2016年08月29日
【集中力!】『短時間で「完全集中」するメソッド』佐々木正悟

短時間で「完全集中」するメソッド
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事でも人気だった「集中術本」。「シゴタノ!」でもお馴染みである、著者の佐々木正悟さんは、心理学ネタにもお強いだけあって、多角的に「集中力」を分析されています。
アマゾンの内容紹介が少々分かりにくいので、版元サイトから。
マインドフルネスなど「話題の心理学」や「最新タスク管理ツール」を元に、つい後回しにしがちな人をいますぐ没頭できる人に変える!
見た感じ、どうも版元の大和書房さんは、「2ヶ月遅れ」ペースで電子書籍を出されているようなので、10月くらいまで待てない方は、この単行本をお楽しみください!

Focused / Vince Alongi
【ポイント】
■1.「1分間」だけ集中してみる1分間だけであれば、内容にかかわらず、集中しようと思えば誰でもできるはずですし、さすがにこれといった修養もツールも必要ありません。
たとえくだらないことだって、1分間だけなら、試してみて損にはならないでしょう。(中略)
本書で推奨するような「集中力を発揮する」というのは、能動的に意識してやらないと意味がありません。いつでも集中しようと思えば集中できるようになるのが、「集中力を発揮できるようになる」ということです。
そのためにはまず、確実にできるところから始めるべきです。1分間だけ集中するというのは、そういう意味では非常にいい訓練になるのです。
■2.トレーニングカードを試してみる
私の場合、何より実感するのは、「短期記憶力」が一時的とはいいえ、必ず向上しているところです。
たとえば、この記事について書こうと思うと、「残像メンタルトレーニング」などの用語や、思い出したい関連書籍のタイトルや著者名が、パッパッバッと思い浮かぶのです。
実際に「残像トレーニング」の前と後で比較してみると、たとえば「無意味綴りの単語の記憶力」が、平均して約0.9語は違っています。
これはまったくどうということもないですが、多いときには3語も差がついたし、「トレーニング後に記憶力が低下した」ことは今のところありません。
■3.いつも同じ音楽を聴く
この方法は、実は音楽でなくてもOKです。ただ、いつもまったく同じものを聞くようにすべきです。
いつも同じなら音楽でもいいし、音楽でなくても、ときどき話題になる「カフェの騒音」などを人工的に用意してみてもいいでしよう。(中略)
ですが、私が言いたいのは「少し騒がしいくらいが無音より集中しやすい」ということではありません。「いつも同じ音声を聞く」のには、集中力を高めるうえで、少なくとも2つの意味があります。・他の騒音をシャットアウトしてしまう(詳細は本書を)
・集中が途切れたことに気づくバロメーターになる
■4.見えるところにメモを貼る
有名になった「マシュマロ・テスト」という心理実験でも、「食べ物から目をそらすことによって、注意をそらすことができ、それによって食欲からも注意をそらすことができる」ということがわかりました。(中略)
人は何かを見ながら、それに注意を払わずにいるということが、難しいわけです。
この「見ればそれを注視してしまう」人間の脳の機能をうまく活用して、仕事場に着くなり集中力を発揮するやり方を身につけてしまいましょう。やり方は簡単です。最も集中して取り組みたいことについて、・どうして今、それをしなければいけないか?などについて書かれた紙片を、机の目立つところに貼っておけばいいのです。そして、まず最初にそれを読むようにすればいいのです。
・それをしないと、どんな「まずいこと」になるか?(中略)
■5.メモ帳にすぐ書く
「どうしても気が散りやすい!」
そういう人には確実に役立つ方法が1つあります。
とにかくメモ帳を持ち歩き、雑念がわいたら、その内容にかかわらず書き留めるという習慣をつけることです。
メモを整理するだとか、分類するだとかいうた気遣いは一切不要です。とりあえず、書きまくることです。そのことだけを、まずは考えることです。
これは、脳というものの性質から、集中力を得るための必然的な方法なのです。
(詳細は本書を)
【感想】
◆本書の場合、とにかく集中するためのTIPSの多さに圧倒されました。実は上記ポイントの4番目まで、すべて第1章からであり、ぶっちゃけ第1章だけで終わってしまうところだったというw
さすがに、わざわざ章が分かれているのに、それもどうかと思って最後だけは分散させましたが、ノウハウマニアの方なら、ここだけでもお楽しみいただけると思います。
とはいえ、それ以外の章にも、見逃せないTIPSが多々ありました。
◆まず本書には「第0章」があり、ここを読むことで、私たちの「思い込み」を解く仕様。
付箋を貼った中では、「未来の自分に期待しない」という戒めが興味深かったです。
これはたとえば、今現在の「朝の自分」には「時間がない!」ということが分かっていても、「夕方の自分」は「自由だから、ちゃんと仕事をして、帰る頃には用事が片付いているハズ」と思ってしまう、ということ。
ところが実際は、夕方は夕方で「別の用事」で時間がなく、朝に比べて自由というわけでもありません。
ですから、今できない集中レベルということは、未来になってもまずできない、と考えるべき。
これはスケジューリングする上でも留意しておきたいものです。
◆また、上記ポイントの2番目の「トレーニングカード」とは、文中にも出てくる「残像メンタルトレーニング」のカードのこと。
どんなものかは、画像検索でググっていただくと分かりやすいのですが。
残像メンタルトレーニング - Google 検索
これについて、著者の佐々木さんは「根拠についてはどうしても納得がいかない」ものの、その効果については上記のように「確かにある」と断言。
万人に効果があるものかは分かりませんが、試してみて効果があるなら「儲けもの」ですし、佐々木さんも「ぜひ一度試していていただきたいと思います」と言われています。
どうもこの方が、第一人者でいらっしゃるような。

集中力を高める残像トレーニング
◆一方、上記ポイントの5番目の「書く」という行為は、類書でも言われていることですが、本書でも第2章を丸ごと費やしています。
まず、書くことによって、「思考のムダ」が省ける、と指摘。
さらに感情を書きだすと、「ノイズ」を頭の外に追い出してしまうことができます。
同じく「心配事」を書きだす「杞憂日記」なるものも、効果がある模様。
ちなみに、キチンと記録した佐々木さんによると、「『杞憂』対『本当に心配するに値する不安』」の比率は、「23対1」だったそうです。
これだけ「時間をムダにしている」ことが「見える化」されると、悩む時間がもったいなくなりますね。
◆第3章以降も「環境」や「心」といった要素から、「集中力」について言及しているのですが、今回は丸ごと割愛させていただきました(すいません)。
「調べものはまとめてやる」ですとか「通知設定はすべてオフにする」「食事を変える」といった興味深いTIPSについても、本書にてご確認いただきたく。
いずれにせよ、数多くある「集中力」「集中術」の書籍の中でも、本書はかなり実践的だと思います。
勉強法同様、まずは収録されたTIPSをいくつか試してみて、自分に合うものを取り入れていけば良いのではないでしょうか。
「集中できない」とお悩みの方なら読むべし!

短時間で「完全集中」するメソッド
第0章 自分を変えるマインドセット
第1章 すぐやる人の「1分」メソッド
第2章 頭を整理する「書く」メソッド
第3章 環境を整理する「消す」メソッド
第4章 心を整理する「休む」メソッド
【関連記事】
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【編集後記】
◆本書に関係して、以前ご紹介したこの本のKindle版が激安になっている模様。
やるべきことがみるみる片づく東大ドクター流やる気と集中力の引き出す技術
今現在「60%OFF」に「20%ポイント還元」も付いて、送料込みの中古の半値以下になっているのですが、どこのセールなのかが、よく分かりませぬ……。
気になる方はお早めにお求めください。
なお、レビューは上記関連記事にて。

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