2017年03月03日
【睡眠HACKS!】『SLEEP 最高の脳と身体をつくる睡眠の技術』ショーン・スティーブンソン
SLEEP 最高の脳と身体をつくる睡眠の技術
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事でも大人気だった1冊。著者のショーン・スティーブンソン氏は、iTunesポッドキャスト健康部門でトップを獲るほどの人気なのだそうです。
アマゾンの内容紹介から。
どんな疲れも超回復し、脳のパフォーマンスを最大化する世界最先端の21の〈科学的睡眠メソッド〉を日本初公開!
▸脂肪を燃焼しやすい身体になる
▸老化を防ぐ寝室をつくる
▸頭の回転を上げるために眠る
睡眠の質を向上させるカギは脳内物質にあり!
食事、ベッド、寝る姿勢、パジャマ――睡眠の全技術を一冊に集約。
なお、版元がダイヤモンド社さんゆえ、Kindleセールは当分ないと踏んで、私はKindle版を買いましたw
Sleeping / andrewr
【ポイント】
■1.眠いときにカフェインを摂っても問題解決にならない一方、多くの人が誤解しているようだが、カフェインがエネルギーになることはない。目覚めているあいだじゅう、脳細胞は活発に動いている。その結果、「アデノシン」と呼ばれる副産物が生まれる。アデノシンを単なる老廃物だと思ってはいけない。脳は絶えずアデノシンの増減に目を光らせている。というのは、脳と脊髄にあるアデノシンとその受容体の結合が一定レベルに達すると、とたんに身体が眠気を催すのだ(眠気とまでいかなくても、リラックスした気分になる)。そこへカフェインがやってくるとどうなるか。
カフェインには、アデノシンの受容体と結合できるという特異な性質がある。これは、カフェインとアデノシンの構造がよく似ているからだ。普通なら、受容体の周りは本物のアデノシンでいっぱいなので、身体は休息モードに移行する。しかし、そこへカフェインがやってくると、いつまでたっても帰らない親戚のように居座る。カフェインはアデノシンではないので、疲れを感じさせる作用は起きない。その結果、脳と身体の細胞は活動を続け、本当は眠いのにそうと気づかない
■2.「午後10時の元気」に頼ると不眠になる
こんな経験はないだろうか? 仕事を終えた午後6時か7時はクタクタで、ベッドに入ってぐっすり眠るのが待ち遠しい。ところが10時頃になると、ぱっちりと目が冴えて何かしたくなる……。この本を読んでいるいままさに、「元気の復活」を実感しているのではないか。(中略)
そのエネルギーは本来、体内で必要なメンテナンスに使われるものだ。それなのに、フェイスブックをチェックしたり、ネットフリックスでお気に入りのドラマを3話観たりすることに使ってしまう。
私たちの身体には、自らを修復し、フリーラジカル(有害な活性酸素)を排除し、ホルモンの生成を最大限に高める機能が備わっている。しかし、夜更かしをして身体の外で「復活した元気」を使おうとすれば、体内の機能は大きく損なわれる。午後10時または11時を過ぎても起きていて、復活した元気に手をつける人は、いざ寝ようとしてもなかなか寝つけない。そうなれば、朝目覚めても疲れがとれずに頭がぼんやりすることになる。
■3.真っ暗闇の中で寝ないと近視になる
豆電球と言えば、フィラデルフィアにあるペンシルベニア大学シェイエ眼科研究所の研究チームが、小さな豆電球一つでも子どもの近視が進む一因となり、大人になってから深刻な視覚障害を招く恐れがあると発表した。(中略)
真っ暗のなかで寝た場合、将来的に近視になった子どもは10パーセントだったが、豆電球の部屋で寝た子どもは34パーセント、電気をつけた部屋で寝た子どもに至っては55パーセントが近視になったのだ。(中略)
私たちの遺伝子は、暗闇で眠ることを当たり前だと思っている。いまは、部屋のなかで何かしらの光が一晩中ついていることも珍しくない。外の世界で起きることはどうにもならないのだから、せめて自分の家のなかのことは自分の手で何とかするしかない。最近の車のヘッドライトや街灯には、LEDが使用されるようになった。LEDは、光のなかでもとくに睡眠の妨げとなる。だからこそ、遮光カーテンは絶対に必要だ。
■4.マットレスは7年に1回替える
マットレスの寿命が7年である最大の理由は、ほとんどのマットレスが使い始めて2年もしないうちに25パーセントたわみ、その後もどんどんたわみ続けることにある。これが、睡眠で生じる腰痛の最大の元凶だ。
寝そべったときにいちばん重くなるのは腰の部分なので、マットレスはその形にそって沈み、いちばん重い部分から劣化し、反発性(押し返す力)が失われていく。場所によって反発性が異なるマットレスで寝ていれば、背骨が安定しなくなり、腰や背骨まわりの筋肉の緊張にばらつきが生じる。寝ている本人はリラックスしているつもりでも、体重の分散が一定でなければ、リラックスできる筋肉もある反面、ほかの筋肉は一晩中緊張しっぱなしになる。
使い始めたばかりのときは問題ないが、時間がたつにつれてマットレスの反発性は失われていく。身体に生じている異変の原因は、もしかしたら毎晩寝ている場所にあるかもしれない。
■5.アーシング(人体が地面に触れること)は睡眠や健康に有益
地面がもたらすメリットを直接身体に取り込もう。裸足で地面に立つ時間を定期的に設けるのだ。ここで言う地面は、土、草、砂(ビーチなど)などを指すが、海のような生命力あふれる水でもかまわない。コンクリートやレンガも電気を通すが、いくつかの条件が揃わないと土と同様のメリットは生まれない。だから、土や草に直接触れるのがいちばんだ。ちなみに、休みの日にビーチへ出かけた日は、驚くほど夜ぐっすりと眠れることにお気づきだろうか? 屋内に戻るまでもなく、砂浜で眠ってしまう人も多い。これは偶然ではない。久しぶりにアーシングした人に起こる、自然な反応なのだ。
【感想】
◆何やら普通の「睡眠本」とは毛色が違う話ばかり出てきましたが、これは「あえて」そうしたから。本書は、類書で言われているようなことは、ほぼすべて押さえてある上で、さらに「初めて聞く」話も結構あったため、そちらを優先した次第です。
ちなみに冒頭の内容紹介で触れている「21の〈科学的睡眠メソッド〉」というのは、おそらく本書の章が下記目次のとおり21個あるからだと思われますが、ご覧いただければお分かりのように、ありとあらゆる分野について言及しているという。
実際当ブログでは、他の書評系ブログと比較しても「睡眠本」を多く扱っているツモリでおりますが、それだけ大量に読んできた私すら、「目からウロコ」の連続でした。
◆たとえば睡眠をとる際、「午後10時から午前2時までの間を含めるように」という話ならさんざん目にしてきましたが、上記ポイントの2番目の「午後10時の元気」というのは、今回初めて知ったことの1つ。
確かに私の場合でも、夕方ヘロヘロだったのに、そのくらいの時間になると元気になるのは「自分が夜型だからだ」と思ってましたが、とんだ間違いだったとは!?
最近はブログの下書きを主に早朝に行うようにしたため、結果的に「朝型」になったものの、そうでなかったら、いつまでも夜遅くまで「午後10時の元気」に頼っていたかもしれません。
目をランランとして作業していたものですが、「そのエネルギーは本来、体内で必要なメンテナンスに使われるもの」だったなんて(震え声)。
◆同様に、上記ポイントの3番目の「豆電球がついた中で寝ているだけで近視になる」というのも「寝耳に水」。
とはいえ、私は真っ暗でないと眠れない方なので、子どもがヨメと寝ている頃の自分の部屋のカーテンは、「1級遮光」にこだわっており、その点では大丈夫でした。
ただ、最近はヨメと寝室で寝るようになり、遮光がやや甘いカーテンが気になっていたので、これをエビデンスにカーテンを替えてもらおうかと。
……そういえば、ヨメは明るいところで寝ても全然大丈夫なんですけど、視力は0.1もないんですよね(私は0.7くらい)。
また、上記ポイントの4番目のマットレスの話も「へたったら替えよう」くらいにしか考えておらず、かれこれ10年は使い続けているハズ。
私とヨメ、2人揃って腰痛気味なのも、こういうところに原因があるのかもしれません。
◆さらに、上記ポイントの5番目の「アーシング」は、言われてみたら確かに納得できるお話です。
上記では割愛していますが、本書には「2013年に刊行された補完代替医療の専門誌『ジャーナル・オブ・オルタナティブ・アンド・コンプリメンタリー・メディスン』」の研究結果や、「環境衛生と公衆衛生の専門誌『ジャーナル・オブ・エンヴァイロンメンタル・アンド・パブリック・ヘルス』に掲載された記事」といったエビデンスもあり。
ちなみに、著者のスティーブンソン氏自身は、机の下にアーシングマットを敷き、アーシングシーツを敷いたベッドで寝ているのだとか。
ググったらアマゾンにも色々あるので、今度どれか試してみようかと。
Amazon.co.jp: アーシングマット
なお、このアーシングは「体内時計を正常な24時間周期と同期させる効果があると実証されている」ため、時差ボケにも良いそうです。
◆まだまだ割愛した話が山ほどありますが、キリがないので、詳細は本書にてご確認を。
元々の専門家ではなかった(スティーブンソン氏も「椎間板変性症との診断を受け、治療法も治癒の見込みもなし」と言われたところから自ら研究を始めた)著者の手による本、という意味では、こちらがテイスト的に近いかも。
シリコンバレー式 自分を変える最強の食事
参考記事:『シリコンバレー式 自分を変える最強の食事』が想像以上に凄い(2015年09月20日)
そういえば、マニアックにアイテムを詰めていくところも、なんとなく似ていますねw
唯一残念だったのが、巻末にエビデンスがまとめられていないことなんですが、これもまぁ、気にしない人はどうでもいいことですし。
いずれにせよ、今まで読んだ「睡眠」に関する本の中では、一二を争うクオリティだと思います。
これはオススメせざるを得ませぬ!
SLEEP 最高の脳と身体をつくる睡眠の技術
1章 睡眠は人生のすべてを左右する
2章 睡眠ホルモンを自らつくりだす
3章 電子機器の使い方を見直す
4章 カフェインの門限は午後2時
5章 体深部の温度を下げる
6章 午後10時〜午前2時のあいだに眠る
7章 腸内環境を整える
8章 最良の寝室をつくる
9章 夜の生活を充実させる
10章 あらゆる光を遮断する
11章 熟睡したいなら運動するしかない
12章 寝室にスマホを持ち込まない
13章 余分な脂肪を落とす
14章 快眠をもたらす最高の飲酒法
15章 最高の睡眠は寝るときの姿勢で決まる
16章 睡眠のためのマインドフルネス入門
17章 サプリは本当に必要か
18章 早起きで脳の働きを最大化する
19章 マッサージは睡眠に効く
20章 最高のパジャマはこれだ
21章 身体を自然に触れさせる
【関連記事】
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【睡眠】『誰でもできる! 「睡眠の法則」超活用法』菅原洋平(2013年09月13日)
『シリコンバレー式 自分を変える最強の食事』が想像以上に凄い(2015年09月20日)
【編集後記】
◆本日の「Kindle日替わりセール」から。仕事のスピード・質が劇的に上がる すごいメモ。
中古は値崩れ気味ですが、送料を考えるとKindle版がお得です。
参考記事:【メモ術】『仕事のスピード・質が劇的に上がる すごいメモ。』小西利行(2016年01月20日)
ご声援ありがとうございました!
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