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2016年08月21日

【内向型?】『内向型人間のための人生戦略大全』シルビア・レーケン


内向型人間のための人生戦略大全
内向型人間のための人生戦略大全


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、8月の「Kindle月替わりセール」からの1冊。

8月の対象作品の中で読むとしたら、この本かな、と当初から思っていたので、Kindleにて読了いたしました。

アマゾンの内容紹介から。
静かな人間ならではの長所を生かして成果をあげてきた著者の経験をもとに、内向型人間の傾向と対策について体系的にまとめる。自分の強みと弱みを知り、仕事や家庭生活、子育てなどでよりよく生きるためのヒントが満載。自己診断テスト、具体的なアドバイスや戦略が充実しており、ワークブックとして活用できる内容になっている。

今なら「20%ポイント還元」も付いて、送料込みの中古より600円以上お得です!





Introvert / Davids imperfect fantasy


【ポイント】

■1.「内向型人間」はエネルギーを効率よく使う必要がある
 脳科学者は、「内向型人間」は「外向型人間」よりも脳の活動により多くのエネルギーを必要とすることを発見しました。「内向型人間」の脳内では「外向型人間」より多くの電気活動が見られると言います。それは悩みごとがあってもなくても、考えごとをしていてもしていなくても同じです。特に思考や判断などの精神作用をつかさどる前頭葉でエネルギーは多く消費されています。私たちは脳のこの部分を使って、学んだり、決断したり、思い出したり、問題を解いたりします。このことからも「内向型人間」は物事を処理するのにより多くのエネルギーを費やし、貴重な蓄えをすぐに使い切ってしまうことがわかります。一方「外向型人間」は、脳活動にエネルギーを使いすぎないだけでなく、風力発電機のようにタービンを回しながら(エネルギーを消費しながら)、同時に発電もしているので、エネルギーを使い切ってしまうということがあまりありません。両者を比較すると、「内向型人間」はエネルギーを効率よく使う必要があることがわかります。


■2.不安を声に出してみる
 不安のもとになっているのは変化をおそれる気持ちです。人間の脳は基本的に変化を害とみなします。不安を感じやすい「内向型人間」の脳はなおさらです。目をつぶっていても歩けるほど歩き慣れた道に別れを告げ、新しい道を選べば、困難に突き当たるのは当然です。なぜならこれまでの習慣が通用しないからです。習慣が通用しなければ、意識的に行動するしかありません。アメリカ人作家、セス・ゴーディンは著書『「新しい働き方」ができる人の時代』(三笠書房、神田昌典訳、2011年)の中で「不安を声に出せば、不安を退治することができる」という画期的な方法を説いています。たとえば「私は講演をするのがこわい。聴衆の中に私と反対意見の人がいるからだ」と大きな声で言うと不安をやわらげることができると言います。


■3.声に抑揚をつける
 自信のなさや不安は声にも表れます。「内向型人間」の多くはとても小さな声で弱々しく話します。でもゆっくり静かに話したとしてもそこに抑揚をつけるだけで印象を強くしたり、重要さを相手に伝えたりすることができます。反対に、ゆっくりでも早口でも、抑揚をつけずに弱々しい声で話をすると、周囲の人間(特に「外向型人間」)から「弱い人」と思われてしまいます。すると真剣に話を聞いてもらえない、話の重要さをわかってもらえない、最後まで話を聞いてもらえない、ということになります。


■4.自分の意見が「疑問」に聞こえてしまわないよう気を付ける
また自分の意見が「疑問」に聞こえてしまわないよう気をつけましょう。無意識に言葉の語尾をあげて、つまり《問いかけるように》自分の意見や考えを述べる「内向型人間」が多くいます。たとえば「これが私の見解です」ときっぱりと言うのではなく、「これが私の見解です?」とまるで周囲に同意でも求めているかのように頼りなげに言ってしまうのです。これでは「内向型人間」の集中力を結集してつくりあげたスピーチも台無しになってしまいます。


■5.意見の調和をはかる
 会議に参加している「内向型人間」にも配慮しましょう。彼らは意見を言うまでに時間がかかったり、「外向型人間」よりも控えめだったりします。ですから進行役は彼らに発言できる場を提供する必要があります。公平な議論を行うためですが、理由は他にもあります。すでに何度も指摘したとおり、「内向型人間」は思慮深く、慎重で、安全志向が強いです。ですから「外向型人間」が見落としがちなポイントを指摘し、議論を深めることができるのです。進行役のあなたが「内向型人間」ならなおさら「内向型」の参加者をサポートすることができるはずです。


【感想】

◆単に「内気な人」のための処世術かと思って読み始めたら、結構意外な点があって、驚きました。

まず初っ端のポイントにある「『内向型人間』は『外向型人間』よりも脳の活動により多くのエネルギーを必要とする」ということ。

「内向型」の方が物静かなのですから、エネルギーも節約できるように思いますが、なんと真逆だったという。

それに関係して、「内向型」は外部からの刺激に対しても、その印象を処理するのにエネルギーを必要とするため、騒々しい場所では勉強したり、頭を使う仕事はできないのだそうです。

うるさい環境でも作業ができるか否かなんて、てっきり各人の集中力の問題だと思っていましたが、脳の仕組みによるものだったとは。


◆さて、本書の第2章では、「内向型」の強みを10個列挙しています。

「慎重である」「深い次元でコミュニケーションする」「人の話を聞くことができる」「落ち着いている」などと並んで、「集中力がある」という項目もありました。

上記で「内向型」は「騒々しい場所では勉強したり、頭を使う仕事はできない」と申し上げましたが、逆に「何かに取り組むのに外界からの刺激や後押しを必要としない」ため、1つのことに長時間集中して取り組めるのだとか。

また、「内向型」と「外向型」をそれぞれ「右脳タイプ」「左脳タイプ」に分けた場合、「左脳タイプ」の「内向型」は、分析力に優れているとのこと(詳細は本書を)。

そしてこのように分析力に優れた人は、システム管理や医学、IT、技術開発等で大いに活かすことができるのだそうです。


◆逆に本書の第3章では、「内向型」の弱みを、強みと同じように10個列挙。

「不安を抱えやすい」「細かいことにこだわる」「嫌なことから逃げる」「頭でっかち」「柔軟性に欠ける」等々、ある程度予想されるものが並んでいます。

なお、「内向型」が「柔軟性に欠ける」のは、上記ポイントの1番目に関連して「エネルギーの消耗を最小限に抑えようとするから」なのだそう。

そして実は、「内向型」の弱みの多くが、この「エネルギーの消耗を最小限に抑えようとする」ことに起因しているらしく……(詳細は本書を)。


◆一方、本書の第3部では、「内向型」の「処世術」や「働き方」を指南。

特に第7章以降は、「交渉」「スピーチ」「会議」といったビジネスシーンでの振る舞い方を、「強み」と「弱み」の双方から分析しています。

上記ポイントの3番目の「声に抑揚をつける」は、他の章からの引用ですが、第8章の「スピーチ」や第9章の「会議」でも再度登場していますから、重要項目と言えるでしょう。

また、上記ポイントの4番目の「『疑問』に聞こえてしまわないよう気を付ける」も、文中にあるように「スピーチ」では気を付けたいものです。

さらには、上記ポイントの5番目も会議においては、出席者に「内向型」がいたら留意したいところかと。


◆ちなみに今回は丸ごと割愛しましたが、本書は各章ごとに書き込みができるワークシートが収録されています。

本来であれば、これに記入しながら読み進めた方が、より効果が実感できるハズ。

ただし、そもそも私自身が「内向型」かというと、ちと微妙な分、本書のありがたみもやや薄かったです。

……そもそも独身時代にはクラブで遊んでいた私が「内向型です」とか言ったら、当時の友人に笑われそうなw

逆に、ご自身が「内向型」であると思われている方なら、本書は必読だと思われ。


お求めになるなら、セール対象である今月中がオススメです!

内向型人間のための人生戦略大全
内向型人間のための人生戦略大全
第1部 自分は誰か、何ができるか、何が必要であるかを知る方法
 第1章 なぜ「内気」なのか?
 第2章 「内向型人間」の強み
 第3章 「内向型人間」の弱み

第2部 プライベートと職場での成功の両方を手に入れる方法
 第4章 居心地のいいプライベート空間のつくり方
 第5章 職場でのふるまい方
 
第3部 注目され、耳を傾けてもらうためにはどうすればいいか
 第6章 人間関係を広げ、深める
 第7章 交渉
 第8章 スピーチ
 第9章 会議


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【意思決定】「まさか!?―自信がある人ほど陥る意思決定8つの罠」マイケル・J・モーブッサン(2010年04月16日)


【編集後記】

◆本書の「この商品を買った人はこんな商品も買っています」で初っ端にあったのがこちら。

内向型人間のすごい力 静かな人が世界を変える (講談社+α文庫)
内向型人間のすごい力 静かな人が世界を変える (講談社+α文庫)

この本の中古も、単行本の中古も、送料加味すると1000円以上するため、普通にこの文庫版のKindleを買うのが一番安いようです。


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