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2016年09月24日

【外資流?】『どの会社でも結果を出す「外資系エグゼクティブ」の働き方』フラナガン裕美子


どの会社でも結果を出す「外資系エグゼクティブ」の働き方
どの会社でも結果を出す「外資系エグゼクティブ」の働き方


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日のKindleの「がんばろうと思った時に読む本半額セール」の中から選んだ仕事術本

実はこの本は、出た時に気になっていたものですから、この機会に、と思わず買ってしまいました。

アマゾンの内容紹介から。
日本企業のリーダーにこそ知ってほしい!これが世界基準。5つの外資系企業で8か国の「すごい上司」たちをサポートしてきた敏腕秘書が明かす「上に行ける人」の5つの行動法則。

なお、単行本の中古と、このKindle版がほぼ同じお値段ですから、送料と「20%ポイント還元」分だけKindle版がお得です。





Executive groupwork / @boetter


【ポイント】

■1.常に代案を用意しておく
 どんなときにも、どんな場合にでも必ず「理想に限りなく近い代案」をあらかじめいくつも準備しておくことは、自らの身を助けます。秘書だけでなくエグゼクティブ自身が普段から「1を言われたら10の答えを用意しておく」くらいの意識でいます。
「できる」と言われるビジネスパーソンほど、この代案の「引き出し」をたくさん持っています。お客様との交渉のとき、満を持してこれで大丈夫という案で臨んだとします。でも人は十人十色。そこで突然思いもしないリクエストが飛び出したとき、この「引き出し」が活躍するのです。(中略)
「なかなか難しいですね」で止めずに、「なかなか難しいですが、それではたとえばこういうのはいかがでしょう」とあらかじめ用意しておいた代案を提示する。
 そして、それがお客様のお気に召さない場合は、そこでぐずぐずと粘らずに、「それでは本日中に」「明日までに」と期限を区切ってセカンドベストを提供するチャンスをもらって再考する。このようなアプローチが必要になります。


■2.知らないことは素直に教えを請う
 できるエグゼクティブは「知らないこと」を恐れません。それは自分に自信があるからです。自分は上に立つ資格がある、自分は仕事ができる、だから知らないことはどんどん吸収してさらに上に行く、そういった自信があるのです。
「知らない=知識や経験不足」というのは単なる思い込みです。人はそれぞれ得意分野があり、マネージャーならば、その個人個人の得意分野を十分に把握して評価し、チームをまとめ上げていくのが仕事です。
 もし、自分が「知らないこと」で部下が知っていることがあれば、謙虚に教えを請う。こうすることで、自分の知識を増やせるだけでなく、部下とのコミュニケーションもとれてしまうのです。どんなに偉くなっても、どんなに皆に恐れられようとも「知らない」と堂々と言えることで、自分の知識がさらに広がります。そして上司に「説明する」機会を与えられた部下たちは、その上司に一層の親近感を抱くことでしょう。


■3.いつクビになっても大丈夫な覚悟をもって働く
 このことを如実に物語る、米系証券会社でのオーストラリア人のボスの話です。彼の口癖は「いつクビになっても大丈夫なように」でした。彼は仕事ができるだけでなく、話術のうまさから人間関係もいつも円滑で、彼の「クビ」を想像できる人など皆無でした。
 しかし、彼は部下にも、そして驚くべきことに自分にも、ことあるごとに戒めとしてこう言っていたのです。
「いつクビになっても大丈夫なように日頃から組織に頼らず、自分の足で立っているように。そしてネットワークを大切にするんだ。同業他社とのネットワーク、他部署のスタッフとのネットワーク、そしてヘッドハンターとのネットワークをね」


■4.メールは必要最低限の相手に送る
 たとえば、仕事のメール。私が外資系企業に入って教わった基本ルールのひとつは、「無駄なメールを送るスタッフは仕事ができない」です。他の人の受信箱のメール数を無意味に増やす人は、仕事ができないのと同じ、と言われています。実際にそのようなメールをしていると、上司から呼び出されたり、雷が落ちたりするのは必至です。
 CCを入れる人数も、やりとりが本当に必要な人だけに限ること。そして上の人に送るメールほど、内容も簡潔に、かつ送る人数や受信者を限定するというのは、外資系企業では共通の認識です。そのメールの受信者に入っていたマネージャーたちが、責任を持って自分のチームや必要なスタッフにその内容を知らせればいいだけだからです。
 いくら「丁寧」を意図していたとしても、大人数の受信者をCCに入れたメールは、言い換えると、「怠け者」のメールとも受け取られます。怠け者というのは、責任をとっていないという意味です。文面は短く簡潔に、受信者は最低限がメールのルールです。


■5.まず自分が「相手の靴」を履く
私がたたみかけるように、「でも、実際ボスはどんな人とでもうまくやっていると皆思っている」と言うと、「ははは、ああそう見えるのか」と笑い出しました。  
「コツがあるんだよ。すごく簡単だ。『相手の靴』を履けばいいんだよ!
 意味もなく喧嘩腰の奴や、何を言っても通じないのがいるとするよね。普通はそこでムカっとしたり、傷ついたり。これ以上どうやって話をしようと思うはずだ。でも、その時点で、もうその相手のペースに巻き込まれているんだよ。だからね、まず自分に言い聞かせる。『この人の靴を履こう!』。そうすることで、自分を冷静にできるんだ。そうしたら相手の気持ちになって、『なぜ、この人はこんな行動を取っているのか?』と考えることができる」
 コツとは、それだけ。そうやって相手の考えていることが少しでもわかれば、その先の自分の行動がまったく変わってくるのだとか。相手の気持ちに寄り添うことで、自分の気持ちのおもむくままに突き進むのではなく、相手と共に歩むことができるのです。すると、効果的な話し合いになり、良い結果を出すことができるそうなのです。


【感想】

◆ビジネス書にこういう表現を使っていいのか微妙なんですが、「面白い」1冊でした。

というのも、この引用部分だけでは分かりにくいものの、本書は非常に「エピソードが豊富」だから。

今回購入前に、一応アマゾンレビューにざっと目を通しており、その中の「エピソードが面白い」とあったのは、こういうことか、と、読後納得した次第。

そして、1つひとつの教えが、ほぼすべて、こうしたエピソードに基づきますから、説得力もあります。

……登場するのは、実際に秘書として下についたら苦労しそうな、「クセのある」エグゼクティブばかりなんですがw


◆さて、著者のフラナガン裕美子さんは、内容紹介によると「5つの外資系企業で8か国のすごい上司に仕えた」そう。

著者略歴にその「5つの外資系企業」の名前が列挙されており、具体的には「スイス・ユニオン、バンカース・トラスト銀行、ドイツ証券、メリルリンチ証券、リーマン・ブラザーズ証券」といずれも金融・証券業界です。

そんな業界のエグゼクティブ、しかも外資系なワケですから、登場するエグゼクティブも仕事がバリバリできるのは当然のこと。

ちなみに業界的にはムーギー・キムさんもそうですから、この本に通じるところがありました。

最強の働き方;世界中の上司に怒られ、凄すぎる部下・同僚に学んだ77の教訓
最強の働き方;世界中の上司に怒られ、凄すぎる部下・同僚に学んだ77の教訓

参考記事:【働き方】『最強の働き方;世界中の上司に怒られ、凄すぎる部下・同僚に学んだ77の教訓』ムーギー・キム(2016年08月02日)


◆一方、私が勘違いしていたのが、フラナガンさんが「秘書職」であることから、よくある「秘書の心遣い本」だと思っていたこと。

実は、発売当時、私が本書をスルーしたのもそれが原因だったのですが。←ダメじゃんw

しかし本書は、アマゾンレビューでも指摘があるように、フラナガンさん自身の話ではなくて、基本的にはエグゼクティブたちの話がほぼすべて。

実際、タイトルも『どの会社でも結果を出す「外資系エグゼクティブ」の働き方』なんですから、フラナガンさんが「秘書職」であることは特に意識せずに、読んでいただけると思います。


◆なお、上記ポイントの3番目に「いつクビになっても大丈夫な覚悟をもって働く」とあるのは、単に覚悟だけ持っていればいいわけではありません。

そこで本書で挙げられていたのが、「あなたは、次に自分を雇ってくれる会社がどこかにあると思いますか?」 という質問です。

「YES」と答えられるのなら、実際に解雇の面談では条件交渉をすべし、と。

逆に「YES」と答えられないのなら、「今日からでも『自分にしかできない仕事』を心がけよ」とのこと。

結局「自分の提供している仕事が会社にとって絶対に必要」「自分の代わりはいない」と胸を張って言えるレベルであるならば、クビになる可能性はほぼないワケですから。


◆本書のKindle版が、通常おいくらするのか分かりませんが、現在の中古の最安値(+送料)より安いことはまずないでしょう。

そういう意味では、本書を対象としているセール期限である9月29日までなら、本書はかなりお買い得だと思います。

業界が限られており、かつ、外資系ということで、思いっきりドメスティックな会社の方には当てはまらない部分もあるのですが、単純にエピソードを読むだけでも楽しめること必至。

「外資系仕事術本」として、一定のクオリティは余裕でクリアしているかと。


「仕事術本」が好きなら読むべし!

どの会社でも結果を出す「外資系エグゼクティブ」の働き方
どの会社でも結果を出す「外資系エグゼクティブ」の働き方
第1章 世界中どの会社でも「結果を出す人」の5つの共通点
第2章 “正しい”ワンマンスタイルで人を動かす
第3章 世界基準の「リスクヘッジ力」と「決断力」を磨く
第4章 時間に支配されずに、自らで「コントロール」する
第5章 「謙虚さ」と「プライド」を併せ持つ
第6章 「柔軟性」を持ちながらも、「信念」はブレない
第7章 外資系企業、日本企業の両方にいて感じたこと


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【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

NHK「100分de名著」ブックス ドラッカー マネジメント NHK「100分de名著」ブックス
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お馴染み上田先生によるドラッカー本が、「72%OFF」と激安に。

レビューも「入門書として最適」「エッセンシャル版より分かりやすい」とかなり好評です。


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