スポンサーリンク

       

2016年12月25日

【勉強法】『「灘→東大理III」3兄弟の母が教える中学受験勉強法』佐藤亮子


「灘→東大理III」3兄弟の母が教える中学受験勉強法
「灘→東大理III」3兄弟の母が教える中学受験勉強法


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、昨日告知したカドカワセールからの勉強本

兄弟3人を、いずれも「灘⇒東大理3」に送り込む方は、さすがに違うわ、と個人的には感心しきりとなった1冊です。

アマゾンの内容紹介から。
学習習慣をつけ、ベストな塾を選び、子供のやる気を引き出すのは母親の役割。中学受験では、本人以上に母親が主役にならなければいけません。3兄弟を灘中&東大へ導いた“奈良のゴッドマザー”が教える必勝法!

もちろん単行本もありますが、ここはやはりお買い得なKindle版がオススメかと。





Homework / fourbyfourblazer


【ポイント】

■1.親は子どものサポートをする
 中学受験に対する私の思考回路は次の通りです。
○中学受験をすることを選択した↓
○目の前に課題がある↓
○どうしたら子どもが課題を習得できるようになり、それでいて子どもの睡眠時間が確保できるか考える↓
○工夫したことでラクに理解できるようになったら子どもが嬉しい顔をした。睡眠時間も取れる↓
○それを見て私が嬉しくなる↓
○またいろいろ工夫する!
 ごくシンプルな話なのです。
「ノートは自分で作ってこそ勉強だ」とか、「マルつけまで子どもが自分でしてこそ勉強だ」と考える人が意外に多いのです。しかしマルつけは「勉強本体」ではなく、勉強に付随した「事務」ですから本人でなくてもできます。  
 つまり、受験生は勉強に専念して、周辺のことは親がしたら、「ラクに楽しく、絶対合格」が近づくのです。


■2.キッチンタイマーで時間を計って勉強する
 長男、次男は、主に過去問をする時にタイマーを使っていました。  
 三男はおっとりしたタイプでなかなか集中できない傾向にありました。ですから、過去問以外の勉強でもタイマーを使って、1教科の時間を15分に区切り、次々に教科を変えて勉強させました。  
 たとえばタイマーをセットして算数を始め、15分たったら問題が途中でも国語の問題に取り替えます。15分たったらまた理科、社会と次々に変えます。本人もタイマーを見て残り時間が少なくなると、今している問題を取り上げられると思うので、「あ、時間が!」と言いながら集中できるようになりました。急いで問題を解くと間違えやすいと思われるかもしれませんが、実は逆で、集中できているのでかえってミスが少なくなるものです。短時間でも集中する方が間違いません。


■3.正答率の高い問題を間違えない
 塾の一斉テストや模擬試験の結果の紙には、それぞれの問題の正答率が書いてあると思います。「正答率が70%以上」つまり「他の子がほとんどできているのに間違った問題」がある場合は、勉強のどこかに穴があるということですので、よく見直してください。もし5年生で苦手な項目があれば、4年生、3年生に戻って復習しましょう。できていない部分を一からやり直せば、その項目は得意分野になります。正答率30%以下の問題の復習は後回しにしてもかまいません。  
 入試に通るコツはみんながわかる正答率70%以上の問題を確実に押さえ、さらにあとの問題でいかに点数を伸ばせるかなのです。


■4.「スランプ」や「ケアレスミス」は単なる実力不足
 スランプはかっこいい言葉ですが、実態は「成績が上がらず点数が取れない状態」のことです。成績は急には上がりません。安易にスランプと決めつけずに見直しをして5点ずつ成績を底上げしていきましょう。地道な繰り返しが鉄板の実力をつちかいます。  
 ケアレスミスもよく聞く言葉です。ケアレスというとなんだか自分は悪くないように思えますが、要するに「間違えやすいパターンにはまって間違えた」ということ。ケアレスでもミスはミスで本当の実力があればミスはしません。この場合も何を間違えたか見直して繰り返すと成績は上がっていきます。


■5.計算問題を間違えたら拡大コピーしてやり直す
 灘中学入試の場合、最初の計算問題は、必ず正答を目指さなければならず、これを間違えたら確実に不利なのです。たいていの中学で計算問題が出題されるので、必ず得点することが大切です。  
 そこで、間違えた問題を1問ずつ拡大コピーしてノートに貼りつけて解かせました。実は同じ問題でも大きくすると、細かなところまで気がいき届き、見やすく解きやすいので、ミスに気づきやすいのです。  
 字が汚い子は計算式を書いていく途中で、書き写す際に間違えたり、消しゴムで消した文字が消しきれずに残っていて、消した字をまた書いたりするなどのミスが出ます。  
 長男が計算を解いてノートを見せたら、三男は自分の筆圧が強いことに気がつきました。  
 そこで、「字が汚いままだと合格しないよ」と言って1〜2か月かけて筆圧を直しました。それからはきれいに書けるようになりました。


【感想】

◆私は全然確認しないで買ったのですが、著者の佐藤さんのこの本より前の2冊は、いずれも「大学受験本」なのだそう。

一方本書は、タイトルにもあるように「中学受験」、さらには幼少時の頃からの習い事や家でできることにも触れられています。

ボリュームの関係で上記ポイントには載せてませんが、まず佐藤さんのお子さんたちは、かなり早い段階から公文式を始められた模様。

3兄弟(とさらに下にお嬢さんが1人)のいずれもが、2歳までには公文の教室に通い始めています。

ちなみにそのお嬢さんは、幼稚園で連立3元1次方程式までこなしていたのだとか(スゲーw)。

さらには4人揃ってバイオリンと水泳も習っているのですが、この辺はどこまで直接勉強に関係あるのか分からない気が……。


◆そして塾(4人とも関西一円に展開している大手の「浜学園」)に通うようになってからは、今まで以上にお母さん大活躍の巻。

上記ポイントの5番目にサラッと書いてますけど、コピーしてノートに貼り付けるなんてのは、ほんの序の口です。

そもそも算数は、塾のテキストをもらったら、問題を全ページコピーして、計算スペースを考慮して貼り付けた「特製ノート」を作成(本書内に画像アリ)。

数か月分の問題を貼り付けると、約15〜16冊になるのを、3日がかりで作られていたのだそうです。

それにしても、そんなに大量にコピーしたら、コンビニに通いづめでは、と思ったら、自宅にコピー機があるとのこと。

さすがにA3まで使える機種ではないそうですが、過去問がB4サイズより大きい学校もあるので、ホントならA3がコピーできるタイプがベスト……って、さすが3兄弟とも東大理3な方は違いますわw


◆もちろん本書では、算数だけではなくて、他の科目のアドバイスも収録。

面白かったのが、国語の長文読解で、佐藤さんご自身が文章を朗読したのをお子さんが聴いて、問題を解いていたのだとか。

自分で読まなくていいのか、と言われることもある(私もそう思います)ものの、そんなことはない、と佐藤さんは主張されています。

また、理科や社会で間違えた知識問題は、紙に書いて部屋やトイレの壁に貼っておいたそうですが、そのときのコツが「斜めに貼る」こと。

水平に貼ると、リビングの景色に溶け込んでしまうので、斜めに貼って違和感を持たせるのだそうです。

……本書には、実際に貼ってある画像があるのですが、確かに結構違和感がありました。


◆もう1つ興味深かったのが、テレビやゲームとの付き合い方です。

一応佐藤家では、小学生時代はテレビはいっさい見せなかったとのこと(中高生になったら2階のテレビのある部屋で視聴させたそう)。

もちろん、受験する上で有益な番組が観られなかったり、日頃からニュースに接することができなかったりするデメリットがあるのを理解したうえで、それでも見せないことを選択されたワケです。

一方ゲームも、成績が良かったことから長男に買い与えたものの、目が悪くなりそうだから、と2日で没収w

その後何も言わなかった(本書を読むと分かりますが、長男クンはいかにも「長男」というか「イイ子」タイプです)ので、そのままになったのだそうです。

佐藤さんいわく、他の家庭のように「1日1時間まで」と決めてやらせるより、「0か100」なら「0」、という理論なんですけど、ウチのムスコは、それこそストップウォッチでしっかり30分計ってやってますから、まぁいいかな、と。


◆ところで、今さらなんですが、佐藤さんはご自身が津田塾を出られて、大分の私立高校で英語の教師をされていた方です。

そしてご主人は弁護士(世代的に旧司法試験をクリアされているハズ)という「高学歴夫婦」ですから、元々お子さんの「地頭」はかなり良さげ。

とはいえ、せっかく今年は「才能より努力」という本を何冊もご紹介してきましたから、「やっぱ遺伝だよね」とか言わずに、実践可能なTIPSから試していただきたいところです。

たとえば私自身、自分が税理士試験の勉強をしていた際は、俗に言う「間違いノート」を時間をかけて作っていたのを、「これは勉強ではなくて作業だ」と反省したことがありました。

ただこれも、確かに「周辺作業」ではありますが、上記ポイントの1番目にあるように、本人ではなく親がやるのなら、本人にとっては大きなメリットでしょう。

なるほど、中学受験は親子で乗り越えていくものなのだと、改めて実感した次第です。


お子さんの中学受験を考えている方なら読むべし!

「灘→東大理III」3兄弟の母が教える中学受験勉強法
「灘→東大理III」3兄弟の母が教える中学受験勉強法
第1章 中学受験のメリット
第2章 塾の選び方、つきあい方
第3章 受験勉強の進め方と、親が行うべきこと
第4章 科目別 成績を上げる方法
第5章 入試本番までの目標設定と時間割
第6章 志望校の決め方
第7章 能力を引き出す0歳から6歳までの子育て
第8章 受験に勝つための小学校低学年の習慣


【関連記事】

【76の習慣】『中学受験で成功する子が 10歳までに身につけていること』村上綾一(2016年05月21日)

【エリート?】『ルポ塾歴社会 日本のエリート教育を牛耳る「鉄緑会」と「サピックス」の正体』おおた としまさ(2016年02月16日)

【備忘録】資格試験方式でムスメに九九を教えた話(2012年02月01日)

【理系の子?】『人気講師が教える理系脳のつくり方』村上綾一(2012年11月18日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

ハーバードの自分を知る技術 悩めるエリートたちの人生戦略マップ
ハーバードの自分を知る技術 悩めるエリートたちの人生戦略マップ

先日のセールの対象にもなっていましたが、「63%OFF」というのは、過去最大な気が。

これまた年末年始のお供にぜひ!


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

この記事のカテゴリー:「子育て・教育」へ

この記事のカテゴリー:「私と100冊の勉強本」へ

「マインドマップ的読書感想文」のトップへ
Posted by smoothfoxxx at 10:00
子育て・教育このエントリーを含むはてなブックマーク

スポンサーリンク