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2016年07月24日

お前らもっと『影響力の武器 戦略編』の凄さを知るべき


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影響力の武器 戦略編: 小さな工夫が生み出す大きな効果


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事にて、一番人気だった「スゴ本」。

当ブログではお馴染みの『影響力の武器』シリーズの最新作が、いよいよ登場です!

アマゾンの内容紹介から一部引用。
世界中でロングセラーを続ける『影響力の武器』シリーズの最新刊。「約束を守ってもらうのに効果的な方法とは?」「相手に、選んでほしい選択肢を選ばせるコツとは?」「目標達成に効果的な計画づくりとは?」など、“小さな”工夫ながら“絶大な”効果をもたらすことのできる、53の“スモール・ビッグ”を紹介。仕事や日常生活に使えるヒントが満載!

当然付箋も貼りまくり!



なお、タイトルは「ホッテントリメーカー」のお世話になりました!





Dr. Robert Cialdini Asw10 / Dave Dugdale


【ポイント】

■1.人は周りの行動に影響を受ける
影響戦略の土台に据えるべきなのは、人々が自分の決定に影響を与えたと言っているものではなく、その人たちにして欲しいことを、その人たちと似ている大勢の人がすでにやっていると、わかりやすく、正直に、正確に伝えることなのです。たとえば、企業の開発部門幹部が新製品の発表会に顧客を惹きつけたいなら、まずは最も来てくれそうな人たちに狙いを絞って招待してください。そうすれば、次に招待する人たちに対して、「すでにほかの大勢の方々から、出席のお返事をいただいております」と正直に言うことができます。


■2.約束を守ってもらうためのコミットメント
 そこで、私たちはほかの小さな工夫――患者が消極的にではなく積極的に予約の設定に関わるようになる工夫――の効果を検証しました。具体的には、次回の診察日時を患者が自分でカードに記入するよう、受付担当者に頼ませたのです。4ヵ月以上このやり方を試してみたところ、このやり方を採用したグループのすっぽかし率に、なんと18パーセントもの減少が見られました。


■3.将来のある時点での変化に対する同意を得るようにする
たとえば、インターネットのブロードバンド、ケーブルテレビ、携帯電話といった日常的なサービスの料金プランへの申し込みです。最も安くて魅力的なプランの契約は、しばしば契約日から1年半あるいは2年間破棄できないようになっています。こうした、その日から有効になる長期契約の話を聞いたときに、すぐ発生する具体的な負担を嫌ってプランを拒否する人もいるはずです。ですが、もしこの契約が加入後3ヵ月経ってから有効になるとしたら、プランを拒否する顧客の数が減るばかりか、サービスを提供する側も顧客を3ヵ月長く押さえておけるというメリットがあります。


■4.相手に能動的な選択を行わせる
 最初のグループ(選択肢1つのグループ)は、「秋のインフルエンザ予防接種を希望する場合は、チェックボックスに印をつけてください」とだけ言われました。
 2つめのグループは、1つではなく2つの選択肢のどちらかを選ばせるようにしました。(中略)
(1)秋のインフルエンザ予防接種を希望します。
(2)秋のインフルエンザ予防接種を希望しません。
 その結果、能動的に選択を行ったグループでは、予防接種を希望する割合がずっと高くなりました(希望者は選択肢1つのグループで42パーセント、選択肢2つのグループで62パーセント)。


■5.面接前にパワーに満ちた体験を書く
 分析結果が出たときにはっきりしたのは、パワーに満ちた体験を書いていた人たちのほうが、はるかに採用見込みが高かったということです。これは、パワーに満ちた体験について書くという小さな行為で、結果が大きく変わることをきちんと実証しています。(中略)
 面接を受けた実験参加者のうち、作文を書かなかったグループで採用された人は半数にもなりませんでした。また、パワーに欠ける体験を書いた人の採用率はたったの26パーセントでした。これらの数字と比較して考えてもらいたいのですが、パワーに満ちた体験を書いた人の採用率は70パーセント近くにもなっていたのです。


■6.「愛」は影響力を持つ
けれども、チップの増額とキャンディーは、いっさい関係がないのです。強く関係していたのは、勘定書きの上に載せたプレートの形でした。客が知るよしもありませんが、プレートの形は3種類用意されていました――円形、四角形、そしてハート型です。プレートがハート型だと、円形だった場合より17パーセント、四角形だった場合より15パーセント、チップが多くなりました。


■7.交渉の提示額には端数を入れる
 メーソンたちはこう考えました。端数のある提示額を示されると、人は相手が交渉の準備に時間と労力を費やしていると感じやすくなり、それゆえ、出してきた端数のある数字には、それを支持するしっかりとした根拠があると考えやすくもなる、というものです。そしてこの仮説は、実験に続けて実施した調査とも一致しました。交渉が終わった後に参加者たちの認識を調べてみると、彼らには「買い手の若者は、かなりのエネルギーを費やして車の価値を調べていた」や、「彼が提示した値段には、しっかりとした根拠があったに違いない」といった意見に同意する傾向があったのです。


【感想】

◆久々に(?)抜き出すポイントを大盤振る舞いしてしまいました。

それというのも、ひとえに内容が濃厚だから。

冒頭の画像からもお分かりのように、とにかく「ネタ」が豊富です。

今回、TIPSとしては「53」もあるわけで、しかもクオリティ的には、ほぼすべて引用に耐えるもの。

もし引用できないとしたら、それはたまたま類書で目にしたことがあるから、といった理由であり、TIPS自体は、他のものと比べてもまったく遜色がありません。


◆その類書との兼ね合いで言うなら、まず本書は同じ著者陣による、この本の「続編」とのこと。

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影響力の武器 実践編―「イエス!」を引き出す50の秘訣

参考記事:【スゴ本】「影響力の武器 実践編」がやっぱりスゴかった件(2009年06月10日)

この作品は元となる『影響力の武器』の6つの原理(「返報性」「権威」「希少性」「好意」「一貫性」「社会的証明」)に加え、さまざまな戦略の利用法をアドバイスしたものでした。

当時としては、これは最新レベルだったのですが、最近は行動経済学がブームになっているように、ここ数年で神経科学や認知心理学、社会心理学等も発展。

そして本書では、こうした「新たな知見」からTIPSが選ばれているワケです。


◆また、これは『影響力の武器』シリーズ全体に言えることですが、どれもキチンとした実験や研究に基づくもの。

巻末に18ページに渡って、参考文献(と覚え書き)が付されていますので、より深く知りたい方は、こちらをご参考のほど。

本書ではこうしたエビデンスに基づき、何らかの「結論」を導きだすだけでなく、さらに具体的な「ビジネスのアドバイス」まで言及されているのがありがたいです。

実際、上記ポイントでは、引用するのを「実験部分」にするか、「結論部分」にするか、「アドバイス部分」にするか迷ったあげく、結局ランダムに選んでいるのですがw

一方、結論まで導き出せた実験を、発展させているケースも多々ありました。

たとえば上記ポイントの4番目では、2つのメッセージそれぞれに、さらに「具体的な損失回避のメッセージ」まで付け加えたところ、予防接種の希望割合が75%にまで増加したのだそう(詳細は本書を)。


◆ちなみに、付箋を貼りつつも大量に割愛したTIPSの中から、いくつかご紹介しようと思ったのですが、本書の「はじめに」でTIPSがいくつか列挙されていたので、そちらを代わりに。

……本来なら、こういう部分をアマゾンの内容紹介に載せておくべきではないか、と。

・取引先との交渉がやりやすくなる電子メールのちょっとした工夫とは?

・ハリケーンの名前、末尾が99で終わる価格、フローズン・ヨーグルトという表現から、効果的な説得を生み出すちょっとした工夫について何がわかるか?

・会議を今より生産的なものにしたいときに役立つ小さな工夫とは何か?

・お金をかけずに言い方をちょっと変えるだけで、ほかの人を(ついでに自分も)やる気にさせ、目標(売上目標の達成、ダイエットの成功、新しい趣味を始める、子どもに宿題をやらせるなど)をやり遂げさせる方法とは?


なるほど、本書の執筆陣としては、この辺がイチオシな模様。

当ブログ的にも、3番目の「会議の工夫」は、ホントならポイントとして抜き出したかったのですが、工夫が4つあったため、ボリューム的に泣く泣くカットしております。


◆ところで本書は、冒頭の未読本記事で取り上げた時点では在庫切れで、「2〜5週間待ち」の状態でした。

とはいえファンとしては、そんなに待てないので、近所のリアル書店(某大手チェーン店)に行ったのですが、取り扱いがないという謎。

するとその数日後、アマゾンで一瞬在庫有りになったので、速攻注文したところ、その日の夜にはまた在庫切れになって、再び「2〜5週間待ち」に。

ところが今見たら、また普通に在庫があるので、正直、在庫がどうなっているのかよく分かりません。

買うべきかと言ったら、従来のファンの方からすれば、本書も「鉄板」でしょうし、そうでない方にとっても、単純に「ビジネス書」としても秀逸だと思われるので、一読の価値は十分アリ。


当ブログとしては、当然全力でオススメさせていただきます!

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影響力の武器 戦略編: 小さな工夫が生み出す大きな効果
納税期限を守ってもらうための簡単な工夫
集団との結びつきを利用したスモール・ビッグ
社会規範の効果的な利用法
わずかな環境の変化がもたらす大きなパワー
名前が生み出す驚くべき効果
共通点を探すことの大きなメリット
「よく知っている人」という思い込み
約束を守ってもらうためのスモール・ビッグ
行動力を倍加させる小さなコミットメント
思わぬ逆効果を防ぐためのひと工夫〔ほか〕


【関連記事】

【スゴ本】「影響力の武器 実践編」がやっぱりスゴかった件(2009年06月10日)

【速報!】『影響力の武器』の[第三版]を[第二版]と比較してみました(2014年07月14日)

【モテ】彼女が欲しい? よろしい、ならば『影響力の武器』だ!(2012年02月10日)

【速報!】最強のビジネス本「影響力の武器」の[第二版]がいよいよ登場!!(2007年08月18日)


【編集後記】

◆私も知らなかったのですが、本書の著者陣によるこの「前作」は、『影響力の武器』シリーズの中で、唯一Kindle版が出ていました。

B010UYUHD0
影響力の武器 実践編

版元さん的に、セールをやっているのを見たことがないため、現状の「20%ポイント還元」で400円値引きされている今は、結構お得かと。

未読の方は、ぜひご検討ください!


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

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