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2016年07月03日

【仕分け?】『能力以上の成果を引き出す 本物の仕分け術』鈴木進介


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能力以上の成果を引き出す 本物の仕分け術 (青春新書インテリジェンス)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事でも注目を集めていた「思考術本」。

著者の鈴木進介さんは、過去の著作に『問題解決のためのセパレート思考』といった作品があることからもお分かりのように、「仕分け」のスペシャリストです。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
世の中の問題の9割は、そもそも悩む価値がない。
本当に力を注ぐべき「本質」だけを見抜くことができれば、すべての課題は驚くほどシンプルになる。
仕事、勉強、人間関係、キャリア、お金……への、「誤った努力」を取り除く仕分けの極意を伝授。

なるほど多方面に渡って「仕分け」の威力が発揮されていました!





The process of topic selection / Rob Enslin


【ポイント】

■1.選択肢が複数ある場合は、2択にする
「決断する=一方を選ぶ」ということは、「一方を捨てる」ことです。「捨てるのはむずかしい」「迷ってしまってできない」と感じている人も、2択になれば自然と「捨てる」ことができるのがポイントです。
 つまり、2択に「仕分け」することで1つにするのが格段に簡単になります。(中略)
 仕事や暮らしの中で、はじめから選択肢が2つに絞られていることなどそうそうありえません。通常は3〜5つくらいの選択肢があり、その中から最も成功のカギになり得るものを選び取る必要があります。
 3〜5つの選択肢を一気に検討しようとすると、問題は大きくて複雑なものになります。
 だからこそ、1対1という、問題を小さなサイズで考えられるトーナメント方式が非常に有効になるのです。


■2.忙しいときは「今」を基準に仕分ける
 業務が多く、優先順位をつけにくいときにも、仕分けが有効です。このようなときには、時間軸を「今」に限定して仕分けましょう。「今、集中すべきもの」だけにして、それ以外は「いったん捨てる(保留)」か「捨てる」かして、"最小化"します。
 たとえば今日の午前中に取りかかる業務を決めるなら、1つずつ「今かどうか」を確認して、優先順位をつけるのです。(中略)
 すべての業務を一度に整理しようとするとごちゃごちゃしますが、1つずつ「今」か「今でない」かを仕分けていくと、やるべきことをシンプルにできるはずです。


■3.前日に「ベスト3業務」を仕分ける
 私が行う翌日の準備は、グーグル・カレンダーをチェックして、重要業務べスト3を仕分けることです。
 1日のうち、こなせる業務の数は、15分程度で終わるような雑務も含めると、10個程度ではないでしょうか。そのうち、時間がかかる大きめの業務や人と会うアポイントなどは、1日せいぜい3つが限界です。
 そのため、1日の業務、アポイントを仕分け、重要項目を3つ選んで、メモ帳に書き出します。(中略)
 たくさんある業務を絞り込む。こうして問題を最小化することで、「やるべきこと」に集中する素地ができるのです。


■4.クリアファイルは「3種類」に仕分けて使う
 クリアファイルは、毎日、外出先から戻ったときにすべてカバンから取り出して、それぞれ整理します。その日に受け取った領収書は経理のファイルに移したり、翌日に必要ないものは、整理棚に収納します。
 そのうえで、翌日に必要なクリアファイルをピックアップし、カバンにセットし直します。このとき、当日の業務の順番に応じて、手前から並べるのがコツです。カバンを明けたとき、資料を探すことなくすぐに仕事に取りかかれます。
 さらに、クリアファイルは、付箋紙と同様に重要度別に色分けすると、よりわかりやすくなります。私の場合、次のような色分けをしています。
●赤……その日の重要な業務の資料
●黄……注意して取り組むべき業務の資料
●透明……切り抜き記事や事務系書類など淡々と片づける業務の資料


■5.感情的になりそうなときは、状況を仕分けする
 まずは「変えられること」「変えられないこと」を確認します。変えられないことは、泣いても怒鳴っても変えられません。変えられることに集中しましょう。
 次に「譲れること」「譲れないこと」を仕分けします。自分と相手が「譲れること」の中に、共通点を見出すようにします。
「仕分け」には、感情的になる自分を落ち着かせる効果もあります。
 漠然とした不安や怒りを、小さく具体的なサイズに仕分けることで、冷静に、客観的に捉え直せるのです。


【感想】

◆「問題を小分けにして考える」ことは、「チャンクダウン」とか「サラミスライス法」とか言われ、従来から「問題解決法」としてうたわれてきた方法の1つです。

ただし、著者の鈴木さんの場合、それをあらゆる分野で徹底。

さらに、単純に小分けにするのではなく、何らかの「基準」を設けて当てはめていくところからか「仕分け」と命名している点が秀逸です。

実際、かつては鈴木さんも、問題に直面すると頭の中がごちゃごちゃしていたのだとか。

それを「自分が『できること』と『できないこと』」、「求められる完成度が『100%のもの』と『60%でいいもの』」、「『自分でやるべきこと』と『他人に任せてもいいもの』」に仕分けていったところ、頭の中が整理されてきたのだそうです。


◆仕分ける場合、選択肢は複数の場合もありますが、それを2択にすると判断が簡単になる、というのは上記ポイントの1番目にあるとおり。

この考え方を「トーナメント方式」と呼んだのは、著述家の石黒謙吾氏でした。

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2択思考

また、仕事に追われているときには「今」を基準にして仕分ける、という上記ポイントの2番目のTIPSも、考え方をシンプルにする意味で有効です。

ちなみに鈴木さんは、業務を割り出して整理したら、それぞれの期日を決めてGoogleカレンダーに入力するのだそう。

もちろんスケジュールの内容ごとに、色で「仕分け」しているのだとか(詳細は本書を)。

くわえて、「前日に『ベスト3業務』を仕分ける」のは、上記ポイントの3番目にあるとおりです。


◆ところで今回丸ごと割愛してしまいましたが、本書の第4章は「『キャリア』の仕分け」がテーマでした。

つまり俗にいう「1万時間の法則」に従うにせよ、「武器として習得すべきスキル」と「捨てるスキル」を仕分ける必要があるわけで。

たとえば鈴木さんは、「英語を捨てている」とのこと。

それは「ビジネス英会話を取得するまでのコストと労力を考えると、必要なときに通訳を雇うほうがずっと安く済む」という考えからです。

そして本書では、「自分の武器」の正しい見極め方を指南。

「したいこと」「自分ができること」「他人に喜ばれること」という「軸」は、類書でも見かけましたが、特に「まだキャリアが浅い人、若手社員の場合」、別の3つの軸を挙げられていたのが、結構「目からウロコ」でした(詳細は本書を)。


◆一方、上記ポイントの5番目は、第5章の「『人間関係』の仕分け」から。

鈴木さんは、感情的になりそうなとき用に、心を落ち着けるルーティンを持っているそうで、これはその中の1つだそう。

確かに感情をコントロールするのは容易ではありませんが、頭の中を「仕分け」することにより、感情の質を変えられる、という指摘は腑に落ちました。

……もっとも、カッとなりそうなときに、こういう思考ができるようになるには、ある程度訓練を積む必要がありそうですが。


シンプルですが、効果が期待できる思考法です!

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能力以上の成果を引き出す 本物の仕分け術 (青春新書インテリジェンス)
第1章 超一流とは、「1%」まで仕分けられる人間である
第2章 ムダのない段取りが、「圧倒的な成果」を生む
第3章 「分け方」ひとつで、情報は知識に昇華する
第4章 "正しい"努力と戦略だけが、「自分の武器」をつくる
第5章 コミュニケーションは「キモ」がわかると全部うまくいく
第6章 浪費を「投資」に変える選択と集中の勘所


【関連記事】

【奴隷解放?】『30代こそ「奴隷」から抜け出そう!』鈴木進介(2013年05月10日)

【決断力】『早く正しく決める技術』出口治明(2014年05月16日)

【スゴ本!】『決定力! :正解を導く4つのプロセス』チップ・ハース,ダン・ハース(2013年09月20日)

【14の指針?】『「判断力」を強くする - 正しく判断するための14の指針』藤沢晃治(2012年07月08日)


【編集後記】

◆個人的にちょっと気になる本がこちら。

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学べるマンガ100冊

マンガですけど「お受験ママパパも必読。ビジネスパーソンの学び直しにも最適」とあるので、よろしかったら。

ちなみに、私も愛読している『フットボールネーション』は、3巻まで「7月7日14:59:59まで」の「無料お試し本」がありますので、この機会にぜひ!

B01GV8JPEQ
フットボールネーション(1)【期間限定 無料お試し版】 (ビッグコミックス)

B01GV8JOK6
フットボールネーション(2)【期間限定 無料お試し版】 (ビッグコミックス)

B01GV8JP32
フットボールネーション(3)【期間限定 無料お試し版】 (ビッグコミックス)


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