2016年12月04日
【感情爆発テロリスト?】『元ドイツ情報局員が明かす 不愉快な相手を手なずける技術』レオ・マルティン

元ドイツ情報局員が明かす 不愉快な相手を手なずける技術
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、昨日告知した「CCCメディアハウス Kindle本キャンペーン」の対象となっていたコミュニケーション本。キャンペーン期限が今日なので、レビューは間に合わないと思ったのですが、何とか読み切って書いてみましたw
アマゾンの内容紹介から。
自分が迷惑を被りそうな「相手」=「感情爆発テロリスト」をすばやく見抜き、適切に対処する方法。彼らの攻撃をかわし、骨抜きにし、無力化してあなたとあなたの心を防衛するテクニックとは?有害な相手を始末して、心の不快を取り除き、人生をコントロールするために。心をクールに保ち、ポーカーフェイスを貫くための「情報員マニュアル」。
もちろん単行本もありますが、本日中ならお得なKindle版がオススメです!

I Spy / Orchids love rainwater
【ポイント】
■1.「感情爆発テロリスト」の問題点感情爆発テロリストは、一般的な犯罪者たちと多くの共通性がある。彼らは秩序を乱し、個人や社会の安心感をぐらつかせて混乱をあとに残す。言い換えるなら、通常の状態に戻れないほどの極端な感情状態を相手にもたらす。感情爆発テロリストは、犠牲者の傷口を狙う。しかも、無意識にそうすることもある。誰をどのように傷つければいいか、彼らは直観的に知っているからだ。ディフェンスの可能性は、まさにそこにある。傷口を認識して庇護すればいいわけだ。
攻撃者が意識して傷つけているかどうかということは、結局は問題にならない。大事なのは攻撃に対するディフェンス。それを、あなたは本書で学ぶだろう。けれども経験によると、相手が無意識に攻撃していることを知れば、それがあなたを守る盾となりうる。
■2.相手の行為ではなく背後にある動機に注目する
優秀な情報員は、複数の観点を巧みに操る。観点によって相手の動機がわかるからだ。おかげで、情報員は感情爆発テロリストのせいで自信をなくすこともない。情報員は、相手の行為ではなく、その背後にある動機に心を集中させる。動機を見抜けば、行為は別の意味を持つ。行動の背景を見透かした人は、行動について異なる判断をするようになる。
そのため、情報員は相手がどのような観点を持っているのかを探る。そして、相手の観点で世界を見る努力をする。通用するのは自分の観点だけではないことを知っているからだ。ほかの人の観点で世界を見ることができれば、橋を架けることが可能になる。もしかすると、橋を解体することに決めるかもしれない。
■3.「感情爆発テロリスト」の種類
・癇癪持ち
・高慢ちき
・不平家
・苦悩屋
・陰謀家
・知ったかぶり屋
・おしゃべり屋
(詳細は本書を)
■4.「癇癪持ち」に対する出口戦略(抜粋)
○不安を見せない。とはいえ、攻撃性も見せない。
○怒りの発作が過ぎ去るまで待つ。そのあと、合理的な論拠を挙げてポイントを稼ぐ。
○いさかいにならないようにする。落ち着いて冷静さを失わないこと。
○あなたに対する個人攻撃ではないことを思い出すこと。癇癪持ちは、自分の過去もしくは子供時代にときどき帰るのだ。
○相手が自分を侮辱するようになったら、一線を画すこと。 「ストップ。そのやりかたは受け入れられない」
(詳細は本書を)
■5.まず信頼を築く
僕はすでに数年前から情報局に勤務しているが、この世界で成功するための効果的な武器は何かということを、すばやく見抜いた。V人材が情報を提供するのはカネのためではない。新しい身分証明書のためですらない。人を動かして限界を超えさせるものは、結局のところ1つしかない。恋愛であろうとスパイ活動であろうとそれは同じで、信頼なのだ。関係が強いと、自分が相手にとってどういう位置を占めているか、たがいにわかっている。何を当てにできるか、何を当てにしてはいけないか、といったことを知っている。利口な人は、関係の持続の可能性を試すよりも、まず先に関係を築く。僕は、まさにこの道具を使いこなしていた。
【感想】
◆レオ・マルティンの過去の著作をお読みの方はご存知のとおり、彼の仕事はV人材(情報提供者:"V"はドイツ語の信頼を意味する「Vertrauen」の頭文字)をスカウトすること。タイトルに「元ドイツ情報局員」とあると、彼自身がどこかに潜入してそうな感じですけど、実際にはそういった情報提供者を複数抱えて、彼らから情報を集めるのが生業です。
よって、ターゲット(敵)との接触もV人材がするわけですから、上記ポイントに登場する「感情爆発テロリスト」とは、ぶっちゃけ主人公の身の回りにいる人々。
つまり、本書で「感情爆発テロリスト」として登場する人物は、そのほとんどが「ドイツ情報局員」なワケです。
……「テロリスト」という表現は、原書からそうなのかは分からないのですが、身内に使うフレーズじゃないと思うのですがw
◆そして本書は、当ブログとしてはあまり得意としていない「物語形式」の部分もアリ。
すっかり忘れていましたが、このシリーズの特徴らしく、この本をご紹介した際にもレビューで触れていましたっけ。

元ドイツ情報局員が明かす 心に入り込む技術
参考記事:【ドイツ式?】『元ドイツ情報局員が明かす心に入り込む技術』レオ・マルティン(2012年07月29日)
といっても、全部が物語形式ではなくて、物語が進むにつれて「感情爆発テロリスト」が登場すると、その「トリセツ」が提示される仕様です。
たとえば上記ポイントの4番目は、小見出しにもあるように「癇癪持ち」に対するもの。
こんな感じで、各「困ったチャン」ごとに、本書は展開されていきます。
◆一応、構成についてもうちょっと細かく言うと、上記ポイントの3番目に列挙された「感情爆発テロリスト」ごとに、それぞれ
・○○(各「感情爆発テロリスト」)の思うつぼにはまるのは、どんなとき?といった具合で言及されているという……。
・○○を阻止するには
・サポート――出口戦略
・『情報員マニュアル』
正直、どの「困ったチャン」のどのTIPSが重要か、というのは分かりかねるので、上記ポイントでは、代表して「癇癪持ち」の「出口戦略」を引用してみました。
ただ、本書の具体例がいずれも「身内」やそれに近い人だけに、特に「切った張った」の必要もなく、こういう人なら、普通の会社でも十分いそうだな、と思うのですが……。
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●)
. | (__人__)____
| ` ⌒/ ─' 'ー\
. | /( ○) (○)\
. ヽ / ⌒(n_人__)⌒ \ >>別にドイツ情報局で
ヽ |、 ( ヨ | なくてもいいじゃん、ムググ
/ `ー─− 厂 /
| 、 _ __,,/ \
◆それよりも、本書に図らずも引き込まれてしまった大きな要因は、日頃私が避けている「物語」でした。
アマゾンの内容紹介でも、詳細が一切触れられていないため、具体的に書きたくても書けない(ネタバレ自重)のですが、とりあえず本書では、冒頭から主人公とそのコンビを組むV人材が、「とある窮地」に陥ります(ザックリし杉w)。
そこで何とかしようとするのですが、「敵」の前に、まずは目の前に立ちはだかる「身内」という「感情爆発テロリスト」を何とかしなくてはならないというジレンマw
そしてそのテロリストたちは、自分の保身を優先したり、被害妄想だったり、挙句の果てには、ワザと足を引っ張ろうとしたり、と、「お前らがそんなこと言ってる間に(ry」
……個人的な感想ですけど、良くも悪くも(?)、「学び」よりも「お話」に軍配が上がってしまいましたw
周りに「困ったチャン」がいる方なら要チェックな1冊!

元ドイツ情報局員が明かす 不愉快な相手を手なずける技術
プロローグ――感情爆発テロリストを無力化する
コード・レッド――V人材、逃亡中
感情爆発テロリストに、なぜ不意を襲われるのか
V人材が、疑われている
癇癪持ち――攻撃的な感情爆発テロリスト
代替プラン
高慢ちき――尊大な感情爆発テロリスト
証人の女性
不平家――けちばかりつける感情爆発テロリスト
証人保護プログラム
苦悩屋――万年ストレス状態の感情爆発テロリスト
脅威的状況
陰謀家――険悪な感情爆発テロリスト
不法侵入
知ったかぶり屋――利口ぶる感情爆発テロリスト
遅れてやってきた危険
おしゃべり屋――速射型の感情爆発テロリスト
クリーンな解決
あなたの抵抗力を強化するための〈007計画〉
コード化された情報員のエピローグ――部長はB3号俸へ
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【編集後記】
◆なお、本書の著者であるレオ・マルティンの過去2作も、今回のセール対象となっております。
元ドイツ情報局員が明かす 心を見透かす技術

元ドイツ情報局員が明かす 心に入り込む技術
参考記事:【ドイツ式?】『元ドイツ情報局員が明かす心に入り込む技術』レオ・マルティン(2012年07月29日)
どちらも送料込み中古よりはお得なので、本書が気に入ったらご検討いただければ、と。

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