2016年10月10日
【内省?】『1日5分 「よい習慣」を無理なく身につける できたことノート』永谷研一
1日5分 「よい習慣」を無理なく身につける できたことノート
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、先日の「499円均一セール」紹介記事にて取り上げた1冊。今年の6月末に出たばかりの新刊が、ワンコイン以下で読めるとあって、私も思わず買ってしまいました。
アマゾンの内容紹介から。
科学的な理論をベースにしつつ、コムズカシイことは一切抜き。「自己肯定感」を育て、「振り返る力」を高めることで、さまざまな習慣を無理なく定着させる方法、「できたことノート」を紹介します。「行動を変える専門家」が書いた新しい成長の法則。仕事、勉強、ダイエット、子育てなど1万2000人の「行動と結果」からわかった、あなたを「脱皮」させる習慣のつくり方。
中古に送料を加味すると、ほぼ定価になってしまうので、ここはやはり「Kindle一択」ではないか、と。
Notes / Statianzo
【ポイント】
■1.行動しない人の言い訳トップ3企業の研修では、受講生一人ひとりは、研修が終わって職場に戻ったあとに、私が考案したITシステムを使って、「計画した行動ができているかどうか」と、「行動について内省した文章」を記録していきます。すると各人のデータが大量にたまっていきます。 (中略)
行動をしない人というのは、どんな言い訳をすると思いますか? 少し考えてみてください。[ 行動しない人の言い訳トップ3 ]いかがですか? 思い当たるフシがあるでしょうか。こうした言葉を日常的に使っている方は、要注意。行動できなかった理由を深く考えておらず、当たり障りのない表面的な思考をしているだけだからです。
・忙しかった
・時間がなかった
・計画が悪かった
■2.自己肯定感を高めて行動を変える
自己肯定感を高めると、欠点も含めて、ありのままの自分を受け入れることができます。そして心のフタを開けることができるようになります。
要するに、自分に対して正直になれる、ということです。
フタを開けて、自分の本当の気持ちに対して上手にアクセスできるようになると、何か行動を起こすときに、万が一うまくいかなかった場合のリスクなども含めて客観的に受け止めることができるので、
「失敗しても、絶対に挽回できる」
「万が一、傷つくことがあっても、なんとかなる」
と前向きに考えることができるようになります。
たとえば、仕事の壁にぶつかったとき「この仕事は失敗できないぞ。嫌だな」と考えているうちは苦痛でしかありません。しかし「この仕事がうまくいくと、こんないいことがある」と考えるとワクワクしてきて、困難にも立ち向かう勇気が湧いてくるのです。
■3.「できたこと」に着目する
「反省しない」「言い訳しない」というと、これは精神論になってしまいます。でも、「できたこと」だけ見るようにすれば、最初から反省も言い訳も必要がなくなります。
「そんなにできたことなんてないよ」と言われるかもしれませんが、小さな「できたこと」であれば、1日の中で1つや2つ、必ず見つけることができます。
「できたこと」を見るということは、小さな成功体験を確認するということ。そうなると、毎日が何かしら「うまくいったことの積み重ね」であることを実感できます。「実は成功体験をずっとしてきた」ということに気づき、「なかなか自分もやるじゃないか」ということを自分に思い込ませることができるのです。
このように、「できたこと」に着目するクセをつけると、セルフイメージがどんどん上がっていきます。
■4.「3種のめがね」と「レンズ」
●Happyのめがね・「スッキリ」のレンズ●Numberのめがね
・「ワクワク」のレンズ
・「ハツラツ」のレンズ・「時間」のレンズ●Personのめがね
・「数値」のレンズ
・「習慣化」のレンズ・「感謝」のレンズ(詳細は本書を)
・「表情」のレンズ
・「行動」のレンズ
■5.内省文の4つの要素と質問文
(1)詳しい事実:具体的に何があったの?(1)〜(4)の4つの要素、実は「順番」もとても重要です。
(2)原因分析:なぜそれができたの?
(3)本音の感情:いま、素直にどう感じている?
(4)次なる行動:明日からどんな工夫をしてみる?
感情が先に立つと思考が停止する話はしましたが、一方で、感情に触れるからこそ行動できるという側面があります。(1)まず事実を把握し、(2)その事実を分析したあとに、(3)感情にアクセスするという順番がいいのです。すると、(4)明日からの新たな行動につながりやすくなります。
(詳細は本書を)
【感想】
◆本書で述べられていて「なるほど」とまず思ったのが、「私たちは欠けた部分に注目してしまう」という指摘。子どもがテストで90点取ったら「がんばったね。もうちょっとで100点だったね」と言うのは、ごく自然のことです。
ただし、「もうちょっとで」というのは、良かった90%部分ではなく、ダメだった10%に注目している、ということ。
このように「欠けた部分」ばかり指摘されていると、「習ってない」と言い訳したりして、私たちは自分を守ろうとするのだそうです。
その結果、たとえば仕事でミス等があっても、その場しのぎの「反省」だけして、自分の内面に向き合わなくなるとのこと。
そこで本書は、うわべだけの「反省」ではなくて、素直に自分に向き合う「内省」を推奨しています。
◆ところが、いざ内省しようとしてもなかなかできないものなのだとか。
上記ポイントの1番目のような「言い訳」が出てくるのが、まさにそれです。
なぜかというと、上記ポイントの2番目に出てくる「心のフタ」によって、自分の心が守られているから。
これは一種の「自己防衛本能」であり、多くの場合、本人は「言い訳」していることにさえ気づいていません。
そこで「心のフタ」をあけるために、「自己肯定感を高める」、というのが上記ポイント2番目のお話。
つまり自己肯定感が高いと、自分に素直になれて、結果「正しい行動ができる」ワケです。
◆では、自己肯定感を高めるにはどうすればいいのか、という問いに対する答えが、が上記ポイントの3番目で言われている「『できたこと』に着目する」というTIPS。
具体的には
・机の上をきれいに片づけてスッキリしたといった程度で良いのだそう。
・苦手なプリンターの設定を初めて自分でやった
・今日は10分早く出社して、落ち着いて仕事を始められた
ただし、「できたこと」と「したこと」は違うものであり、たとえば「夕飯を食べた」は「したこと」ですが、「夕飯をよくかんで食べられた」は「できたこと」と区別すべし。
そしてこの「できたこと」を、寝る前に1日3つメモ(デジタルorアナログ問わず)し、読み上げてから寝るようにするのだとか。
◆ちなみに、この「できたこと」を見つけるための道具が、上記ポイントの4番目の3種類の「めがね」と「レンズ」です。
たとえば上記で触れた「机の上をきれいに片づけてスッキリした」というのは、「Happyのメガネ+『すっきり』のレンズ」ですし、「苦手なプリンターの設定を初めて自分でやった」というのは、「Numberのめがね+『時間』のレンズ」(「初体験」は『時間』のレンズ)に該当する模様。
その名の通り「Happyのメガネ」は、日常の中で「気持ちいい!」という感情の変化に注目し、「Numberのめがね」は「数」に注目。
そして「Personのメガネ」は、「自分への相手の反応」を観察します。
本書ではこれらの3つのメガネ、さらに合計9つのレンズについても具体例を挙げて解説していますので、詳細はそちらをご覧いただきたく。
◆……とここまでが、実はここまでが「前フリ」で、この「できたことノート」に対して「内省する」のが本書のテーマです。
具体的には上記ポイントの5番目の「4つの要素と質問文」をご参照のこと。
ただ、実例がないと分かりにくいと思いますので、ここはやはり本書にて具体的にご確認いただけたら、と思います。
本当は、さらに深掘りするための「2つの質問」でクリティカルシンキングまでするのですけど、とてもこのエントリーでは触れられそうもなく。
セール価格とはいえ、このコンテンツが499円なら、オススメせざるを得ません。
自分の心と向き合って、行動を変えるために!
1日5分 「よい習慣」を無理なく身につける できたことノート
第1章 自分を肯定的に見る効果
第2章 「できたこと」を見つけよう
第3章 できたことノートを書く前に
第4章 実際に書いてみよう!
第5章 さらにバージョンアップするために
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【オススメ!】『走る哲学』為末 大(2012年07月15日)
【習慣】『良い習慣、悪い習慣: 世界No.1の心理学ブロガーが明かすあなたの行動を変えるための方法』ジェレミー・ディーン(2014年09月07日)
【編集後記】
◆本日の「Kindle日替わりセール」から。イシューからはじめよ ― 知的生産の「シンプルな本質」
数々のブックガイドで推奨され、名著の誉れも高いこの本が、なんと「69%OFF」にて提供されております。
というか、この本、当ブログのページ内検索でもヒットしないので、Kindleセールにも出たことないような?
出版されてからの期間を考えると、ありえないほど中古も高く、Kindle版が900円超もお得という……。
参考記事:【問題解決】『イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」』安宅和人(2010年11月30日)
ご声援ありがとうございました!
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