2016年07月19日
【名著満載】『ビジネススキル大全―――2時間で学ぶ「成果を生み出す」全技術』藤井孝一
ビジネススキル大全―――2時間で学ぶ「成果を生み出す」全技術
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事でも一番人気だったビジネススキル本。「週末起業」でお馴染みの藤井孝一さんが、古今東西の名著のエッセンスを1冊にまとめてくださっています。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
一般的な仕事のやり方、たとえば思考法や文章の書き方、プレゼンテーションの仕方など、日常の仕事を支えるベースとなるようなスキルを、自身の活用事例を踏まえてわかりやすく解説、初学者でも理解しやすい内容になっています。
また、単にスキルの概略を列挙したものではなく、ポイントは「ビジネスパーソン必修のスキルが一気に学べる」ところ。
『企業参謀』『7つの習慣』『影響力の武器』『人を動かす』『自助論』『本を読む本』など数多くの名著を取り上げていて、今後働く業界や会社が変わっても通用する「ポータブルスキル」が身につきます。
なお、Kindle版なら若干お得なのも見逃せませぬ!
Bookshelf Porn / julesjulesjules m
【ポイント】
■1.仮説と検証を繰り返して問題解決する『仮説思考』の著者でもある元ボストンコンサルティンググループ日本代表の内田和成さんは、「仮説は検証することでよりよい仮説に進化していく。仮説→実験→検証を繰り返すことによって、個人や組織の能力は向上する」と言っています。
仮説思考のスキルを身につけるには、「(1)問題発見の仮説を立てる。(2)問題を検証する。(3)問題解決の仮説を立てる」のプロセスを繰り返し行うことです。
仮説思考 BCG流 問題発見・解決の発想法
■2.財務3表の関係を理解する
正直、私は、サラリーマン時代、「黒字の会社が倒産する」ということや、赤字が何年も続いているのに倒産しない会社があることもさっぱり理解できませんでした。
しかし、会計を学ぶことでそれがわかりました。ビジネスの本質が理解できたといってもいいでしょう。(中略)
経営者とサラリーマンの大きな違いが、会計を理解しているかどうかです。ですから、「財務3表一体理解法」は、起業する人にとっては必須ですし、サラリーマンであっても学ぶことでライバルと差がつけられると思います。
決算書がスラスラわかる 財務3表一体理解法 (朝日新書 44)
■3.ビジネスモデルキャンバスでアイデアを事業化する
起業志望の人たちは総じてアイデアマンが多いようです。私が主宰する「週末起業フォーラム」でも、素晴らしいアイデアがポンポン出てきます。しかし、残念なことに、アイデアはいくらでも浮かんでくるけれど、それを事業まで高められないという人がいます。
起業経験者から見ると、そのアイデアは穴だらけです。オスターワルダー博士のビジネスモデルキャンバスを埋めていけば、簡単にこの穴をふさぐことができます。実際、このビジネスモデルキャンバスを埋めていって、自分のアイデアを形にして起業に至ったという人がたくさんいます。
ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書
■4.自己欺瞞に陥るメカニズムを理解する
私は2006年に会社を設立しました。開業当初は会社の人間関係が悪く、ストレスであふれていました。(中略)
定着率の低さが業績に悪影響を及ぼすようになったころのことです。ついに、メンタルを患う社員が現れました。これがきっかけになり、私は目を覚ましました。
そんなとき、ある社長が「一発で対人ストレスが解消する方法があるよ」と言って教えてくれたのがこの対人スキルです。これは当時、経営者仲間の間で話題になっていたスキルで、私も藁にもすがる思いで学びました。
職場の環境は改善し、定着率は極めて高くなりました。それに比例して、業績も改善しました。さらに、家庭内の人間関係まで良好になったのです。
自分の小さな「箱」から脱出する方法
■5.自分の強みを生かす
人生を切り開くうえでは、欠点や弱点ではなく、強みに着目するべきだと思います。自分の強みを生かしたほうが楽だし、何より楽しい。得意なことや強みを伸ばして、欠点を凌駕すればいいのです。
世間は懐が広くできています。きっとあなたの特技を生かせる場所があるはずです。人は誰でも持って生まれた才能があります。人生における最大の悲劇とは、傑出した才能を持たないことではなく、強みを生かせていないことです。べンジャミン・フランクリンにこんな名言があります。「日陰の日時計が何の役に立つのか?」
あなたが役立つ場所へいけばいいのです。そのための第一歩は、自分の強みを知ることです。
さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす
参考記事:【自分の"強み"を調べてみました】「さあ、才能(じぶん)に目覚めよう」マーカス・バッキンガム(2008年06月26日)
【感想】
◆本書の「はじめに」には、このような一節があります。なお本書は、いわゆるブックガイドではありません。ビジネス書で紹介されているスキルのなかから、「これは」というものを抽出して解説する本です。確かに中を読んでみると、「○○はこういう本です」という本の紹介がメインではなく、「○○というスキル(考え方)」を解説したうえで、その出典となる書籍を最後に紹介する、という仕様。
とはいえ、その選び抜かれた「スキル」を、限られたスペースに引用するのが難しくて、結果的に「なぜこの本が優れているのか」に勝手にフォーカスしてしまいました。
ただし、あくまで本書は『ビジネススキル大全』ですから、まず「スキル」ありきである点にはご留意を。
◆さて、そのスキルの範囲ですが、これがまた膨大なことに。
下記目次をご覧いただければおわかりのとおり、当ブログで扱っているほとんどのカテゴリーをカバーしています。
「ビジネススキル」といいつつも、「コミュニケーション」や「マネジメント」もありますし、第9、10章あたりは「自己啓発」(成功本)ですよね。
結果、上記ではご紹介していない(残り35冊あるので)、この辺の「定番名著」も登場しているという……。
人を動かす 新装版
完訳 7つの習慣 人格主義の回復
「原因」と「結果」の法則
◆なお、上記ポイントで登場する作品の中で、私がレビューしているのは、最後の『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう』だけですが、既読本としては他にもこんな作品が収録されています。
脳が冴える15の習慣―記憶・集中・思考力を高める (生活人新書)
参考記事:「脳が冴える15の習慣」築山 節(2006年11月18日)
アイデアのちから
参考記事:【オススメ】「アイデアのちから」が予想以上に面白かった件(2008年11月25日)
影響力の武器―なぜ、人は動かされるのか
参考記事:★「影響力の武器」 (ロバート・B・チャルディーニ (著))について(2005年12月01日)
……他にもあるのですが、これ以上はネタバレ自重しようかと。
ちなみに、『アイデアのちから』のKindle版は、現在「50%OFF」(&「20%ポイント還元」)の模様w
◆ところで、アマゾンの内容紹介の割愛した部分には、「こんな人にお勧めです!」と題して、本書の「想定読者」が列挙されています。
・長年仕事をやってきたが、これまでスキルについて学んだことがなく、本当はよくわかっていない中堅クラスの人当ブログを長年お読みの方には、当てはまらない可能性もあるのですが、本を「読むだけ読んで」身についてない、という方にも役立ちそうな。
・今さら基本スキルを知らないとは言えないリーダークラスの人
・スキルに関心があるが、書店に行っても何を読めばいいのかわからない人
・どこからスキルを学べばいいのかわからない人
特に、藤井さんが直面した事例等は、「なるほど、実際にはこう活かすのか」と腑に落ちた個所がいくつもありました。
もちろん、収録されている作品は、どれも「名著」と言えるものばかりですから、純粋に「ブックガイド」として読むのもアリ。
1万冊以上のビジネス書から選ばれたエッセンスがここに!
ビジネススキル大全―――2時間で学ぶ「成果を生み出す」全技術
第1章 問題を素早く解決するための思考法
第2章 学びを稼ぎにつなげる発想法&読書術
第3章 スキルを使いこなすためのビジネス基礎力
第4章 重要なことに集中する自己管理法
第5章 ヒットを作り出すコンセプト設計/戦略
第6章 人間関係を円滑にするコミュニケーション術
第7章 人を動かしチームで成果をあげるマネジメント法
第8章 成功と幸福を導く人生設計術
第9章 秘めた思いを形にする自己実現法
第10章 潜在意識を変えて富を手にする成功哲学
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【編集後記】
◆本日の「Kindle日替わりセール」から。がんばりすぎるあなたへ 完璧主義を健全な習慣に変える方法
身に覚えのある方も多そうな感じの1冊。
送料加味した中古が新品価格並みなので、「69%OFF」&「20%ポイント還元」という今回のセールは、かなりお買い得かと。
ご声援ありがとうございました!
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