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2017年04月23日

【成毛流グルメ】『コスパ飯』成毛 眞


コスパ飯 (新潮新書)
コスパ飯 (新潮新書)



【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事にて取り上げた成毛 眞さんの最新作。

テーマが「食」ということで、博識かつこだわりのある成毛さんらしさがさく裂した1冊でした。

アマゾンの内容紹介から。
ある時は最高の「牛めし」を決めるべく数十種を食べ比べ、 またある時は美味しいサラダのコツを求めて評判のオーベルジュに足を運ぶ。 東にいい食材を探し、西で名物料理の味を試す。 「うまさ」は前提条件。その上でどれだけ投資効率が良いか、つまりコスパを追求。 ネットを駆使して情報や現物を集め、想像力全開で工夫も凝らす。 持ち前の知的好奇心で数々の「うまい」に辿りついた軌跡を語る、著者初めての「食」の本。

なお、それほど安くなってはいませんが、私はお買い得なKindle版で読了いたしました!





IMG_6584: Beef Bowl / EagleCam


【ポイント】

■1.寿司は価格に比例する
 価格によって味が大きく異なるものの代表は寿司である。軽くつまんで万単位の店もあれば、一皿100円の明朗会計の店もある。同じ寿司という食べ物なのにこんなに価格が違うのは、白米の上に乗る魚の仕入れ値が、同じ名前の魚であっても桁違いであることが多いからだ。魚は良い漁場でいいエサを食べて育ったうまい魚と、そうでない魚の味の差が大きい食材だ。
 いいエサを食べて育ったうまい魚は、お金さえ出せば誰もが買えるというものではない。仲買人と長い付き合いのある、信頼される寿司屋しかいい魚は買えないのだ。高い寿司屋の寿司の値段には、その信頼関係構築費用も含まれているようだ。


■2.うまいものを知っている人を見極める
 そこで歌舞伎好きの私が参考にしているのは、歌舞伎役者である。歌舞伎役者は食べ物のプロではないが、しかし、うまいものをよく知っている。東京・銀座の歌舞伎座周辺には、彼らが足繁く通う数々のうまい店のうまい定番メニューがある。
 例えば、歌舞伎座から徒歩30秒ほどの場所にある『YOU』という喫茶店のオムライス。創業47年の店の人気メニューで、見た目はシンプルながらフワフワとろとろの卵の食感、こうでなければならないと確信させるケチャップのかけ方(自分で卵の上に塗り広げて食べるのがお約束というが、確かにこの食べ方が一番うまい)など、大人が食すに値するオムライスだ。


■3.特製醤油を味わう「卵かけご飯」
 私の卵かけご飯は、醬油を味わうために存在する。なので、醬油にはかなり、米には少しこだわるが、卵については特にこだわりはない。(中略)
 さて、まずはその『サトウのごはん』を電子レンジで温める。時間は指定されているとおり。温まったらご飯茶碗によそい、そこに卵だ。しかし、急いてはならない。まずは白身だけを湯気を立てるご飯に加え、そしてしゃかりきに混ぜる。いや、混ぜると言うより泡立てると言った方が正しいだろう。白身はメレンゲ状に泡立ちつつ、ご飯の熱でほんのわずかに固まろうとする。
 ほどよく混ざったところで、黄身を乗せる。それから、待ちに待った燻製醬油だ。私はふた回し分くらい、たっぷりかける。これで準備は整った。
 この後は、箸で黄身を割りながら一気に食べ進む。混ぜない。
 燻製醬油のかぐわしさはベーコンのそれを彷彿とさせ、食べているのは卵かけご飯なのかカルボナーラなのか、一瞬、惑う。


■4.調理ツールのこだわり
 白髪ネギをつくるときに切れ味のわるい包丁を使うと、切り口が潰れて風味が台無しになる。そこで包丁を使うくらいなら、100円ショップで売っている白髪ネギ専用のカッターを使った方が、ずっと出来映えがいいし、手軽でもある──とすでに書いた。料理をするうえで道具選びは重要で、これを間違うと、素晴らしい食材も素晴らしい調味料も、残念な結果になることが多い。
 我が家では、キャベツの千切りには専用のスライサーを使っている。下村企販の『とんかつ屋さんキャベツスライサー』というもので、形状も大きさも実に使いやすい。
 これでスライスしたキャベツはふわっふわで、マヨネーズとソースを和えたもので食べると実にうまい。包丁で刻んだキャベツとの差は歴然で、スライサーでの刻みキャベツ以外は家では食べない。

とんかつ屋さん キャベツスライサー 日本製 35950
とんかつ屋さん キャベツスライサー 日本製 35950


■5.ファミレス「デニーズ」のステーキがうまいわけ
 肉は安いものより高いものの方が圧倒的にうまい。なので、予算の許す限り、一番高いものを食べるのが、もっともうまい肉を食べるための方法である。
 ただし、例外もある。『デニーズ』のステーキだ。これは安いのにうまい。グランドメニューにあるものではなく、ときおり開催されるフェアのステーキがとりわけうまい。おそらく、グレインフェッドの牛肉を使っているのだろう。グレインフェッドとは穀物で育てた牛のことで、グラスフェッドと対をなす言葉である。放牧牛はほぼグラスフェッドだが、牛舎で育てられる牛の多くはグレインフェッドである。
 つまり、肉の味は何を食べて育ったかで決まるのである。


【感想】

◆タイトルからして「大丈夫」だとは思っていましたが、本書にとても行けないような「高級店」ばかりが列挙されていたらどうしようかと、読む前は思っていましたw

確かに日本マイクロソフトの社長をされていた成毛さんですから、接待等含めて、高級店にも散々行かれていた模様。

ただしご本人は「リラックスできる」ことが外食店での必須事項らしく、わざわざ高級店には行かれてはいないようです。

代わりに主に目的としているのが、「家でつくるうまいもののヒント」を得ること。

そういう観点から、上記ポイントの1番目にあるように「素材勝負」となる「寿司」は、たとえリラックスできるお店であっても、熱心には通われないそうです。

逆に上記ポイントの2番目の『YOU』は、私たちでも普通に手の届くお店ですから、気になる方は一度お試しを。

YOU (ユー) - 東銀座/喫茶店 [食べログ]


◆さて、本書の第2章では「ベスト・オブ・牛めし!」と題して、成毛さんが4年かけて(!?)チェックした、牛めしの数々が登場。

初っ端で「吉野家の牛丼はうまい」とあったので、てっきり外食のチェーンの牛めしの比較かと思いきや、牛めし弁当の比較でしたw

購入先はJR東京駅と銀座三越の地下に限定しているのですが、それでも収録されている一覧表でカウントしたら、計39品もあったというw

ただし、「マイ・ベスト」を選ぶのが趣旨だったためか、ランキングではありませんでした。

したがって、唯一選ばれた逸品をここで書いてしまうと、思いっきりネタバレになってしまうので、とりあえず自重させてください。

……どちらの売り場も私の職場からは近いので、今度こっそり味わってみる予定ですw


◆一方、上記ポイントの3番目にある「卵かけご飯」のお話は、本書の第4章「日本の家庭料理はどこがすごいのか?」から。

ただ、ここで私が驚いたのが「卵については特にこだわりはない」というクダリでして、普通、凝った「卵かけご飯」といえば、大抵卵に気合が入っていたものです。

それがむしろ、メインが特製の「燻製醤油」というのが目からウロコ。

でも、ご飯が『サトウのごはん』で良くて、特に卵に関しても何の言及もないとなると、まさに使用されている「"某"燻製醤油」がどこのものかを言ってしまうとネタバレになってしまいますので、ここでは自重せざるをえず……。

他にもこの第4章では、『松茸の味お吸い物』を使った「お手軽松茸ご飯」や、『マルちゃん焼そば』で作る「カリカリ焼そば」、「しゃぶしゃぶ餅の磯辺」といったレシピが紹介されていますから、成毛さんの味を再現されたい方は、本書にてご確認ください。


◆そして上記の「燻製醤油」を含めて、成毛さんが自宅に装備されている数多くの調味料について解説しているのが、第5章の「揃えて損はない調味料は何か?」。

ここでは、「砂糖」「塩」「酢」といった「サシスセソ」に加えて、それ以外の定番品をも網羅しています。

さらに具体的な商品名を挙げるだけでなく、わざわざ「★アマゾン取り扱いなし」といった注書きまでアリw

いくつか試しにピックアップしてみると、こんな感じです。

雪塩 120g
雪塩 120g


村山造酢 千鳥酢 900ml
村山造酢 千鳥酢 900ml


こんにちは 料理酒 1800ml
こんにちは 料理酒 1800ml


また、こうした商品名だけ、もしくはそれプラス寸評の調味料群とは別に、わざわざページを費やして解説されているのが、ベル食品の『ジンギスカンのたれ』。

成吉思汗たれ360ml
成吉思汗たれ360ml


この第5章以外でも、本書内でちょくちょく登場しており、ジンギスカン以外のお料理に普通に使われていたので、北海道出身の成毛さんにとっては、まさに定番調味料なのだと思います。


◆そして最後の第6章では、「逆張り美食論」と題して、これまた「目からウロコ」的な、成毛さんの「食」に関するうんちくが展開。

上記ポイントの5番目も、この第6章からでして、我が家もすぐそばにデニーズがあるので、今度フェアのステーキを試してみたいと思います。

また、実は本書を読んでまっさきに買ったのがこちらであり、成毛さんも欠かさず持ち歩いているとのこと。

森永乳業 クリープスティック 1箱(3g×100本)
森永乳業 クリープスティック 1箱(3g×100本)


私も出先の会議で、コーヒーとともに出されるコーヒーフレッシュが苦手だったので、さっそく活躍してくれると思います!


「成毛流グルメ」を実践するために読むべし!

コスパ飯 (新潮新書)
コスパ飯 (新潮新書)

第1章 値段・流行りと味は比例するのか?
第2章 ベスト・オブ・牛めし! ―気になった食にはとことんこだわる
第3章 私の食遍歴ー「ピンからキリまで」食べてきた
第4章 日本の家庭料理はどこがすごいのか?
第5章 揃えて損はない調味料は何か?-これさえあればもっとうまい
第6章 逆張り美食論


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【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

マンガでわかる「やめる」習慣
マンガでわかる「やめる」習慣


中古が値崩れしていますが、さすがに「55%OFF」というお手頃価格ゆえ、送料加味すればKindle版がお得です。


ご声援ありがとうございました!

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Posted by smoothfoxxx at 10:00
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