2016年08月22日
【生涯現役?】『できる男の老けない習慣』平野敦之
できる男の老けない習慣 (青春新書プレイブックス)
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事でも人気だった健康本。最近自分自身「老けたかも」と気になっていたので、ドンピシャな1冊でした。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
見た目がその人の印象を左右するのは、男性も女性も同じ。
特に男性の場合、溌剌と若々しい人のほうが、仕事ができる雰囲気を与える。
実際、仕事ができる男には、同年代の人に比べて、エネルギッシュで若々しい人が多い。
その理由は、「2つの男性ホルモン」で医学的にも説明できる。
なお、本書のシリーズである「青春新書プレイブックス」は、まだ15冊くらいしかKindle化されていないので、本書も新書版で我慢した方がいいような……!?
Beer / rightee
【ポイント】
■1.「老け」を左右するDHEAでは、老けないからだと心を維持するためにはテストステロンのことだけを考えていれば大丈夫かというと、そうではありません。若さを保つためにもうひとつ重要な男性ホルモンが「デヒドロエピアンドロステロン」略してDHEAです。
DHEAは別名"若返りのホルモン"とも"長寿ホルモン"とも呼ばれるもので、体内のほとんどすべての器官の働きをアップする、驚くべき力を持ったホルモンです。男性でも女性でも、心もからだも疲れている人を検査してみると、DHEAが大幅に低下していることがよくあります。
また、DHEAはテストステロンの素になっているホルモンなので、これが減るとテストステロンも減ってしまうのです。
■2.男は大豆を食べすぎてはいけない
牛乳と豆乳は成分的にあまり似ていきせん。特にカルシウムは、牛乳には100ミリリットル中に約110ミリグラム含まれていますが、豆乳にはわずか15ミリグラムしか含まれていないのです。(中略)
しかし、本当の問題は、そこではありません。実は、大豆には、人体に有害な作用を持つ「植物性化学物質」が大量に含まれているのです。
その代表が、フィチン酸塩、酵素阻害物質、ゲニステインの3つです。これらはもともと大豆が繁殖できるよう、動物から身を守るために備わっているもので、私たちの体内に入ると有害な働きをします。
(詳細は本書を)
■3.老けない男は、朝型人間
「仕事ができる男」に関する本を手にとってみると、ほとんどの本に、「朝の時間の有効活用が成功のカギ」とか、「もっとも重要な決断は、朝、頭が冴えている時間に行う」とか、書かれています。
実はこれは、男性ホルモンの観点からも、大変、理にかなっています。
男性ホルモンの量には日内変動があり、テストステロンもDHEAも朝5〜6時にピークになることがわかっています。テストステロンは集中力や決断力を高めてくれるので、大事な決定事項や集中して行うべき仕事、斬新な発想が求められる仕事などは、男性ホルモンが一日のうちでもっとも高い時間に行ったほうが良い結果につながるわけです。
■4.男はビールの飲みすぎにも注意
なぜか日本ではほとんど知られていないのですが、実はホップは、私たちが日頃から口にする可能性のある自然の植物の中で、もっとも女性ホルモンに似た作用を持っています。
ホップには、女性ホルモンの中でも大変作用が強いエストラジオールに似た成分が含まれているため、この成分が男性の体内に入ると、精巣のテストステロンを減少させます。さらに血中のテストステロンをたんぱく質と結合させてしまい、使い物にならない状態に変えてしまうのです。
テストステロン値の低下によりホルモン補充療法を受けている患者さんが、ビールを毎晩何杯も飲んでいる間は治療効果が表れなかったけれど、ビールを1日1〜2杯にまで制限したら効果が出てきた、という報告もあります。
■5.男は漢方薬にも要注意
男性の場合、安易に漢方薬を飲み続けるのは、あまりよくありません。
それは、漢方薬の多くに、男性ホルモンに非常に好ましくない影響を及ぼす「甘草」が含まれているからです。(中略)
甘草には、女性ホルモンもしくは、それに似た7つの化合物が含まれており、そのうち2つは、クリセストロンとエストリオールという、まさに女性ホルモンそのものの成分なのです。(中略)
つまり、男性が甘草を体内に入れると、コルチゾール値が上がり、テストステロン値は低下し、女性ホルモン値が上がってしまうことになります。
そして、困ったことに、漢方薬の中には甘草が入っているものがかなり多いのです。
【感想】
◆当ブログでは、「健康本」をこれまで数多くご紹介してきました。カテゴリー:「健康」
ただ、テストステロンはまだしも、DHEAについて言及した本はほとんどなく、純粋に「健康本」というくくりだと、かなり前のこの本まで遡る必要がある模様。
HEALTH HACKS! ビジネスパーソンのためのサバイバル健康投資術
参考記事:【健康】「HEALTH HACKS! ビジネスパーソンのためのサバイバル健康投資術」川田浩志(2009年02月14日)
もちろん、実際には本の中で触れられていたものの、割愛した可能性は否定できません。
それでも、ここまで「重要な男性ホルモンである」と指摘されていたら、もうちょっと違う扱いをしていたと思うのですが……。
◆それら過去の類書と違い、本書はほぼ全編を通じて、テストステロンとDHEAの2つの男性ホルモンについて解説しています。
中でも第2章では、DHEAを作る器官である「副腎」をテーマに展開。
副腎 - Wikipedia
この副腎が疲れる(「副腎疲労」)と、思うようにホルモンを作れなくなり、全身が疲労感に満ちて、いくら休んでもなかなか回復しなくなるのだそうです。
さらにこの副腎疲労がひどくなると、コルチゾールやテストステロンがほとんど出なくなり、朝起き上がれなく、何もやる気がしない状態に。
……って、これはまさに「うつ病」の症状に近いわけで、実際に精神科で薬をもらってもなかなか治らなかった人が、男性ホルモンの補充を行うことで、回復することが少なくないのだとか(詳細は本書を)。
◆また、そこまでいかないにせよ、私たちは体内の男性ホルモン値を上げる必要はあるわけで、それを「食」の面から解説したのが本書の第3章です。
ここでは「積極的に食べたい」食品が数多く紹介されているのですが、どれも甲乙付けがたく、結局丸ごと割愛しているという(ダメじゃんw)。
巷でよく言われている「精をつける」食材から、「え? あんなのも?」という食材まで多種多様ですから、ここはぜひとも要チェックで。
ちなみに「糖質制限」は、男性ホルモンの面からもおすすめらしいので、その理由等も含め、本書にてご確認ください。
◆ただ、そちらよりも衝撃的だったのが第5章で言及されている「食べてはいけないもの」あれこれ。
中でも上記ポイントの4番目にある「ビールを飲みすぎるとよくない」というのが、アルコール面だけのお話ではなかったのには驚きました。
さらに上記ポイントの5番目の「甘草」は、上記でも触れられているように、「葛根湯」ほか多くの漢方薬に含まれているものです。
もちろん、一時的に服用するだけなら問題はないのですが、常飲し続けたり、一度に2種類以上の漢方薬を組み合わせるのは避けよ、とのこと。
ほかにも「あのフルーツ」も良くない、と知り、一時期、毎日そのジュースを飲んでいた漏れ涙目の巻……(ネタバレ自重)。
とはいえ、食べ方を変えれば問題ない食材もあって、順番が前後しましたが、上記ポイントの2番目の「大豆」は、豆腐や納豆のような「発酵食品」なら問題ないそうなので、ご安心ください。
◆正直本書は、まだ20代、30代(の前半)の方には、ほとんど関係ないと思います。
逆に40代以降の方は、「男性ホルモン低下のサイン」があったら要注意!
たとえば「朝立ち」の回数が減ったり、おしっこの「ちょい漏れ」、さらには睾丸の大きさが小さくなってきたりしていたら、本書に書かれているような事項に留意すべきかと。
もちろん、シワやたるみといった見た目の老化も、テストステロンが減ってきた証拠……ってまさに私じゃないですか!?
中高年男性、必読の1冊!
できる男の老けない習慣 (青春新書プレイブックス)
第1章 できる男が若々しいのは、男性ホルモンが原因だった
第2章 「副腎」をいたわれば、見た目もからだも若返る
第3章 老けない男は何を食べているのか
第4章 できる男の老けない生活習慣とは
第5章 やってはいけない男の「老け習慣」
第6章 男のアンチエイジングの最先端
【関連記事】
【健康】『いくつになっても年をとらない新・9つの習慣』吉川敏一(2015年12月29日)【アンチエイジング】『病はケから 老けない体と心の作り方』小林一広(2014年09月08日)
【食べたらアカン?】『マンガでわかる若返りの科学』藤田紘一郎(2014年01月05日)
【ハゲ予防】『20歳若く見える頭髪アンチ・エイジング』板羽忠徳(2012年07月05日)
【健康】「HEALTH HACKS! ビジネスパーソンのためのサバイバル健康投資術」川田浩志(2009年02月14日)
【編集後記】
◆本書で推奨されているサプリの1つが、「イチョウ葉」です。脳ネタ本でもご紹介したことがあるように、脳の血の巡りを良くする機能があることは証明されていましたが、血流不足全般、特に勃起不全に効果があるのだそう。
具体的な商品名は挙がってなかったので、アマゾンから選んでみますが、これが「ベストセラー1位」とのこと。
ディアナチュラDHA with イチョウ葉 240粒 (60日)
もっとも、即効性はないので、ある程度長期間の服用が必要なようです。
ご声援ありがとうございました!
この記事のカテゴリー:「健康」へ
「マインドマップ的読書感想文」のトップへ
スポンサーリンク
この記事へのトラックバックURL
●スパム防止のため、個別記事へのリンクのないトラックバックは受け付けておりません。
●トラックバックは承認後反映されます。
当ブログの一番人気!
12月16日まで
Kindle月替わりセール
年間売上ランキング
月別アーカイブ
最近のオススメ
最近の記事
このブログはリンクフリーです