2016年05月25日
ビジネスの達人がこっそり教えてくれる『仕事が速い人は「見えないところ」で何をしているのか?』
仕事が速い人は「見えないところ」で何をしているのか?
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事にて取り上げた仕事術本。著者の木部智之さんは、日本IBMのシニア・プロジェクト・マネージャーとして、日本と大連に数百人のメンバーを抱えてらっしゃることもあってか、「最高の効率で、最速で成果をあげるかを徹底的に考え続けた」のだそうです。
アマゾンの内容紹介から。
ショートカット、資料作成、エクセル、メール、伝え方、任せ方、打合せ、ノート、インプット、思考の「型」、スキマ時間―これをやるかやらなかいで必ず差がつく!外資系プロジェクトマネジャーがこっそりやっている仕事のスゴ技75。
なお、上記記事投稿時には配信されていなかったKindle版も、今ならリリースされております。
また、タイトルは「ホッテントリメーカー」のお世話になりましたw
My new desk! / Iain Farrell
【ポイント】
■1.「2回目まで」は力技で、「3回目以降」は効率化する1回しかしない仕事で、かつ1時間で済むようなものに対しては、あれこれ考えたり、効率的な方法を調べてから着手するよりも、力技で1時間で片付けてしまったほうが速い場合もあります。例えばテキストを打ち込むだけ、ひたすらホチキス留めをするだけといった作業です。(中略)
ところが、「このデータをまとめておいて」と言われた仕事が1回だけだと思っていたら、予想に反して「もう1回やって」と言われることもあります。まあ、2回目までは力技で様子を見ましょう。ですが、さらに「もう1回やって」と頼まれ、同じ仕事を3回やることになったら、4回、5回とそれ以上繰り返す可能性が高くなります。3回目となったときは、必ず効率化を考えるようにしてください。
■2.マウスを使わない
パソコンは、基本的にはマウスを使わず、キーボードだけで操作できるようになっています。まずは、1日1時間でもいいです。試しにマウスをパソコンから外してみてください。
私のチームに若いメンバーが来たら最初に指示することは、「マウス禁止」です。もちろんこれまでの仕事人生でマウスを使い慣れてきているので、最初は思うように操作できずに苦労します。かえって時間がかかることもあります。しかし、一度キーボードだけでパソコンを操作する感覚をつかむと、そのスピードの差は格段に広がっていきます。
最初は間違いなく苦労します。ですが、その苦労は先行投資です。ショートカットをどん欲に覚えて使っていってください。
■3.外資系でも8割が知らない「秘密」のエクセル技
◎セルの書式設定は [Ctrl+1]で出す
◎[F4]で同じ動作を繰り返す
◎[Ctrl+十字]キーでデータの切れ目まで飛ばす
◎[F2]でセルを編集モードに
◎[F9]を押せば再計算してくれる
(詳細は本書を)
■4.打ち合わせの「持ち帰り」をゼロにする
ミーティングに出ると、自分の担当ではない分野の話になることがあります。その場では回答できないため「持ち帰って担当メンバーに確認します」という対応になるでしょう。(中略)
ですが、持ち帰って確認すると、ミーティングの後に「確認」と「報告」という2つの時間が必要となります。このようなときは「持ち帰り」をせず、ミーティング中にメールを送ることで時間短縮をします。
ミーティング中にメンバーにメールを送っておくことで、数十分速く動くことができ、場合によっては、ミーティング中に確認した結果がメールで返ってきます。そうするとミーティング中に報告することができ、持ち帰りはなくなります。
■5.メールの「24時間ルール」をメンバーと共有する
メール返信の「24時間ルール」とは、自分に来たメールに対して、誰しもが必ず24時間以内に何かしらの返信をしなけれぱならない、というルールです。
今の時代、メールは非常に重要なビジネスツールですが、読んだり書いたりすることが自分の好きなタイミングでできるため、チーム内のアイドルタイムを増やしてしまうという弊害も生みやすいのです。
そのアイドルタイムをなくすために、「やりました」「確認しました」「○○日までにやります」「それはできません」など、自分の意思表示を必ず24時間以内に返信するように決めたのです。「○○日までにやります」と言われたらその日まで待っていればいいですし、もし「それはできません」と言われたら、次の選択肢にすぐに移ることができます。
【感想】
◆久しぶりに、本書のような「有益なTIPSが満載」の本を読みました。とにかく大小さまざまな「ワザ」がわんさか!
冒頭の内容紹介に「仕事のスゴ技75」とありますが、これはおそらく本書内の小見出しの数のことでしょう。
そうだとすると、上記ポイントの3番目のように複数のTIPSでも1つとカウントされているため、ネタの数から言ったら、100近くあるのではないでしょうか?
出たついでに、このポイントの3番目について触れておくと、最初の「 [Ctrl+1]」というセルの書式設定は、今回初めて知ってカンドーしましたw(←大げさ)
でも、エクセルが2010になってから、セルの書式設定は毎回迷っていたんですよね。
また同じく[F2]のセルの編集モードは、私自身、比較的最近まで知らなかったので、まだご存知ない方は、ぜひお試しアレ。
◆その流れで言うと、上記ポイントの2番目の「マウスを使わない」も押えておきたいところ。
マウスを使わない以上、ショートカットを駆使するのは当然であり、本書では「絶対に覚えるべき6つのショートカット」なるものを列挙しています。
ネタバレ自重しつつ、1つだけ挙げておくと、「デスクトップを表示するときは[Win+D]。
確かにこの操作は1日に何回もするものですから、このショートカットを知っているのといないとでは、長い目で見るとかなりの違いになってきそうです。
また、私は滅多に使いませんけど、人が多い所で作業をされている方は、パソコンのロックのショートカットも知っておくと良いかもしれません。
◆こうした「作業ネタ」を収録している第2章に続いて、第3章では「チームのスピード」について言及しています。
というのも、いくら個人のスキルがアップしても、チームとしてのスピードが速くならないとしょうがないから。
上記ポイント5番目の「メールの『24時間ルール』」は、個人の仕事術として読んだことはありましたが、木部さんのチームでは、チーム全体として、このルールを徹底しているのだそうです。
さらに上記ポイントの4番目の「『持ち帰り』ゼロ」も、目からウロコ。
ミーティング中にメールを送る、という行為が、一般的に許されるのかどうか分からないのですが、外資系ではフツウに「アリ」っぽいです。
◆ところで、このようなTIPSに先立つものとして、本来、第1章で言及されている「段取り」についても触れるべきでした。
たとえば、エレベーターに乗った際、「行き先階」ボタンと「閉」ボタン、どちらを先に押すべきか、考えたことがおありでしょうか?
答えは「閉」ボタン。
これは「閉」ボタンの方が時間がかかるからで、仕事も同じように「一番時間がかかる作業を見極める」ことが肝心なのだとか。
ちなみに本書では、コンビニで支払いをするときに、「どうすれば最速で支払いを済ますことができるか」まで検討しているのですが、実際に、このように日頃の生活から「意識する」ことが大事なのだと理解した次第です。
◆また個人的には、第2章でチラッと触れられている文房具ネタも見逃せませんでした。
4色ボールペンは、LAMYに「JETSTREAM」の替芯を入れて使ってらっしゃるのだそう。
LAMY ラミー 4色 ボールペン 2000 L401 正規輸入品
三菱鉛筆 ボールペン替芯 ジェットストリームプライム多機能用 0.5mm 黒赤青 3本入
また、ノートは銘柄を明らかにされていないものの、リングの方眼ノートを横にして使われているとのこと。
これなんか、「方眼リングノート&横書」きということで、ピッタリですね。
マルマン ノート ニーモシネ A4 方眼罫 N180A
仕事術好きならば、見逃せない1冊!
仕事が速い人は「見えないところ」で何をしているのか?
第1章 仕事の速さは始める「前」に決まる
第2章 「作業のスピード」は習慣化で速くなる
第3章 「チームのスピード」は仕組みで速くなる
第4章 「ない時間」をひねり出す
第5章 「思考のスピード」は型で速くなる
【関連記事】
【仕事術】『誰でも使えて成果が出る 外資系コンサルタントの仕事術』井上龍司(2015年12月16日)【仕事術】『「仕事ができるやつ」になる最短の道』安達裕哉(2015年08月01日)
【仕事術】『外資系エリートが実践する 「すぐ成長する」仕事術』川井隆史(2014年09月13日)
【エリートは見た!?】『世界中のエリートの働き方を1冊にまとめてみた』ムーギー・キム(2013年12月22日)
【仕事術】『外資系コンサルの仕事を片づける技術』吉澤準特(2013年06月17日)
【編集後記】
◆明日5月26日に終了するセールとして、こんなものもあります。Amazon.co.jp: 【30%OFF】ドミニック・ローホーと「シンプルな暮らし」フェア(5/26まで): Kindleストア
初っ端のこの本は、当ブログでもご紹介していました。
ゆたかな人生が始まる シンプルリスト (講談社+α文庫)
参考記事:【リスト化】『ゆたかな人生が始まる シンプルリスト』ドミニック・ローホー(2011年02月15日)
ただ、タイトルからして、てっきりドミニク・ローホーの作品ばかりなのかと思いきや、当ブログ向きのこんな本まであったという。
貧乏はお金持ち 「雇われない生き方」で格差社会を逆転する (講談社+α文庫)
参考記事:【黄金の羽根】『貧乏はお金持ち──「雇われない生き方」で格差社会を逆転する』橘 玲(2009年06月08日)
世界にひとつしかない「黄金の人生設計」 (講談社+α文庫)
「黄金の羽根」を手に入れる自由と奴隷の人生設計 (講談社+α文庫)
50歳を超えても30代に見える生き方 「人生100年計画」の行程表 (講談社+α新書)
とはいえ、お買い得かというと、必ずしもそうでもないので、Kindleで読みたい方に!
ご声援ありがとうございました!
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