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2017年04月10日

【キャリアデザイン】『ハーバードの自分を知る技術 悩めるエリートたちの人生戦略マップ』ロバート・スティーヴン・ カプラン


ハーバードの自分を知る技術 悩めるエリートたちの人生戦略マップ
ハーバードの自分を知る技術 悩めるエリートたちの人生戦略マップ



【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日のCCCメディアハウスさんのKindleセールの中でも、個人的に気になっていた「キャリア本」。

著者のカプラン教授の過去の著作は、当ブログでレビューしたところ、結構な人気でした。

アマゾンの内容紹介から。
あなたにとって「成功」とは何ですか?それをどうやって手に入れますか?ゴールドマン・サックスで副会長まで務めたハーバード・ビジネススクール教授。学生や社会人がひっきりなしに訪れる彼の部屋は、さながら“キャリア相談室”だ。個人の成長、人間の可能性、リーダーシップについて研究してきたロバート・スティーヴン・カプランは、『ハーバード・ビジネス・レビュー』誌にこれらのテーマで寄稿もしている。誰にだって「どうしていいかわからない」ときがある。“ハーバード流”の人生戦略の立て方、お教えします。

もちろん単行本を中古でも読めますが、今週13日までなら、このKindle版が600円以上お買い得です。





Connecting Young Leaders - Career Development: Networking, relationships, leadership and career planning - October 2 / US Embassy New Zealand


【ポイント】

■1.自分の長所と短所を把握する
 ほとんどの人は、自分の長所や短所を正確に言えません。たとえ一時的にはわかったとしても、仕事の役割が変わったり、昇進して難しい仕事に就いたりしたときに今までと同じ考え方でやろうとするのです。そして、自分の短所を見つけだして克服するためのアドバイスをもらい続けるのがバカバカしくなるか、場合によっては面倒だと感じるようになります。(中略)
 ゴールドマン・サックスにいた頃、私は社員一人ひとりに、通常のプロセス以上のことをやりなさいと勧めました。従業員には、自分の長所と短所を書くことを任務と心得て、重要な問題を克服したいときはアドバイスを仰ぎなさいと勧めました。
 しかし残念ながら、多くのプロフェッショナルは、キャリアの途中で自分のスキルの有無についてあれこれ考えるのをやめてしまいます。私たちはみな人間ですし、世の中にはもっとおもしろいことがたくさんあるからです。
 しかし、課題を放置することは致命的な誤りです。


■2.ボランティア活動でスキルを磨く
 私はよく、相談に来た若者たちに、ボランティアや地域の活動に参加して、サービス精神や能力を活かしているか尋ねます。すると彼らはよく、いつかはやりたいけれども、今は時間がないと答えます。いつも寄付金で貢献していますと答える人もいます。
 コミュニティで働くことにはさまざまな利点があるのに、過小評価されがちです。
 第一に、才能豊かでエネルギッシュな人ならコミュニティをサポートできるし、何かを吸収できます。第二に、普段の活動領域から出て、別の環境で新しいことをやる絶好のチャンスです。他人の支援を通じて、自分自身のことや自分に何ができるかが見えてくるでしょう。


■3.自分の望みをメンタルモデルで探る
 自分が何を望み、何をやりたいかを見極めるために、メンタルモデルを使うこともできます。つまり、仮に○○だったら、何をするか(そしてなぜそうするのか)を考えるのです。メンタルモデルの例をいくつか紹介しましょう。
●仮にあなたがあと1年しか生きられないとしたら、何をして過ごしますか? その結論から、あなたが好きなことは何で、やりたいことは何だと思いますか?
●仮にあなたにありあまるほどお金があるとしたら、どんな仕事やキャリアを追い求めると思いますか?
●将来的に成功することがわかっていたら、今どんな仕事を探すと思いますか?
●子どもや孫に、仕事でどんなことを成し遂げたと話したいですか? あなたのキャリアについて、どう説明しますか?
●第三者として自分にアドバイスするとしたら、キャリア選択について何と言いますか?


■4.不当な扱いを受けた過去を消化する
 被害者意識に陥った人は、時間をかけてその体験を振り返ることも、誰かに相談することも、貴重な教訓を学ぶことも、考え方を見直すこともありません。その結果、いざこざに巻き込まれやすくなったり、ひどく用心深くなったりします。(中略)
 その結果、再び不当な目に遭うのを恐れて、キャリアアップにつながるような行動が取れなくなります。このような態度では、物事はうまくいきませんし、無意識のうちに自分の予測を自ら現実化するような行動を取ってしまうでしょう(「自己充足的予言」と言います)。怒りやすくなり、イライラし、自分は不利だと思い込むようにもなります。
 時間をかけて不当な体験を消化しましょう。あなたが受けた不当な扱いについてじっくり考え、それが今の行動にどう影響しているのか考えるのです。そうすることが、あなたの成長や成熟にとって重要な意味をもつからです。
 

■5.十分に時間をかけた後に評価する
 私はよく「どうして22年間も同じ会社で働き続けられたんですか?」と尋ねられます。それに対する私の答えはいつも同じです。
 私は1年を一区切りとしたのです。私は仕事を2〜3年やろうとは決意しませんでした。1年間で区切って、定期的に見直しを行ったのです。
 1年の間は全力を尽くして仕事に集中しました。何日も、または何週間もみじめな思いをしたときも、年末にはゆっくりと自分の状況を分析しようと決めていました。残るか退職するかどうしようかと悩んで、時間や感情のエネルギーを浪費しなかったのです。
 あなたは、心のなかで今の仕事にどれだけの時間枠を与えていますか? 続けようか辞めようかとグズグズ悩んでいませんか? ヘッドハンターからの電話に応えて、面接を受けていますか? なぜですか?
 そんなことをしていると、仕事のパフォーマンスが落ちて、能力を発揮できないかもしれません。そのことを考えてみてください。


【感想】

◆当ブログでは、今まで何冊か「キャリアデザイン本」を取り上げてきましたが、その多くが地位やお金を目指すのではなく、「やりたいことを仕事にする」というものでした。

そして本書も、その系統に属するもの。

ただし、冒頭の内容紹介にもあるように、著者であるカプラン教授は、多くの学生や社会人にアドバイスしてきただけあって、その言葉には説得力がありました。

さらに、本書を読む限りでは、そのアドバイスに従って、人生が好転した人が多々。

さすが「キャリア相談室」と呼ばれるだけのことはあります。


◆さっそく気を付けておきたいのが、上記ポイントの1番目の「自分の長所と短所を把握する」。

たとえば、自分の短所がわかってなければ、昇進等で思うような結果が得られないときに、その理由が分からない可能性があります。

その「短所」を具体的に、上司や人事担当が指摘してくれたら、まだ把握ができますが、普通は明確に指摘してくれることの方が少ないでしょう。

そして、分からないまま昇進できないと「理不尽だ!」と、誤った解釈をしかねません。

長所は自分では気が付かなくとも、他人から教えてもらえることはありますけど、短所は日頃から意識しておくべきなのだと思った次第です。


◆また、今回は割愛したものの、やっておくべきなのが「自分史を書く」こと。

これは時間軸に沿って、生まれてから現在に至るまでの体験を書き記すものです。

このとき、「誰かに向かって話す」ことを意識して書くと、聞こえのいい「勝者の口調」に。

一方同じ「自分史」でも、「勝者の口調」とは真逆に、ネガティブな内容で書くと「敗者の口調」になります。

ただし、ここですべきなのは「敗者の口調」を追い出すことではなく、こうした声が、私たちの行動にどう影響するのかを理解することなのだそう。

……詳細は本書の第4章をご確認のこと。


◆なお、本書の各章の最後には「やってみよう」と題して、いくつか「ワーク」が掲載されています。

上記の「自分史」は当然のこと、実際に紙に書くものがほとんどですが、面倒くさがらずにやっていただきたいところ。

職場の人と話し合ったりするワークは、1人ではできませんが、本気でキャリアデザインを考えるならば、そこまでやってみなくては。

もっとも本来、カプラン教授のような方がいれば、直接相談できて、それが一番いいんでしょうけどね……。

それができない私たちにとっては、本書の教えや事例は、非常に役に立つと思います。


お求めになるならセール期間中がオススメ!

ハーバードの自分を知る技術 悩めるエリートたちの人生戦略マップ
ハーバードの自分を知る技術 悩めるエリートたちの人生戦略マップ

まえがき――あなたの潜在能力を引き出すために
第1章 あなたが生まれもった使命――はじめの一歩
第2章 自分の長所と短所を知ろう――自分の能力は自分で伸ばす
第3章 あなた本当にやりたいこと――夢をみよう
第4章 自分を理解しよう――心の声の影響力について
第5章 チャンスを活かす方法――仕事力とキャリアマネージメント
第6章 〈優秀な人〉と〈一流の人〉の違い――品格とリーダーシップ
第7章 人間関係の重要性――すべてを一人でやることはできない
第8章 なりたい自分に近づくために――それぞれの道を歩む
最後に


【関連記事】

【ハーバード流?】『ハーバードの“正しい疑問”を持つ技術 成果を上げるリーダーの習慣』ロバート・スティーヴン・カプラン(2015年07月18日)

【キャリアデザイン】『10年後、後悔しないための自分の道の選び方』ボブ・トビン(2016年12月09日)

【キャリアデザイン】『出世する人は人事評価を気にしない』平康慶浩(2014年10月13日)

【キャリア】『戦略コンサルタント、外資系エグゼクティブ、起業家が実践した ビジネスエリートへのキャリア戦略』渡辺秀和(2014年09月14日)


【編集後記】

◆以前当ブログでご紹介した、カプラン教授の作品がこちら。

ハーバードの“正しい疑問”を持つ技術 成果を上げるリーダーの習慣
ハーバードの“正しい疑問”を持つ技術 成果を上げるリーダーの習慣


特にセールではないものの、送料やポイント還元を加味すると、中古よりもこのKindle版の方がギリギリでお得ですw

なお、レビューは上記関連記事にて。


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