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2016年11月07日

【暗記】『受験合格は暗記が10割』林 尚弘


受験合格は暗記が10割
受験合格は暗記が10割


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事にて人気だった勉強本

著者の林 尚弘さんは、「授業をしない」等の独自の勉強法を打ち出している「武田塾」の塾長であり、本書もその流れに沿うもののようです。

アマゾンの内容紹介から。
90分で100個の英単語を覚えよ。数学は考えるな!パターンを頭にたたきこめ。2秒で答えが言えなければアウト。暗記には単語カードよりもノートを使え。入試まで絶対に忘れない!武田塾式暗記術。

なお、Kindle版なら、「20%OFF」&「20%ポイント還元」と、新刊ながらお買い得です!





Study / Raul Val


【ポイント】

■1.勉強は「暗記したかどうか」がすべて
 私は、勉強とは、「知識の暗記」に尽きると考えています。
 その知識が教科によって変わるだけです。
 英単語や歴史の年表、数学の解法、そして正解へのプロセスなどを暗記することが「勉強する」ということです。 (中略)
「勉強する」ということは、知識を身につけ、使いこなせるようになること。
 これは大学受験に限らず、社会人になってからの資格取得なども同じことです。
 必要なことを暗記せずには、問題は解けるようにならないし、大事な場面で応用することもできません。
 参考書を読んで理解した気になる。
 授業を聞いてわかったと思う。
 ノートに赤ペンを引いて満足する。
 このように、わかった気になって「暗記」をしていないから、合格というゴールになかなかたどり着けないのです。


■2.九九に隠されている3つの暗記のポイント
●できる量ずつ
 まず大切なのは、自分で覚えられる範囲の、少ない量に分けて暗記することです。
 九九を覚えるときは、一の段から順に始め、しっかり記憶してから次に進んだはずです。 (中略)
 それなのに、たとえば英単語を覚えようとすると、なぜか受験生は50個とか100個をいっぺんに覚えようとします。 「10個ずつやろう」などと小分けにしないため、なかなか覚えられないのです。
●すぐに口に出して言えるように
 2つ目のポイントは、すぐに口をついて出るほど、完璧に暗記してから次に進んだということです。
 九九では、一の段を何も見ずに暗唱できるようになって初めて、二の段に進みました。
「何回やっても七だけ出てこないけど、まあいいか」ということはなかったはずです。
●難しいものは何回も!
 3つ目は、九九の場合、完璧に覚えられるよう、間違いやすいところを集中的に繰り返したということです。
 九九では、「一から九の段まで全部同じ回数、繰り返しました」いう人はいないでしょう。
 たとえば七の段、八の段など難しいところは、一の段などに比べて回数を重ねて覚えたはずです。
(詳細は本書を)


■3.何を覚えれば点数になるかを見極め、暗記できる形に変えて覚える
 どうやって暗記できるようにするか、外交史の授業を例にあげましょう。
 まず、授業の内容で、何が論点になっているかを考えます。
 そうした論点は、試験で出題されるポイントでもあります。ですから、その論点をしっかり説明できるよう、自分で「もしこういう問題が出たら?」「ここで重要なことは何?」と考えるのです。
 そして、「東アジア発展の歴史は?」「ブッシュ外交の基礎となった考え方は?」などの、問いをつくります。
 そのあとで、これらの問いを問題集だと考えて、しっかり説明できるように暗記すればいいのです。


■4.英単語100個の暗記法
(1)英単語を10個に分けて覚える
(2)覚えたかどうかテストする
(3)間違えたものがあったら、覚え直して、完璧になるまで再テストする
(4)(1)から(3)までを繰り返し、50個まで終わったら、50個をテストする
 *間違ったものは覚え直してテストし、50個を完璧に記憶する。
(5)残りの50個でも(1)から(4)までを行ない、最後に100個をまとめてテストする
 *ここでも間違えたものがあったら覚え直して、しっかり記憶する

(詳細は本書を)


■5.2秒で答えが言えなければアウト
 覚えたかどうか、自分でテストをするときに、「えーっと、この単語なんだっけ」と、考え込んでしまうものは、「暗記できていない」とみなします。
 その基準は「2秒で答えが言えなければアウト」です。
 単語というのは、英語の基本ですから、覚えて「使いこなせなければ」意味がありません。すぐに口から出ずに、考え込んでしまうようでは、役に立つまで暗記できていないということです。
 うろ覚えの単語を悩んで思い出そうとする時間があったら、ほかの単語を10個はテストできるはずです。
 悩んでいる間に、成績が上がるわけではありません。
 すぐに出てこない単語は「/」や「×」をつけて、もう一度やり直しましょう。


【感想】

◆「勉強法」というと、よく言われる論点なのが「理解が大事」か「暗記が大事」かというもの。

もちろん、勉強する内容や受ける試験にもよるので、一概には言えませんが、ざっくり言ってしまえば、「受ける試験があるのなら、暗記が大事」というのが、私の個人的なスタンスです。

そういう意味で、本書のタイトルは「10割」は言い過ぎだとしても、その主張には同意したいところ。

ただ、ここがミソなのですが、「書いて覚える」ですとか「語呂合わせをする」のような根本的な暗記スキルについては、本書では言及していません。

たとえば上記ポイントの4番目のように「英単語を10個に分けて覚える」という指示があるだけで、覚え方については本人任せな感じです。


◆ただし、やはり上記ポイントの4番目で言うなら、暗記の手順自体は具体的に触れられていました。

まずノートのページを縦に2分割して、左に覚えたい英単語、右にその日本語訳をダーッと、書いていきます。

その際、10個書いたら1行空けて、次の10個を記入せよ、と。

そして、出来上がった単語表を、その10個ずつ上から覚えていきます。

ちなみに、上記ポイントの5番目にあるように、「2秒で答えが言えなければアウト」とのこと。

この10個ずつ分けて覚えることが、武田塾のスタイルらしく、上記ポイントの2番目にある「3つの暗記ポイント」を踏襲しているわけです。


◆なお、この「3つの暗記ポイント」というのは、私自身、税理士試験で理論を暗記するときに、図らずも実践していました。

最初はまさに、フレーズごとに何度も口ずさみ、それがすらすらと暗誦できるまで繰り返したものです。

また、覚えにくいところを集中して繰り返すのも当然のこと。

私の場合、腱鞘炎にかかっていたこともあって「書いて覚える」ことはしなかった分、特に「九九の暗記」に近いものがあったのかもしれません。


◆さて、この「3つの暗記ポイント」を基本として、本書では参考書のタイプごとに、暗記手順を解説しています。

具体的には第2章から第6章までの、「単語系」「文法系」「数学・理科系」「文章読解系」「講義系」の計5つ。

実際に受験される資格試験が、この5つのどれかに当てはまるのであれば、一読の価値はあると思います。

実は本書では、各タイプごとに、大学受験における代表的な参考書が掲載されているので、大学受験ならまさにツボなんだろうな、と。

もっとも、社会人の方にとっても、少なくともTOEICであれば、「単語系」には当てはまるハズです。


◆ちなみに、現在アマゾンのページでは
林塾長の本を既に持っていられる方は買う必要はありません。この本は林塾長の本を一冊も持っていない方向けの本です。
として、星1つを付けているレビューがありました。

たまたま私は、著者の林さんの本を読んだことがなかったので、今回本書をご紹介しましたが、もし、過去の著作をお読みになったことのある方はご留意を。

さらにそのレビューによると、この本で内容がカバーされているらしくw

参考書だけで合格する法―偏差値37から独学で早慶大・国公立大医学部に入る!
参考書だけで合格する法―偏差値37から独学で早慶大・国公立大医学部に入る!

ただ、こちらは6年前の作品なので、今回、多少なりともアップデートはされてると思われ。

また、この本の中古も多少安いには安いのですが、コンディションが「良い」どまりですし、今回の新作もKindle版で読むなら、金額的にはそれほど変わりないという。


「勉強本オタク」としては、色々と気づきがありました!

受験合格は暗記が10割
受験合格は暗記が10割
第1章 合格への最大のポイント、それは「暗記法」
第2章 基本中の基本、英単語の暗記―「単語系」参考書
第3章 「なぜその答えになるのか?」を説明できるようにする―「文法系」参考書
第4章 数学は「解ける」「わかる」「思いつく」の3ステップ―「数学・理科系」参考書
第5章 「読むため」ではなく「解くため」に覚えよう―「文章読解系」参考書
第6章 辞書代わりに使って理解を深める―「講義系」参考書
第7章 「武田塾式暗記術」で、これだけの期間でここまで伸びる!


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【編集後記】

◆当ブログでは記事にはしておりませんでしたが、現在Kindleの公式セールとして、次のようなものが開催されています。



Amazon.co.jp: 【全タイトル50%OFF】広告&宣伝 選書キャンペーン(11/10まで): Kindleストア

期限は上記タイトルにもあるように、「11月10日(木)まで」ですから、お求めはお早めに!


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

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