2016年12月16日
【オススメ!】『僕らが毎日やっている最強の読み方』池上 彰,佐藤 優
僕らが毎日やっている最強の読み方
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事の中でも1番人気だった1冊。おなじみ池上 彰さんと佐藤 優さんという、2人の「知の巨人」による、情報インプット法の虎の巻とも言える作品です。
アマゾンの内容紹介だけでもお腹いっぱいなので、その中から「本書の5大特色」なるものを列挙。
【1】2人の「読み方の最新全スキル」が1冊に
【2】「普通の人ができる方法」をやさしく具体的に解説
【3】「重要ポイント」がひと目でわかり、読みやすく、記憶にも残る
【4】とにかく内容が具体的--「おすすめサイト全一覧」から「新聞・雑誌リスト」「おすすめ本」まで紹介
【5】2人の仕事グッズも完全公開!見るだけで参考になる!
なお、私は今日レビューするために、1日早くリアル書店で単行本を購入しましたが、本当は現在「20%ポイント還元」中のKindle版を買いたかった……w
当然付箋も貼りまくっております!
【ポイント】
■1.新聞は3段階に分けて読む池上 私の読み方は先ほども少し述べましたが、まずは新聞を一面からめくりながら、「見出し」をざっと見ます。朝はこれだけで済ませることが多いですね。夜にもう一度目を通すときは、朝に目を通したときに気になった記事の「リード」をまず読み、さらに興味があれば、本文に目を通します。(中略)
佐藤 「見出しだけで済ませる記事」「リードまで読む記事」「最後の本文まで読む記事」の3段階に分けて読むわけですね。
池上 そうです。というのも、新聞は「大事な大きなこと」から「付随的な小さなこと」へという「逆三角形」の構造で書かれているので。どの新聞記者も新人時代には、その順番で記事を書く訓練を徹底的に受けます。
佐藤 じつは私もまったく同じ読み方をしています。「見出し」と「リード」で読む読まないを判断ずるのがいちばん合理的という考え方ですね。
■2.経済誌・ビジネス誌の読み方
池上 ビジネスパーソンにチェックしてほしい週刊誌というと、どうしても経済誌・ビジネス誌になりますね。私は『週刊東洋経済』『週刊ダイヤモンド』『週刊エコノミスト』『日経ビジネス』の4誌は、必ず目を通すようにしています。
佐藤 私も「日経ビジネス」を除く3誌は毎週目を通しています。この対談本の版元が東洋経済新報社だから言うわけではありませんが、私は新聞と雑誌で月に約90の締め切りを抱えていて、その中で読者からの反響や質問が最も多いのが『週刊東洋経済』の「知の技法 出世の作法」という連載です。総合週刊誌に比べて部数は少ないですが、一部上場企業に勤めるようなハイエンドなビジネスパーソンが、しっかり読み込んでいるのが経済誌やビジネス誌なのでしよう。
■3.佐藤氏直伝「ネットの3大原則」
1.ネットは「上級者」のメディア。情報の選別には、かなりの知識とスキルが必要。
2.「非常に効率が悪い」メディア。同じ時間なら、新聞や雑誌を読むほうが効率的。
3.「プリズム効果」に注意する。ネットでは自分の考えに近いものが「大きく」見える。
(詳細は本書を)
■4.本の「読み方」は種類で変える
池上 基本書となる「タネ本」はじっくり読みます。ほとんどがそのジャンルの初期に出版されたものなので読みにくいこともありますが、理解できるまで何度も読みます。速読で済ませるのは、これまでに読んだ関連本よりも内容が薄かったり、新しい発見があるとは思えない本ですね。ただし、どの本も「はじめに」と「おわりに」には必ず目を通します。(中略)
佐藤 私は基本的に、読み飛ばす本もすべてのべージをめくるようにしています。熟読するに値する本かどうかを見極めるコツは、最初に本の「真ん中」部分を開いて、そこを少し読んでみることです。冒頭と末尾は、著者と編集者が「売る」ために一生懸命力を入れてつくりますが、真ん中は書き手も編集者も緊張と集中力が続かず、中だるみしがちです。だから、あえてその本のいちばん弱い真ん中の部分を拾い読みすることで、本の水準を知るんです。
■5.歴史の学び直しには「日本史A」「世界史A」を活用する
佐藤 では、具体的な教科ごとの話をしていきましよう。まずは現代を理解するうえでも必須の知識である「歴史」から。歴史に関しては、池上さんも私も「世界史A」「日本史A」で学び直すことを推奨しています。必要最小限にして最大公約数のところをきちんと押さえてあるので、時間のないビジネスバーソンに最適だからです。私は世界史の教科書を4年に一度は買い替えています。
池上 「世界史B」「日本史B」は難関大学の受験を視野に入れていますから、説明が細かく、難しくなりがちです。受験勉強でうんざりして歴史嫌いになった人も相当数いるのではないでしょうか。もったいないことです。
【感想】
◆冒頭の画像をご覧いただければお分かりのように、とにかく付箋を貼りまくっていますので、正直上記ポイント部分だけが重要というわけではありません。一応、章が全部で5つあり、それぞれ「新聞」「雑誌」「ネット」「書籍」「教科書・学習参考書」とジャンルごとに分かれているので、各章から1つずつ選んでみた次第。
「本当はこの章からもっと選びたかった」と思わなかったこともないのですが、結局この付箋の数ですから、キリがありませぬ。
そもそも、各ジャンルごとに、「読む対象」と「読み方」が分かれているのですから、正直な話、読む人ごとに重要度が違ってくるんじゃないか、と。
◆たとえば初っ端の新聞は「全国紙」「地方紙」「通信社」ですから、まだ分かりますが、続く「雑誌」は「週刊誌」「経済誌・ビジネス誌」「月刊誌」「国際情報誌」「専門誌」と多種多様。
しかも「専門誌」のところで、池上さんが、時々『軍事研究』を買っている、と言ったのを受けて、佐藤さんは『イスラエル・ディフェンス』なる雑誌を買っているとのこと。
そんなん、知らん罠ww
ちなみに、その軍事研究関連の流れから、お二人ともこの本を推奨されていたという。
失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)
また、この本の「続編」(ただ、著者はかぶってないんですが)として、池上さんが勧めているこの本は、私は初めて知りました。
組織の不条理―なぜ企業は日本陸軍の轍を踏みつづけるのか
なぜかその軍事ネタ流れで、マンガ『のらくろ』の「戦後編」があることも知ったのですがw
のらくろ放浪記 [カラー復刻版] (のらくろ 幸福(しあわせ)3部作)
◆一方、ネットに関しては、上記ポイントの3番目にあるように、ややネガティブな感じ。
ただ、お二人とも仕事柄、インプットしたものを用いてアウトプットする必要がありますから、曖昧な情報だと使い物にはならない、というところはあると思います。
その分、お二人がチェックしている国内サイトの一覧を見ると、NHKや新聞社、さらには官公庁等オフィシャルなものがほとんど。
また、海外サイトのリストは、国内版よりむしろ多いくらいなので、こちらも要チェックです。
ちなみに、中東情勢を知りたいときは、イランのニュースサイト「ParsToday」がオススメとのこと(日本語版アリ)。
Pars Today
◆肝心の(?)書籍については、私は池上さんの書籍は何冊か読んでいたので、ある程度なじみがありました。
対して佐藤さんは、「超速読」と「普通の速読」を駆使して、月300冊を読まれるのだそう(詳細は本書を)。
また、本の選び方についても、上記ポイントの4番目の「真ん中を読む」というのは、「目からウロコ」でした。
ちなみに、気になる電子書籍ですが、池上さんは以前はKindleを持ち歩いていたそうですが、今は使っておらず。
佐藤さんは「まず紙の本で読んで、2冊目を電子書籍で携帯する」というスタイルですから、お二人とも、あまり私たちには役に立たなさげなのが、ちと残念ですが……。
◆とはいえ、本書は当ブログの読者さんなら、「知の巨人」お二人の「オススメリスト」だけでも、読む価値はあるかと。
各章ごとにまとめられているのに、わざわざ挟み込む形で、カラー版2ページにまとめられているのには驚きました。
さらに「まとめられている」と言えば、巻末の「特別付録2」には、本書内で登場する「新聞」「雑誌」「ネット」「書籍」「映画・ドラマ」を一挙に収録しています。
そして「特別付録3」には、本書における各項目のまとめ部分が、すべてまとめられているというありがたさ。
これはオススメせざるを得ません!
僕らが毎日やっている最強の読み方
序章 僕らが毎日やっている「読み方」を公開
第1章 僕らの新聞の読み方――どの新聞を、どう読むか。全国紙から地方紙まで
第2章 僕らの雑誌の読み方――週刊誌、月刊誌からビジネス誌、専門誌まで
第3章 僕らのネットの使い方――上級者のメディアをどう使いこなすか
第4章 僕らの書籍の読み方――速読、多読から難解な本、入門書の読み方まで
第5章 僕らの教科書・学習参考書の使い方――基礎知識をいっきに強化する
【特別付録1】「人から情報を得る」7つの極意
【特別付録2】本書に登場する「新聞」「雑誌」「ネット」「書籍」「映画・ドラマ」リスト
【特別付録3】池上×佐藤式 70+7の極意を一挙公開!
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【知的生産】『人たらしの流儀』佐藤 優(2011年06月28日)
【知的生産】『仕事ができる人の「情報センス」: 「考える・深める・分かち合う」方法』藤井孝一(2015年09月22日)
【編集後記】
◆上記で触れ忘れましたが、本書内には、お二人の仕事場や愛器等も掲載されています(画像はアマゾンへのリンクになりますので、クリックしても拡大されません!)。これは見開きでまとめられちゃってますが、それぞれ8ページずつ計16ページという豪華さですから、ぜひご覧アレ。
ご声援ありがとうございました!
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