2016年10月24日
『鬼速PDCA』が想像以上に凄い件について
鬼速PDCA
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事でも人気が集中していた1冊。以前『大富豪が実践しているお金の哲学』が、当ブログの月間ランキング入りした冨田和成さんが、まさかこんな実践的な仕事術本を出されてくるとは思いませんでした。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
実は誰もその本当のやり方を知らないPDCA……。
だからこそ、しっかり回せるようになるだけで、周囲からの評価が大違い。
その上、PDCAを鬼速で回せるようになったのなら、上司・先輩、その他まわりのほとんどの人を抜き去って成長できるでしょう。
鬼速PDCAで、手つかずの重要案件・止まりがちなチームが、すべて10倍速で動き出します。
今年度きっての本格派ビジネス書。ぜひご一読ください。
思わず付箋も貼りまくり!
なお、上記未読本記事の時点ではなかったKindle版も、本日から配信されております。
また、タイトルは「ホッテントリメーカー」作なんですけど、まさに気持ち的にはその通り!?
Figure_PDCA / yyq123
【ポイント】
■1.PDCAサイクルには階層があるPDCAサイクルと聞いて想像する、丸く表現された一般的なPDCAのイメージだけを見ると、PDCAサイクルはあたかもプロジェクトべースでひとつだけ回っているような印象を受ける。
これもありがちな勘違いであり、PDCAがわかりにくい原因でもある。
実際には、あらゆるPDCAには、さらにそれを含む上位のPDCAと、それを細分化した下位のPDCAがある。
さながら仏教での「マンダラ」のようなイメージだ。
私は上位で回っているものから大PDCA、中PDCA、小PDCAと呼んでいる。相対的なものなので、どの規模から「大」なのかといったことは気にしなくていい。
■2.「因数分解」をするときの7つのポイント
(1)抽象度を上げてから分解する
(2)5段目まで深掘りする
(3)1段目だけはMECEを徹底する
(4)切り方に悩んだら「プロセス」で切る
(5)簡単な課題は「質×量」で切る
(6)とにかく文字化する
(7)マインドマップで鍛える
(詳細は本書を)
■3.DOを定量化すべく「KDI」を設定する
「KPI(Key Performance Indicator)を決めてDOも決めたのなら、さっさと行動すればいいだけじゃないか」という指摘もあるだろう。
ではなぜKDI(Key Do Indicator)が必要なのか?
それは結果(KPI)は簡単にコントロールできるものではないからである。
売上目標というKPIを設定したとしても、自分が気付いていない外的要因が潜んでいる場合もあるだろう。必ずしも100%の行動が100%の結果を生むとは限らない。それに結果が出るまでのタイムラグが発生するものがほとんどであるのだ。
一方で、行動はやるかやらないか、できるかできないかの話なのでコントロールしやすい。もちろん行動の成果がKPIに表れない事態もあるかもしれないが、かといって行動をしなかったら当然KPIも動かない。だから自分が確実に行動に移しているかどうかを見える化し、逐一チェックすることが重要なのである。
■4.タイムマネジメントの3大原則
(1)捨てるあくまでも、この順番で行うことがポイントだ。
(2)入れかえる
(3)圧縮する
マルチタスクというと、いまの時間の使い方を効率的にするために時間を圧縮することを真つ先に考える人がいるが、それは順番的には最後に行えばいい。または新しいDOと既存のDOの優先度を比較してスイッチングをすることも考えられるが、それは2番目でいい。
真っ先に考えるべきは「いま抱えているDOで捨てられるものはないか?」である。
それが一番簡単で効果があるからだ。
■5.PDCAを鬼速で回す10個のポイント(抜粋)
●因数分解で精度の高い仮説を立てる
●常にインパクトの大きい課題、行動から着手する
●行動目標も必ず数値化
●TODOの進捗管理は毎日行う
●こまめに検証を行う
●小さいPDCAを同時に多く回す
(詳細は本書を)
【感想】
◆冒頭の内容紹介で「今年度きっての本格派ビジネス書」とありましたが、なるほど確かにかなり「濃厚」でした。付箋の画像の状態から、上記では5つしか抜き出していないのですから、必然的に割愛しまくり。
たとえば上記ポイントの2番目の部分では、「7つのポイント」の「見出しだけ」挙げましたが、本文では当然それぞれについて解説しています。
実は今回、その部分だけで全部で8か所ほど付箋を貼ったものの、ほかとは階層が違うので、それらは泣く泣くカットしました。
……いつもの基準だと、1つ2つは抜き出したいくらいなんですけどね。
◆また上の階層でも当然大量に割愛しており、中でも興味深かったのが「世間が抱くPDCAの6つの誤解」なるもの。
たとえば、その1つが「簡単だと思っている」ということで、実際、本書の担当編集者は企画段階で「PDCA? ずいぶん地味なテーマだよね。いまさら売れるのかな」と言われたのだそうです。
……そう言った人物が、果たして出来上がった本書を読んでから同じことを言えるのか、激しく疑問なワタクシ。
そもそもPDCAは対象を選びませんし、ビジネスから恋愛まであらゆるシーンで活用できるものです。
さらに本書いわく、PDCAは、「個別のビジネススキルとはまったく別の次元にある」、とのこと。
確かに営業でも英語でも、なんらかしらのスキルを向上させようと考えたら、事前にPDCAスキルを身につけた方が、はるかに効率的に成果が上がりそうです。
◆たとえば、著者の冨田さんは、新卒時に野村証券に入って「数々の営業記録を樹立」したのですが、それもPDCAあってこそ。
アプローチの仕方、アポの取り方など、契約に至るまでのプロセスをすべて分解した上で、それぞれPDCAを回すようにしたのだとか。
ちなみに冨田さんが社会人1年目のときの、上記ポイントの1番目でいうところの「大PDCA」は、「1年目の営業成績で、全国の3年目までの営業マンの中でトップに立つこと」。
それを分解した「中PDCA」としては、「新規開拓200件」のようなものがあって、その下にもっと細かい「小PDCA」があるワケです。
なお、その「小PDCA」のなかでも、当時飛び込み営業をしていた冨田さんにとってのもっともクリティカルなPDCAは「受付突破」でした。
最初の1年目は、この「受付突破」の「小PDCA」しか回していなかったものの、それで結果的に「大PDCA」が達成できたのだそうです。
この「受付突破」の「小PDCA」は、PDCAのまわし方の簡単な具体例として本書の第1章にて紹介されていますので、気になる方はそちらでご確認を。
◆もちろん第2章以降でも、冨田流の「PDCA」が詳細に述べられております。
たとえば「KPI」なんて用語も、意味としては分かっていても、いざ自分事にできるかというと、怪しい方も多いハズ。
それを本書では、設定の仕方から、その達成するための解決策の考え方まで、細かく指南してくれています。
ちなみに、ここでの解決策は、具体的なアクション(DO)へと分解され、さらに具体的なタスク(TODO)にまで落とし込まれる仕様。
そしてその際は、上記ポイントの3番目にあるように「KDI」をも設定するワケです。
……なんとなく私にもできそうな予感!?
◆本書の場合、私が得意な「実践できるところが1つでもあれば」という「つまみ食い」的な読み方はそぐわない感じです。
ただし、ザーッと通して読んで、実際にイチから実践していただければ、必ず効果は出ると思われ。
さらに、それを補助するための「PDCAツール」(「個数棚卸しシート」「鬼速進捗管理シート」「ルーチンチェックシート」等)も、Web上にしっかり用意済み!
よくある「メアド登録しないとダウンロードできない」タイプではなくて、直接落とせるタイプだったので、私もしっかりゲットしましたw
私もこのブログのSEOが、ここ数年来激弱なのを何とかすべく、試してみたいと思う次第です。
これはオススメせざるを得ません!
鬼速PDCA
はじめに
1章 前進するフレームワークとしてのPDCA
2章 計画初級編:ギャップから導き出される「計画」
3章 計画応用編:仮説の精度を上げる「因数分解」
4章 実行初級編:確実にやり遂げる「行動力」
5章 実行応用編:鬼速で動くための「タイムマネジメント」
6章 検証:正しい計画と実行の上に成り立つ「振り返り」
7章 調整:検証結果を踏まえた「改善」と「伸長」
8章 チームで実践する鬼速PDCA
おわりに
付録 鬼速PDCAツール
10分間PDCA記入例
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【編集後記】
◆本日の「Kindle日替わりセール」から。描きながら考える力 〜The Doodle Revolution
以前のセールでも見かけたことはありましたが、さすがに「78%OFF」はなかったような?
おかげで送料加味した中古よりも、1400円弱もお買い得です!
ご声援ありがとうございました!
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