2016年10月09日
【格言】『〈新版〉ユダヤ5000年の教え』ラビ・マービン・トケイヤー
〈新版〉ユダヤ5000年の教え (小学館新書 と 6-1)
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、リアル書店で捕獲した「格言集」。表紙の帯にはザッカーバーグやスピルバーグ、アインシュタインの名前が並びますけど、本書の出典は『旧約聖書』や『タルムード』、『ミッドラッシュ』(ユダヤ教の教典の1つ)その他のことわざ等、とのことです。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
250万語、70巻1万2000ページに及ぶユダヤ教の聖典『タルムード』。『旧約聖書』の解釈についてラビ(僧侶)たちがブレーンストーミングをした記録をまとめたものですが、ここにユダヤ教5000年のあらゆる知恵が凝縮されています。
その『タルムード』を中心に、ユダヤ教の他の教典や古い言い伝えから金言を厳選。
「ビジネスで成功するには」「蓄財するには」「知恵を磨くには」「人付き合いで失敗しないためには」など、あらゆるシーンで役に立つ1冊になっています。
なお、新書ですがすでにKindle版も配信されています!
#Talmud #Jewish #holy / dannielleblumenthal-thinkbrandfirst
【ポイント】
■1."0から1へ"の距離は、"1から1000へ"の距離より大きい。1000を熱心に求めるあまり、1を軽んじ、結局は0しか得られない者がいる。
1000が欲しかったら、1を大切にしなければならない。一攫千金を狙ってはならない。
1をつくるには、忍耐力が必要である。
0から1をつくり、大切にすることを覚えれば、案外、1000をつくることは、やさしいのである。
■2.人は金銭を時間よりも大切にするが、"失われた時間"は金銭では買えない。
人間は他人のお金を預って使うことになれば、緊張して、細かい神経を配る。他人に金銭的な負担をかけることには、神経をとがらすものである。そのくせ、約束の時間に遅れたり、また、つまらない用件や長居で他人の時間を潰したり、浪費することには、あまりかまわないものだ。
これは、人びとが時間よりもお金を大切にしていることを示している。
時間も、お金も、両方とも重要なものである。しかし、2つのなかでは、時間のほうが大切であることを忘れてはならない。
■3.人の生まれと死にかたは、本の"表紙"と"裏表紙"のようなものである。
あるとき、家柄の良い狐と、生まれが卑しい狐が道で出会った。(中略)
由緒正しい家の狐の息子は、もう1匹の狐に自分の家柄を自慢した。
するともう1匹の狐のほうが答えた。
「きみの家は、きみで終わるが、ぼくの家はぼくから始まる」
人間にとって、生まれと死にかたは、たいして重要ではない。飾りのようなものだ。どうやって生きているか、そして生きたか、その生きかたの内容こそ重要なのである。
■4.あなたが持っているものを、それを必要としている人に売るのはビジネスではない。あなたが"持っていないもの"を、それを"必要としない人に売る"のがビジネスである。
猟銃を欲しがっている人に、自分が仕入れて持っている猟銃を売るのは、ほんとうのビジネスではない。これは、安易すぎる。誰にだって、できることだ。
ほんとうのビジネスは、あなたが製氷機など、どこにも持っていないのに、製氷機をまったく必要としない人に、それを数台売りつけることである。そして、満足してもらうことだ。
商売の道は、きびしいのである。
■5.借金は、"かゆいところをかく"ようなものだ。
皮膚病にかかったり、腫れ物ができると、かゆい。しかし、かくだけではなおらない。一時をしのげるが、かえって疾患を悪化させる。かくと、一時的に快感があるかもしれない。その場だけは、ごまかすことができよう。借金はこれに似ているといって、借金をすることに対して戒めた格言である。やはり疾患は、根本からなおさねばならない。
■6.あなたの舌に「私はわからない」という言葉を一所懸命教えなさい。
知ったかぶりをする者は、泳げないのに、泳げると言って、水に飛び込む者に似ている。これほど、愚かしいことがめるだろうか。
人間は子どものころから学びながら、精神的に成長していく。
学ぶということは、まず自分が知らないことを認めることから始まる。知らないということを認めない者は、成長することがない。
知らないということを認めることは、知的なことなのだ。
■7.結婚へは、"歩け"。離婚へは"走れ"。
結婚相手を選ぶにあたっては、慎重にしなければならない。慎重すぎるということはないのだ。走ってはならないのである。
しかし、今も昔も、結婚にはあわてて走り込む男女が多いことに変わりはない。
ユダヤ人は現実的であるから、ユダヤ教はキリスト教(カトリック)のように離婚を禁じたり、悪だとみなしてはいない。もちろん、離婚は不幸なことである。だから、夫婦が努力したうえで、それでもうまくいかないときだけ、離婚するべきだと考えている。
不幸な結びつきであるからこそ、早く解消されたほうが良い。それだから、うまくいかないと思ったら、走れ、ということである。
【感想】
◆1つひとつが短めなので、今回はポイントは多めに。さて、「ユダヤ人本」は下記参考記事のように、当ブログでも今まで何冊かご紹介してきましたが、本書もその延長線上にあるかと。
ただ、若干違うのが、執筆したのが日本人ではない(今までの著者さんも「ユダヤ人」と言えばそうですが)ことで、本書の著者であるラビ・マービン・トケイヤーさんは、現在米国に在住とのこと。
もっとも、本書の旧版の出版時には、日本ユダヤ教団を設立した「初代ラビ」として活躍中だったとか。
その「旧版」というのがこちらで、それを「改題・再編集のうえ新書化した」のが、本書なのだそう。
ユダヤ5000年の教え―世界の富を動かすユダヤ人の原点を格言で学ぶ
アマゾンレビューも、結構好評ですね。
◆構成としては、下記目次にあるような「テーマ」ごとに、格言が紹介され、それらを解説する、というもの。
よくある「見開き2ページで1つないし2つを扱う」パターンではなく、格言に応じて「1ページに1つ前後」というものであり、結構フレキシブルです。
さらには、章ごとの最後には、「日々の生活に活きるユダヤ金言集」と題した、解説なしで、格言のみ列挙するコーナーも。
いくつか列挙するとこんな感じです。
・馬は車を引くのに役立つ。牛も車を引くのに役立つ。……こんなのが、各章ごとに10〜30ほど収録されていますから、ここだけ読んでも結構おなか一杯というw
しかし、牛と馬を同じ車につけてはならない。
・悪は、はじめ甘くあとで苦く、善は、はじめ苦くあとで甘い。
・年寄りは自分が二度と若返らないことを知っているが、若者は自分が歳をとることを忘れている。
・賢い敵は人を賢くするが、愚かな友人は人を愚かにする。
◆ところで本書を読んで知ったのが、有名な「目には目、歯には歯」という格言の本当の意味です。
これは「多くの外国人」にとって、残酷なルールとして誤って解釈されていますが、実はユダヤにおける律法の説明なのだとか。
というのも、古代では「理髪師が間違って耳を切り落としたら、客が理髪師の腕一本を要求」したり、「畑のオリーブの木を一本切られたら、相手の全財産を奪おうとする」ことが多かった(スゲーw)ので、「補償は妥当であるべき」ことを説いた言葉なのだそう。
つまり、復讐をすすめる言葉ではなく、むしろ血迷って復讐することを戒める言葉なワケです。
……全然知らなんだw
ほかにも「"してしまった"悔やみより、"したかったのにしなかったこと"のほうが、後悔が大きい」なんてのも、ユダヤの教えだったとは。
◆ちなみに、格言集なのは、第2章から第8章までで、最初の第1章と第9章は、主にユダヤ人の解説に費やされています。
この2つの章も、ユダヤ人についての理解を深めるためには必読ですし、それを踏まえて格言を読むと、腑に落ちやすいかと。
いずれにせよ本書は、「ユダヤ教5000年の歴史」の「上澄み」を集めただけあって、付箋も貼りまくりました(新書なので画像は割愛)。
さすがユダヤ人は、「歴代のノーベル賞の授賞者の約20%」を占める民族だけのことはあるな、と。
下手な自己啓発本より、学べる1冊!
〈新版〉ユダヤ5000年の教え (小学館新書 と 6-1)
第1章 なぜユダヤ人に成功者が多いのか
第2章 成功の法則
第3章 貧乏と金持ち
第4章 幸福と不幸
第5章 知識と知恵
第6章 賢者の言葉
第7章 恋愛と結婚
第8章 つきあい術
第9章 人はどんな状況でも学ぶことができる
【関連記事】
【格言】『ユダヤの格言 ~知られざる教典「タルムード」の教え~』竹中充生(著),市川 裕(監修)(2011年10月28日)【思考法?】『ユダヤ式Why思考法』石角完爾(2015年05月20日)
【勉強法】「ユダヤ人に学ぶ速学術」濱野成秋(2008年12月28日)
「ユダヤ人が教える正しい頭脳の鍛え方」エラン カッツ (著)(2005年04月21日)
【編集後記】
◆昨日ご紹介した「499円均一セール」ですが、たくさんの方にお求めいただきました。中でも突出していたのが、こちらの3冊(順不同)。
1日5分 「よい習慣」を無理なく身につける できたことノート
明日に疲れを持ち越さない プロフェッショナルの仕事術 ビジネスライフ
自分を変える習慣力 Business Life
1冊499円だと、3冊買っても単行本1冊分以下ですから、確かにお買い得ですねw
ご声援ありがとうございました!
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