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2016年07月31日

【成功法則】『〈パワーポーズ〉が最高の自分を創る』エイミー・カディ


〈パワーポーズ〉が最高の自分を創る (ハヤカワ・ノンフィクション)
〈パワーポーズ〉が最高の自分を創る (ハヤカワ・ノンフィクション)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事でも人気だった1冊。

歴代2位の再生数を誇るエイミー・カディ女史のTED動画が、ついに書籍化されました!

アマゾンの内容紹介から。
世界的なプレゼンテーションのイベントTEDで史上空前の人気を誇るハーバード・ビジネス・スクールの心理学者が、ストレスフルな状況下でも自信を高めるしぐさ=〈パワーポーズ〉の極意を伝授。自らの実体験や世界中の人びとから寄せられたエピソード、多くの先端研究をもとに、採用面接からトラウマ克服まで、どんな場面でも役に立つ実践法を明かす。

なお、上記内容紹介は、ややお買い得なKindle版のものになります!





Power pose by Amy Cuddy at PopTech 2011 / whiteafrican


【ポイント】

■1.難しい場面の前に「最高の自分」を再確認する
 この結果で注目すべきなのは次の点です。実験の参加者が確認したのはその人が大切だと考える本質的な価値観でした。そのあとで取り組む、ストレスを与える課題の内容に直結する価値観や能力ではありません。人前でスピーチをする場面に自信をもって臨むために必要なのは、自分は人前で話すのが上手なんだ、と言い聞かせることではなかったのです。「自分にとって大切なのはクリエイティブであることと、アートを作り出すこと」のように、自分の一番いい部分、大切な部分を思い出して確認することにこそ効果があったのです。自信をつけたり具体的な何かをするときのパフォーマンスを上げたりする以上に、自分自身をしっかり把握することによって、さらに人生の意義は豊かになるのです。


■2.姿勢は思考に影響を与える
 姿勢が自己イメージにおよぼす影響については、ほかの研究者も同様の結果を得ています。その1人、サンフランシスコ州立大学でホリスティック・へルスを専門にするエリック・ぺパーは、30年以上にわたって身体と心の関係を研究しています。ペパーがスポーツ心理学者のヴィエッタ・ウィルソンと共に行なった研究では、被験者に背筋を伸ばした姿勢とうなだれた姿勢をそれぞれ1分間ずつとりながら、自身にまつわるポジティブな記憶やできごとを思い出してもらいました。すると92パーセントの人が、背筋を伸ばして座ったときのほうが楽しく前向きな気持ちを容易に思い出せたと答えています。


■3.姿勢は身体にも影響を及ぼす
 ケンブリッジ大学で心理学を研究するウンへ・リーとシモーヌ・シュナールは、被験者をハイパワーポーズとローパワーポーズのいずれかで座らせ、その前と後で重さ数キロの箱を持ってもらう実験を行ないました。すると、堂々と身体を広げる姿勢で座ったあとで箱を持つと、最初に持ったときよりも軽く感じると答える人が多いという結果が出ました。持つのが2度目になるので、重さに慣れたためだと考えられます(ハイパワーでもローパワーでもない姿勢で座った場合も、2度目に持ったときのほうが軽いと感じています)。しかしうなだれた姿勢で座った人にはこの「慣れ」の効果がみられず、2度目に持ったときも1度目と同じ重さに感じると答える傾向がありました。


■4.面接の前にハイパワーポーズを取る
 スピーチの内容を準備する間、被験者には以前の実験でも採用したハイパワーポーズかローパワーポーズをとってもらいます。この姿勢をとるのは面接の前であって、面接中ではありません。ここがこの実験のポイントです。(中略)
 結果は予測したとおりでした。ハイパワーポーズをとってスピーチの準備をした人のほうが、面接全体のパフォーマンスがよいと評価され、「採用」するのにふさわしいという判定を受けました。スピーチの内容そのものにはポーズによる影響はみられませんでした。ですが、ハイパワーポーズをとった人のほうが非言語要素による自己表現の評価が非常に高かったのです。


■5.スマホの操作はローパワーポーズと同じ
 オーガストは私のTEDトークを見てある疑問を抱き、私にコンタクトをとってくれました。それは私も抱いていた疑問です。スマートフォンやタブレットやノートパソコンに向き合って長い時間を過ごしていると、力のない姿勢をとったときと同じような影響が出てくるのでしようか?(中略)
「端末が小さくなるほど(患者の)自己主張が弱くなるだけでなく、首への負荷も大きくなります(すぐにかしばらくしてからかの違いはあるものの、これが首の痛みや頭痛をもたらす)。これはみんな比例しているんです。完全に呼応した(かつ論理的な)相関関係といえます。端末が小さくなると、それを使うためにもっと首を曲げて小さくなる、すると自信をもって自己主張しなくなり、首への負荷は増えて痛みが増す、という流れです」


【感想】

◆そもそも著者のエイミー・カディの存在は、冒頭の未読本記事でも申し上げたように、この本をご紹介した際に認識していたワタクシ。

TED 驚異のプレゼン 人を惹きつけ、心を動かす9つの法則
TED 驚異のプレゼン 人を惹きつけ、心を動かす9つの法則

参考記事:【字幕付き】『TED 驚異のプレゼン』から選んだプレゼン10選(2014年07月28日)

ただ、上記記事ではTEDの人気動画を10個掲載しており、全部を最後まで視聴したわけではありませんでした。

今般最後までこちらを観たのですが、なるほど人気となるのも分かるクオリティだな、と。



上記記事の時点(2014年7月)では「1800万超」だった視聴回数も、現在ではほぼ倍の「3500万超」に達しています。

その秘密は本書でも明かされているのですが、観た人の多くが「知人友人に勧められて」のよう。

つまり、観た人が効果を実感し、知り合いに教えることで、視聴者が激増したのだと思われ。


◆具体的な内容等については、上記動画にもあるように、何らかしらの「舞台」に立つ前に、「パワーポーズ」と呼ばれる格好をする、というもの。

その「パワーポーズ」とは、本書ではイラストで紹介されているのですが、上記画像の両手を腰に当てるポーズ(今や彼女の動画のおかげで「ワンダーウーマン・ポーズ」と呼ばれているらしく)をはじめとした「身体を使って広い空間を占める」ポーズです。

ちなみに「ハイパワーポーズ」のうち、「机の上に両足をのせ、両手を頭の後ろで組んでひじを外側に突き出す」ポーズだけは、文化的理由からか、私たち日本人を含む「東アジア」の人には効果がなかったのだそうですが。

一方「ローパワーポーズ」とは、「ハイパワーポーズ」とは逆に「小さく縮こまった姿勢」です。

そんな格好、普通はしない、と思っていましたが、上記ポイントの5番目にもあるように、スマホやパソコンを操作していると、必然的にそうなってしまう模様。

なお、上記ポイントでも言われているように、実験により分かったのが「画面の大きさ」と「自己主張の度合い」が比例する、ということ。

PCの操作時の格好も「ローパワーポーズ」ではあるものの、タブレット、スマホと端末が小さくなるほど、悪影響がより大きくなるようです。

……私は最近スマホに乗り換えたばかりなのですが、PCを立ち上げる回数が減ったのは、良くないということのようで。


◆こうした「ポーズ」とその効果については、本書の第8章に詳しいです。

上記ポイントの2番目の「思考」や3番目の「身体」、4番目の「パフォーマンス」と、それぞれ実験によってその関係が明らかに。

また割愛しましたが、「痛み」についても「パワーポーズ」はプラスに働くのだとか。

さらには、実際に「ハイパワーポーズ」を取らなくとも、頭の中で想像するだけでも効果があるようです(詳細は本書を)。

ホントなら同じポーズで、「リアル」と「脳内」で比較してもらいたかったところですが……w


◆なお、本書を読む前、もっと言うなら、2年前に今回の動画を知る前から、こうしたパワーポーズの効果については、書籍等を通じてある程度知っていました。

知っていたからこそ、動画もあえて観るほどではないな、と思っていたのですが、後半思わぬ感動シーンがありますので、お時間がある方は、ぜひご覧いただきたく。

また、パワーポーズとは違うものの、上記ポイントの1番目に挙げた「課題の前に意識すること」のお話は「目からウロコ」でした。

課題の内容とは関係なくとも、自分の一番自信があることを思い出すのが、パフォーマンスの向上につながるワケですね。

なるほど、この本にあった「面接前にパワーに満ちた体験を書く」というTIPSにも通じることだな、と。

影響力の武器 戦略編: 小さな工夫が生み出す大きな効果
影響力の武器 戦略編: 小さな工夫が生み出す大きな効果

参考記事:お前らもっと『影響力の武器 戦略編』の凄さを知るべき(2016年07月24日)


◆ところでこうした「エビデンス」に興味がない、もしくは「てっとり早く効果だけ得たい」という方は、本書の第9章をご覧アレ。

こちらでは、「パワーポーズを実践する」と題して、具体的なアクションを指南してくれています。

まずは「大事な場面の前にとるポーズ」を、いくつかご紹介。

・朝起きたらベッドから出て、好きなパワーポーズを2,3分間とる

・順番を待っているとき、背中を丸めてスマホを覗きこまない

・座って待つ場合は、両腕を椅子の背に回し、後ろで両手をしっかり組む(と両肩と胸が自然に開く)


続いて「大事な場面の最中」の留意点も、2ページ近くに渡って列挙されていますので、こちらは本書にてご確認を。

おそらく、面接やプレゼンテーションで意識しているのといないとでは、結果がまったく違ってくると思います。


「大事な場面」がある方なら必読!

〈パワーポーズ〉が最高の自分を創る (ハヤカワ・ノンフィクション)
〈パワーポーズ〉が最高の自分を創る (ハヤカワ・ノンフィクション)
第1章 プレゼンスとは何か
第2章 自分のストーリーを信じ、受けとめる
第3章 説教をやめ、耳を傾けよう―プレゼンスがプレゼンスを呼ぶ
第4章 私はここにいるべき人間じゃない
第5章 パワーのなさは足かせになり、パワーは自由をさずけてくれる
第6章 身をかがめる、塔をつくる―伝える身体
第7章 幸せへの鍵「笑うから楽しい」
第8章 身体が心をつくる―「ヒトデになる方法」を見つけよう
第9章 パワーポーズを実践する
第10章 セルフナッジ―小さな変化を大きな違いに
第11章 本物になるまでふりをし続ける


【関連記事】

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【誤解?】『だれもわかってくれない:あなたはなぜ誤解されるのか』ハイディ・グラント・ハルヴァ―ソン(2015年10月22日)

アルファギークもびっくり 驚愕の「FBI式 人の心を操る技術」(2010年06月28日)


【編集後記】

◆品揃え的にちと微妙(失礼!)なので、ご紹介していませんでしたが、日経BPさんの「月替わりセール」も、おそらく今日までのハズ(きんどうさんありがとうございます)。



版元さん的には信頼できるところですから、覗くだけ覗いてみても良いと思います。


ご声援ありがとうございました!

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