スポンサーリンク

       

2016年05月10日

【取扱注意!?】『他人が必ず、あなたに従う黒すぎる心理術』に学ぶ5つのTIPS


4569833675
他人が必ず、あなたに従う黒すぎる心理術


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、リアル書店で目についたコミュニケーション本

著者であるロミオ・ロドリゲス・Jr氏の作品としては、以前『97%の人を上手に操る ヤバい心理術』が当ブログでもなかなか好評でした。

アマゾンの内容紹介から。
上司、ライバル、恋人…あなたの周りの人間関係が明日から、一変する!9割の人が、あなたの狙い通りに動きます。相手の心を上手に読み取り、人間関係を円滑にする!TVで話題!アジアトップクラスのメンタリストが教える上手に人を操る技術。

本書は前作よりもさらに「きわどい」TIPSが目に付きましたよ!?





Taste Of Iowa City 2014 / Alan Light


【ポイント】

■1.「加点法」で印象操作する
まずは自分に関する印象のいい話を外部の誰かに吹き込んでおき、その噂が相手に届くようにすることです。 
 相手がいい情報を持ってあなたに接したとき、あなたは自分の第一印象をわざと少し悪くします。
 例えば、優しいという印象を吹き込んでいたにもかかわらず、実際に会ったときは少し怖そうな印象を植え付けるのです。
 これで相手は「一体どっちが本当なんだろうか?」と混乱し始めます。
 相手が混乱していると判断したら、そこですかさず優しさを見せるか、笑顔を振りまきます。
 そうすると相手は安心し、「やっぱり優しい人なんだ」と感じてくれるようになります。
 そうなるとしめたもの。もう相手の中には「やはり優しい人」というあなたの印象が植え付けられたことになります。


■2.矛盾を作り、相手の罪悪感を利用する
例えば、ある食品の試食をさせたとします。無料ですから相手は食べてくれることでしょう。仮においしくなくとも、リップサービスでおいしいと言ってくれるはずです。その言葉が出たらチャンスです。(中略)
「おいしくなければ買わなくてもいいですが、おいしいですよね。この味をご家族にシェアしてください」と自信を持って言ってみてください。
 ここで何が行われたかというと、相手の矛盾を突いているのです。
 試食をしたことでまず返報性を刺激し、おいしいと言ったその言葉に購入することが前提であるという条件付けをしたのです。つまり、「おいしいと言ったのだから、買わなければいけない」という空気を作り出したのです。そして言葉の始まりに「おいしくないと言ったのなら買わなくてもいいのだが」という、断りにくさを助長する言葉を入れているのです。こうすると、相手の罪悪感はより一層増し、その罪悪感を解消するために購入するという行動に出ます。


■3.交渉するなら夕方で、トークに緩急をつける
 もしあなたが相手からイエスを引き出したいなら、まずはビジネスのプレゼンにしろ、異性を口説くにしろ、必ず相手の判断力が低下する夕方をお勧めします。
 もう1つ注意していただきたいのはトークに緩急をつけること。
 ヒトラーが行うスピーチを聞くと、冒頭部分はかなり早口言葉です。早口でまくしたて、聞き手が聞くことにやや疲れてきたところで、今度はゆっくりとわかりやすく植え付けたいメッセージを投げかけます。
 最初は速く、本筋はゆっくり、このトーク術に加えて、夕方の時間帯に相手を説得すると、約7割の人が首を縦に振ります。


■4.怒っている人には、怒りかえして対応する
 目の前に逆上している人間がいるとします。あなたならその怒りをどう静めますか? 話し合い? それとも、じっと怒りが静まるのを傍観しますか?
 正解は、あなたがさらに怒ることです。
 普通、逆上した人がいたら近づかないし、なるべく関わらないようにするものですが、そうやって無視されると怒っている本人は余計に腹がたつわけです。
 しかし、いきなり目の前に自分より怒っている人がいると、人はハッと我に返り、一瞬で冷静になります。これは元々人間に備わっている能力で、危険を瞬時に察知するものです。(中略)
 太古の昔、人間が外敵から自分たちを守るためには、危険を察知しなければならず、この反応は遺伝子レべルで引き継がれているのです。
 もしあなたが誰かに責められたら、ひるまずに責め返してください。


■5.「イエス・バット法」で相手のプライドを傷つける
 例えば、相手が自慢話を始めたとします。
 ある人が「俺は昔、柔道の県大会で優勝したんだぜ」と言ったとします。あなたはすかさず「へぇ、それはすごいね」「でも全国大会には出てないの?」と言います。
「俺、英語ぺラぺラなんだぜ」と言えば、「へぇ、すごいね。でも世界を見渡したら何ヵ国語も話せる人がいるよね」と言うわけです。(中略)
 これは刑事が容疑者を追い詰めるときに使うテクニックでもあり、例えば反省をしていない犯人が自慢げに自分の犯罪を語るようなサイコパスの場合は、このテクニックによって犯人がしたことは全く大したことではないと悟らせ、精神的に追い詰め、自供を取り付けるのです。


【感想】

◆本書をご紹介するにあたって、著者のロミオ・ロドリゲス・Jr氏の前作である『97%の人を上手に操る ヤバい心理術』のレビューを振り返ってみました。

4797380446
97%の人を上手に操る ヤバい心理術

参考記事:【マインドリーディング】『97%の人を上手に操る ヤバい心理術』ロミオ・ロドリゲス Jr.(2015年10月21日)

版元がSBクリエイティブさんから、今回PHP研究所さんに変わったものの、「見開き2ページで1つのワザを紹介する」という仕様は前作と同様。

また、いくつかのネタはこの前作ともかぶっていましたので、前作をお読み頂いている方はその点にご留意ください。

もっともこうしたネタかぶりは、このジャンルの作品では避けられないことですし、そもそも類書とまったく違う事だけを記載するのは、まず不可能でしょう。


◆ただ、本書の特徴を挙げるとしたら、冒頭でも触れたように「きわどい」ネタが多かったこと。

たとえば上記ポイントの2番目の「矛盾を作り、相手の罪悪感を利用する」というTIPSは、老人をターゲットにした展示会詐欺でもよく使われるものだそうです。

テクニック自体は「フット・イン・ザ・ドア」と変わらないものの、より強力であることは間違いないかと。

詐欺は問題外としても、交渉等で上手く活用したいものです。

さらに、上記ポイントの3番目にいたっては、出典がヒトラーですからねぇ……。


◆ただし、今回ご紹介したのは、「ダーク」な中でも比較的ライトな方で、本書の中ではもうちょっと「エグイ」ものもありました。

ただ、下手に取り上げて炎上しても困るので、ここではそのテクニックではなく、「どういうシーンで使われているか」や「使うとどうなるか」等を解説した部分だけ抜き出してみます。

・実はこれ、ヤクザの世界でも、組長が手下を手なずけるために必ず使う手法です。

・一部の犯罪者が性犯罪で使用するテクニックでもあります。

・家族や周りにも迷惑をかけてしまうこともありますので、このテクニックを使うときは、覚悟を決めてからお使いください。

・あまりやりすぎると、ただの性格の悪い人として周りに見られるので〜

・〜は、様々なカルト教団や犯罪で使われるテクニックです。

・ちなみにこのテクニックは、あのオウム真理教の上層部のマニュアルにも掲載されていたようで〜


……個々のテクニック自体はさておき、実際に使うには、確かにある程度の覚悟が必要な気がします。


◆また、割愛というより自重した中でも特に興味深かったのが、「心理術」というよりもっと科学的な(?)TIPSでした。

それはなんと、「威張り散らす上司への対抗策として、スマホのアプリで低い周波数を出す」というもの。

アプリをググってみたのですが、こんなヤツでしょうか?

周波数の音をシミュレート - Google Play の Android アプリ

何でも人間は「20Hzより低い音は聞こえないものの、気分が悪くなる」のだそうで、お化けが出ると噂されるような場所には、この周波数が流れていることが多いのだとか。

そこで上司が威張り散らし始めたら、すぐにアプリを起動すると、「威張り散らす=気分が悪くなる」という図式が成り立つので、徐々に威張らなくなる……って、上司にバレたらかなり問題な気がw


◆なお、これは前作でも指摘しましたが、本書はこの本で「科学的にはほとんど信頼性が高くない」と断言されている「微表情」も、テクニックとして挙げているのが、ちと微妙かな、と。

4152095172
人の心は読めるか?

参考記事:東大教授がこっそり教えてくれる『人の心は読めるか?』の真実(2015年01月30日)

また、これは版元さんのスタンスなのかもしれませんが、いくつかの実験結果等を引き合いに出している割には、巻末に脚注がありません。

個人的には、この辺がしっかりしていると、安心して読めるので、少々残念でした。

……もっとも、脚注だけあっても「やたら実験結果を紹介しているだけ」の、中身にあまり説得力がない作品よりは、本書はよほど楽しめましたけどねw


まさに「取扱注意」な1冊!?

4569833675
他人が必ず、あなたに従う黒すぎる心理術
1章 相手の本音を確実に見抜く
2章 誰とでも一瞬で心を通わせる
3章 絶対にNOと言わせない
4章 思い通りに他人をコントロールする
5章 絶体絶命のピンチから脱出する
6章 大嫌いな相手に反撃する


【関連記事】

【マインドリーディング】『97%の人を上手に操る ヤバい心理術』ロミオ・ロドリゲス Jr.(2015年10月21日)

【プロの心理術?】『限りなく黒に近いグレーな心理術』メンタリストDaiGo(2015年06月05日)

絶対に公開してはいけない『心を上手に操作する方法』(2012年06月29日)

この『最強交渉人が使っている 一瞬で心を動かす技術』がすごい!!(2012年05月15日)


【編集後記】

◆値引き率がそれほど高くないので、単独で記事にしておりませんが、現在講談社さんのKindle本が、一部セールを行っております。



Amazon.co.jp: 【最大30%OFF】今日から役に立つ 講談社の114冊(5/19まで): Kindleストア

上記にあるように、期限は「5月19日(木)まで」ですので、お忘れなく!


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

この記事のカテゴリー:「コミュニケーション」へ

「マインドマップ的読書感想文」のトップへ

スポンサーリンク




               

この記事へのトラックバックURL


●スパム防止のため、個別記事へのリンクのないトラックバックは受け付けておりません。
●トラックバックは承認後反映されます。