2016年10月25日
【完璧主義?】『がんばりすぎるあなたへ 完璧主義を健全な習慣に変える方法』ジェフ・シマンスキー
がんばりすぎるあなたへ 完璧主義を健全な習慣に変える方法
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、昨日取り上げた「学問の秋!海外白熱教室キャンペーン」の対象となっていた自己啓発本。私自身、良くも悪くも「完璧を目指す」傾向があるので、気になって読んでみた次第です。
アマゾンの内容紹介から。
「完璧主義者」は誉め言葉、それとも嫌なレッテル?ハーバード大学医学大学院の臨床心理学者が、つい“がんばりすぎてしまう”完璧主義には「健全なもの」と「不健全なもの」があることを明らかにし、自分自身に対する理解を深めて不健全な習慣を変える方法を教授。
なお、単行本は絶版なのか、中古が定価より高くなっているので、ここは上記のKindle版が正解かと。
Perfect / -= Bruce Berrien =-
【ポイント】
■1.健全な完璧主義、不健全な完璧主義、非完璧主義の違い完璧主義に苦しめられていると人々がいらだちをあらわにするとき(不健全な完璧主義)、私はだいたい解決策を提示するようにします(もっと健全な完璧主義者になれるように)。しかし健全な完璧主義、不健全な完璧主義、それに加えて非完璧主義の違いを無視すると、いつの間にか話が混乱してしまいます。(中略)
私の経験からいえばメリットがデメリットを上回り、自分の基準を満たすため努力して成功を収め、整理整頓がうまくできていれば、あなたは健全な完璧主義の範囲で機能しています。しかしあなたの行動や選択、戦略の背後にあるのが、ミスをすることへの絶え間ない恐怖、自分に対する疑いで、他人の期待に必死で応えようとしたり、自分で決めた基準に達しないのではないか恐れていたりと、デメリットが上回っていればそれは不健全な完璧主義です。非完璧主義者とはそこまで結果を気にしていない人間です。
■2.収穫逓減を学ぶ
「やればやるほど」にはかなりの努力と忍耐が要求されますが、それが実ればだいたいうれしい結果が出ます。あなたが人よりいい成績を収めるのは、この信念のおかげもあるでしょう。一番でいたいという意欲をおさえる必要はありません。ただし「やればやるほど」という戦略がいつもうまくいくとはかぎらないのです。(中略)
忍耐と対照的に、固執は最終的な目標を見失わせます。視野が狭くなって、すぐ目の前のことしか見えなくなるのです。目標に近づいているかいないかにかかわらず、同じ行動を続けてしまいます。「やればやるほど」というアプローチが裏目に出るようになったら、それは固執に陥っているというサインです。
■3.ミスを気にすると結果に影響する
自分のミスを振り返って「過ぎたことだ」と割り切るのは容易ではありません。多くの完璧主義者は、ミスをするとこんな考えで頭がいっぱいになります。■「ミスは致命的だ」しかし、ミスに対する過剰な心配は不健全な完璧主義の大きな特徴の一つで、さまざまな悪影響をおよぼします──仕事で燃え尽き症候群に陥ってしまうことさえあるのです。たとえば不完全なことに対して否定的な反応が強い教師は、仕事ができなくなって燃え尽きてしまう危険性が高いと報告されています。
■「ミスをしたら、私は怠け者で能力がなく注意力散漫なのだ」
■「私はミスをした人間に冷淡だった。それなら他人も、ミスをした私に同じ感情を抱くはずだ」(中略)
■4.時間と資源に限りがあることを意識する
時間と資源の限度について、こんなふうに考えることもできます。「英断」という言葉の意味は何でしょうか。あなたが人生で達成したいことのトップテンを書き出して、重要度の順に並べてみてください。ではリストの4番から10番を消しましょう。つまり、それらを追求したり時間をかけたりするのをあきらめるということです。人生のこれらの分野で達成感を得る機会をあえて捨てて、そのぶんの集中力とエネルギーをいちばん大事なことに注ぐのです。これらの活動や夢をあきらめて、あえて背を向けることで、10の項目に使おうとしていた時間とエネルギーはもっとも重要度の高い三つの項目に集中します。しかしリストの4番以降を手ばなすからといって、無駄だったと思う必要はありません。それらを切り捨てたり、軽蔑したりする必要はないのです。
■5.自分のものさしを基準にする
完璧主義に関する研究のもっとも大きな成果の一つは、自分を中心にした完璧主義と社会のものさしを基準にした完璧主義の違いを発見したことでした。自分を中心にした完璧主義では、自分で設定した高い目標を達成しようとします。いっぽう社会のものさしを基準にした完璧主義では、大きな期待を負わされていると感じて、その基準に到達したかどうかで評価されると思うのです。あなたの現在の状況がどちらなのかを調べるには、単純にこう自問自答してみてください。主人公は自分ですか、他人ですか? ある研究によると、他人の評価のほうが気になるというアスリートは(社会のものさしを基準にした完璧主義)、問題から逃避する傾向が強く、燃え尽きの危険も高いといいます。自分が主人公だと考えているアスリートは、トレーニングに際して問題解決に集中したアプローチを取り(「何がうまくいかないのか、目標を達成するには何を直したらいいのか?」)、燃え尽きの経験も少ないとのことでした。
【感想】
◆本書を読んでまず目に付くのが、「健全な完璧主義」「不健全な完璧主義」というフレーズでしょうか。上記ポイントの1番目に違いを挙げましたが、「不健全な完璧主義」とは、要は完璧主義であるデメリットがメリットを上回っている状態です。
その連略を具体的に列挙すると、こんな感じに。
・長時間がんばれば、集中して忍耐強くやっていることになるあー、いくつか思い当たるフシがある自分w
・昔うまくいっていた戦略を使い続ける
・別の方法が見つからないので、知っていることにしがみつく
・戦略にともなう負担を無視あるいは軽視する
・戦略がうまくいくと信じ込む
◆なかでも「不健全な完璧主義」にありがちなのが、上記ポイントの2番目にある「やればやるほど」という考え方です。
あるところまでは効果があったとしても、段々とワリが合わなくなってくるもの。
たとえば最初の1時間でミスの80%を発見したものの、全部で4時間作業にかかってしまうようでは、「不健全な完璧主義」なワケです。
……もちろん、何らかの手術のように、1つでもミスがあったら困るような場合は除きますが。
◆また注意しなくてはならないのが、上記ポイントの3番目の「ミスを気にすると結果に影響する」というお話。
「1つのミスも許さない」と思うことは、かえって悪影響をもたらしてしまいます。
たとえば、社長が自分自身や社員のミスを気にし過ぎていたら、思い切った決断ができません。
新規事業を行うか否かを検討する際に、失敗を恐れていたら、前向きな判断ができるわけがないのは当然でしょう。
◆実際、完璧主義とは、スケールの両端を「健全」と「不健全」としたら、各人ごとにそのどこかに位置すべきもの。
本書の第1章では、行動や感情、思考、人間関係等の項目ごとにスケールを設置し、それに回答することで、自分の「完璧主義」の傾向を分析するようになっています。
また似たようなエクササイズは他の章にもあって、たとえば第7章の「ABC」ランキングは、上記ポイントの4番目の「時間と資源」を意識するのに役立ちそうな(詳細は本書を)。
いずれにせよ本書は、「完璧主義」の良いところを伸ばし、問題点を改善してくれる、という点で個人的には有意義でした。
お求めになるなら、セール期限である27日までに!
がんばりすぎるあなたへ 完璧主義を健全な習慣に変える方法
第1部 完璧主義を理解する
第1章 さまざまな完璧主義
第2章 完璧主義のプロフィールを作る
第3章 自覚だけでは変化を起こせない
第2部 健全な完璧主義を最大限に伸ばす
第4章 完璧主義が悪いのではない
第5章 収穫逓減(しゅうかくていげん)を学ぶ
第6章 ミスを戦略的実験に変える
第7章 人生を吟味する
第8章 キリストも弟子が必要だった
第9章 仕事熱心の功罪
第10章 全体のまとめ
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【編集後記】
◆本日の「Kindle日替わりセール」から。ハワイの女神ペレに導かれて ビジネス未経験の専業主婦を成功させたホ・オポノポノ式経営
「75%OFF」ということで、送料加味した中古より1000円弱お買い得となっています。
内容紹介を見る限り、起業本というより自己啓発っぽいんですが、果たして!?
ご声援ありがとうございました!
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