2016年12月06日
【子育て】『いまの科学で「絶対にいい! 」と断言できる 最高の子育てベスト55』トレーシー・カチロー
いまの科学で「絶対にいい! 」と断言できる 最高の子育てベスト55―――IQが上がり、心と体が強くなるすごい方法
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事にて取り上げた子育て本。著者であるトレーシー・カチローは、お医者さんや学者さんではないものの、世界的ベストセラー『ブレイン・ルール』『ブレイン・ルールズ・フォー・ベビー』などを手掛けた方なのだそう。
アマゾンの内容紹介から。
子どもの「IQ」はどうすれば伸びる?なぜ「ごっこ遊び」がそんなに大事?外国語や数学、音楽への興味を育むには?子どものために、親がしてあげるべきこと全部!脳科学から心理学、教育学まで最新リサーチを網羅!子どもの頭をよくし、潜在能力を引き出す最も信頼できる方法!
単行本は在庫切れのようですが、すぐ手に入るKindle版なら、「20%ポイント還元」も付いてお得です!
Reading / roxeteer
【ポイント】
■1.「パパの語りかけ」はお腹の中まで届かない夫は、出産前の2か月ほどのあいだ、毎晩私のお腹に向かって絵本を朗読していました。ところが、じつは誕生前の赤ちゃんにパパの声は聞こえないのです。
お腹の赤ちゃんにはママの声しか聞こえません。心音や雑音に混じって、ママの体の中で反響して拡大された音が子宮内の胎児に届くのです。
聞こえなかったとはいえ、「夫の語りかけタイム」は夫婦の愛情と絆を育む時間になりました。そしてわが子が生まれてから、このときに読んでいた絵本は子どものお気に入りの寝かしつけ絵本になりました。
■2.年齢によって「読み聞かせ」のスタイルを変える
● 読み聞かせるというより「本」に接させる(6か月まで)
●「写真」や「絵」を説明する(6か月〜12か月)
●魅力あふれる「読み聞かせ」で引きつける(12か月〜1歳半)
●子どもの「読み語り」をうながす(1歳半〜3歳)
(詳細は本書を)
■3.昼寝をしたほうが「記憶力」が上がる
ある調査で、未就学児に対して記憶力テストを午前中に行い、午後2時に昼寝をさせ、昼寝の後と翌朝に重ねてテストを行いました。
昼寝をした子どもは、昼寝なしの子どもよりも、昼寝後と翌朝の両方でスコアが高くなりました。昼寝をするグループとしないグループを入れかえてテストをしたところ、同じ結果が得られました。
昼寝は幼少期の学習をサポートします。子どもの短期記憶(比較的短い時間保持される記憶のこと)には限りがあり、睡眠によって記憶の固定がうながされるのです。
■4.子どもの創造力を伸ばす9つの方法
●興味を情熱に変えるように励ます。
●間違いを許し歓迎する。
●視覚芸術(絵画、写真など)、演劇、読書プログラムを受講させる。
●子どもの才能に気づいて、サポートする。
●成績よりも、学習した内容に興味を示す。
●ひとつの問題に対して、複数の解決策を考えるようにうながす。
●解答を与えるよりも、解答を探すための「ツール」を与える。
●視覚的に考える見本を示す。
●新しい考え方をうながすために、たとえや比喩表現を使う。
■5.テレビは「1日2時間」までにすべき理由(抜粋)
AAP(米国小児科学会)は、2歳以上の子どもがテレビやその他の画面を見るのは1日2時間までに抑えることを推奨しています。 その理由は……
●「読書の時間」を奪うテレビがほぼつけっぱなしの家庭(幼い子どものいる家庭のじつに30パーセント)は、それ以外の家庭に比べて、3歳〜4歳児の読書時間が25パーセント少なく、5〜6歳児では40パーセント近く少ないというデータがあります。●「遊び」を妨げる観ていないテレビがついているとき、子どもはときどきちらっと観るぐらいで、意識を向けていないように見えます。 でも、1歳から3歳の子どもを調べたところ、実際には、テレビがついていると、遊ぶ時間が減り、遊びに集中しにくくなり、おもちゃを次々に取り換え、工夫した遊びが少なくなることがわかりました。●「集中」できる時間が短くなる1日2時間以上テレビを観ている子どもは、集中力の持続時間が短いというデータがあります。●「睡眠」を妨げる研究データによると、テレビを観ることで就寝時間が遅くなり、寝つきが遅れ、赤ちゃんが入眠を不安がり、睡眠時間が短くなります。
【感想】
◆私は本書はKindle版で読んだのですが、ハイライトを引きまくり!ただし、自分の実生活の子育てで活用できる部分かというと、ちと微妙です。
というのも、本書の多くの内容が、未就学児、特に赤ちゃんに関するものが多かったから。
もちろん、ある程度大きくなるまで共通なテーマもあるのですが、本書が本当に活用しまくれるのは、赤ちゃん……どころか上記ポイントの1番目のように、これから生まれるご家庭だったりするという。
いずれにせよ、下の子が9歳な我が家では「もっと早く読みたかった」としか言いようがないわけです。
◆もう1点やや誤算だったのが、必ずしも「脳ネタ」「勉強ネタ」ばかりではなかったこと。
「科学」とか「IQ」といったフレーズが書名に入っているため、てっきりこの本のアメリカ版のような気がしていましたが、ちと違いました。
「学力」の経済学
参考記事:【教育経済学!?】『「学力」の経済学』中室牧子(2015年06月30日)
結局本書はあくまで「子育て本」であって、アマゾンの詳細な目次をご覧いただければお分かりのように、コミュニケーションやしつけ、ねかしつけのお話もアリ。
とはいえ、普通の「子育て本」と比べたら、かなり「教育」寄りだと思うので、「お受験」等を考えている親御さんにとっては、ツボにはまると思います。
◆一方、上記のとおり本書はハイライトを引きまくっているだけに、割愛した部分もかなり多くて。
中でも重要でありながらカットしたのが、「結果ではなくプロセスをほめる」というTIPSです。
詳しくはこの本をお読みいただければ、と。
マインドセット「やればできる! 」の研究
参考記事:【オススメ!】『マインドセット: 「やればできる!」の研究』キャロル・S. ドゥエック(2016年01月18日)
最近も『やり抜く力――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける』でも引用されていましたし、子育てなさっている方ならオススメ。
我が家でもできる限り、プロセス(努力)をほめるようにしております。
……これもホントは、早いうちからの方がいいんですけどね(手遅れ感)。
◆ところで「我が意を得たり」と思ったのが、上記ポイントの5番目の「テレビ」です。
ここでは「2歳以上は、1日2時間まで」としていますが、「では2歳未満は?」というと、本書では表現をゆるめているものの、基本的には「極力無し」といった感じ(詳細は本書を)。
さらに専門家の1人いわく、2歳以上の「1日2時間でも長すぎる」ということですから、ご家庭でテレビつけっぱなしの方は、上記ポイントの5番目を熟読していただきたいところです。
ただ、我が家でもムスコが小さい頃「テレビの全面禁止」をやろうとしたところ、ヨメに「夕飯作っている時に間が持たない」とキレられたことがありましたので、この辺はご家族でよく話し合ってみるべきかと。
なお、お互い様(?)というか、「子どもの前でスマホをしない」というTIPSもありましたので、こちらもぜひお読みください。
「10年前にあったなら……」と、思わず嘆いた1冊!
いまの科学で「絶対にいい! 」と断言できる 最高の子育てベスト55―――IQが上がり、心と体が強くなるすごい方法
CHAPTER1 愛情――安心感が子どもの「脳」をぐんぐん伸ばす
CHAPTER2 語りかけ――言葉のシャワーが「IQ」を上げる
CHAPTER3 生活習慣――「記憶力」と「集中力」が上がる食べ方、寝方
CHAPTER4 遊び――「思考力」と「想像力」を磨く楽しい方法
CHAPTER5 つながり――親との交流が「心」と「体」を強くする
CHAPTER6 しつけ――叱るより、ルールで「スキル」を身につける
CHAPTER7 動く――動くことで「頭」がよくなり「健康」になる
CHAPTER8 スローダウン――時間を止めて、人生をフルに味わう
【関連記事】
【オススメ!】『マインドセット: 「やればできる!」の研究』キャロル・S. ドゥエック(2016年01月18日)【ハーバード?】『世界に通用する一流の育て方 地方公立校から<塾なしで>ハーバードに現役合格』廣津留真理(2016年09月08日)
【子育て】『一流の育て方―――ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる』ムーギー・キム,ミセス・パンプキン(2016年03月10日)
【教育経済学!?】『「学力」の経済学』中室牧子(2015年06月30日)
【思考力】『東大・京大に合格する子どもの育て方』江藤 宏(2015年04月30日)
【編集後記】
◆上記で触れた『「学力」の経済学』なんですが、今なら「45%ポイント還元」のKindle版がオススメ(レビューは上記関連記事に)。「学力」の経済学
中古があまり値崩れしていないので、600円以上お買い得です。
ただし、すでにセール期限を過ぎているBookLive!追随セールの対象作品ですから、この記事投稿した直後にポイント還元が終わっていたらごめんなさい。
【今日のつぶやき】
とりあえず「【50%ポイント還元】Kindle本セール」が始まってますねー。今日チェックで忙しくなりそうなw https://t.co/7gKV8orCUL
— smooth@ビジネス書の書評系ブロガー (@smoothfoxxx) 2016年12月5日
ご声援ありがとうございました!
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