2017年04月24日
【自己啓発】『苦境(ピンチ)を好機(チャンス)にかえる法則』ライアン・ホリデイ
苦境(ピンチ)を好機(チャンス)にかえる法則
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、4月分の「Kindle月替わりセール」の中で、個人的に気になっていた自己啓発書。そろそろ月替わりセールも終了するということで、それに間に合うよう今般読んでみたところ、想像以上に「ハードコア」で、少々驚きました。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
本書は、私たちが人生で遭遇する逆境を乗り越えるための金言にあふれている。 それはストア派の哲人にとどまらず、その英知に感化された国の指導者や経営者であったりする。
もしあなたがやる気を喪失し、自分の将来に不安を抱えているなら。 あるいは些細なことに悩み、心が挫折しそうなら、 本書を読むことで、ネガティブな状況の背後にあるプラスの側面を発見でき 新たな人生の道筋が見えてくるはずだ。
なお、相変わらず中古にプレミアが付いていますから、Kindle版が900円以上お得になります!
Atlas / Gabriela__F
【ポイント】
■1.「ものの見方」の力を利用する起きた出来事は変わらない。誰かがへまをしでかした、ただそれだけだ。しかし、評価と結果は別物である。(中略)
「最悪だ」「がっかりした」「こんなことになるとは」など、ネガティブな心の声が聞こえてきても無視しよう。ある状況について皆が「絶望的だ」「まともじゃない」「もうおしまいだ」などと言っているからといって、必ずしもそれが正しいわけではない。どんな物語にするかは自分で決めればいい。そもそも物語をつくらないという手だってあるのだ。
「ものの見方」の力を大いに利用しよう。これはどんな状況にも適用できる。状況そのものが障害になることはあり得ないのだ。投げ出してしまったときに、初めて障害となるのである。
どちらを選ぶかは、自分自身で決めることだ。
■2.自分で変えられるものに意識を集中する
依存症の人たちはまず「ニーバーの祈り」というものを覚える。神よ、変えることのできないものについては、どうか穏やかに受け入れられますように依存症を克服しようとする人たちはこうして努力の焦点を絞る。すると依存症との闘いがずっと楽になる。自分が生まれてきたという事実や、親がひどい人間だったという事実、自分が何もかもを失ったという事実とは闘う必要がなくなるからだ。それはもう決まったことであり、済んだことでもある。それを変えられる見込みは百に一つもないのだ。
変えることのできるものについては、どうか変える勇気をもてますように
そしてどうか、この2つを見分ける知恵をお与えください
では、変えられることに意識を集中したら? そこで初めて変化を起こすことができる。
■3.障害は逆境ではなく恩恵
スポーツ心理学の世界で、最近こんな研究が行われた。逆境に陥ったり、重大なけがに見舞われたりした一流スポーツ選手を対象にしたものだ。どの選手も最初は、孤独感や心理的葛藤、自分の運動能力への疑問を口にした。ところが時間がたつと、ほかの人の力になりたい、新たな視点が開けた、自分の本当の力に気がついた、と言うようになった。ケガをしている最中にさまざまな不安や疑念を感じたことで、まさにそうした面で強くなることができたのだ。
素敵な話だ。心理学ではこれを「逆境後の成長」とか「外傷後の成長」という。「死ぬほどつらい体験をすれば強くなれる」というのは使い古された言葉だが、真実を突いている。
立ちはだかる障害と闘った者は必ず、前より高いレベルへ引き上げられる。どれだけ懸命に闘ったかによって、成長の度合いが決まる。障害は逆境などではなく恩恵なのだ。
■4.ピンチをチャンスに変える
2008年春、大統領選を戦っていたバラク・オバマに黄信号がともった。オバマが長年師と仰いでいたジェレマイア・ライト牧師が、人種問題に関して扇動的な発言を行いスキャンダルになったのだ。(中略)
どんなアドバイスも慣例も無視して、オバマは行動を起こすことに決めた。この苦境は「学ぶ機会」であると判断したのだ。論争に集まっている衆目とその熱気を利用して、国を分裂させている人種問題について国民に直接語りかけることにした。
「もっと完璧な連邦」という名で知られるこの演説は、まさに転換点となった。オバマはそこで、この問題から逃げずに正面からぶつかっていった。おかげで、致命傷になりかねなかった論争を鎮静化するだけでなく、選挙戦で優位に立つことまでできた。絶望的な苦境をパワーに変えて息を吹き返したオバマ陣営は、そのままホワイトハウスへ突き進んだ。
■5.他者のために頑張る
君が今、どんな問題をくぐり抜けているにせよ、行く手にどんな障害が立ちはだかっているにせよ、自分ではなく他者のことを考えれば、それを力の源泉に変えることができる。自分以外にも苦しんでいる人がいるのであり、そうした人たちに目を注いでいれば、自分のことなど考える時間はなくなる。
プライドは折れることがある。タフになるにも限度がある。でも、他者を助けたいという願いは? どれほど厳しい状況に陥っても、どんな損失を被っても、どんな罠に陥っても、他者への共感を抱くことはできるはずだ。思いやりの心はいつでももてる。仲間意識もそうだ。これは意志の力であり、自分から放棄しないかぎり絶対に奪われることがない。
【感想】
◆こういう表現が適切かは分かりませんが、冒頭で触れたように「ハードコア」な内容でした。確かにタイトルにも「苦境(ピンチ)」とありますし、原題にも「障害」とか「試練」というフレーズもありますから、ある程度は覚悟していたのですが……。
The Obstacle Is the Way: The Timeless Art of Turning Trials into Triumph
ただし、その「苦境」というのが、結構シャレにならないレベルなので、少々ビビった次第。
まー、登場するのがリンカーン、ルーズベルト、オバマといった元大統領を初めとした政治家や、ロックフェラー、エジソン、ジョブズ等々といった実業家やさらにはスポーツ選手まで登場するのですから、それはスケールも大きくなります罠。
最近書籍でも取り上げられた「トミー・ジョン手術」の「トミー・ジョン」って、てっきりお医者さんの名前だと思ってたのですが、この手術を最初に受けた投手だったんですね。
トミー・ジョン - Wikipedia
まさに「怪我」という「苦境」から見事復活できた、典型的な例と言えるかと。
◆ただ、「苦境」を「好機」に変えた例としては、上記ポイントの4番目のオバマ前大統領のケースが一番でしょうか。
上記でもある程度解説されていますが、このスキャンダルによって、当時ようやくできかけていた黒人支持者と白人支持者とのかすかな結束がほどけ、陣営がバラバラになる恐れがありました。
そこでオバマ氏は、この「苦境」をむしろ活かして、初めて「人種問題」について正面から触れた演説を行います。
この件の詳細については、このページが分かりやすいかな、と。
演説でたどる「オバマ米大統領」への道 人種が融和した「より完璧な連邦のため」(gooニュース) - goo ニュース
単に「ピンチ」を切り抜けるだけでなく、それを「チャンス」へと変えたわけです。
◆一方、上記ポイントの2番目にある「自分で変えられるものに意識を集中する」というのは、類書でも過去に見た記憶が。
それでも私たちは、どうしても「自分で変えられないものまで変えようとする」んですよね。
割愛した部分でも、こんな一節が。
自分の力が及ぶものだけに専念すれば、倍の力が出る。反対に、自分ではどうしようもできないことにエネルギーを注いでも、全部無駄になる。それでは単なる自己満足であり、身を滅ぼすことになる。私たちは皆、こんなふうに多大なエネルギーを浪費しているのだ。……まさにそのとおり!
ちなみに、上記のトミー・ジョンは、手術を受ける際、医師に復帰できる見込みを尋ねたところ、「百に1つだ」と言われたのだそうです。
それでも手術をしなかったら復帰できない以上、彼は「手術」という賭けに出て、そして勝ったのでした(翌年から13シーズン活躍し、計164勝をあげた)。
実際には手術以降も数々の「苦境」があったようですが、詳細は本書にてご確認を。
◆ところで本書は、アマゾンのページではなぜか掲載していないものの、多くの著名人から推奨されています。
中でも、当ブログになじみのある著者さんといったら、このお2人でしょうか。
●ロバート・グリーン
権力(パワー)に翻弄されないための48の法則〈上〉 (角川文庫)
参考記事:【出世の心得?】『権力(パワー)に翻弄されないための48の法則〈上〉』が予想通り濃厚だった件(2011年05月24日)
●クリス・ギレボー
1万円起業 片手間で始めてじゅうぶんな収入を稼ぐ方法
参考記事:【必読】『1万円起業』緊急レポート(2013年09月11日)
さらに本書の原書は、本国の方ではレビューが1000近くついていて、うち「星5つが75%」「星4つが13%」という評価ですから、かなりのものだと思われ。
The Obstacle Is the Way: The Timeless Art of Turning Trials into Triumph: Ryan Holiday: Amazon.com: Books
……これは自己啓発書好きならば、ぜひ一読しておくべきではないでしょうか?
お求めは、セール期間である今月中がオススメです!
苦境(ピンチ)を好機(チャンス)にかえる法則
Part1 ものの見方
Part2 行動
Part3 意志
【関連記事】
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【グリット?】『やり抜く力――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける』アンジェラ・ダックワース(2016年09月12日)
【ライフハック】『メンタルが強い人がやめた13の習慣』エイミー・モーリン(2015年08月28日)
「成功の心理学」 デニス・ウェイトリー (著)(2005年03月08日)
【編集後記】
◆同じく今月の「月替わりセール」から。サーチ・インサイド・ユアセルフ ― 仕事と人生を飛躍させるグーグルのマインドフルネス実践法
今日の作品とは違ったアプローチで、「人生」を良くしてくれそうな1冊。
相変わらず中古がそこそこ高いため、送料を考えるとKindle版が800円以上お買い得です!
ご声援ありがとうございました!
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