2016年04月09日
【資格を活かす!】『10年後に生き残る最強の勉強術』鈴木秀明

10年後に生き残る最強の勉強術
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事にて大人気だった勉強本。著者の鈴木秀明さんは、大小計450以上もの資格を取られた「資格勉強コンサルタント」であり、本書では「10年後に生き残る」ために必要なスキルを指南して下さっています。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
本書では、「勉強する時間がとれない」「どうやって勉強すればいい」といったビジネスマンの悩みを解決する方法として、効率的で体系的に学べる「資格試験」を活用して勉強する方法をおすすめしています。
会計力・英語力・IT力・法務力・知財リテラシー・メンタル管理力・モチベーション管理力などの生き残るために必要な25の武器を身に付ける最強の勉強術が具体的に紹介されています。
今までありそうでなかった、身に付けられるスキルと活用する資格試験、テキストをまとめた1冊です!
私も知らなかった「これからニーズが増えそうな資格」が色々ありましたよ!
161011追記:Kindle化されました!

working hard durilng study hall / PHSlibrary
【ポイント】
■1.資格は取った後のことを見据えた上で取得するときどき「資格を取ってみたけど役に立たなかった」という人を見かけますが、厳しい言い方をすると、「資格が役に立たない」のではなく、「活かし方をまったく考えないで資格を取ったあなたに落ち度がある」のです。資格は「取ったら自動的に利益をもたらしてくれるもの」だと勘違いしている人がいますが、そんなことはまったくありません。あなた自身がその資格を何かに活かそうとしないと意味がないのです。
「資格を取っても役に立たなかった」という人は、勝手に資格に過大な期待を抱いていて、それがまったく的外れな期待であった、というだけの話なのです。戦略の立て方や情報収集の仕方が間違っていたということです。
■2.知財リテラシーを高めるには
また、「知的財産管理技能検定」という検定もあり、こちらは著作権に限らず特許権・意匠権・商標権など幅広く知的財産について取り扱う内容となっています。どちらかというとリスク対策のためというよりは、自社の知的財産(技術やコンテンツなど)を適切に管理・活用・運用していくためのノウハウが身に付く内容です。
ちなみにこの知的財産管理技能検定ですが、もともと「知的財産検定」という民間資格として運営されていたのが、2008年より名称変更されるとともに国家資格に格上げされたという、非常に珍しいケースです。国としても知財に詳しい人材の育成に力を入れようとしていることが読み取れ、そのような意味でも注目度の高い資格だといえます。
知的財産管理技能検定3級合格教本
■3.これからのマネジャーに求められるメンタル管理
社会的な興味関心が高いテーマ、これから注目されていくだろうと思われるテーマについては、それに関する資格・検定が大量に新設される傾向がありますが、メンタルへルスという領或はその顕著な例。ざっとあげてみるだけでも「メンタルへルス・マネジメント検定」「メンタルへルスケア検定」「メンタルケア検定」「ケアストレスカウンセラー」などの資格・検定試験が存在します。
この中でも最も代表的といえるのが、先ほどの例でもあげた、大阪商工会議所主催の「メンタルへルス・マネジメント検定」です。資格ができてからの9年間で年間申込者数が3.8倍に伸びているそうですが、今後さらに資格自体の知名度や評価も高まっていくものと予想されます。
安全衛生教科書 メンタルヘルス・マネジメント(R)検定II種・III種 テキスト&問題集
■4.IPOやIRのスペシャリストを目指す
IPOに関しては上場を目指すべンチャー企業など、IRに関しては上場企業などにおいて非常にニーズの高い専門的スキルですが、こうした実務に精通した人材は大企業でも決して潤沢とはいえないのが現状です。
「会計力」のさらなるスキルアップの方向性としては、へたに簿記検定1級などを狙って汎用的なスキルを伸ばすよりも、こうした希少価値の高い分野のスペシャリストを目指したほうが、仕事の幅や転職先の選択肢が広がる可能性が高いといえます。
■5.独立・起業に役立つ「銀行業務検定」
これは本来、銀行や金融機関の人向けの資格です。金融機関に入社するとまず間違いなく取得を奨励される資格で、「財務3級」「投資信託2級」「保険販売3級」「年金アドバイザー2級」など、銀行業務に関するさまざまな種目の試験が存在しています。
その中に「融資管理3級」という種目があるのですが、この試験では、銀行は企業のどういうところを見てお金を貸しているのか、もし返済が滞った場合はどのような手段で債権回収を図ってくるのか、といった生々しい知識やノウハウを学ぶことができます。つまり、「貸す側の視点」でのお金の知識が身に付くわけで、こうしたノウハウは会社経営に際して銀行からお金を借りる際などに大いに役立つ知識となるはずです。
【感想】
◆なかなか類書を見ないような切り口の1冊でした。まず著者の鈴木秀明さんは「資格勉強コンサルタント」ですから、当然「資格」についてはお詳しいです。
通常、「資格」がテーマになると、「受験」し「合格」するための勉強法を指南する、となるのが自然ですし、鈴木さんの過去の著作もそうでした。
ところが、本書では「資格試験を活用して勉強する」ことにより、「効率的で体系的なスキルアップを目指す」とのこと。
そして本書の第2章から第4章までの各章では、「学びたいスキル」がまずあって、そのために活用すると良い資格試験が紹介されるという構成になっています。
◆具体的には、まず「ビジネスパーソンとして身に付けておきたい各種のビジネススキル」がタイトルにあって、それに関連した3択の問題と回答が初っ端に登場。
続いて「こんなビジネスシーンで使える!」と題して、そのスキルのビジネスシーンでの活用方法が述べられています。
さらには「どうやってスキルアップする?」ということで、具体的な資格試験の紹介が。
上記ポイントの2,3番目は、この部分からの引用になります。
そして最後に、その資格試験の詳細情報(「稼げる最強の資格はこれだ!」)と、オススメのテキスト(「最強のテキストはこれだ!」)が収録されているという仕様。
なお、同じく上記ポイントの2,3番目でリンクが貼られている書籍も、ここからになります。
◆これだけだと資格のガイドブック(にしてはかなり高度ですがw)なところ、最後の第5章では「忙しい人でもできる時間をムダにしない勉強術」と題して、社会人の資格試験の勉強方法を指南。
これがまた1章だけなのに、中身が濃厚で付箋を貼りまくりました。
いきなり最初の小見出しからして
「忙しい」と言う人の本質的な問題は「時間がない」ことではないというもの。
「好きなバンドのライブ」や「合コン」のためなら時間を作るくせに、勉強や資格取得だとそれができない、というのは「単にそこまでの熱意がないだけ」とバッサリです。
確かに、そういうエクスキューズを言う人の場合、いざ時間ができたとしても、別の理由を付けて勉強しなさそうですが。
◆とはいえ、一般的なビジネスパーソンの場合、何とかして勉強時間を作らねばならないのは事実であり、そのためのTIPSが3つ掲げられていました。
その中で「なるほど」と思ったのが、「『考える』『アイデア出す』系の仕事は執務中にしない」というもの。
要は時間をかけたからといって良い案が出るものでもないので、執務中ではなく、フリーの時間に思いついたらやる、という風にしないと、時間はいくらあっても足りない、と。
それにアイデアは、入浴中などに思いついたりするものですから、むしろ積極的に机に向かわない方が結果が出せるかもしれません。
……もっとも、その中のもう1つのTIPSである「締切がある仕事はあえて締切ギリギリにやる」というのは、何かあったら、と思うと怖くてできませんがw
◆結局のところ、資格も活かし方次第、というのは上記ポイントの1番目にある通りです。
実は私は、話題目当てやプロフィール作りのためなら小型資格を取る価値はあるものの、「どうせ取るなら国家資格を」と今まで思っていました
ところが本書を読んで気が付いたのが、就職、転職を意識した上で、行きたい会社に合った資格であれば、たとえ国家資格でなくともかなりのアドバンテージを得ることができる、ということ。
また社内においても、異動したい部署に必要とされるであろう資格なら、これまた取得するのに越したことはありません。
まず、どんなスキルを身につけたいのかを考えた上で、該当する資格の勉強をする。
10年後に生き残るためにも、こころざしのある方は、ぜひトライしてみてください。
必要とされる人材になるために!

10年後に生き残る最強の勉強術
CHAPTER 1 あなたは、これからの厳しいビジネス社会で生き残っていけますか?
CHAPTER 2 生き残るために最低限必要なビジネススキル
CHAPTER 3 上に立つ人材になるために必要なスキル
CHAPTER 4 替えのきかない人材になる最強スキル
CHAPTER 5 忙しい人でもできる時間をムダにしない勉強術
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【編集後記】
◆本書によると、プレゼン能力をスキルアップするには、「プレ検(IPS認定プレゼンテーション力検定)」がオススメとのこと。そして「最強テキスト」として紹介されていたのがこちらです。

パーフェクトプレゼンテーション
……すいません、全然見た記憶もない気がw

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