃れるための方策が、上記ポイントの3番目です。

さらに本書では、自分のメンタルモデルを調べるために、「両親から自分のメンタルモデルを調べる」方法も指南されていました(詳細は本書を)。

ちなみに中島さんのデータによると、「子どもは親の2倍強く、メンタルモデルが出る」のだそうですから、ここも見逃せないところ。

また、上記の「自分の価値観を知るための診断テスト」からも、このメンタルモデルを推測できるそうで、それによると私の場合は「不安」の感情を抱いているらしく……。


◆そして、こうした感情に対処する方法の1つが、上記ポイントの5番目です。

さらに本書の第4章では、自分の感情に振り回されない方法として、「中島式マインドフルネス1分間瞑想」なるものも登場。

以上のように、本書は自分のメンタルを理解し、誤った考え方や囚われている感情から逃れるために、非常に有益だと思います。

たまたま私は独立して、会社から「逃げ」られましたが、今現在「逃げられない」方には、お読みいただきたい1冊。


お求めになるなら、セール期間内である11日までにぜひ!

堂々と逃げる技術
堂々と逃げる技術

第1章 なぜ、追い詰められても、「逃げない」のか?
第2章 周囲に合わせて生きる自分から「逃げる」技術
第3章 本当の自分に「逃げる」技術
第4章 追い込まれない自分を創る、心の整え方


【関連記事】

【キャリアデザイン】『ハーバードの自分を知る技術 悩めるエリートたちの人生戦略マップ』ロバート・スティーヴン・ カプラン(2017年04月10日)

【GRIT】『GRIT(グリット) 平凡でも一流になれる「やり抜く力」』に学ぶ「GRIT養成法」7選(2016年11月16日)

【グリット?】『やり抜く力――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける』アンジェラ・ダックワース(2016年09月12日)

【メンタル】『悩み・不安・怒りを小さくするレッスン 「認知行動療法」入門』中島美鈴(2016年12月23日)

【結構オススメ】『プロカウンセラーの一瞬で心を見抜く技術』前田大輔(2013年08月31日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

自分を操る超集中力
自分を操る超集中力


下記レビューのように、集中力を上げるためのTIPSが満載の1冊。

「54%OFF」ということで、送料を加味した中古よりも、400円弱お得となっています。

参考記事:すぐに使える『自分を操る超集中力』テクニック5選(2016年05月31日)


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

この記事のカテゴリー:「自己啓発・気づき」へ

「マインドマップ的読書感想文」のトップへ

スポンサーリンク




               

この記事へのトラックバックURL


●スパム防止のため、個別記事へのリンクのないトラックバックは受け付けておりません。
●トラックバックは承認後反映されます。