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2017年04月25日

【仕事術】『世界のどんな職場でも評価される 無敵の働き方』篠崎正芳


世界のどんな職場でも評価される 無敵の働き方
世界のどんな職場でも評価される 無敵の働き方



【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、これからの時代に必要とされるであろうTIPが詰まった仕事術本

特に外資系や現地法人等で働かれるような方なら、ぜひ読んでおくべき作品だと思います。

アマゾンの内容紹介から。
世界の現場で1万人以上の日本人を育ててきたグローバル人材育成のトッププロが明かす、したたかに戦うための30の秘訣。「外国語習得よりも大切なことがある」準備+実践+振り返りで「無敵」のビジネスパーソンに!

ちなみに、Kindle版は新刊なのに「20%OFF」とお買い得となっています!





Alec Ross and Emily Banks at the AMCHAM reception in Auckland, August 31, 2012 / US Embassy New Zealand


【ポイント】

■1.メッセージの伝達度を高めるために80字を目安に句点をつける
 まず、自分が日ごろ書いている日本語の文章を見てみてください。簡単な事務的な話題ではなく、自分の考え、問題解決や改善の提案、フィードバック、アドバイスなどの話題の方がよいでしょう。
 そして、ひとつひとつの文(センテンス)の文字数を数えてみてください。ワードにコピペし、コピペした部分を網掛けすると左下に文字数が表示されるので確認できます。案外、文字数が多いのではないかと思います。
 その文章の「1文の長さが80文字以内」になるように句点(。)をつけるのです。
 80文字以下であれば文字数が少なくても問題ありません。
 1文の中に「 」書きで会話などを引用している場合や、複数の言葉を連鎖的に例示している場合は、100文字程度になっても問題ありませんが、あくまでも例外です。


■2.時間は「質」を大切にする
 多くの外国人は、日本人は形にこだわり過ぎて内容を軽視する傾向があると感じています。
「会議の始まりの時間には厳しいが、なぜ議論の質や会議の成果にはあまりこだわらないのだろう?」という疑問があるのです。
 また、日本人は「終わりの時間」にはあまりこだわらないが、「始まりの時間を守ること」には大変厳格だというイメージが、外国人の間では定着しています。そして、外国人には、日本人は「時間を大切にする」感覚が薄いと映っているのです。
 日本人にとって、時間を大切にする行動は、約束した始まりの時間をお互いに守ることです。しかし、外国人にとっては、共有する時間をお互いに有意義な時間にすることなのです。
 具体的には、一緒に過ごした時間の中で、「お互いの考えがよく理解できた」「率直な意見を交換することができた」「学びが多かった」「次にやるべきことがはっきりしてよかった」とお互いに感じることができることを意味するのです。


■3.前置きのセリフを使わない
 日本の企業社会では、会議で報告書を説明する場面や、あるテーマについてプレゼンテーションする場面の冒頭で、「まだ完全ではありませんが……」「まだ詰め切れていない部分も多々ありますが……」といった「前置きのセリフ」を無意識に使う日本人が多いです。(中略)
 一方で、このセリフを聞いた外国人のオーディエンスは、「自分で完全だと思える状態にしてから話してほしい」「詰め切れていない話をわざわざ聞くのは、時間がもったいない」と感じてしまいます。(中略)
 オーディエンスが外国人の場合は、日本的な謙虚さを表わすセリフを使わず、「考えを整理してまとめたことをお話しします」とさっと切り出し、堂々と自信をもって話せばよいのです。
 そして話の締めくくりに、「以上で発表は終わりですが、ご質問やご意見がありましたら、遠慮なくおっしゃってください」「異なる考えや見方もウエルカムです」「オープンな議論につながればと思います」と「謙虚に」言えばよいのです。


■4.相手の意見を感情的に否定せずにメモをとる
 対話中に「そうじゃない!」と感じたとき、目を閉じて腕を組むのではなく、ペンを握って相手が主張している内容をメモするのです。そして、最後にその内容を復唱しながら相手と確認することが重要なのです。
 意見が対立したとき、この復唱と確認が自分のアウトプットなのだと決める習慣を身につければ、異なる意見を聞いている最中に感情的になっていられません。
 なぜなら、最後まで相手の話を冷静に聞き、メモをとり、内容と論理を理解しなければ、復唱できないからです。
 相手の考えや意見を正しく理解することは「議論の条件」です。異なる意見や反対意見を感情的に拒否していたら、議論は始まらないのです。


■5.会議の時間配分は「議論80:共有20」にする
✓共有事項はメール、あるいは、サーバー上で共有する
✓関係者全員に自己責任のもと共有事項を見ることを促す
✓定例会議では、特に重要な共有事項について自ら話す。あるいは、その担当者をゲストとして招待し、10分から15分話してもらう
✓残りの80%の時間は議題にそって議論をリードする
✓極力、その場で論理的に詰めて結論を導く
 時間内に結論を導くことができない場合は、引き続き議論が必要なポイントを明確にし、参加者に自分の意見をまとめておくよう指示するのがよいでしょう。
 世界のどんな職場でも仕事をして結果を出すためには、会議の目的は共有ではなく議論とし、会議は何かを「決める」場にすることが重要です。
 そのための時間配分は「議論80:共有20」なのです。


【感想】

◆いわゆる「グローバル」をテーマにした作品は多いと思うのですが、本書はちょっとテイストが違いました。

何というか「働き方」は当然として、そのベースとなる考え方まで触れているというか。

たとえば上記ポイントの2番目にある「外国人には、日本人は『時間を大切にする』感覚が薄い」というクダリは、いきなり言われたら「ハッ?」となると思います。

一般的に私たちの持つ「外国人は時間にルーズ」というイメージは、「開始時間がルーズだから」。

その一方で、ダラダラと質の低い会議をやっているのですから、これでは本当の意味で「時間を大切している」とは言えません。

ちなみに、一般的に外国人リーダーが会議を開く際には、最初の5〜10分は「待つ時間」として用意し、「アイスブレーク」したりするのだそう(詳細は本書を)。


◆また、この会議の開き方については上記ポイントの5番目でも言及されています。

まず、日本人リーダーの開く会議は、ほとんどの場合「共有80:議論(話し合い)20」ないしは「共有90:議論10」で、共有の比率が圧倒的に高いとのこと。

考えてみたら私も会社員時代は、「事前に根回しをしておいて、それを異なる部門間で確認しあうために行う会議」に出席したことが、結構多かったです。

……ただ、当時(四半世紀前w)はクラウドはおろかメールもなく、共有事項は全部紙ベースでハンコ押して確認していましたから、会議で一気にやること自体は時間的メリットもあったのですけどねw

これを、上記にあるように「共有事項はメール、あるいは、サーバー上で共有」し、「会議80:共有20」の会議を開くようにせよ、と。

確かに類書でも言われていますが、「会議は何かを『決める』場にすることが重要」だと思います。


◆一方、興味深かったのが、第6章の「外国語対策」。

小見出しを拾うと、「日常会話の習得はチャレンジする価値がある」としている反面、「ビジネスレベルの外国語習得は難しい」というスタンスです。

ちなみにこの「ビジネスレベル」の水準を簡単に言うと、
日本語では、名詞、てにをは、接続詞などを適切に組み合わせた論理的なメッセージを理解し、そして、発信することができるレベル
ということで、英語や中国語、その他の言語でここまで達するのは至難の業。

そこで本書で提案されているのが、通訳や翻訳の積極的な活用です(詳細は本書を)。

特に通訳については、類書でもほとんど触れられていなかった(「英語を頑張ろう」or「日本語だけでOK」)ので新鮮でした。

ただし、通訳が正確に訳しやすい日本語というものがあって、それが上記ポイントの1番目で挙げた「80字の文章」で、意識してこのような書き方をしていると、日本語が具体的、かつ論理的になるのだそうです。


◆なお、私は外国で働く可能性はほぼないので、上記では割愛してしまいました(すいません)が、現地の法人で働いている(働く予定のある)方は、本書の第5章の「マネジメント力」&「チェック力」は見逃せないところ。

たとえば英語圏、非英語圏にかかわらず、海外では「できる社員から引き抜かれて(もしくは自ら望んで)辞めてしまう」傾向があるのだそうです。

結果残されたのは「できない社員」であり、彼らは逆にクビにされないよう、会社にしがみつくのだとか。

すると、もし新たに優秀な社員が入ってきても、上司が「できない社員」なワケですから、彼らの定着率も低めに。

やがては優秀な社員すら入らず、かといって辞める人もいないため、離職率も低め……というのを、単に「初めは辞める人が多かったのに、最近は離職率が下がった」と喜んでいては大きな勘違いです(実話らしいです)。

……グローバル怖い(涙目)。


世界で通用する人材になるために!

世界のどんな職場でも評価される 無敵の働き方
世界のどんな職場でも評価される 無敵の働き方

第1章 日本人は、なぜ「会社」に弱いのか?
第2章 世界で結果を出す「自己表現力」
第3章 世界で結果を出す「グローバル感覚」
第4章 世界で結果を出す「リーダー力」
第5章 世界で結果を出す「マネジメント力」&「チェック力」
第6章 世界で結果を出す「外国語対策」


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【編集後記】

◆今日の本に関連して、こんなKindleセールのご紹介を。



Amazon.co.jp: アルク ほぼ全品50%OFFセール(4/27まで): Kindleストア

自分が英語を全然勉強していないのでスルーしていましたが、一応上記リンクにもあるように4月27日までですから、気になる方はぜひご確認ください!


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

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