2016年10月11日
【アクション言語?】『人を動かす言葉の技術』黒川裕一
人を動かす言葉の技術 中経出版
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、先日の「ニコニコカドカワフェア 2016」の対象作品だったコミュニケーション本。フェア自体は7日に終了したのですが、koboが10月31日まで開催しているためか、現在「46%ポイント還元」と再びお買い得となっています。
アマゾンの内容紹介から。
自分の考えを100%伝えきる「アクション言語」を身につけろ! 「このテク」で相手は必ず動く! このやり方、わかるよね? ではなく、これ、次は一人でできる? 話を前のめりで聴いてもらえる! 一発で「わかりました」という返事がくる! 提案をスルーされなくなる!
なお、現在Kindleは色々と予算不足であり、公式セール以外はいつ終わっても不思議ではないので、気になる方はお早めに!
Instruction / Guardian Elite
【ポイント】
■1.あいまいな言葉を使わないたとえば、「わからなかったら手を挙げてください」という呼びかけは、どんな教室でもほぼ確実に行われているはずです。しかし、一体何人の子供が、「わかりません」と実際に手を挙げるでしょうか。 (中略)
子供たちが手を挙げない理由は、簡単です。「わからない」というのがどういう状態を指すのか、はっきりとしないからです。「わからない」という言葉があいまい過ぎるのです。
そこで、ひなみ塾では、こう呼びかけます。
「問題を解いていて手が止まったら、手を挙げてください」
これならば、あいまいさはありません。手が動いているか止まっているかは、誰にでもはっきりとわかるからです。だから、子供たちはみんな手を挙げてくれます。
■2.命令文にできるかどうか
では、具体例を使って考えてみましょう。まずは「わかる」からです。
この言葉は、誰が聞いても理解できる言葉でしょうか? 確かに、漠然とイメージは浮かびます。皆目見当がつかないということはありません。しかし、「何をもってわかったと判断するのか」がはっきりしなければ、わかったかどうかは本当のところ確認できません。
この意味で、「わかる」という言葉は、このままでは誰にでもきちんとわかるものにはなりえないのです。
次に、これを命令文にしてみましょう。
「わかれ!」
これが無意味な命令文であることは、はっきりしています。「わかれ!」と言われても、言われたほうは対応しようがありません。「わかってくれよ……」と泣きつかれると困るのも、これが原因です。つまり、「わかる」は体で実行できない言葉なのです。
■3.「ふわふわ言葉」⇒「アクション言語」一覧表(抜粋)
●「わかる」⇒「自分ひとりでそれを(再現)できる」
●「シンプル」⇒「目的に沿って順位の低いものが全部削られている」
●「伝える」⇒「こちらが求めるリアクションを相手が返すのを確認する」
●「集中力」⇒「目的達成まで、全速力を継続・反復する力」
●「できる」⇒「同一もしくは類似のことをやったことがある」
(その他は本書を)
■4.アクション言語化のフローチャート
Step 1 する化[核となる言葉を動詞にする]
↓
Step 2 が・を化[主語と目的語をはっきりさせる]
↓
Step 3 見える化[主語・動詞・目的語を目で見て(五感で)確認できるものに切り替える]
↓
補助ツールによって、さらに「見える化」
(詳細は本書を)
■5.使える! 7つの補助ツール
A 基本の2ツール(1)リアクション化 (2)ゴール化B 最もよく使う3ツール(3)極端化 (4)5W1H (5)数値化C 奥の手の2ツール(6)比較対象 (7)比喩(詳細は本書を)
【感想】
◆後半は「詳細は本書を」ばかりになってしまい、申し訳ございません。とはいえ本書の構成は、Chapter 1で「アクション言語」を解説した後は、Chapter 2以降、具体例ごとの「ふわふわ言葉」から「アクション言語」への変換の紹介が中心となっており、全体としてまとめるのは難しい仕様です。
たとえば「分かった?」という「ふわふわ言葉なら」、上記ポイントの4番目のフローチャートのStep 1でいう「動詞化」はできていますが、「もっとシンプルにして!」だと、まずそこからして考えなくてはなりません。
結果「削る!」という「動詞化」はできますけど、「そもそも『シンプル』ってどういうこと?」と、次なる疑問が。
そこでStep 2の「主語と目的語をはっきりさせる」で、「余計なものを削る」となり、さらにStep 3の「見える化」で、「優先順位の低いものを削る」と、いったんは落ち着きます。
◆さらにそこから、上記ポイントの5番目の「7つの補助ツール」によって、「見える化」を推進。
ツール(3)の「極端化」を使って、優先順位の低いものは「全部」削ることにし、同時にツール(2)の「ゴール化」によって「そもそも何を基準にして優先順位をつけるのか」考えた結果、「目的に沿う」と決まりました。
そこで最終的に、「ふわふわ言葉」である「もっとシンプルにして!」をひと言で言うなら、「目的に沿って、優先順位の低いものを全部削って!」となった次第。
ちなみに上記ポイントの3番目の一覧表にある「アクション言葉」は、皆、このような手順をそれぞれ踏んで作られています。
つまり、省略されるStepがあったり、使うツールが事例によってまちまちなんですよね。
それゆえ、TIPSとして挙げるとするなら、上記ポイントの3番目から5番目に挙げた「一覧表」「フローチャート」「ツール一覧」になってしまったという……。
◆一方、本書のChapter 3では、「アクション言語」に置き換えるためのエクササイズが。
というのも、「アクション言語」を本当に使いこなせるようになるには、「数日」や「2週間」のような短期間ではなく、少なくとも数か月は必要だから。
そこで、日々の生活の中における「ふわふわ言葉」を「アクション言語」に置き換える練習をしてみます。
ちなみに、ここで登場するのは「テレビドラマ(の台詞)」「広告」「電話対応」「営業」等々。
注意すべきは、相手に対する「依頼、助言、指示」なので、これは私たちも日頃から意識しておきたいところです。
◆確かに私自身も、子どもに向かって「しっかりやって」とか「これ分かった?」などと無意識のうちに言っている気が。
そりゃ子どもだって、あいまいに聞かれたら、上記ポイントの1番目にあるように、答えようがありません罠……。
これはもちろん、仕事上でも同じことで、依頼したことがうまく伝わっていなかったり、指示したことが理解されていなかったら、相手のことを疑う前に、まず、自分の「言葉」を鑑みるべきだな、と。
逆に、上司からあいまいな指示を出されたら、カドが立たない程度に「アクション言語化」して、確認しておくべきだと思います。
◆ただ、本書を読んで思ったのは、上記ポイントの3〜5番目ようなTIPSを知っていたとしても、私たちの置かれた状況が、それぞれケースバイケースだろうな、ということ。
たとえ本書を読んで「おぉ、なるほど!」となったとしても、いざ自分の例に置き換えようとした場合、ほぼ同じ状況でもない限り、「自分で考える」必要があります。
この辺は、上記でも言われているように「数か月単位」で慣れる必要があるわけで、ある程度は場数を踏まなければならない模様。
本書を「ただ読むだけ」で、すぐにできるようにはならない(もちろん、読まないより圧倒的に改善されると思いますが)ので、あらかじめご了承ください。
お求めになるなら、ポイント還元中に!
人を動かす言葉の技術 中経出版
Prologue なぜ、あなたの言葉は伝わらないのか?
Chapter 1 「アクション言語」に言い換えると、伝わる、伝わる!
Chapter 2 3つのステップで、あなたも「人を動かす言葉」の使い手に
Chapter 3 さらに「伝わる」ようにするには?
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【編集後記】
◆本日の「Kindle日替わりセール」から。salon de SHIMAJI バーカウンターは人生の勉強机である(Pen BOOKS)
バーに行かない自分としては、正直ピンとこないのですが、「72%OFF」のおかげで、中古の半値以下なんですよね……。
ご声援ありがとうございました!
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