2016年03月30日
【働き方】『超一流の処世術 余計な敵をつくらずに圧倒的な成果を生み出す方法』金田博之
超一流の処世術 余計な敵をつくらずに圧倒的な成果を生み出す方法
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、リアル書店で捕獲した仕事術本。いつもはある程度チェックしてから購入を決めるのですが、当ブログでは過去何度もプッシュしている金田博之さんが著者ということで、ノータイムでレジに直行しました。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
本書は、世界有数の外資系IT企業でグローバル全社7万人のなかから、世界上位2%の人物に7年連続で選抜された著者が、超一流のビジネスパーソンから学んだ独自の「成果主義時代の処世術」を初公開。
「結果はすべてではない」「謙虚は行動でつくれ」「上司のために仕事をするな」「主役を降りて引き立て役にまわれ」「事実をもとにアクセルを踏め」などを実践すれば、圧倒的な成果を生み出すトップタレントになれる!
真の「トップタレント」を目指す方なら要チェックです!
Multitasking / IntelFreePress
【ポイント】
■1.「上司のため」ではなく「上司の目的のため」に仕事をする例えば、上司が上に行けば、自分も引き上げてもらえるというのはよくある話です。
しかし、上司から気に入られることを目的に仕事をすると派閥が生まれます。同じように仕事をするメンバーと競争関係になりますし、上司が失脚した瞬間に、自分もだめになってしまうのはよくある話です。
そうならないためにも、上司のために仕事をせずに、それよりも「上司の目的」を大事にしたほうがいいのです。会社も目的に合わせて、その上司の処遇を考えています。上司が誰であろうが、自分は目的に向けて行動を集中することができます。
社内政治を生み出さない最大の秘訣は、人に対策することではなく、目的に集中することです。
■2.上司の優先順位を把握しておく
上司から評価を勝ち取れる人とそうでない人の最大の違いは、上司の優先順位を把握しているかどうかです。当然、上司が優先順位を高くしていることに貢献したほうが、評価につながりやすくなります。上司が優先順位を低くしていることで、いくら成果を出しても評価にはつながりません。言ってみれば当然のことなのですが、上司は求めていないのに、自分がやりたいことを優先的に行動している人が多いのです。
私はアクションリストのすり合わせを最低でも週に1度、上司や仕事の関係者と共同ですり合わせてきました。
■3.相手の魅力は「変化」に表われる
相手の魅力や長所を見つける際に、私が意識しているのはその場の雰囲気が「変化」するときです。
例えば、どんよりした会議の雰囲気が一変してよくなったときの誰かの発言、議論が進まずにいたときに議論が進み出したときの誰かの発言、誰も手を挙げない面倒な仕事に誰かが手を挙げたことで動き出したときなど、変化は必ず誰かの発言や行動がきっかけになっているものです。これらの場面では、人の魅力や長所が出やすいのです。
その瞬間を、メモで記録して逃さないようにします。さらに言うと、自分が苦手とする相手の長所に注目するのがおすすめです。自分が苦手とする相手との関係をつくる良いきっかけにもなります。
■4.相手のために動くときに気をつける5つのポイント
1.単なる雑用は安易に受けない
2.約束したからには中途半端な仕事をしない
3.自分本位で押し付けない
4.見返りを期待しない/恩着せがましいことを言わない
5.自分がやったと言わない
(詳細は本書を)
■5.ファシリテーションは処世術の中でも最重要スキルの1つ
処世術の文脈でいうと、ファシリテーションは「護身術」にもなります。余計な敵をつくらずに圧倒的な成果を生み出すときにとくに重要なスキルです。
公式の場である会議で、中立的な立場から、客観的に参加者に発言を促して、合意を形成しておけば、不必要な政治が発生することも少なくなります。
ファシリテーションを通じて、目的と目標、実現のためのアクションをしっかり共有できれば、余計な敵をつくらずに済みます。「足を引っ張りたくなる」よりも、「この人と一緒にこれらを実現していきたい」と思わせるように動機づけることもできます。その意味でファシリテーションは防具でもあり、武器にもなるのです。まさに身につけておきたいスキルの1つです。
【感想】
◆下記目次にもあるように、本書の冒頭では、『プロフェッショナルサラリーマン』でお馴染みの俣野成敏さんとの対談が収録されています。そこでお二人の間で共通した認識というのが、成果主義時代における出世の方法についてでした。
たとえば「成果の高低」「視点が他人か自分か」の「2軸4象限のマトリクス」で考えた場合、入社したときは全員「成果が低く、自分視点」です。
それが成長するにつれて「成果が高く、自分視点」となるものの、ここで終わってはいけない、と。
そこからさらに「成果が高く、他人視点」に進んでこそ、金田さんが言うところの「トップタレント」となれるわけです。
◆本書では、従来の自己啓発書や仕事術本が目指した「成果が高く、自分視点」にいる人を、メインのターゲット読者層と設定。
「お山の大将」ではなく、「トップタレント」を目指すためのノウハウを伝授してくれています。
たとえば第2章では「『謙虚』な人は余計な敵をつくらない」と題して、実績を上げつつも反感を買わない方法について言及。
個人的に興味深かったのが「嫌いな人のいいところに目を向ける方法」で、まず、その人のことが嫌いな理由を5つ書き出すのだそう。
理由を整理して書き出すだけでも一定の効果があるのですが、その「嫌いな理由」を「いいように考えるとどうなるか」を検討します。
たとえば「管理が細かい」だったら「管理能力が高い」、「自己主張が強い」だったら「アドバイスをもらいやすい」等々。
そしてこのように短所を反転させた長所を、嫌いな人との会話に組み込んでいくのだとか。
確かにこうされたら、相手も悪い気はしないハズですし、仕事がうまく進むこと必至でしょうね。
◆また「なるほど」と思わず唸ったのが、上記ポイントの2番目の「上司の優先順位を把握しておく」です。
自分も会社員時代、課長から「あれやれ、これやれ」と指示されたのとは別に、通常ののルーティンワークもあり、それらを自分なりの優先順位で処理していたものの、課長の優先順位とすり合わせたことなどありませんでした。
しかも金田さんいわく「優先順位は時間とともに変化する」のだそう。
本書では、実際に上司とすり合わせている状況が描写されているのですが、上司から指示が出された後に、「経営会議でもっと重要なアクションができた」と優先順位があっさり変更されてしまうというw
本書には「自分がいちばん重要と思っていても、上司からすれば重要だとはかぎらない」とあって、まさにその通りだな、と。
その辺をぬかりなくやっていたら、私の会社員生活も、もうちょっと充実したのかもしれませんが。
◆上記でも触れたように、本書は「すでに成果が高い」読者層を想定しているため、いわゆる「スキルアップ」的な要素は少なめです。
むしろ、成果を上げているのに、思うように出世できない人が、「いかに周りに認められて業績を上げていくか」、のノウハウが述べられている感じ。
私も入社3年目くらいから「課長補佐」のような仕事をやっており、陰では「生意気」と思われていた可能性があるので、本書の教えを知っていれば、また違った人生を歩んでいたかもしれません。
特に「忙しくても、忙しそうに見せないスキル」は、身につけておきたかったです(手遅れ)。
ただ仕事ができるだけでは、出世はできません!
超一流の処世術 余計な敵をつくらずに圧倒的な成果を生み出す方法
序章 なぜ、いま処世術なのか?俣野成敏×金田博之 巻頭特別対談
第1章 「結果がすべて」ではない
第2章 「謙虚」な人は余計な敵をつくらない
第3章 「目先の目標志向」を捨てれば覚悟が決まる
第4章 「引き立て役」に回れば成果は最大化する
第5章 「ファクト」をつかめば一気に最速化する
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【編集後記】
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ご声援ありがとうございました!
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