スポンサーリンク

       

2016年11月18日

【無価値観?】『「自分には価値がない」の心理学』根本橘夫


「自分には価値がない」の心理学 (朝日新書)
「自分には価値がない」の心理学 (朝日新書)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事にて予想外に人気だった1冊。

結構前に買っていたのですが、大規模セールに追われて、こんなに遅くなってしまいました。

アマゾンの内容紹介から。
日本人は、高い学力と引き換えにかけがえのない自信を失ってきた。
こうした人は常に充足感がなく、失敗や挫折をするとたちまち生きている意味を失う。
仕事、人間関係、自己実現……幸福の鍵を握る"自己価値感"を身につける方法とは。

なお、ポイント還元も併せれば、Kindle版は、実質「28%OFF」とお買い得です!





J0 - the master definition of 'A Job' and the acid test for 'Full Employment' / Julian Partridge


【ポイント】

■1.人として基本的な欲求である「自己価値観」
 自己価値感を守ることは、ときには自らの命と引き換えにするほどの重さがある。たとえば、いじめられて自殺するほどつらいのに、そのことを親に訴えない子どもがいる。親に言ったら、いじめられている情けない自分の姿が親にあからさまになってしまうからである。言ったら、自分で自分の無価値さを確認することになり、耐えられないからである。親からひどい虐待を受けている子どもも、その親をかばう。親にさえ愛されていないという事実を受け入れることは、耐え難い無価値感情をもたらすからである。子どもばかりではない。恥辱により自己価値感を傷つけられて生きるよりも、死を選ぶ大人がいる。


■2.過保護・過干渉は無価値観をもたらしやすい
 無価値感や自信のなさに悩む人の中には、「自分は過保護とも思えるほど親から大事にされていたのに」と言う人が含まれる。大方の見方に反して、過保護は自己価値感よりも無価値感をもたらしやすいのである。
 過保護・過干渉はセットで述べられることが多く、両者が子どもに与える影響には共通する部分が多い。しかし、異なる部分もある。典型化して言えば、過保護は「お前は無力だ」という暗黙のメッセージを送り、過干渉は「お前のままでは駄目だ」というメッセージを送る。このために、過保護は子どもを無力化することで無価値感をもたらし、過干渉は子どもの自我を奪い取ることで無価値感をもたらす。
 健全な心の発達とは、子どもが生得的に持っている健康に成長していく力(内発的成長力)により達成される。だから、内発的成長力が発現する環境を与えてあげれば、子どもは自らのびのびと成長していく。この子どもの内発的成長力を信頼できない親が過保護・過干渉になるのである。


■3.自分の人生は自分で作る
 親のためにこのような自分になったのだと、前に進めないでいる人がいる。そうした考え方だと、現状から抜け出すことが困難になる。なぜなら、親の不完全さを自分の心を歪ませた原因として理解すると、すべてが理解可能であるかのように思われるからである。
 しかし、大人になれば、いや、思春期以降になれば、たんに親に反応するにとどまらず、自ら意識的な選択行動が可能である。自分の気持ちも性格も、進学や就職なども、自ら選択した結果に他ならない。今の自分とはこれまでの自己選択の結果なのである。つらい、苦しい今の心の状態とは、自分でそうした状態にしているのである。 (中略)
 幸福な状況は他者が与えることができても、幸福であるかどうかは本人に依存する。逆境にあっても幸福を作り出す人もいれば、幸福な環境の中でも不幸を作り出してしまう人がいる。大部分の不幸はその人自身の作品である。
 自分の人生は自分しか作れない。これからの自分についての責任は、自分しか負うことができない。


■4.感情を吐き出す
 身体にため込まれたマイナス感情を吐き出すことで治療する方法に、生体エネルギー療法と呼ばれるものがある。この療法では、たとえば、ベッドを思い切りたたく、寝転んで両手両足をバタバタさせるなどの方法を使う。こうすると、感情が高ぶってきて、泣いたり、わめいたりすることになる。ところが、「いい人」ほどこうした幼稚で乱暴な行動ができない。そのためにマイナス感情をため込んでいるのである。
 だから、泣く、わめく、友達に愚痴る、ゲームセンターで攻撃的なゲームをする。なんでもいいから、感情を思い切り吐き出すようにする。嫌なことや負の感情を紙に書きなぐり、もう書き尽くしたと思えたとき、その紙を破り捨てることで、嫌な感情に区切りをつけるという方法もある。


■5.セルフトークで元気を出す
 気持ちが落ち込みやすい人は、ちょっとしたトラブルのときでも、「大変だ」「嫌だな〜」「もう、だめだ」「最悪だ」などと無意識のうちに自滅的なセルフトークをしている。このためにいっそう落ち込んでしまう。だから、意識的に肯定的で楽しくなるセルフトークをすることである。 「無理だ」「もうだめだ」と思ったら、「やってみなければわからない」「やってみてから結論を出そう」「絶対手段があるはずだ」などと。
 自信を失ったときには、自信を取り戻すセルフトークをする。 「大丈夫! 自分にはできる」「私は必ず立ち直る」「自分を信じる」「これも試練、大丈夫、耐えられる」など。
 混乱した感情を乗り越えて仕事をするためには、「今、しなければならないことに全力を尽くそう」「本来の課題にだけ集中しよう」などのセルフトークが有効である。


【感想】

◆今回、Kindle版を購入したため付箋画像はないのですが、それこそハイライトしまくりました。

新書でありながら、ほぼ単行本並み。

このうち、第2章だけは、ハイライトをほぼ完全に割愛しておきながら、他の部分でこれだけ線を引きまくるとは思いませんでした。

ひとつには、私自身がこの手の作品をあまり読み込んでいなかったため、初見のお話が多かったこともあるのですが。


◆本書を読んでいて、気になったのが「親の責任」です。

上記ポイントの2番目が典型的なのですが、「無価値観」の大きな要因となるのが、親からの育てられ方。

実は上記で割愛した第2章では、実際に事件の犯人となった男性や、自らの壮絶な人生を本に書いた女性医師の事例が紹介されているのですが、親が「まとも」であれば、このような悲劇は起きなかったと感じました。

私は親に殺された!  東大卒女性医師の告白 (朝日新書)
私は親に殺された! 東大卒女性医師の告白 (朝日新書)

……正直、あまりに「特殊」な話だと思って、今回線を引かなかったのですが、程度の差はあれど、こういう親子関係は意外とあるのかも。

もちろん、上記ポイントの3番目にあるように、最終的には「自分次第」と言われたら確かにそうなのですが、自分自身の「子育て」についても考えさせられた次第。


◆また、「子育て」以外にも「無価値観」をもたらすものについては、第3章にて列挙されています。

特に学校での「いじめ」は、一生を左右する深刻な被害をこうむることが少なくありません。

ところが、進学していじめられない環境に移ったとしても、今度は落ち着かず、いつも他人の顔色をうかがうようになったりするのは、やはり「無価値観」ゆえ。

ほかにも、就職活動においては、不採用通知が届くたびに「不要だ」と言われているようなものですし、容姿のコンプレックス、DVやパワハラも、「無価値観」を生み出します。


◆こうした「無価値観」に対処するための方策は、本書では第4章以降にて。

上記ポイントの4番目や5番目は、その具体的なTIPSになります。

とくにポイントの5番目の「セルフトーク」は、自己啓発書ではお馴染みですから、当ブログの読者さんには、比較的なじみやすいかも。

逆に4番目の「感情を吐き出す」のは、私もそうなのですが、「いい年した大人」だと、なかなかできないんですよね……。

ほかにも、「イメージリラックス法」「自律訓練法」「仮想的フラッディング法」といった方法が紹介されていますので、詳細は本書にてご確認ください。


◆私自身、本書は実際に読むまで、ある意味「他人事」でしたし、当ブログの読者さんも、これだけ(?)本を読まれて自己投資されてるんですから、「無価値観」など関係ないと思われているかもしれません。

ただ、たとえば「ほめ言葉」を素直に受け入れられない(つい謙遜してしまう)のは、ある意味「自分を過小評価」していることになるようなので、私はまさに思い当たるフシ「大アリ」。

また私の場合、モロに子育ての最中ですから、こちらはもっと責任重大です。

……まぁ、繰り返しますけど、結局は上記ポイントの3番目にあるように「自分次第」ですから(言い逃れ)。


自分や家族の人生を幸せにするために!

「自分には価値がない」の心理学 (朝日新書)
「自分には価値がない」の心理学 (朝日新書)
第1章 なぜ、生きるのがつらいのか
第2章 無価値感に翻弄される人
第3章 あなたに無価値感をもたらすもの
第4章 無価値感を乗り越える視点
第5章 自分のなかの「子ども」に別れを告げる
第6章 人生設計という魔法の杖
第7章 仕事で本当の自信をつけるには
第8章 人を大切にすると幸せになる
第9章 楽しむことに罪悪感を抱く人へ
第10章 自分をもっと信頼してあげる


【関連記事】

【コミュニケーション】『人生を変える勇気 - 踏み出せない時のアドラー心理学』岸見一郎(2016年07月08日)

【潜在意識?】『相手を変える習慣力』三浦 将(2016年05月05日)

【怒りの本質論】『怒りに負ける人、怒りを生かす人』安藤俊介(2016年03月25日)

ビジネスの達人がこっそり教えてくれる『他人を気にしない生き方』の真実(2016年03月06日)

そろそろ『言いづらいことの伝え方』について一言いっとくか(2014年09月18日)


【編集後記】

◆連日のようにご紹介してきたこの大規模セールも、あと数時間で終了です。

http://amzn.to/2fPunJi

Amazon.co.jp: ダイヤモンド社 40%ポイント還元: Kindleストア:

http://amzn.to/2fzXTQA

Amazon.co.jp:kobo スーパーDEALキャンペーン追随 : Kindleストア

大規模であるほど、セール期限で即、終わる可能性が高いので、もし間に合えばお早めに!


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

この記事のカテゴリー:「コミュニケーション」へ

この記事のカテゴリー:「自己啓発・気づき」へ

「マインドマップ的読書感想文」のトップへ

スポンサーリンク




               

この記事へのトラックバックURL


●スパム防止のため、個別記事へのリンクのないトラックバックは受け付けておりません。
●トラックバックは承認後反映されます。