2016年10月20日
【意志力】『子育ては心理学でラクになる』DaiGo
子育ては心理学でラクになる
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、10月の「Kindle月替わりセール」の中でも、お買い得な1冊。お馴染みメンタリストDaiGoさんが、「子育て」というテーマに挑戦されています。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
「すべての超常現象は科学的に再現できる」を信条に脅威のパフォーマンスを見せるメンタリスト・Daigoが初の子育て本を。「一般的な子育て本とは異なり、お母さんの人生をより豊かなものにする心理学も盛り込みました」(本文より)と、子育て中のトラブル、将来設計等を科学的に検証、心理学に基づいてアドバイスを。これさえ読めば子どもにガミガミ怒らなくてもよくなりますよ。
なお、現時点で単行本の中古自体が定価を超えていますから、やはりここは上記のKindle版をオススメしたく……。
_MG_2097 / Yachichurova
【ポイント】
■1.決めたことをやり通すには、意志力が必要なぜ「やらなければならないことがある」とわかっているのに、やる気になれないのでしょう。それは目の前にある楽しいほうを選んでしまったから。片づけよりも遊び、勉強よりもマンガ、そして面倒なことはいつも後回し…。
どんなに楽しそうなことや、おもしろそうなものが目の前にあったとしても「やるべきことは、きちんとやる力」が子どもには必要です。それがあれば、面倒なことを後回しにすることも、「指摘されて逆ギレ」することもありません。
つまり。子どもが「やらなければならないことを、きちんとやる」ことができればいい。このように決めたことをやり通す力を「意志力」と呼びます。
■2.子どもを変える前に、まず親から
考えてください。やるべきことをやらない子どもを変えようとしても、それはストレスがたまるばかりでさっぱり効果が上がりません。ほとんど「言うだけムダ」です。(中略)
ところが、親である自分自身を変えようとするのは簡単です。自分で決め、実行すればいいだけですから。
その姿を見せることであなたの意志力が子どもに感染し、子どもの意志力が高まり、マシュマロを我慢した子のように将来の成功が見えてくる。
これ以上簡単で、効果的な方法はないですよね。
・誘惑に負けず、自分が決めたことをやり遂げること。
・自分の望みを見失わず、それに向けて実践できること。
こんな子どもになってほしいと願うなら、まず始めるのは自分自身のチャレンジ。よりよい自分になるばかりか、子どもまで成長を遂げる一石二鳥の方法です。
■3.「とりあえずボックス」でぐずぐずを断ち切る
やらなければならないことの前に、違うことに一時避難してしまうことを"自らにハンディキャップを課し、失敗したときに言い訳ができるようにしておく"という意味で「セルフ・ハンディキャッピング」と言います。「勉強ができないのは僕のせいじゃない。掃除をしなきゃいけなかったからなんだ」というわけです。
こうした行動が出てくる場合、「とりあえずボックス」をおすすめします。
100均で売っている大きめの箱を用意して、勉強に関係ないものを問答無用で箱の中に入れてしまうのです。
読みかけの本やマンガ、ゲーム、スマートフォンなど、机の上をざっとなぎ払うようにして入れる。どさっと派手な音が立つくらいがちょうどいいでしょう。その大げさな行動と派手な音が、「これから勉強するぞ」という前向きスイッチを入れるきっかけになります。
■4.普段から子どもの話をよく聞く
もしかすると、学校に行きたくないのは、いじめられているせいかもしれまん。塾に行きたくないのは、授業内容がまったく理解できないせいかもしれません。これらの理由を理解しない限り、「どうやってサボらせないか」を考えても、小手先の対処法になってしまいます。(中略)
しかし、多くの親がやりがちなのは、「親子コミュニケーション」の名を借りたお説教。先の例で言えば「学校に行きたくない気持ちはわかるわ。でも学校を休むとね…」と理詰めで諭すことでしょう。子どもの気持ちに寄り添おうとせず親の意見を押しつける行いは、子どもが心を閉ざす最大の原因です。
まずは普段から子どもの話をよく聞くこと。考えてみれば、大人だって自分の話を聞いてくれない相手に、悩みを打ち明けたりはしないはず。「話を聞いてもらえること」で、人は心を開くのです。
■5.子どもを受け入れ肯定する
たとえば今まではテストの最高点が95点だったとします。そして、次こそは100点! と毎日猛勉強を重ね続けた結果、次のテストで98点を取ったとしましょう。 (中略)
ここで親が「たった2点を落とすなんて…」と否定したら、子どもの中にあった「がんばったから点数が上がった」という誇らしさは跡形もなく消え去ります。代わりに浮かぶのは「次こそがんばる!」ではありません。「あんなにがんばったのに」という悲しさです。これが続くと、子どもはがんばること自体、やめてしまうのです。「どうせ親は満足しない」と思ったら、がんばる意味がないからです。
反対に「すごい! がんばったもんねぇ。だから3点もアップしたんだね!」と全面的に肯定したら、どうでしょう。もしもその後で「でも、あと2点で100点だったのに、惜しかったねぇ」と残念な気持ちを表わしても、受け止め方はまったく違います。
【感想】
◆あのDaigo氏が書いた「子育て本」というので、読む前はてっきり「メンタリズムで子どもの心を探る」ような内容かと思っていましたが、全然違いましたw本書のメインテーマは、記事タイトルの冒頭にも付した「意志力」。
上記ポイントの1番目や2番目を初めとして、本書内では「意志力」ないしは「ウィルパワー」というフレーズが頻繁に出てきます。
そしてその元となっているのが、巻末の参考文献の初っ端に登場し、当ブログでも何度かご紹介しているこの本なのですが。
WILLPOWER 意志力の科学
……読むタイミングを逸して、いまだ未読なワタクシ(すいません)。
◆実際、意志力の強い子どもは、「やらなくてはならないことを、きちんとやる」ことができます。
「使わないおもちゃを片づける」「マンガを読まないで勉強をする」等々。
こういう子どもであれば、親もガミガミ言う必要はありません。
では、どうしたら意志力の強い子どもになるかというと、上記ポイントの2番目にあるように「まず親が意志力を強くする」べし。
なぜなら、こうした考え方や習慣は、周囲(親子、友達等)から感染するから。
なお、この「意志力は感染する」というお話は、当ブログでもご紹介済みのこの本にあるようなのですが、記憶になく(ダメじゃん)。
スタンフォードの自分を変える教室 スタンフォード シリーズ
参考記事:【オススメ!】『スタンフォードの自分を変える教室』ケリー・マクゴニガル(2012年11月02日)
この指摘は、個人的には「目からウロコ」と言うか、おそらく他の子育て本では、あまり言われていないことだと思います。
◆ではどうしたら「親の意志力」を強くできるか、という話も本書には収録されているのですが、一義的には「子育て」とは違うので、今回は割愛しました。
具体的には「睡眠」ですとか「食事」「姿勢」「瞑想」等々のTIPSが収録されていますので、詳細は本書にてご確認を。
それよりはむしろ、上記ポイントの3番目にあるような具体的な「子育てネタ」の方が、本書を読まれる方には有益だと思います。
ちなみにこの「とりあえずボックス」のお話は、第3章の「勉強がはかどる3つの激安ツール」のうちの1つで、残り2つは「鏡」と「付箋」。
どれも確かに「激安」で揃えることができますから、試してみてもいいと思います。
また、「激安ツール」としては挙げられていませんでしたが、「勉強が終わったらカレンダーにシールを貼る」という方法は、公文等でも行っていますし、効果がありそうな。
◆一方第4章は「やる気を引き出すコミュニケーション」ということで、上記ポイントの4番目と5番目はこちらからの引用です。
他にも割愛したTIPSとして「子どもの心を閉ざす3つのNGワード」は、個人的に気を付けたいところ。
その中の1つである「後にしてくれる?」というのは、私も時たま言っているので、これは注意しなくては。
本書で言われている「思い詰めた末の告白」ではなかったと思うので、大丈夫だと思うのですが……。
これとは逆に「やる気を引き出す7つの言葉」は、積極的に使っていきたいもの。
その中の1つである「ありがとう」は、子どもが使う習慣をつけるは当然としても、私自身が子どもにあまり行ってなかったので、反省いたしました。
◆なお、最後の第5章はマインドマップが登場するのですが、厳密な意味でのマインドマップとは違うので、あらかじめご承知いただきたく。
ただし「子どもの興味」や「子どもの態度」「理想の未来」をセンターに置いて、3段階(階層)で広げていく、というやり方は、漠然と枝を伸ばしていく「本来のマインドマップ」より、効果があるかもしれません。
いずれにせよ、純粋な「子育て本」とは少々違うのが本書の特徴であり、それがゆえに「子育て経験のない人が子育て本を書くべきではない」といういくつかのアマゾンレビューは、少々的外れだと思います。
むしろ、こういう「新たな視点」から「子ども」や「親子関係」を見直すことができる意味で、本書は一読の価値はあるかと。
……今月中ならKindle版は400円ですしねw
親子そろって「意志力」を高める1冊!
子育ては心理学でラクになる
1章 なぜ子育てに心理学が必要なのか
2章 イライラしない子育ての秘密が明らかに!
3章 集中できる子ども部屋のつくり方とは?
4章 やる気を引き出すコミュニケーション
5章 将来の可能性を広げるマインドマップ
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【速報!】最強のビジネス本「影響力の武器」の[第二版]がいよいよ登場!!(2007年08月18日)
【編集後記】
◆本日の「Kindle日替わりセール」から。数字力×EXCELで最強のビジネスマンになる本
今年1月末に出ただけあって中古もまだ値崩れしておらず、送料加味してもKindle版が700円ほどお買い得です。
なお下記レビューでも触れたように、よくある「Excel指南本」というより「数字分析本」の傾向が強いので、ご留意ください。
参考記事:【数字力】『数字力×EXCELで最強のビジネスマンになる本』田中耕比古(2016年02月02日)
ご声援ありがとうございました!
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