2017年03月12日
【コミュニケーション】『いい空気を一瞬でつくる 誰とでも会話がはずむ42の法則』秀島史香

いい空気を一瞬でつくる 誰とでも会話がはずむ42の法則
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事にて、意外な人気(?)を集めていたコミュニケーション本。実は上記記事の段階では、この本が一番お買い上げいただいたという(規模は小さいですがw)。
アマゾンの内容紹介から。
J-WAVEやNHKなどで人気のラジオDJが明かす、あっという間に相手の心をつかむコミュニケーション法。
大物アーティストや大御所芸人も思わずうなった機転の利いた切り返しや、話の引き出し方、ボケ力などを公開。
緊張を克服するための準備術や声を磨く習慣も。
なお、相変わらず中古にプレミアが付いているため、Kindle版が300円以上お得です!

050616-N-6551H-005 / Marion Doss
【ポイント】
■1.目線の高さを合わせるゲストが入って来られるとき、私はスタジオ内のDJブースの中で座っています。その状態で、入って来られるゲストのお顔を見ようとすると、見上げるような視線になってしまい、反対に相手は少し下を見ることになります。これではお互いに落ち着きません。
「人をお迎えするときには自分も立つ」のはマナーの基本でもありますが、やはり目線が同じ高さにあるほうが物理的にも心理的にも距離が近くなるものです。この「近さ」がポイントです。子どもに話しかけるときしゃがんで目線を合わせるのと同じ。大人同士であっても、目線が合うことはやはり安心感につながります。
■2.質問の答えは「はい」から始める
たとえば、こんなやりとりがあったとします。
「Aさんって、カバンの中にいつも本が入ってますよね。読書家ですよね」
「はい、なかなか読む時間がないんですけどね」
こちらでは、どうでしょう。
「Aさんって、カバンの中にいつも本が入ってますよね。読書家ですよね」
「でも、なかなか読む時間がないんですけどね」
自分の質問に対して、相手の第一声が「はい」で返ってくるか、「でも」なのか。やはり、答える側の冒頭が「はい」だと、聴感上、まずはこちらの発言を受け入れてくれた印象となり、自然とうれしくなるものです。「はい」と答えると、全体的なトーンが明るく前向きになるのに対して、「でも」と続くと後の内容も不満、愚痴のような印象が強くなります。
■3.普段から口角を上げておく
仕事をテーマにしたJ-WAVE『DREAM TRAIN』という番組を担当していたとき、ゲストにお迎えした元キャビンアテンダント(CA)の高橋くるみさんがこんな話をしてくださいました。
意識をしないと人間の顔は不機嫌に見えてしまう。だから、CAたちは研修で、「口角の上がった顔を普段の顔にしなさい」と教えられるそうです。お客様に話しかけられてからニッコリするのではなく、ただ空港内を歩いているときでも常に口角を上げておく。
もちろん相手の話を聞いているときでもそう。
高橋さんは、「新人のころは『人の話は笑顔で聞きましょう』というレクチャーそのものを真剣な顔で聞いてしまって、講師から『ほら、みなさん、すでに笑顔を忘れてますよ』と指摘されるんですよ」と笑っておっしゃっていました。
■4.話題を振れるよう「下ごしらえ」をしておく
たとえば、子どものつながりで近所の母親同士が集まるとき。それほど親しい間柄でなくても、「子ども」という関心事は共通していますよね。そこで、「子ども」「地元」というキーワードを手がかりに、最近「へえ」と思った情報や発見などを、記憶の中から探したり連想したりして、頭の中に「ふせん」を貼っておくのです。
「電子レンジでニンジンチップスをつくってみたら野菜嫌いな子どもも喜んで食べたよ」
「子どもだけじゃなくて、大人ものんびりできる公園があるんだけど、知ってる?」
と、相手が関心を持ちそうなトピックを選んで、まずは興味を持ってもらう。そしてその後、必ず「では、あなたは?」と聞いてみる。呼び水としての「話題のストック」、そして「あなたは?」という質問のワンセットで、お互いリラックスできる会話の流れが生まれます。
■5.「第二印象」で心の距離を縮める
一度会っているということは、プロフィルなど基本的な情報のリサーチはすでに済ませているわけです。ではどんな準備をするかというと、1回目に会ったときの会話で印象的だったことや、その人が好きだと言っていたものを思い出すのです。
たとえば、「前回、『おいしいパン屋さんをめぐるのが趣味』と言っていたな」と思ったら、そこから連想して「話題のストック」を探します。
「この前パンが好きだと言っていたけれど、こんなおいしいパンを見つけたんだよ」
「雑誌でこんなお店が紹介されていたよ。知ってる?」
そんなことをひとつかふたつ準備しておきます。すると、トークのきっかけになるだけでなく、前回の話題を再び持ち出すことで、「覚えていてくれたんだ」と相手にも喜んでもらえます。第一印象はもちろん大切ですが、2度目に会うときの「第二印象」でも、一気に心の距離を縮めることができるのです。
【感想】
◆私は元々テレビをあまり観ない方ですし、ラジオに至っては、おそらくここ四半世紀(?)は聴く習慣がなかったので、著者の秀島さんのことはまったく存じ上げませんでした(恥)。帯のお顔は童顔(現在41歳でお子さんもいらっしゃるそう)ですけど、お声は結構大人な感じ。
ただ、Wikipediaを見ると、ナレーションを大量になさっていますから、CMやテレビ番組で耳にしたことは絶対あったと思います。
秀島史香 - Wikipedia
こういう「しゃべりのプロ」とも言える方の日頃のTIPSをまとめたものが本書ということ。
◆まず、上記ポイントの1番目の「目線の高さを合わせる」のは、座っているところに相手が来たら、立って挨拶するのは当然でしょう。
お店等でこちらがもてなす場合には、相手が座っている高さに腰を落とすのもスマートにできるとポイント高し。
……一歩間違うと、ホストみたいになる恐れもありますが。
一方、打ち合わせ先で「立ち話も何なんで」と椅子を勧められた場合は、遠慮して立ったままだと相手も落ち着かないですし、ここは素直に座っておくべきかと。
ただ、ムスコの保育園時代に思ったのは、「子どもに話しかけるときしゃがんで目線を合わせる」というのを、お父さんたちはあまりやってませんでしたね。
私はその辺どんどんしゃがんでいたせいか、ムスコのクラスメイトとも仲が良くて、未だに外で会うと挨拶されますw
◆また、上記ポイントの2番目は、コミュニケーション本ではよく見かけるTIPS。
秀島さん曰く、とにかく「でも」を封印せよ、とのことです。
とはいえ、最終的に相手と自分の意見が異なるときはどうするか?
本書で紹介されていたのが、NHKの真下アナウンサーのやり方です。
相手の意見に対して「そうですね、でも」と言う代わりに、「そうですね、一方でこういう意見もありますね」と返していたのだそう。
なるほど、確かにソフトになった感じがしますね。
◆続くポイントの3番目の「口角を上げる」のも、類書でもお馴染みですし、実践されている方も多そうです。
と言いますか、普通にしていても年を取るにつれて口角が下がり、老けて見えちゃうんですよね。
この本にも載っていますが。

顔だけ痩せる技術 (メディアファクトリー新書)
参考記事:【モテ顔?】『顔だけ痩せる技術』に学ぶ老け顔を防ぐ7つのポイント(2012年09月06日)
ですから、私の場合誰もいないところでも、意識して口角を上げるようにしているという(CAでもないのに)。
◆逆に上記ポイントの4番目は、秀島さん独自のやり方。
事前準備や下調べをしておくのは、ゲストを迎えるラジオDJならば、ごく自然のことかもしれません。
本書でも、秀島さんが歌手のJUJUさんを番組に迎えた際、プロフィルを調べるのはもちろんのこと、そこから派生した「自分なりの話題」を振ったエピソードが紹介されていました(詳細は本書を)。
……こ、これってデートにも使えるのではw?
また、面談やセールスのシーンでも、事前に相手の情報を仕入れておくのは当たり前ですが、そこでとどまらず「自分なり」の意見なり考えに発展させておくのが大事なんだな、と思った次第。
会話をはずませたい方なら要チェックです!

いい空気を一瞬でつくる 誰とでも会話がはずむ42の法則
第1章 「話すとなぜか気持ちいい」人たちが心がけていること
第2章 「明日あの人に会う」ときに私がしていること
第3章 どんな想定外でも大丈夫!緊急事態にも揺るがない「切り返し」の方法
第4章 「また会いたい」と言われる人に共通すること
第5章 もう困らない!一生使える話題の拾い方・見つけ方
【関連記事】
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【苦手克服】『気まずい空気をほぐす話し方』福田 健(2016年01月14日)
【結構スゴ本!】『なぜ、この人と話をすると楽になるのか』吉田尚記(2015年02月21日)
【これは使える!】『雑談力が上がる大事典---会話に困ったとき最初のひとことがスッと出てくる!』齋藤 孝(2014年04月25日)
【編集後記】
◆本日の「Kindle日替わりセール」から。
地方創生大全
テーマ的に当ブログでは微妙ですけど、送料加味した中古より900円以上お得となっていますから、ご検討を!

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