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2016年10月19日

【働き方】『逆境力の秘密50 何があっても打たれ強い自分をつくる』ジョン・リーズ


逆境力の秘密50 何があっても打たれ強い自分をつくる
逆境力の秘密50 何があっても打たれ強い自分をつくる


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事にて注目していた自己啓発書

先月ご紹介した『どんなときも絶対折れない自分になる 自信の秘密50』に続く、イギリスで話題の「シークレット・シリーズ」の第2弾が登場です!

アマゾンの内容紹介から。
困難な状況を上手に切り抜けるだけでなく力強く成長する―これをレジリエンスという。レジリエンスは、習得し、開発し、強化することができる。仕事だけでなく、健康で幸せな生活のために必要な力を本書で手に入れてほしい。

なお、Kindle版なら新刊であるにもかかわらず、「20%OFF」とお買い得です!





RESILIENCE / {Guerrilla Futures | Jason Tester}


【ポイント】

■1.うまくいっていることに目を向ける
 航空機のパイロットの訓練生は、緊急事態のとき、何が機能しなくなったのかではなく、まだ機能しているシステムをすばやく把握し、どれを使えば安全に着陸できるかを判断するように教えられる。過去(すでに起こったこと)から将来(次に起こりうること)へ迅速に意識を切り替え、事態を分析したり自分を責めたりしている場合ではない、という事実を叩きこまれる。この訓練は、すでに失敗したことから、まだ失敗していないことに意識を切り替え、乗客を滑走路に降ろすには何が使えるかに全神経を集中させることを教えてくれる点でもきわめて重要だ。


■2.パニックに陥った人の言い分を信用しない
 何か大事なものをなくして、「どこもかしこも探したのに!」と悪態をついたときのことを思い出してほしい。それが見つかりそうにない場所は、最初から探しもしなかったのではないだろうか。冷静な人がものを見つけられるのは、先入観が少ないため探す場所を限定せず、見ているのに気づかないといったことになりにくいからだ。
 切迫した状況下で提供された情報についても同じことが言える。IT機器のカスタマーサポート担当者が「プリンターは電源につながれていますか?」と聞いてくるのは、いら立っている人は当たり前のことが目に入っていないからだ。だからこそ、なくしたファイルがよく見える場所にあったり、鍵がちゃんと引き出しにしまわれていたりする。慌てた人の情報には誤りもある。顧客が大事な荷物を受け取っていないなら、郵便物の担当部署や郵便配達人を責める前に、注文が伝わったかどうかを調べてみる価値はある。


■3.被害者モードから抜け出す
 誰かがあなたを虐げようとした場合、あなたは客観的には、ある行動の受け手という意味において被害者だ。しかし、あなた自身が自らその立場を選ぶこともある。テクノロジーが進歩したせいで、あるいは大学に行けなかったから、自分は取り残されたのだと考える人もいる。あるビジネス上の決断の犠牲になったと考える人もいるかもしれない。被害者になり、被害者でいつづけることを選択しているのだ。そういう人は、人生について運命論的な見方をしていることが多い。どんな解決法を提案しても「ですが……」と反論する。彼らは往々にして、健康で幸福な生活に向けて最後まで努力できたためしがなく、それどころか、挫折感をさらに深める新たな状況を自分でつくり出すこともある。


■4.心配を先延ばしする
 ある心理療法的アプローチを学ぶ学校では、もっとうまく対処できるときが来るまで心配を先延ばしにするよう提案している。心配事は、頭から追いだすより先延ばしにするほうが簡単なのだ。
 将来、心配になるかもしれない出来事は、早いうちにその兆候を察知できるようにしよう。日記にメモを残し、1日のうちで自分が比較的建設的になれることがわかっている時間帯に心配するようにしよう。「銀行のローン」「ノルマ」のように一言書き留めておくだけでいい。心配はできるだけ冷静なときにすると、問題がずっと小さく見え、解決法がはっきりすることが多い。


■5.手助けを頼むときの10のヒント(抜粋)
●なぜ手助けを頼むのかを明確にする。情報や知識を求めているのか? 何かの方法を知りたいのか? 励ましやフィードバックを求めているなら、正直にそう言おう。

●躊躇しない。手助けを頼むなら早く頼もう。仕事を任されたら、何が障害や問題になるかを考えよう。どのように切り抜けるかを時間をかけて考え、無理だと判断したら早めに相談しよう。

●どんな手助けを必要としているかを明確にする。「プロセスを最初から順に話していただけませんか」と言うほうが、「何から始めたらいいのか、さっぱりわからないのです」と言うよりわかりやすく、ダメージも小さくてすむ。

●しかるべく感謝の意を伝える。ここでも芝居がかった言い方は避け、どれほど助かったか、その結果として何を達成できたかを明確に伝えよう。

(詳細は本書を)


【感想】

◆冒頭の未読本記事でも申し上げたのですが、本書をリアル書店で見かけたとき、てっきり前著のこちらだと思い、既読のツモリでスルーしてしまいました。

どんなときも絶対折れない自分になる  自信の秘密50
どんなときも絶対折れない自分になる 自信の秘密50

参考記事:【自信】『どんなときも絶対折れない自分になる 自信の秘密50』リチャード・ニュージェント(2016年09月17日)

表紙のデザインや色使いがまったく一緒ですから、タイトルを覚えていなかったら、見間違えても当たり前でしょう(言い訳)。

実際、テーマこそ違えど、50の項目ごとにまとめられ、終わりにそれぞれ「まとめ」が付されている仕様も前作と同じです。

……相変わらず「章分け」がされていないため、50項目が並列状態なのは、どうかと思いますが。


◆ちなみに、今回試しにKindle版を買ってみたところ、単行本だと各ページの下に横書きの小さな字で記されていた「名言」が、項目見出しの次に、本文と同じ大きさで載せられていました。

ぶっちゃけ単行本の名言のスタイルだと、見落としたり流してしまいそうだったのですが、Kindle版だと本文と同じ扱いのようで、漏れなく読むことができる仕様というw

ただし、本書は前作以上に付箋を貼りまくる代わりに、Kindleで「ブックマーク」したところ、とんでもない量になったのですが、視覚的には明らかにできず、残念なことに。

今まで、付箋を貼りまくった画像をご覧になって、本の内容の濃さを推しはかっていた方にとっては、Kindle版でのレビューは、今後も申し訳ないことになりそうです。

……実は、Kindleのハイライト部分がWeb上に反映されるのに、以前は平気で24時間以上かかっていたのが、最近数時間で済むようになったので、今後Kindle本を読む機会が増えそうな気が。


◆さて、内容については、原題が『Secrets of Resilient People: 50 Techniques to Be Strong』ということで、いわゆる「レジリエンス」がテーマです。

本書では「レジリエンス」を「逆境力」と呼んでいますが、具体的には
人におけるレジリエンスとは、立ち直る能力を意味する。ビジネスで言うなら、危機的な局面に陥ったのち、通常業務を再開する能力ということになる。
とのこと。

一応当ブログでは、レジリエンスの第一人者であるアル・シーバート博士のこの本(の旧版)をレビューしておりますが。

逆境を生かす人 逆境に負ける人
逆境を生かす人 逆境に負ける人

参考記事:【ストレス耐性】「凹まない人の秘密」アル・シーバート(著) 林田レジリ浩文(翻訳)(2008年04月24日)

博士の本が、より「自己啓発」寄りなのに対して、本書はビジネスシーン寄りな感じ。

そのせいもあって、より多くブックマークしたのかもしれません。


◆今回、割愛した部分が非常に多かった中でも、特に興味深かったのが「感情と事実には別々に対処する」というTIPS。

たとえば、職場で「事実について話しているふり」をして、もしくは「自分では事実を話していると確信」しながら、実は感情を表現する人がいます。

具体的には「私はいらいらする」と言わずに「いらいらさせられる状況だね」と言って話を一般化したりとか、「私にとって一番楽な解決法は……」と言わずに「解決法としてわかりやすいのは……」と、一見論理的な言葉を使う等々。

難しい問題について討論をする場合であれば特に、感情と事実をごっちゃにさせず、とりあえず「事実」は横に置いて、まず「感情」について話し合うと良いのだそうです。

そしてその際注意すべきなのが、「相手に対する批判を口にしない」こと。

「君には腹が立つ」などと言わずに「あなたがXと言ったので、私はYだと思った」と言うようにすれば、角を立てずに言いたいことが伝えられるかと。


◆本書に収録されているのは、上記のTIPSもそうですが、厳密な意味での「レジリエンス」というよりは、幅広い意味での「仕事術」も多いです。

ただ、やはり特に深く掘り下げているのが、タイトルにもある「逆境」における対処の仕方。

上記ポイントの1番目や2番目のTIPSを知っているのといないのとでは、いざ、という時に、大きな違いが出てきそうです。

私自身、本書を読んでいれば、と思わせられる経験を何度か積んでいるだけに、若い方にもおすすめしたく。


「ぬるま湯」な職場以外の方は要チェックです!

逆境力の秘密50 何があっても打たれ強い自分をつくる
逆境力の秘密50 何があっても打たれ強い自分をつくる
レジリエンスのレベルをチェックする
失敗を糧に前進し、後退しない
うまくいっていることに目を向ける
事実に意識を集中する
見方の枠組みを変える
被害者モードから抜け出す
過去に立ち直った経験から学ぶ
自分を責めるのは慎重に
“午前2時の声"に耳を傾けない
心配するのをやめる〔ほか〕


【関連記事】

【自信】『どんなときも絶対折れない自分になる 自信の秘密50』リチャード・ニュージェント(2016年09月17日)

【メンタル】『なぜ、一流の人はハードワークでも心が疲れないのか? 実践版「レジリエンス・トレーニング」』久世浩司(2014年11月03日)

【ストレス耐性】「凹まない人の秘密」アル・シーバート(著) 林田レジリ浩文(翻訳)(2008年04月24日)

【ライフハック】『メンタルが強い人がやめた13の習慣』エイミー・モーリン(2015年08月28日)

「その科学が成功を決める」がもっと評価されるべき5つの理由(2010年03月23日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

「ない仕事」の作り方 (文春e-book)
「ない仕事」の作り方 (文春e-book)

この本、fujiponさんのレビュー読んで良さげだったので、買おうかどうか迷ったんですよね……。

中古がそこそこ高いんで、今日に限ってKindle版の方が700円以上お得な計算になります。

私も昨日に続いて、積読覚悟でアタックしたのですがw


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

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