2016年05月07日
【コミュニケーション】『話がいまいち盛り上がらないと悩んでいる人が知っておきたい 雑談の心理術』松橋良紀
話がいまいち盛り上がらないと悩んでいる人が知っておきたい 雑談の心理術
【本の概要】
◆今日お送りするのは、先日の「未読本・気になる本」の記事にてご紹介したコミュニケーション本。著者の松橋良紀さんは、以前レビューした『何を話せばいいのかわからない人のための雑談のルール』が当ブログでも人気でした。
アマゾンの内容紹介から。
コミュニケーションに自信のない方にこそ知ってもらいたい……、人間関係はテクニックひとつでいくらでも円滑にすることが可能なのです!心理術に裏付けされた、本当に使えるテクニックが満載の一冊!
なおKindle版は、今なら「20%ポイント還元」中でお得です!
Girl Talk / deanwissing
【ポイント】
■1.二次利得に光を当てる今、あなたは、「人前で話したくないなんて考えていないし、そんなことでメリットなんかないよ」と、ちょっとムキになって反論したい衝動にかられていることでしょう。
でも、先ほど言ったように、やりたいと思っていて何年もできていないことは、実は潜在意識のレべルでは望んでいないのです。
無意識にブレーキをかけるのは、人前で話さないことに何かしらの得があるからに他なりません。
その得のことを、表面に出てこないメリットなので、二次利得といいます。
この二次利得は、気づいて光を当てると、とたんにパワーを失います。
今まで無理に行動しようとしてもできなかったことが、なぜか自然にできるようになります。
もしあなたが、話し下手で、特に人前で話すのが苦手だとしたら、それで得られている二次利得があります。理想を実現しないことで、得られていることがあるのです。
■2.人の話を聞けない人の4つのパターン
(1)勝手に決めつける『早とちりパターン』「うちの会社は、今年で創立20年目なんだよ」(2)自分の興味関心を満たすパターン
⇒「それはすごいですね! 10年でほとんど潰れるって言いますからね」「なかなかいい人材が入ってこなくてね」(3)話泥棒パターン
⇒「そうなんですか。どんな求人の方法をとってるんですか?」「ああ、あそこにあるクラブ? そう、ゴルフが趣味なんだよ」(4)真っ向から否定するパターン
⇒「私も大好きで毎月1回は行ってますよ! この前スコア80を切ったんですよ」「そうは言っても、お宅の商品は高いからそうそう買えないよ」(詳細は本書を)
⇒「いえいえ、高くないですよ。品質を考えたらむしろ安いですよ」
■3.沈黙を恐れない
質問して、すぐに答えが返ってこないときがありますよね。
質問したら、相手が黙ってしまった。
そんなときは、口を挟みたくなる衝動を抑えてください。
相手が話し出すまで、グッとこらえてください。
沈黙は、脳がフル回転をして、さまざまなことを考えている状態なのです。アイディアが舞い降りる瞬間を邪魔しないことです。
自分にとって都合の悪い質問だった場合だと、本音を話そうかどうか、躊躇しているのかもしれません。
いずれにしても、沈黙に耐える技術を身につけると、相手の話を聞けるレべルが3ステージくらい、一気に上がります。
■4.同情せず、共感する
同情されるのが嫌だという人は、そこに上目線、優越感、哀れみを感じるからです。
一方、共感は、相手がどう感じているのか、どんな気持ちなのかがわかる状態です。(中略)
同情されるのは嫌でも、共感されて嫌という人はいません。
自分の感情を、色眼鏡なしで受け取ってもらうことが嫌いな人はいません。
同情は、聞き手が過去に経験した時の感情で、似た感情を追体験することです。
つまり、目の前の相手と一緒にいないのです。それが話し手に自然に伝わり、話を聞いてもらえていないと感じてしまうのです。
同情するのではなく、共感して話を聞くのがコミュニケーシヨンの基本です。
■5.女性の「感情」に正しく対処する
女性は、「つらかった、悲しかった、腹が立った」などの感情を聞いて欲しいのです。自分の気持ちに共感して欲しいのです。
感情には、プラスの感情とマイナスの感情があります。
プラスの感情は、「喜び」の1種類。
マイナスの感情は、「悲しみ」「怒り」「不安」「苦しみ」の4種類です。
先ほどの例でいうと、課長に怒られたことに対して、怒りの感情があるようです。
この場合だと、次のような言葉をかけてあげると、怒りもおさまり、グチが延々と続くことがないでしょう。
「ちょっとしたミスで、そんなこというなんて……。それは腹立つなあ」
この場合だと、怒りの感情を代弁して、共感を伝えるのがコミュニケーション上手なのです。
【感想】
◆「雑談」というテーマが「仮」ではないか、と思えるくらい、濃厚な内容でした。そういえば、冒頭でも触れたように、著者の松橋さんの『何を話せばいいのかわからない人のための雑談のルール』という作品を以前ご紹介したことがあったのですが。
何を話せばいいのかわからない人のための雑談のルール (中経の文庫)
参考記事:【雑談?】『何を話せばいいのかわからない人のための雑談のルール』松橋良紀(2013年11月08日)
この本も、上記参考記事をお読み頂ければお分かりのように、「雑談」という割には、物凄くテクニカルなお話が満載でした(文庫本なのにw)。
しかも、改めて本書とのかぶりをチェックしてみたのですが、上記記事内のポイントの7番目にある「アゴのペーシング法」の話しか重複していない模様。
ちなみにこの「アゴのペーシング法」は、松橋さんオリジナルであり、著作全部(14冊)で紹介しているのだそうです。
本書ではその実習風景も描写されていますが、知っていることと実際にできることとは結構違うようなので、気になる方は本書にてぜひご確認ください。
◆一方、上記で挙げたポイントの内容は、私にとっては初見のものばかり。
まず1番目の「二次利得」に関しては、言葉すら知りませんでした。
なお、「一時利得」というのは「その行動を起こすこと」によって得られるものであり、ここの例でいうなら「人前で自由に話す」ことで得られるものごと。
つまり、人に影響を与えたり、自分の存在が認められたり、自分に自信が持てる、というようなことに他なりません。
これにメリットがあるのはフツウに分かるのですが、「二次利得」の得とは何か?
本書では、この「人前で話さない」ことのメリットの例を挙げており、それに気づいて光を当てることで、悩みが消えるのだとか。
◆また上記ポイントの2番目の4つのパターンも、身に覚えがありすぎて泣きそうですw
というか、上記の「NGパターン」を読んで、どこがマズイのかお分かりになりますでしょうか?
一応、小見出しで「匂わして」いますから、分かる方もいらっしゃるでしょうけど、こんな受け答え、私は普通にやっていましたよ(ダメじゃんw)。
さらに、上記ポイントの4番目の「同情より共感」も、私はごっちゃになっていた気が。
なるほど、私は感情移入をしていれば「共感」なのだと思っていましたが、単に「似た感情を追体験していただけ」かもしれません。
◆ところで、上記ポイントは、実は第3章までのものであり、第4章の「苦手タイプがいなくなる分析心理術」は、丸ごと割愛してしまいました。
ここではNLP(神経言語プログラミング)の考え方をベースに、相手の型を分類。
具体的に列挙すると、こんな感じです。
・主体型と受動型そして、その型ごとに、特徴と影響を与える言葉を列挙しているという仕様。
・目的志向型と問題回避型
・内的基準型と外的基準型
・オプション型とプロセス型
・全体型と詳細型 etc……
これらは、松橋さんが6年間で数万人に接して、その悩みを解決してきたもの。
特定の型だけ抜き出せなかったので、上記ポイントではご紹介できませんでしたが、ここもぜひチェックして頂きたい部分です。
◆繰り返しになりますが、本書は「気軽に雑談を楽しむ」といった作品ではありません。
相手の話を傾聴し、信頼され、そして言葉で影響を与える……。
もちろん本書のTIPSによって、初対面の人とすぐに打ち解けたり、人前で気軽に話せるようになることもできるかもしれませんが、本書全体としては、むしろ全般的な「人間関係の悩み」に効きそうです。
要は、「雑談」というカワをかぶった「コミュニケーションスキルの本」、というのが、本書の正しい位置づけではないか、と。
……個人的には上記ポイントの5番目をマスターしただけで、モテスキルが2割増しになりそうな気がしますがw
コミュニケーション能力を改善したい方なら、要チェックです!
話がいまいち盛り上がらないと悩んでいる人が知っておきたい 雑談の心理術
第1章 「つまらない」と思われない話し方の基本
第2章 相手の懐に入り込む心理術
第3章 誰からでも本音を引き出す心理術
第4章 苦手タイプがいなくなる分析心理術
第5章 人の目が気にならなくなる心理術
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学生のうちに知っておくべき『仕事が9割うまくいく雑談の技術』のこと(2013年08月30日)
【編集後記】
◆本日の作品を含め、いくつかのKindle本をご紹介した際に触れておりますが、現在Kindleは「20%ポイント還元セール」開催中です。一応、対象作品は93000件超のよう。
Amazon.co.jp: Kindle本 ポイント還元セール: Kindleストア
ただ、上記リンクですとコミックや小説も対象になっていますので、「ビジネス・経済」や、「趣味・実用」辺りをご覧になると良いと思います(最初の2冊が同じですがw)。
おそらくKoboに対抗するセールなので、期限は「5月17日(火)9:59まで」の可能性が高いかと。
ご声援ありがとうございました!
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