2016年11月22日
【米海軍式?】『STRONGER「超一流のメンタル」を手に入れる』ジョージ・S・エヴァリーJr. 博士,ダグラス・A・ストラウス博士,デニス・K・マコーミック博士

STRONGER「超一流のメンタル」を手に入れる
【本の概要】
◆今日はいいかげん、本のレビューをしなければ、ということで、取り上げた作品はこちら。先日の「未読本・気になる本」の記事でも人気だった自己啓発書です。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
マイケル・ジョーダン(一流スポーツ選手)、スティーブ・ジョブズ(有名企業家)、ベン・カーソン(世界的外科医)……
能動的で楽観的に生きる成功の最強メソッド!
心理学者×コンサルタント×元シールズ隊員が「強さの秘密」を解明したベストセラー、待望の翻訳!
なお、未読本記事の後、待望のKindle版も無事出ました!

Joining to jump: Force Recon Marines perform parachute training with SEALs, pararescuemen [Image 3 of 6] / DVIDSHUB
【ポイント】
■1.受動的ではなく能動的な楽観主義を目指す受動的な楽観主義者は、物事がよくなることを願い、そうなることを信じる。
しかし、彼らのようにただ願ったり信じたりするだけの人たちは、状況をコントロールするのをあきらめ、他人や成り行きに任せているのだ。
対して能動的な楽観主義者は、自分の力で状況を改善するために実際に行動を起こす。(中略)
彼らは自分が成功すると信じている。シールズ隊員にとっては、失敗はそのまま死を意味することが多いからだ。彼らにとっての成功とは、ただ待っていれば起こるものではない。むしろ自分の力で起こすものだ。
彼らが楽観的に成功を信じるのも、万全な準備をしたからであり、犠牲の意味を十分すぎるほど理解しているからであり、それに加えて強固な決意があるからだ。
■2.決断力があると逆境のなかで成長できる
逆境によってさらに成長するという現象は、「変化を促すストレス」や「トラウマの後の成長」と呼ばれたりする。前にも述べたように、この場合の変化とは、ただ以前の状態に戻るだけでなく、それ以上に成長することだ。
実際に「変化を促すストレス」を経験した人は、「自分の力が強まるのを感じた」「以前より人生に感謝するようになった」「以前より楽観的になった」「以前より人間関係の大切さを認識するようになった」などと言っている。ときには人生の優先順位が大きく変わることもあるという。
逆境をきっかけに、人生で本当に大切なものについてあらためて考えるからだ。
■3.ミステリーをパズルと勘違いしない
マルコム・グラッドウェルによると、パズルとは答えのある問題だ。パズルを解くのに必要な情報は限られている。ただ必要なピースを集めるだけで解くことができる。
一方でミステリーは、まだ存在しない答えを探さなければならない。ミステリーを解くには、何かを発見するだけでは不十分だ。不確実なことに対して自分で判断しなければならない。想像や予想を頼りに答えを探す必要がある。
たとえば、オサマ・ビン・ラディンを探すという課題はパズルであり、株価の動きを予想するのはミステリーだ。グラッドウェルによると、もっともやってはいけない間違いは、ミステリー(つまり未来を予測すること)をパズルと勘違いすることだ。この勘違いをしてしまうと、存在しない「事実」を延々と探すばかりで、一向に答えにたどり着けない。
■4.粘り強さを身につける方法
●目標を決め、粘り強く努力する粘り強い努力が報われていれば、粘り強さを維持することができる。●粘り強さで定評のある人を観察する
努力が報われた結果の成功はとても嬉しいものだ。それまでのつらさもすべて吹き飛んでしまう。粘り強く努力すれば達成できる目標を1つ決め、実行可能な計画を立てる。
あとは計画通りに行動するだけだ。粘り強い努力で逆境に打ち勝ち、成功を収めた人をお手本にすると、自分のなかの粘り強さもさらに成長する。自分のお手本を見つけよう。歴史から学んでもいい。●自分の粘り強い努力を支えてくれる人を見つけるウィンストン・チャーチル、カル・リプケン・ジュニアの物語に共通するテーマは、逆境のなかで粘り強さを発揮するには、他者のサポートが大きな役割を果たすということかもしれない。
■5.人を助けず毒になる人に気をつける
1「イエス、バット」型(言い訳の達人)
2「自分が一番」型(自分かすべて)
3「社交界の蝶」型(外面がよく、うわべだけの付き合いを好む)
4「攻撃」型(私のものは私のもの、おまえのものも私のもの)
5「四角四面」型(規則は規則)
6「フレネミー」型(あなたの成功を憎む)
(詳細は本書を)
【感想】
◆たまたま上記ポイントで引用した部分や、本書の邦題には登場していないのですが、本書のテーマは、当ブログでも何度か言及したことのある「レジリエンス」です。一応本書の原題も、『Stronger: Develop the Resilience You Need to Succeed』というもの。

Stronger: Develop the Resilience You Need to Succeed
実際、本書の序章では「超一流のメンタルに必要なものとは何だろうか?」というフレーズの後に「私たちが思うに、カギを握るのはレジリエンスだ」として、レジリエンスの核となる5つの要素を列挙しています。
以下本書から引用。
1 能動的な楽観主義そして本書を読むことによって、この5つの要素を身につけ、私生活や仕事の場で活用する方法が分かるという次第。
2 決断力と行動力
3 道徳的な指針
4 粘り強さ
5 周囲のサポート
◆本書の各章では、これらの要素の重要性を裏付けるべく、独自の研究やインタビュー、さらには個人的な体験や、臨床観察等々が列挙されています。
もちろん、その中でも著者の1人が隊員でもあったネイビー・シールズのエピソードの数々が、本書の白眉でしょうか。
Navy SEALs - Wikipedia
訓練だけではなくて、実際の戦争時のお話等も登場(そもそもベトナム戦争時に結成されたそう)しますから、このテーマの類書とはひと味違います。
……もっとも、ここまで過酷な環境にいる人の方が少ないとは思いますがw
◆ちなみに本書の冒頭に、著者とは別の「元シールズ隊員」で「元特殊作戦担当国防次官補」の人物からの「推薦の言葉」があり、その人いわく上記の5つの要素のうちで、一番大切なのは「楽観主義」である、とのこと。
ただしそれは、上記ポイントの1番目にあるように「能動的」でなければなりません。
特に「彼らが楽観的に成功を信じるのも、万全な準備をしたから」という一節には、うなづくことしきり。
神頼みとは違い、やるべきことをすべてやった上で、「楽観的」になる、という教えは、説得力があります。
本書の第1章では、この「能動的な楽観主義」の実例がいくつも紹介されていますので、ご参考まで。
◆ただし、楽観的な態度だけでは、レジリエンスを身につけることはできません。
なぜなら、どん底に落ちたときは、楽観主義だけでは這い上がってこられないから……ということで、2番目の「決断力と行動力」が必要となり、さらに「決断」するためには、3番目の「道徳的な指針」がカギとなる……といった具合に、残りの4つの要素もそれぞれ重要となってくる模様。
私は最初、「道徳的な指針」が、どうレジリエンスと関係するのかと思ったのですが、読んでみて、なるほどな、と。
さすが博士号を持った人が3人集まって書いただけあって、レジリエンスを多角的に分析していると思いました。
それでも、個人的には「レジリエンス」と言ったら、「粘り強さ」辺りを中心にした方がしっくりくるんですけどねw←頭カタイ
メンタルを、より強化したい方に!

STRONGER「超一流のメンタル」を手に入れる
序章 超一流のメンタルとはどのようなものか?
第1章 能動的な楽観主義を手に入れる
第2章 決断力と行動力を手に入れる
第3章 道徳的な指針を手に入れる
第4章 粘り強さを手に入れる
第5章 周囲のサポートを手に入れる
終章 超一流のメンタルを手に入れる
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【ストレス耐性】「凹まない人の秘密」アル・シーバート(著) 林田レジリ浩文(翻訳)(2008年04月24日)
【ライフハック】『メンタルが強い人がやめた13の習慣』エイミー・モーリン(2015年08月28日)
【編集後記】
◆昨日ご紹介した「Kindle大規模セール その3」からの売れ線をご紹介。
スタンフォード大学で一番人気の経済学入門 マクロ編

世界のトップエリートが実践する集中力の鍛え方 ハーバード、Google、Facebookが取りくむマインドフルネス入門

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今回はこの3冊が同数で1位でした!

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