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2016年07月16日

【オススメ!】『47原則―――世界で一番仕事ができる人たちはどこで差をつけているのか?』服部周作


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47原則―――世界で一番仕事ができる人たちはどこで差をつけているのか?


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事でも人気が高かった仕事術本

本書は、著者の服部周作さんが「世界7カ国のビジネス現場で随時メモして体得してきた内容に加え、改めて尊敬するビジネスパーソン約20人へヒアリングを実施して“できる人たちが習慣づけている、マニュアルにない暗黙知"をまとめた」ものとのことです。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
“世界で一番仕事ができる"リーダーたちがさりげなくやっている仕事の習慣やマインドセットを“47原則"にまとめた1冊です。著者が世界7か国のビジネスに携わるなかで随時メモしてきた仕事術の数々をふまえ、尊敬する社内外のビジネスリーダーたちにヒアリングも実施して厳選した「47」原則。著者自身やヒアリングしたリーダーたちも「20代のときから知っておきたかった! 」と実感する内容ばかりで、各原則の狙いと具体的な手法が詰まっています。

なお、すでにお求めやすいお値段のKindle版もリリースされております。

そしてまたもや、付箋を貼りまくってしまったという……。







FT/McKinsey BBYA 2014 / Financial Times photos


【ポイント】

■1.主たる質問を分解する習慣を身につける
経営幹部から「プロジェクトはどんなふうに進んでいますか?」と聞かれたとします。あなたは、進捗について漫然と答えるのではなく、すぐに相手の立場に立って相手が知りたいことは何かを考えてください。この場合、おそらく次に挙げる4つの具体的な質問に沿った内容になるでしよう。
1 プロジェクトは全体的にどんな状況か、良いか悪いか?
2 1で回答した状況を示す2〜3の事例は何か?
3 問題について自分はどう対処するつもりか?
4 相手の重役はどんな点で力になれるか?
 具体的な質問を考えるために一番良い方法は、代数の等式に当てはめてみることです。主たる質問(A)に対して意味のある回答をするためには、A=x+y+zのような等式で「基本変数(x、y、z)に何を用いればよいか?」というふうに考えるのです。一般的な指針として、「利害関係者、プロセス、スケジュール」を何らかの形で用いると、相手の質問を分解して具体的に回答するのに役立ちます。


■2.常に相手の良い面を見つける
 他人の良いところを見つけるために、あなたが今すぐ実践できることがあります。次のポイントに従って、さっそく意識を改めてみましよう。
1 物事を前向きに捉える
2 他人について優れた点だけを思い出す
3 小さな物事に価値を認めることを通じて、前向きな姿勢を保つ
4 批判するのではなく好奇心を持って「それは面白い」と考える
5 自分との相違点を無視する


■3.To-Doリストを4つに分類する
 私が見習い期間中に早々に身につけた、とても重要な習慣があります。それは、あるプリンシパルに倣い、「To-Doリスト」を4つに分類することです。(中略)
4個のマス目は「現在の仕事」「プライべート」「(将来の仕事のための)今週の新たな業務」「新たな学び」に分類されています。「4マス方式」が優れているのは、左側はおおむね現在の活動に注目し、右側は未来に注目している点です。また、未来をさらに2分割することにも明確なメリットがあります。

(詳細は本書を)


■4.メールは「5Dルール」でどんどん処理する
1 Delegate(振る):メールを書く仕事をできるだけ他人に振る
2 Delete(捨てる):重要性の低いメールは移動中にすべて削除する
3 Defer(保留する):メールの返事を書くのを保留する
4 Deword(削る):無駄な言葉を削る
5 Deactivate(遮断する):金曜の夜にメールをオフラインにする

(詳細は本書を)


■5.相手の答えを引き出すための質問をする
1 「もし〜だったら」と理想の状態を想定した質問
・もしあと10億円あったら、別の行動をとりますか? それほどんな行動でしょう?
2 「〜だと納得するためには何が必要ですか?」と尋ねる質問
・御社の売り上げが倍増すると納得していただくには何が必要ですか?
3 「逆の立場に立たせる」質問
・競合他社が御社の立場だったら、何をするでしょう?
4 「他の選択肢や代替案」を尋ねる質問
・目的達成のための3つの方法を伺いましたが、それ以外の方法で目指す成果をもたらすことはできますか?

(詳細は本書を)


【感想】

◆本書は「日本人著者による英語本の『翻訳版』」という、極めて珍しいケースなんですが、これは結果的に「吉」と出た模様。

構成や組立、言い回しは翻訳本のようにロジカルでありながら、翻訳された際の違和感というのは皆無です(本人なんですから当たり前w)。

ちなみに本国では『McKINSEY WAY』『THE McKINSEY MIND』の姉妹本的な位置づけで出版されたのだそう。

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The McKinsey Way

0071374299
McKinsey Mind

なるほど本書の洋書版(『The McKinsey Edge』)は、似たようなテイストの書影ですね。

B018LE1KUK
The McKinsey Edge: Success Principles from the World’s Most Powerful Consulting Firm: Success Principles from the World’s Most Powerful Consulting Firm

……ぶっちゃけ、こっちの書影の方がカッコい(ry


◆お恥ずかしながら、その2冊の姉妹本の翻訳版(『マッキンゼー式 世界最強の仕事術』『マッキンゼー式 世界最強の問題解決テクニック』)も読んでいないのですが、とりあえず内容的には、本書はかなり「濃厚」。

もともとはご自身のために、会議のメモや、基調講演で聞いたフレーズ、思いついたアイデア等々を「ルールブック」として書き溜めていたものなのだそうです。

それがマッキンゼーの同僚から「出版してみたら?」というアドバイスを受け、そこから同僚・先輩や経営者など約20人にも意見を聞き、それらを本書に盛り込むことに。

結果的に「大事にすべき本質」とは、収録されている「47原則」に収斂され、これ以上追加することも削ることもできなかったのだとか。

実際、本国アマゾンでの評価もかなり高いです。

The McKinsey Edge: Success Principles from the World's Most Powerful Consulting Firm: Shu Hattori: 9781259588686: Amazon.com: Books


◆内容を章ごとに見ていくと、まず第1章では、著者の服部さんいわく「自己改善」に焦点を当てているとのこと。

具体的にはアマゾンの目次ページをご覧いただきたいのですが、原則のタイトルを拾っただけでも

 ・すべての問いに30秒以内で答える

 ・小さなサインを見逃さず、大きな成果を上げる

 ・常に最悪の事態を想定する


等々、興味深いものが多々あります。

一方、第2章は「コミュニケーション」がメインであり、上記ポイントの2番目は、ここから抜き出したもの。

同僚や上司はもちろんのこと、アシスタントとも良好な関係を保つにも、色々とテクニックがあるわけです。

なお、コンサル会社は「アップ・オア・アウト(昇進できない者は去れ)」とよく言われていますが、他人を助ける「恩送りの経済」は浸透しているのだそう。

もっとも、他人に教えることは、知識の定着やコンテンツの質の向上につながりますから、組織全体としても底上げされるわけですが。


◆そして第3章こそが(?)、当ブログの読者さん的には一番ツボな「生産性向上」ネタであり、上記ポイントの3、4番目も当然ここからになります。

ここで割愛したネタの中では、「『チェックイン』『チェックアウト』プロセス」「会議の議題リスト」あたりは、すぐにでも実践したいところ。

さらに「会議で発言するための『補完的な領域での貢献』を狙う6つの行動」というのは、「目からウロコ」でした(詳細は本書を)。

また、土井英司さんがメルマガで取り上げて、「勉強になりました」とまで言われた「プレゼンで使える『ごくシンプルな6種のテンプレート』」もお見逃しなく。

ただし、こうした「戦術的」なTIPSは本書のメインテーマではないので、こればっかりを期待されると、ややツライのですが……。


◆上記でも触れたように、本書はロジカルに構成されており、箇条書きも多用されています。

引用の関係上、こうした「見出し」的な部分だけ拾った結果「詳細は本書を」ばかりになってしまい、本記事だけではよく分からなかったかもしれません。

その点について、実際の本書は見出しだけでなく、解説や事例も豊富に収録されていますのでご安心を。

いずれにせよ、マッキンゼー系の仕事術本の中では、トップレベルのクオリティだと感じました。

しいてマイナス点を挙げるなら、「コンサル業界」での仕事術ゆえ、汎用性が微妙なお話があったことくらいかな、と。


「仕事術」本好きなら必読!

4478068895
47原則―――世界で一番仕事ができる人たちはどこで差をつけているのか?
第1章 先手を打つ
  平常心を保つ
 多面的に捉える
第2章 コミュニケーション上手になる
  共感する
  チームメンバーへの思いやりを持つ
第3章 生産性を極限まで高める
第4章 持続的な成長を実現する
第5章 リーダーを際立たせる卓越した思考力


【関連記事】

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【問題解決】『イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」』安宅和人(2010年11月30日)


【編集後記】

◆幻冬舎さんが「上半期ランキングフェア」と題して、この3冊を7月21日まで「50%OFF」で提供するようです。

【幻冬舎】上半期ランキングフェア - 電子書籍のGALAPAGOS STORE

Kindleの方でもさっそくセール価格になっていましたのでご紹介を。

B018FT9OLI
作家の収支 (幻冬舎新書)

B01ABRAUFQ
天才 (幻冬舎単行本)

B01AUCRQWM
400のプロジェクトを同時に進める 佐藤オオキのスピード仕事術 (幻冬舎単行本)

参考記事:【仕事術】『400のプロジェクトを同時に進める 佐藤オオキのスピード仕事術』佐藤オオキ(2016年02月10日)

森さんの本は、確かに「53%」ですけど、他の2冊は「60%OFF」ですから、当然中古よりお買い得。

さらに3冊とも「20%ポイント還元」対象ですから、気になっていた方は、この機会にぜひ!


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

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