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2016年09月19日

【脳科学】『「すぐにやる脳」に変わる37の習慣』篠原菊紀


「すぐにやる脳」に変わる37の習慣
「すぐにやる脳」に変わる37の習慣


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事でも人気だった脳科学本

著者の篠原菊紀教授の作品は、以前レビューした『脳科学が教えてくれた 覚えられる 忘れない! 記憶術』がかなり良かったので、本書もさっそく読んでみました。

アマゾンの内容紹介から。
無理なくモチベーションをあげる方法が満載!1秒で集中できる。「めんどくさい」「やる気ない」「集中力が続かない」が消え、パフォーマンスが3倍あがる。脳科学×臨床心理学で仕事、勉強、目標達成に役立つ!

なお、当初単行本と同額だったKindle版も、ありがたいことに値下げしております!





Brain research / Arenamontanus


【ポイント】

■1.細かな行動をほめる
 仕事をしようと立ち上がったら「よく立ち上がった」「その一歩がえらい」。
 勉強を始めたら、「よし、よく始めた」「いい感じ」「楽しい」。
 無理やりにでも行動と快感をむすびつけておくのです。そしてそれを繰り返すのです。
 バカみたいと思われるかもしれませんが、このバカみたいな繰り返しが大事なのです。
 この繰り返しで「望ましい行動」と「快感」が線条体でむすびつき、「やろうかな」と思っただけで線条体が前倒しで発火するようになるのです。線条体が発火すれば、一秒で集中できます。
 これが「すぐにやる脳」を作る最大のコツです。


■2.視線を上に向ける
 ドイツのマックス・プランク研究所ではこんな研究も行われました。
 空のティッシュ箱のようなものを上下に積み重ね、その中におはじきをたくさん入れます。
 そしておはじきを下から上に上げたり、上から下に下げたりといった作業をしてもらいます。
 このときに、たとえば、この夏の思い出を教えてくださいといった質問をします。
 すると、なんとおはじきを上に上げる動作をしているときには、ポジティブなことを、すばやく、たくさん思い出しやすくなる。下に下げているときには、ネガティブなことをよりはやくたくさん思い出すのだとか。


■3.不安を書きだす
「困った」「どうしよう」など、頭の中でグル回りしているストレスを外在化すると(外に出すと)、カウンセリングを受けてすべて話したようにすっきりし、脳のメモ帖が使いやすくなるのです。
 研究を行ったべイロックによれば、この効果は学校の試験に限った話ではなく、仕事でのプレゼン、スピーチ、面接などでもあてはまるそうです。プレッシャーのかかることをする前には、不安を書き出す、あるいは誰かにその不安を打ち明けることが、パフォーマンスを向上させてくれるのです。


■4.ルーティンを作る
 あなたが仕事や勉強を始める前に行うと役に立ちそうなこと、ルーティンになりそうなことを、できるだけ書き出してください。
 そのなかで、いけそうな3つに○をつけ、うまくいきそうな仕事の前にしてみましょう。ルーティンも行動ですから、快感とむすびつけておかないと、ルーティンをやる気が起こりません。3回ぐらいは、そのルーティンでうまくいった体験が必要です。
 手っ取り早いのは、最近うまくいったときのことを思い出し、そのとき、仕事などの前にしていたことをちょっと洗練してルーティンにすることです。


■5.太ももタッピングで切り替える
 太ももに両手の手のひらを下向きに置きます。
 そして、リズミカルに太ももを叩きます。
 トン、トン、トン、トン、「やりたくないな〜」と思いながら叩きます(タッピング)。
 実はこれ、EMDRという心理療法で、トラウマ軽減法として使われる技法です。
 いやなこと、つらいことを思い浮かべながら、タッピングの刺激を入れると、ストレスが軽減し、トラウマの軽減にもつながるそうです。(中略)
「やりたくないな〜」はトラウマでもないですし、過去の記憶でもない。
 しかし、未来の展望についての記憶ではあるので、それを変えるのにトラウマ解除法が役に立ちうるのです。


【感想】

◆「すぐやる」「先送りを防ぐ」といったテーマは、当ブログでも人気であり、過去何冊か作品をご紹介してきております。

もっとも、テーマは同じようなものでも、アプローチはいくつかあり、たとえば以前ご紹介したこちらの作品では「心理学的アプローチ」を用いていました。

「先延ばし」にしない技術
「先延ばし」にしない技術

Kindle版アリ

参考記事:ビジネスの達人がこっそり教えてくれる『「先延ばし」にしない技術』の真実(2012年01月09日)

それに対して本書は、タイトルにもあるように「脳科学的」なものが中心(心理学ネタもありますが)。

先日レビューしたばかりのこちらも、その系統ですね。

すぐやる!  「行動力」を高める“科学的な
すぐやる! 「行動力」を高める“科学的な"方法

Kindle版アリ

参考記事:【脳科学?】『すぐやる! 「行動力」を高める“科学的な"方法』菅原洋平(2016年08月03日)


◆ただし類書がある以上、ネタがかぶってくるのは、致し方ないところ。

たとえば本書では、「とりあえず始めてしまう」という「作業興奮」についても触れられているものの、多くの本に登場しているので、割愛しました。

……ただ、それを言ったら、上記ポイントの3番目の「不安を書きだす」や、4番目の「ルーティンを作る」辺りも初見ではないんですけどねw

もっともこの2つは、そこまでメジャーなTIPSではないと思うので、一応取り上げてみた次第。

特にルーティンの方は、効果もさることながら、「具体的な作り方」を知らなかったので、そちらをご紹介してみました。

また注意点もあって、篠原先生いわく、「ルーティン自体を目的としない」こと。

そのためにも、ルーティンから仕事・勉強に移るという「流れを決めておく」のが大切なのだそうです。


◆逆に割愛した中で興味深かったのが、「報酬と罰を組み合わせる」というTIPS。

実験自体がやや複雑で、引用しきれなかったため、カットせざるを得なかったのですが、「アメとムチ」の効果を定量的に表しており、なかなかに秀逸ではないか、と。

これはアメリカ、ペンシルバニア大学で行われた実験で、「1日7000歩を歩くのを13週間続ける」という目標を設定し、被験者を以下の4つの賞金群に分けて測定したもの。
(1)目標達成日に1.4ドル、月に最大42ドル受け取れる

(2)事前に42ドル与えられ、そこから達成しなかった日に1.4ドルを差し引かれる

(3)目標達成日に5ドルまたは50ドルのくじ引きを行う(ただし、くじの期待値は(1)と同じ)

(4)報酬は受け取らず、万歩計の数字のフィードバックのみを受け取る
その結果どうなったか……については、本書にてご確認を(ネタバレ自重)。

とある群だけ、目標達成率が有意に高かったそうですから、これは実生活に取り入れなくては。


◆ただ、上記のTIPSもそうなのですが、本書は「すぐにやる」という部分には、かならずしもこだわっていません。

「やる気がない」のを出させたり、いったん始めたものを続けたり、切れた集中をとりもどしたりする等々、広い意味での「目標達成」にフォーカスしている感じ。

もちろん、こういった部分が整備されていれば、すんなり始められますから、確かに「すぐにやる」と言えなくもないですか。

そもそも「すぐにやる」ことができても、「途中で飽きる」ようでは意味がないですもんねw


「仕事、勉強、目標達成に役立つ」1冊!

「すぐにやる脳」に変わる37の習慣
「すぐにやる脳」に変わる37の習慣
第1章 「すぐにやる脳」を育てる王道習慣
第2章 3分で「すぐにやる脳」になる思考習慣
第3章 いつもフレッシュな脳にしておく生活習慣
第4章 「すぐにやる」が続く脳トレ習慣


【関連記事】

【勉強法】『脳科学が教えてくれた 覚えられる 忘れない! 記憶術』篠原菊紀(2016年01月10日)

【脳科学?】『すぐやる! 「行動力」を高める“科学的な"方法』菅原洋平(2016年08月03日)

【仕事術】『超一流のすぐやる技術』横山信弘(2016年07月15日)

【スゴ本!】『ヤル気の科学 行動経済学が教える成功の秘訣』イアン・エアーズ(2012年10月30日)

ビジネスの達人がこっそり教えてくれる『「先延ばし」にしない技術』の真実(2012年01月09日)


【編集後記】

◆昨日ご紹介した幻冬舎のセールに関して。

【6500冊超!】「Kindle本50%OFFセール」開催中!(2016年09月16日)

速報ベースで申し上げると、この辺が売れ筋でした(売上順ではなくて、管理画面の登場順です)。

お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方2015 知的人生設計のすすめ
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心を整える。 勝利をたぐり寄せるための56の習慣
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一応ご参考まで。


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